~王都ヴェルド....

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(ゴシック建築風の尖頭アーチの陰(礼拝堂だろうか?)から遠目に見えるウー邸前を「監視」している一人称視点(視界の上と両端にはいつものように深々と被っている黒いフードの素材が映っている)。屋敷の前には使用人と思われる服装を着用した男性と、王都に相応しくないみすぼらしいワンピースを着た少女が話しをしているのが見える)
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(喪服を着た女性がこちらに向かって軽く会釈をしながら通り過ぎていく。それに対し視点の主もまた目を伏せるように会釈をして交わす)
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(再び顔を上げ、ウー邸の前を見ると、平坦に長く続く塀に沿いながら少女が歩いていく姿が見え、その背後では黒を基調とした錬鉄の門の前に立ち尽くした従者がその小さな背中をただ見送っている)
??「いっそのことフランクのバカ野郎に教えてやったらどうニャ」
とっとっとっとっとっとっ・・(長いマツエクの隠密毛のメラルーが左上より神聖な日差しが溢れるアーチ状のひたすらに長い回廊を「ほそっこいキュートな脚」でエレガントに「とっとと」歩いてくる)
スヘイラ「哀れ極まりニャい。あのまま「待ちくたびれた大人」にでも成長したらどう責任を取るつもりかニャ」やれやれ
ジーナ「ベックフォードさんもまだ帰還されていないようですね。見慣れない使用人が対応していました」
スヘイラ「あの子の相手をするのが嫌になっただけかも」ぽすん(腕を組みながら壁にもたれかかる)
ジーナ「収穫は得られましたか?」
スヘイラ「はいニャ。ジーナ様の予想通り、あの使用人は新人みたいですニャ。王都内の信者から聞いた話では最近、ウー家で人材の「入れ替え」があったらしいニャ」(屋敷を見ると先程の使用人が鉄格子の門を閉めているのが見える)
ジーナ「ジェイソン・ウーの存在ごと、一掃しようという魂胆でしょう・・・気になるのはその「処理」についてです」
スヘイラ「ジェイソンが前に言ってたニャ。「死人に口無し」。毒殺でもしてあとは外街の解体屋に委託すれば「ニャにも」問題はニャいんだから。ヴィリエを殺したのがあちきたちだと知ったら、どうするつもりかニャ」
ジーナ「純真の裏側に秘めた悪逆無道の性質・・・今やウー家の全権は彼の手中にあります。その計画を彼一人で行ったのならば、いよいよ警戒しなければなりませんね」ふぅ~~~・・(懸念を含んだ息を大きく吐く)
スヘイラ「みゃ~どちらにしても、あちきらに楯突くようなら返り討ちにしてやるだけニャ」
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(建造物の中から喪服を着た参列者の集団がぞろぞろと外へ出てくる。それに邪魔にならぬようスヘイラと共に壁側へ身を寄せる)
スヘイラ「殺された使用人の遺族だったりしてニャ」ククッ(と「黒い」喪服を着た集団を尻目に呟く)
ジーナ「真相を知りながらも権威者が強いるレギュレーションに服従せざる得ないのもまた、世俗の不文律というもの。どうか彼女にもその兆しが芽生えてくれれば良いのですが・・」(喪服の集団越しに、頭部以外をレイアシリーズに身を包んだハンター風の女性と白装束を纏った女性の二人組が大タルを積んだ荷台を引きながらウー邸の前へ進んでいくのが見える)
スヘイラ「ルチアとアースラニャ・・」ササッ・・(それとなく壁際に身を伏せる)
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(鍵が掛けられた鉄格子の門を「ガチャガチャ」と開けようとしているルチア。それを見て注意を促しているアースラ)
ジーナ「収穫したドスパパヴェルを引き渡しに来たのでしょう」
スヘイラ「でもベックフォードは留守だニャ」
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(鉄格子の門を「蹴り破って」荷台を邸内に引いていくルチア。その一連の行動を見たアースラは当然のようにルチアに向かって怒号を飛ばしている)
スヘイラ「下手したら王都のガーディアンに捕まるニャ

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(予想通り、邸内の警備兵に呼び止められるルチアとアースラ)
スヘイラ「気をつけニャいと引っ叩かれるニャ」フフ・・(期待の眼差しでワクワクしながら見物している)
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(案の定、警備兵がルチアを抑えようとした瞬間、彼女の鋭いフックが警備兵のみぞおちにクリーンヒットする。その場に崩れ落ちる警備兵を見て悲鳴をあげるアースラ)
スヘイラ「ありゃいてぇニャ

