~キングスラムウォール四番街、ニャ・モンド....

ちゅんちゅん・・ちゅんちゅん・・
(晴天の昼下がり、いつものテラス席(日傘付き)にて、できたてホヤホヤのグラッチェリーパイ(「あみあみの部分は肉球柄」)を見下ろしている一人称視点)
ずいっ

ジーナ「??」ぱちくり(するメラルーのまんまる真っ黒瞳に映る、黒い厚手のフードを纏った美女もまた自分を覗き込む愛猫の仕草に目をパチクリさせている)
スヘイラ「いやニャ、しょのパイが大好きなジーナ様は、いっつもどんな顔して見下ろしているのか気になったんだニャ」ぱちくり

ジーナ「フフ・・これでは食べれません」
スヘイラ「笑ったニャ。しゃあ、どぉ~ぞぉ~♪」スッ(ご機嫌のまま顔をどける)
かちゃりこちょり(フォーク(左手)&ナイフ(右手)であみあみ肉球柄のパイをほぼ正確に均等に小分けしていく)
スッ・・(小分けしたパイの一部を左側の席で腰を下ろしている頭にターバンを巻いたパープル毛のメラルーの前に置いてある小皿の上に乗っけてやる)
アニャニャ・カーン二世「かたじけないですニャ。おお~この「ちぇり~ちぇり~」した極上の風味♪最高ですニャ」くんくん(猫鼻を差し出されたパイのぎりぎり上にもっていき、その香ばしい匂いを嗅いでいる)
ジーナ「フフ。さぁ、あなたも」スッ(同じくパイを右手に座るスヘイラの小皿にも乗っけてやる)
スヘイラ「UH~♪美味そうだニャ~♪」くんくん(同じく)
ジーナ「いただきましょう」ほにゃ~~♪(と鳴く左右の愛オトモ)
かちゃりこちょり!あんみゃんみゃん♪
(両指に突き立てた尖爪でパイをぶっ刺してかじりつくスヘイラ。二世の方はというと、ジーナを真似してかフォークとナイフで主同様、慎ましく食べたいのだろうが、まったくうまいこといかず悪戦苦闘するも、なんとかパイを口にもっていくことに成功する。そんな微笑ましい光景の中、極上のパイを楽しむ視点の主)
ザッザッザッザッ・・・(右側から複数のものであろうと思われる足音が耳に入ってくる)
ザッザッザッザッザッザッザッザッ
(その方向へ首を傾けると「ほそっこい公道」より豪奢なジュストコールを身に纏った男が隣に侍る若い従者に日傘をあてられながら、その後ろに複数の衛兵(ガーディアンシリーズに似た金属製の鎧(胸の中心には通常装備に見える「竜の紋章」ではなく、ウー家の紋章(中華風の黄金の昇り龍)が付いている)を装着)を引き連れてやって来る)
フッフッフッフッフッ(自分の存在に気づいて振り向いた視点の主に向かって、権力者特有のドヤ顔でわろうているジェイソンの「今日も」不健康そうな色白な顔)
Recollection No.1_35
スヘイラ「ニャんだあの野郎・・・ニャにちに来やがったニャ」ぺろぺろ(空になった皿を両手で持ち上げ、パイくずを舐めながら振り返っている)
アニャニャ・カーン二世「あいつの顔を見るとせっかくのご馳走が不味くなるニャ。ジーナ様、いかがいたしましょう」ぺろぺろ(こちらも既に食べ終わってしまった空の皿を両手で持ちながら同じことをしている。猫の性なのだ)
ジーナ「彼の目的は私です。すみませんが二人共、隣の席へ」
スヘイラ「安心するニャ、ジーナ様。あいつがニャにか下手な真似をしたら、あちきと二世様がすぐに飛びかかって喉を掻っ切ってやるからニャ」なでなで(席を立つ愛オトモの頭を撫でてやる視点の主。左手に見える二世は軽く拱手を見せながら視界より左側(店がある方向)へ移動していく)
ちら(視線をジェイソンの方へ向けると、何やら偉そうに衛兵達に指示を出している)
ザッ!!(ジェイソンはあまりにもスラムの道が「ほっそっこい」のと、店が「ちいちゃ過ぎる」と判断したのだろう。小道を占拠する衛兵達が「人ひとり分」歩けるくらいのスペースを空けながら建ち並ぶバラックに背を向け、「びっちり縦方向」に並んでいく。小道の奥ではスラムの住民たちがその光景を物珍しそうに見物している)
やぁ~やぁ~♪(と、ご陽気に歩いてくる色白貴族の隣では、ベックフォードが引き続き日傘を丁重に持ちながら我が主を紫外線より守っている)
ジーナ「ご機嫌麗しくなによりで」(テラス席に付いている日傘を「暖簾をくぐるように」中へ入ってきたジェイソンに座ったまま挨拶を交わす。それを楽しそうに見下ろしているジェイソン。その奥では手持ちの日傘をたたみながら、こちらに向かって軽く会釈するベックフォードの姿も)
ジェイソン「なにせ初めての「遠征」だからね。心が躍る」えっへん
ベックフォード「外へ出る練習をたくさんしたんですよ」こそり(と耳打ちしてくる)
ジーナ「・・・・・・・・・・」ちら(胸に手をあて、自慢げに立っているジェイソンの奥ではきっちり縦方向に並んでいる衛兵達の姿が)
ジェイソン「ああ・・あれね。僕は一人でも大丈夫だと言ったんだが、ベックフォードがどうしても連れて行けってきかないもんでね」えっへん
ベックフォード「ウー様の提案です。当初は私を含めて三人の予定でした」こそり
ジェイソン「ゴホン!・・・で、この粗末な椅子に座ればいいのか?」(ハンケチを取り出し、それを鼻にあてながらテラス席の椅子を見下ろしている)
ジーナ「ええ。どうぞ」
ジェイソン「うむ・・・」ごくり・・(何を緊張、拒否することがあろうか)
スッ・・しょっしょっしょっ

