ジェイソン「空から舞い降りた・・白龍・・・」
メラルーのマスター「だニャ。UBUは確かにそう言っておったニャ」
ジェイソン「・・・・・・・・・・・・・・」ちら(こちらの様子を窺うように目線を投げてくる)
ジーナ「・・・・・・・・。ご両親と共に殺害されたというのは?」
メラルーのマスター「さぁニャ・・。ワシもそのことに関しては何度も聞いたんじゃがニャ、本人はそれしか覚えておらんとニャ・・・。一度光となって空に浮かんでいったが、両親から地上に戻るよう拒絶された次の瞬間、目の前に巨大な白い龍が舞い降りてきて、UBUを助けたそうニャんじゃ」
ジーナ「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ジェイソン「その後、アースラとは?」
メラルーのマスター「ついこの前じゃニャ。綺麗な白装束を纏っておってニャ。元気にやっておるから心配いらニャんだとニャ。またこうも言っておったニャ。神殿の規律が変わり、この老耄をUBU達がおる神殿に招き入れることが出来るかもしれニャんだとニャ」
ジェイソン「・・それで?なんて返答したんだい?」
メラルーのマスター「ワシはあの子が元気でいてくれさえすればそれでいいじゃニャ。でも、あの子が本当にそれを望めば、この老体に鞭を打ってでも叶えてやりたいのも事実じゃてニャ」
ジーナ「それでは神殿に?」
スッ・・(よぼよぼぶさぶさの猫手で視点の主の頬をそっと撫でるように触れてくる老猫の顔は希望に満ち溢れた笑顔を浮かべている)
メラルーのマスター「安心せえ。お前さんが望めば、いつでもパイを届けてやるニャ」にこり
Recollection No.1_37
「おじいちゃん、パイちょうだいな♪」ててててて(衛兵が立ち並ぶ小道を一人のお嬢ちゃんが快活な笑顔と共に駆け抜けてくる)
グッ(それに対し、いつものようにサムズアップで返答し、その場を去ろうとする翁猫)
ジェイソン「待ってくれ。まだ聞きたいことが・・」
メラルーのマスター「え?」
ジェイソン「・・・・・・・・・・・・」
とっとっとっとっとっとっ・・(そのまますんごい低い姿勢で視界から消えていくメラルーのマスター)
ジェイソン「・・・今の話。どう思う?」(テーブルに身を乗り出して感想を求めてくる)
ジーナ「我ら同様、龍を神格化する龍信者は大陸の至る所にいます。今の情報量では、何も言うことはありません」
ジェイソン「・・・・うーん・・。ベアトリクス家について、もっと詳しいことが分かれば、また進展があるかもな・・。デーモンの爺さんに頼まれ、王都から息子宛に花嫁候補を何人も神殿に派遣したが、彼が見向きもしなかった理由が今なら分かる気がする」ふ~~~
お嬢ちゃん「おじちゃん、中(王都)の人?」(と、物珍しそうにジェイソンを見上げながら話しかけてくる)
ジェイソン「ん・・ああ、そうだよ」(明らかに子供慣れしていない様子をみせている)
お嬢ちゃん「じゃあさ、貴族なの?」(目をキラキラさせながら聞いてくる)
ジェイソン「まぁね。すごい豪邸に住んでるんだぞ」えっへん(ジェイソンもまた子供のような対応をしてみせる)
お嬢ちゃん「へぇ・・・あたし、中に入ったことがないから、おじちゃんのお家がどのくらい大きいかさっぱり分からないや。あたしのうち、貧乏だし・・・」しょんげり・・
ジェイソン「・・・・・・・・・・・・」スッ・・(豪奢なジュストコールの懐からウー家の紋章入のハンケチを取り出し、テーブルに広げる)
お嬢ちゃん「??」
ショッ(再び懐に右手を入れ、羽ペンとインクが入っている小さな瓶を取り出す)
お嬢ちゃん「わぁ・・きれいなペン」ちょんちょん(その「豪華な羽ペン」をインクにつけているジェイソンの顔は少し自慢げ)
スラスラスラ・・(ハンケチに何かを書いているジェイソン。こちらからは逆さまだが、大陸文字で「彼女をウー家までエスコートして欲しい。ジェイソン・ウー)と書かれている)
ジェイソン「王都の門兵にこれを渡すといい。屋敷に来たら、一緒に庭園でハント・・・いや、動物に餌をあげよう」スッ(信じられないような顔をしてジェイソンを見上げているお嬢ちゃんにハンケチを渡す)
お嬢ちゃん「うん!」
とっとっとっとっとっとっ・・(実にナイスなタイミングでメラルーのマスターがおそらくパイが入っているのであろうバスケットを震える両手で丁重に運んでくる)
お嬢ちゃん「ありがとう。はい、これお金」
ジェイソン「っと、待った。マスター。彼女の代金は僕が支払おう」
メラルーのマスター「え?」
ジーナ「彼女の代金を支払ってくれるそうです」
メラルーのマスター「おお・・これはこれは奇特な御仁で」ほら(と明らかにお釣りが多いと思われる「ピカピカな銀貨」を渡すジェイソン)
お嬢ちゃん「ありがとう!おじちゃ・・・」ふぁさっ(さきほど貰ったハンケチを広げる)
ジェイソン「??」
お嬢ちゃん「ありがとう!ウー様!!」へこり
ジェイソン「・・・・・・・・・・・・・・・」(それに対し、鳩が豆鉄砲を食ったような顔してる)
お嬢ちゃん「それじゃあごきげんよう」
ててててて(衛兵が立ち並ぶ小道へ戻っていくお嬢ちゃん。一旦立ち止まり、振り返ってこちらに向かって手を振り、また元気よく走っていく)
ジェイソン「・・・・・・・・・・・・・・・」ふりふり

