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Channel: あたちのモンハン日記
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Recollection No.1_53

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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(絢爛華麗な星景の下、ヒンメルン連峰を彩る白妙を帯びた万年雪が明度の低い薄暮の世界に映えている)


アースラ「・・いつ見ても心を奪われてしまう絶景ですよね・・」(夜景を見上げている視点の主の背後からゆっくりと歩きながら視界にフレームインしてくる)


キラァーーン・・キラキラ(流れ星の一瞬の煌めきがアースラの頭上を過ぎ去っては消えていく)


アースラ「子供の頃、寝る前に必ずやっていたことがあるんです」


キラァーーン・・


アースラ「ベッドに横たわりながら窓の向こうに見える夜空に流れ星が来ないかなぁ・・って・・・・気がついたらいつも朝になってました」フフフ


キラァーーンキラキラ



ジーナ「・・・・・・・・・・・」ふら・・(よろめきながら視界を覆うように手で遮る)


アースラ「子供の頃の夢が叶ったみたい。今では願い事をしたい放題なんです」にこっ(こちらに振り返り清純無垢な笑顔を見せる)


ドックン・・(その優美さに対し拒否反応を示すかのように濁った不純な紫紅色の血痕が角膜を覆い尽くし、視界越しに見える聖女の顔を塗り潰していく)


アースラ「でもここでは願い事はしないんです。だって・・既に叶っているから・・・」(見上げる聖夜に月の姿は見えない)


ドックン・・・ドックン・・!


アースラ「ルチアにマスター、おトキさんや吾郎さんやフランクさん・・・そしてバーニーと一緒にいられるだけで私は十分幸せなんです」キラァーーン・・(背を向けている彼女が眺める遥か彼方の夜空に流れ星が煌めく)


ショウーーーーーーン・・・・・・・
(その眩い星の光がアースラを包み込みながら、こちらに向かって迫りくる)


ジーナ「!?」




ギャオオオオオオオオオオ!!
(光が突然、白龍の形相となって襲いかかってくる)




ジーナ「!!!!」





「お待たせしました」





ジーナ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ハァ・・ハァ・・・・(よろめきながら振り向く先にはベックフォードとスヘイラ、そしてアーロンの姿が)

ベックフォード「・・どうかなされましたか?」ダッ(視点の主の様子を悟ったかのようにスヘイラが一目散に駆けてくる)

アースラ「大丈夫ですか?アンジェリカさんアセアセ」(心配そうに近づいてくる)

ジーナ「・・・・・・・・・・・・・・・」(スヘイラに腰を支えられながら、それを遠ざけるように手を振って心配ないと応える)

ベックフォード「急いで帰りましょう。今、馬車を回してきます」ダッ

アーロン「ずっと立ちっぱなしだったからな・・・きっと疲れたのさ。何か飲み物でも持ってこよう」

アースラ「ごめんなさい・・・私、自分の話に夢中になって・・・すぐに持ってきます」ダッ


とっとっとっとっとっとっとっ・・(実に良いタイミングでメラルーのマスターが神殿の入り口より「グラスの水一杯」が乗ったお盆を震える両手で慎重に運びながら現れる)


アースラ「さすがマスター♪」とっとっとっとっとっ(笑顔でアースラの横を通り過ぎていくマスター)

ジーナ「・・・・・・・・・・・・・・」ハァ・・ハァ・・・・(呼吸を整えるように姿勢を戻していく視点の主の前にメラルーのマスターが到着する)


にこっ(安堵しか覚えない笑顔で水を勧めてくる老メラルー)


ジーナ「・・・・・・・・・・・・・」ハァ・・・・・ハァ・・・・・・・(次第に復調をみせながら、「結構」と言わんばかりのジェスチャーをしてみせる)


ササッ(スヘイラはお盆のグラスを素早く取ると、視点の主をこちらへ来るように促す)


ザッ・・・コクッ・・(一行に背を向けながら、顔につけている面を少しだけ上げ、スヘイラが手渡してくれたグラスの水を飲む)


ジーナ「・・・・・・・・・・・・・・」スッ・・(落ち着いたことを示す静かな吐息と共にグラスをスヘイラに返し、ゆっくりと後ろを振り返る)


グッ(お得意の満面の笑みを浮かべながらサムズアップしているメラルーのマスター)


ジーナ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ベックフォード「大丈夫ですか?」

ジーナ「・・・・・・・・・・・・・・」コクコク(と二度頷いてみせる)

アースラ「ごめんなさい・・。私が早く気づいていれば・・・」

ジーナ「・・・・・・・・・・・・・・」(何も問題はないと身振りでジェスチャーして知らせる)


しょんげり・・(するアースラを励ますようにひらすら彼女に向かってサムズアップしているメラルーのマスター)


ジーナ「・・・・・・・・・・・・・・・」(その光景を静観している)


ワンワン!!