そろぉ~~~~・・・ちょん・・(ゆ~っくり様子を見ながら、決して背もたれには背面をつけず、椅子の縁ギリギリに腰を下ろし、ちょこんと姿勢良く座るジェイソン)
ジーナ「どうですか?初めての外街は」
ジェイソン「いやぁ~~すばらしい。王の名に相応しい耽美的なディストピアの世界に感動すら覚えている。風雅な暮らしを強いられている僕では到底体験できないコンシューマーの現実が城壁を囲っているからこそ、王都の価値が高まるというもの。このヴェルドの素晴らしき統制は、決して市民を抑圧する管理社会ではないということを証明しており、また同時にここで暮らす市民に対しての啓蒙を意味している。王都万歳、万々歳」(本場の発音と共に叩頭の真似事をしてみせるも決してその額をテーブルにつけることはない。またこの礼法から、ジェイソンがウー家に流れる東方の血をきちんと受け継いでいるということも窺える)
ジーナ「ご満足いただいているようで。何か頼まれすか?」
ジェイソン「うむ。君がデイリーオーダーしているという、そのパイと同じものを頼もうか」(目をキラキラさせながらパイを見つめている)
とっとっとっとっとっとっ・・(視界の左側より、腰の曲がった全体的に「すごく低い」見るからに老いぼれたメラルーのマスターが、すでにこの展開を予見していたかのように、できたてのチェリーパイが乗ったお盆をガクガク震える両手で運んでくる)
メラルーのマスター「ググ、グラッ、グラッチェリーパイ、お待たせ致しました・・ニャあああ」コトン・・(かすれ過ぎて聞き取るのが精一杯の声で説明決め込みながら、木テーブルの上にパイの皿をブルブル震えた猫手でやっとこさ置く。その一連のモーションを口を開けながらマジマジと見つめているジェイソン)
ジェイソン「おお・・・・・」(見下ろす先にはてやてや光るあみあみ部が肉球柄の黄金のグラッチェリーパイが)
メラルーのマスター「めめめめめめめめめ、召し上がれ・・ニャあああ」にっこぉ~(と少年のように目を輝かせるジェイソンに向かって優しく微笑みかける)
ジェイソン「・・・・・・・・・・・・」こくり(翁の顔を見つめながらゆっくりと頷く)
スッ・・・ぷるぷるぷるぷる・・(右手にフォークを持ち、高揚の震えと共に慎重にパイへ接触を試みるジェイソン)
かちゃり・・こちょり・・(左手に持つナイフで繊細な外科手術を済ませ、フォークに刺したパイを口元まで運んでいくジェイソン)
ちら・・こくり・・(パイを運ぶ手を一瞬止め、隣で微笑む猫の翁と顔を見合わせ、深く頷くジェイソン)
あ~~~~~~~~ん(大口を開けてパイを中へ突入させるジェイソン)
はむっ・・はむっ・・はむっ・・(しっかり味わいながら咀嚼を繰り返すジェイソン)
ジーナ「お味は如何ですか?」(その問に対し、口にパイを詰めたまま「ちょっと待て」のモーションをしてみせるジェイソン)
ジェイソン「・・・・・・・・・・・」ごっくん