ジーナ「大丈夫。ちゃんとベックフォードさんが使用人に引き継ぎをしているはずです」
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(ジーナの予見通り、屋敷より物音を嗅ぎつけて外に出てきた先程の使用人が、慌てながらルチアたちの元に駆け寄っていく。ルチアは「一乙」して倒れている警備兵を蹴り転がしてどける。そして転がった警備兵にすかさず薬草を与えているアースラ)
スヘイラ「本当に関わりたくニャ~連中だニャ

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(不審者を怪しむ使用人にベックフォードから授かったのであろう書状を自慢げに見せつけるルチア。アースラは丁寧に口頭で説明している。「小回復」を受けた警備兵は首を左右に振りながらよれよれと起き上がる)
スヘイラ「頼むから問題ニャく「ブツ」を引き渡しておくれニャ

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(目の前に広げられた書状の内容を目で追っていく使用人。確認がとれたのか、すぐに「フラフラしている」警備兵に荷台の大タルを下ろすよう命じる。それを見て満足げなルチア。アースラは一緒にタルを下ろすのを手伝っている)
スヘイラ「ふ~~~~。ニャんでこっちが心配しニャいといけニャいんだか・・

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(空になった荷台を引いて外に出ようとするルチア。アースラは使用人たちに丁寧に挨拶をしている)
ジーナ「戻ってきます」スッ・・(スヘイラと共にアーチの陰に隠れる)
ガシャーーーーーーン・・(屋敷の外に出てきたルチアがここまで聞こえる音量で鉄格子の門を豪快に閉める)
スヘイラ「これからどうするつもりかニャ・・」
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(ウー邸の前で何やらミーティングをしている二人。直に話しがついたのか、ルチアは荷台を引いたまま、先程の少女が消えていった方向へ進んでいく。対象的にアースラは反対の道を選んで陽気に歩いていく)
スヘイラ「ルチアは外街に向かうつもりニャ」
ジーナ「買い出しでしょう。私はアースラさんを追います。あなたはルチアさんを」
スヘイラ「了解ニャ!」
しょっ!!しょっ!!しょっ!!
(実にすばしっこく断続的に続くアーチの陰から陰へと移動していくスヘイラ)
ジーナ「さて・・・・・・・」バッ(フードをより深々と被り直す)
カツカツカツカツ・・・(礼拝堂の前に募る参列者の人混みに紛れながら目の前を歩いていく白装束の女性を尾行していく)
Recollection No.1_54
ガヤガヤガヤガヤ・・・
(人が行き交う快活な王都の市場を楽しげに物色しながら歩いていくアースラの無邪気な後ろ姿)
ガヤガヤガヤガヤ・・・(十字路の手前で立ち止まり、懐より広げた地図らしきメモを見ながら右に曲がっていくアースラ)
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(次第に活気は消え、簡素な石造りの住宅街へと入っていくアースラ。それらの外装からして、どうやらこのあたりは中流階級者が住まう住宅地のようだ)
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(石道の真ん中で遊んでいる子供たちに何やら話しかけているアースラを遠目に、視点の主もまた歩くペースを自然に落としていく)
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(子供たちに礼を言って再び陽気に歩きだすアースラを絶妙な間隔をもって尾行していく)
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(やがて人通りの少ない物静かな区画に入っていく。視点の主は再びアーチの陰に隠れながらアースラの所在を確認する)
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(メモを広げ、とある住居の前に立ち止まっているアースラ。メモを懐にしまうと、今度は別の用紙を広げ、その内容を再確認するように見つめている)
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(何かを決意したように頷き、ドアをノックするアースラ)
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(暫く間をおいて、ドアが開き(ドアはこちら側に開かれているので、中からどのような人間が出てきたのかは目視できない)、アースラは家主と思しき人間と挨拶を交わしてから中に入っていく)
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(ドアが閉められ、あたりを静寂が包み込む)
カツカツカツカツ・・・(アースラが中に入っていった住居に接近し、それとなくドアを見ると小さな看板が張り付いており、そこには大陸文字で「助産師リーネル」と書かれている)
ああ・・・(と視点の主は納得したように小さく声を漏らすと、再びフードを被り直す仕草をみせた後、淡々と住宅街をあとにするのであった...)
To Be Continued

★次回ストーリーモードは8/12(月)0時更新予定です★