ジーナ「フフ・・小さなお友達ができたようですね。どうですか?初めての外街は」
ジェイソン「あーーーーー・・・なんというか・・・・うん。想定外だが範疇内。慣れないことは多いけどね。あの子への対応は哀れみや同情ではなく適した配慮によるものだ。深い意味はない」あむっ(思い出したかのようにパイをつまみ始める)
ジーナ「あなたの雅量には驚かされます。この外街での体験が、よりウー家のプレステージを高めるきっかけになったこと、私も嬉しく思います」
ジェイソン「児童福祉も悪くない。そしたら君を園長に命名しよう」あむっ
ジーナ「お戯れを。しかし、寂しくなりますわ。この店がなくなるのは・・」
ジェイソン「・・・・・・・・・・・・」かちゃりこちょり(何か考え込んでいる様子でパイを切っている)
ヒヒィ~~~~ン・・パカラッパカラッ

(鳴き声と共にウー家の使者と思しき男を乗せた馬が衛兵ロードを疾走してくる)
ジェイソン「ん・・・・」あむあむ・・(パイを頬張りながら振り向く)
伝令「ウー様!お屋敷より書状を預かってまいりました!」ヒヒィ~~ン

ジェイソン「馬鹿者!!すぐに馬から降りろ!!子供を跳ねたらどうするつもりだ!?」
伝令「!?」びくっ

ジーナ「フフ・・」
伝令「も、申し訳ございません」バッ

ジェイソン「書状とは?」
伝令「ハッ。白雪神殿より使者が参り、これをウー様に渡して欲しいと」スッ(手紙を渡す)
ジェイソン「うむ・・使者の名は?」
伝令「ルチア・ロッティと申しておりました。ウー様が不在だと分かると、その手紙を残して去りました」
ジェイソン「そうか・・悪いことをしたな・・。了解した。そのまま馬を引いて屋敷に戻れ」
伝令「ハッ!」
てくてくてくてく・・ヒヒィ~~ン・・(トボトボと馬を引いて衛兵ロードを戻っていく使者。道中、衛兵の一人が「ドンマイ」的な感じで使者の肩をポンと叩く)
ジェイソン「おそらく葬儀の日時だろう・・・やはりそうだ。バーニー・ブラントが私に是非、葬儀に出席して欲しいそうだ」スッ・・(封を開けた手紙をその内容が分かるようこちら側に向きを変えてテーブルの上に置く)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(見下ろす手紙には達筆な字で大陸文字が綴られており、日時が記されている)
ジェイソン「先ほどのアースラの話も気になる・・・彼女に直接、聞いてみるのがいいか・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(とこちらの視線を感じ取り、顔を上げるジェイソン)
ジェイソン「ちょっと待て。その顔は・・まさか君も同伴するつもりか?」
ジーナ「私は「まだ」何も申し上げておりません」フフ・・
ジェイソン「嘘だ。しっかりそのマゼンダの瞳に心象が表れているぞ。しかし困ったな・・・バーニー・ブラントは君の顔、それに声を少しでも聞けば感づいてしまうぞ?」
ジーナ「白装束は前回の訪問で手に入れました。あとはそちらで葬儀用の仮面でも用意して頂ければ、護衛兵としてお供致しましょう」クスッ(それに対しやれやれポーズをかますジェイソン)
スヘイラ「しょれならあちきもオトモするニャ~!!」ガバッ

ジーナ「ただ葬儀に参列するのではないのですよ?」(右肩の背後から愛らしい顔を突き出している愛猫に向かって言う)
スヘイラ「しょんなの分かっているニャ。今までの話はちゃんと「猫耳立てて」聞いていたもんニャ。お前が善意に目覚めている姿もしっかりこの眼に焼き付けたニャ」しししし(と長いマツエクの目を見開いて誇張してみせる)
ジェイソン「あ~~~~もう好きにしたまえ!!見つかっても僕は責任を取らないからな!!マスター!!グラッチェリーパイおかわりーーー!!」ちょん(と右肩から顔を出すスヘイラが差し出した右手の肉球(ピンク)に自身の左人差し指をちょこんと当ててハイタッチを交わす二人。視点の左側からはジェイソンのオーダーを予見していたかのようにメラルーのマスターがニコニコ微笑みながらパイが乗ったおぼんをヘコヘコと運んでくる)
To Be Continued

★次回ストーリーモードは6/13(木)0時更新予定です★