ジーナ「・・・・・・・・・・・」(目の前のジェイソンは後味を堪能するように両目を閉じている)
ジェイソン「・・・・・・・・・・・」つぅ・・・(ジェイソンの目に涙が溢れる)
ベックフォード「なんと!そこまでか!!」(思わず声をあげる従者。後ろから「大袈裟だニャ」とスヘイラの声も)
ジェイソン「・・・・・・一炊の夢・・。味覚を通じて人生の儚さを知ることが出来ようとは・・・まさに栄枯盛衰の風味・・・。シェフよ。恐れ入った」へこり(後ろから「ニャにを見せられているんだニャ」とスヘイラの声)
ぽんぽん(頭を下げるジェイソンの肩を震える猫手で励ますように叩くメラルーのマスター)
うんうん・・とっとっとっとっとっとっ・・(頷きながら店の方へ帰っていくメラルーのマスターの顔は実に満足気である。「だからニャんニャんだ、こりは」とスヘイラの声)
さぁ、ウー様・・うん・・(と我が主の頬を伝う涙をハンケチで拭いてやるベックフォード。それに対し実に優しい声で返事をするジェイソン。「とっとと残りを食べろニャ」とスヘイラ)
ジェイソン「ああ・・すまない。お見苦しいところを見せてしまった。ところで・・・彼は東方八仙の獣人なのかい?是非、彼を我が屋敷の専属シェフとして招きたいのだが・・」あむあむあむ(と独り言を口にしながら残りのパイを堪能する。「んニャわけニャ~だろ」とスヘイラ)
ジーナ「遠路遥々来ていただいた甲斐があるというもの。貴重な体験に私共もうれしい限りでございますわ」(「嘘だニャ」とスヘイラ)
ジェイソン「うむ・・・実は今日、外街へ来たのは他にもう用事があってな・・」(「そりゃそうだろうニャ」とスヘイラ)
ジーナ「と申しますと?」(「ほんとにジーナ様のお心は寛大だニャ」とスヘイラ)
ジェイソン「先日、アーロン・・・もといバーニー・ブラントと共に屋敷を訪れたアースラという女に関して、実に興味深い噂を聞くことができた。それに関して君の意見を聞きたい」フキフキ(いつものように袖口から飛び出た「ビラビラ派手な」レース部で口を拭きながら真剣な眼差しでこちらを見つめてくる。「きたニャいから、しょの癖直せ」とスヘイラの声も飛ぶ)
To Be Continued

★次回ストーリーモードは6/6(木)0時更新予定です★