ジーナ「??」


はっはっはっはっはっはっはっDASH!(息を切らせた黒毛のシェパードがこちらに向かって一直線に駆けてくると喜びを表現するかのように視点の主の周りをクルクルと回りだす)


アースラ「あ、だめよ、アンマーニ!」


はっはっはっはっはっ・・クゥ~~~~ん・・(ひとしきり回ると、今度は視点の主の足元で丸くなってしまう)


アーロン「めずらしいな・・アンマーニが知らない人にあんなに懐くなんて・・」俺にはちっともなのに・・

アースラ「ほら、来なさい。残念だけどもうお別れなのよ」ずるずるずる・・(嫌がるアンマーニの後ろ両脚を引っ張っていく)


ちら・・(それとなくマスターの方を見る)


メラルーのマスター「・・・・・・・・・・・・・・・・・」(心中が読めない無表情を浮かべながらこちらを凝視している)

ジーナ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

アースラ「あ、そうだ。フランクさんたちは?」はっはっはっはっはっDASH!(お座りしながらこちらを見ているアンマーニを撫でながらアーロンに問いかける)

アーロン「寝かせてきた。ルチアはおトキさんが開放してくれてる。みんなにお別れを言えなくて残念そうだったけどね」パチりん(スヘイラに向かってウィンクしてみせる)

アースラ「そう・・・」

ジーナ「・・・・・・・・・・・・・・・・」スッ・・(一行の気をそらすように後ろを振り返る)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(視界に映る庭園エリアには多彩な寒冷地の草花が広がっている)


パンパンパンパンパン拍手(それをみたスヘイラが賛辞の拍手をしている)


アーロン「はははは。すごいよな。これもみんなアースラのおかげだ」

アースラ「みんなが手伝ってくれたからよ。私は何も・・」

アーロン「君が率先してみんなを動かしてくれたからさ。そして昔以上にきれいな庭園を作ることができた。感謝しているよ、アースラ」」ぽん(励ますようにアースラの肩に手を置く)

アースラ「・・・・・・・あ、そうだ」


タッタッタッタッタッ・・・スッ・・タッタッタッタッタッ
(アースラは何かを思いついたかのように花畑へ走っていくと、しゃがみこんで一本の花を摘むと、それを持ってこちらに走ってくる)


ジーナ「??」

アースラ「落陽草の花です。よかったどうぞ」にこっ

ジーナ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」スッ(軽く会釈をしてそれを丁重に受け取る)


バカラッバカラッバカラッDASH!(と馬車の手綱を引いたベックフォードが現れる)


ベックフォード「名残惜しいですが、出発しましょう」バッ(颯爽と御者台から飛び降りてくる)

アースラ「次はいつ来られそうですか?」

ベックフォード「そうだなぁ・・・・来月は予定がいっぱいだし・・・・」よっ(と馬車に繋げる低い階段を取り出しながら考え込んでいる)

アーロン「彼は多忙なんだ。また、時間ができたらいつでも来てください」むぅ~(と、つまらなそうにへちゃむくれな顔しながら腕を組んでいるアースラ)

ベックフォード「お心遣い感謝します。さ、アンジェリカさん」ガチャ(階段をセットして、馬車のドアを開けて中へ促す)


へこり・・(一同に深々と会釈する視点の主とドラゴンマスクのスヘイラ)


ぴょ~んぴょ~んDASH!(馬車の中へ意気揚々と乗り込んでいくスヘイラに続いて階段を上がっていく視点の主)


へこり・・(進行方向とは逆の座席に腰を下ろしながら、こちらに向かって手を振っているアースラとその足元でお座りしながら尻尾を陽気に振っているアンマーニに向かって軽く会釈をする)


メラルーのマスター「・・・・・・・・・・・・・」うんうん

ジーナ「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ベックフォード「それでは閉めますよ」パタン・・

ジーナ「・・・・・・・・・・・・・・・・」フーーーー(安堵のため息をつく。向かいの席では同じくスヘイラもやれやれポーズをしてみせている)

ベックフォード「それではまた」(外から声だけが聞こえてくる)

アーロン「ああ、ベックフォード」

ベックフォード「はい?」

アーロン「例の件・・頼むよ」

ベックフォード「・・・かしこまりました。ですが、あまり期待はされないように」

アーロン「ああ。忙しいのにすまない。代わりといってはなんだが、フランクのことはこのまま任せてくれ」

ベックフォード「お願いします。それではアースラさん、マスター、おやすみなさい」

アースラ「おやすみなさい。今度ルチアと一緒に王都へ行ったら、お屋敷を訪問しますね。ダメ元で」

ベックフォード「ははは。楽しみに待っていますよ。それじゃあ。ハッ!!」ヒヒィ~~~~ン






Recollection No.1_53






バカラッバカラッバカラッバカラッ
(小窓よりヒンメルン連峰の頭上に広がる夜空を見上げている視点の主)


ジーナ「ご苦労様でした」スッ・・(仮面をそっと外す)

スヘイラ「もうくたくたニャ・・」カポン(マスクを脱ぐと「ブサブサ」になった毛が疲労感を示すように逆だっている)

ジーナ「あなたの率直な感想は?」

スヘイラ「問題ニャさそうですニャ。ドスパパヴェルも順調に育っているし、庭園の植物も「売れそう」なものばかりだったニャ」

ジーナ「そうですね」(と、アースラから貰った落陽草の花を見つめている)

スヘイラ「きれいなお花ニャ」

ジーナ「・・・・時に美しすぎるが故に起こる、罪のない媚態が惨事を招くこともあります。彼女にはあまり接近しない方がいいでしょう」

スヘイラ「・・・・分かったニャ。犬もジーナ様の匂いで気づいていたみたいでしたしニャ・・・しょれよりお体は大丈夫かニャ?」

ジーナ「少し立ちくらみがしただけです。もうすっかり平気です」なでなで(身を乗り出して愛猫の頭を撫でてやる。すごく嬉しそうな顔のスヘイラ)

スヘイラ「バーニー・ブラントのヤツ、最後にベックフォードに何をお願いしていたニャ?」こそり

ジーナ「さぁ・・・彼にはいくつか質問があります。それはまた・・・王都に帰還してからということで・・・」


ゴトゴトゴトゴトゴトゴト・・・
(揺れる車内の小窓越しにいつの間にか姿を現していた、どこか薄気味悪く見える朧気な月がすべてを見透かしたようにその存在感を際立たせている...)



To Be Continued







★次回ストーリーモードは8/8(木)0時更新予定です★






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