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Channel: あたちのモンハン日記
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Recollection No.1_56

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~ヒンメルン山脈....

スチャ・・(薄いブルーのフィルターに覆われたスコープ視点。逆巻く吹雪の中、十字線からなるクロスヘア越しに息を切らせた満身創痍のドスギアノスが身体中の至る部位に刻まれた痛々しい傷創から生暖かい鮮血を垂れ流し、万年雪に覆われた平坦な雪山エリアの白い大地に真紅の軌跡を描きつつ、片足を引きずりながら遅々たる歩みで逃走している様が見える)


チャ・・(ボウガンを下ろすと視点の主が岩場の陰に隠れていることが見て取れる。また視界にブルーのフィルターがかかって見えるのは、彼女が例の葬儀用仮面を装着しているからであろう、面の内側に貼られた薄いガラスが吹雪を遮断しており、視界の四方には仮面の「目の穴の縁」も映り込んでいる)


ジェイソン「間違いない。あれがターゲットだ」(左を向くとマフモフシリーズに身を包んだ彼が双眼鏡で岩場越しに見えるドスギアノスを観察している)

ジーナ「・・・・・・・・・・・・・・」チャッ・・(深緑なフレームを持つヴァルキリーファイアをジェイソンに手渡す)

ジェイソン「ヒンメルン一帯に生息するギアノス科の個体群を減少しかねないほど、あいつは狂暴化してしまったんだ。君も知っての通り、彼ら種族は同種間の縄張り争いをしない社会性モンスターとしても有名だ。そんな彼らに「叡智」を見出した書士官の手記を読んだことがあるが・・・見ろ、あの身体中に刻まれた哀れな傷跡を・・」スッ(ボウガンの代わりに双眼鏡を彼女に手渡す)

チャッ・・(今度は双眼鏡越しにドスギアノスを覗いてみると先程より明確に姿が目視でき、皮膚に刻まれた生々しい傷のすべてが「爪痕」であることが確認できる)

ジェイソン「同種の群れに襲いかかり、逆に返り討ちにあったのだろう・・・おそらく認知症だ」


ヒュウウウウウウウ・・・ボスン・・(力尽きるように真っ白な積雪のマットに倒れ込むドスギアノス)


ジェイソン「孤高のドスギアノスか・・・盛者必衰の理は彼ら(モンスター)の方が過酷なのさ。かつては群れを統率した長老たるドスギアノスの終焉が、まさか今まで守ってきた仲間に追放され、誰もいないこんな場所で朽ち果てようとはな・・・睡眠弾をくれ」ザッ(ボウガンを片手に颯爽と立ち上がる)


スッ・・(言われるがまま彼にカラ骨弾薬を手渡す)


ジェイソン「せめて最期は安らかに・・・」ガッションハッ(手慣れた様子で弾を込める)


チャ・・(立ち上がったまま吹雪など目もくれずスコープを覗き、遠方のターゲットに照準を合わせるジェイソン。それを確認すると再び双眼鏡を覗いて倒れ込んでいるドスギアノスに焦点を合わせる)



ドウーーーーーーーーーーーーーン!!
(発砲音から刹那に横たわるドスギアノスの身体にカラ骨弾が突き刺さる)



ヒュウウウウウウウウ・・・・(傷つき倒れたドスギアノスは暫くしてすやすやと眠りだす。不思議とその顔は穏やかにみえる)


スッ・・(双眼鏡を静かに視界より下ろす)


ジェイソン「任務完了。っと、本物のハンターの場合、こういう時はクエストクリアと言うんだけっか・・・どうだい?前より射撃の腕も上がったろ?」スッ・・(こちらに手を差し伸べる)


フッ・・たしっハッ(鼻で微笑をみせると目の前に差し出された「無骨な狩人の手」をしっかりと握って立ち上がる)






Recollection No.1_56






ブワッハッハッハッハッ!!
(見慣れた神殿内の応接間に豪快高笑いが反響している。白装束に着替えたジェイソンはいつもどおりこちらに背を向けたソファに深くもたれかかりながら先程のヴァルキリーファイアを掲げ、隣にちょこんと座るベックフォードに向かって自慢げに見せびらかしており、その光景を向かいのソファに座る白装束を纏ったアーロンとお馴染みのブルーを基調としたメイドシリーズを着こなした「お腹の大きい」アースラが仲睦まじく寄り添いながら温かい目で眺めている光景。また「ヘラ」の姿が見えないことから今回は帯同していない様子である)


ジェイソン「このボウガンはドリスが僕に授けてくれた素材をもとに作ったんだぞ?かつてのように取り寄せたものじゃあ~ないんだ」チャッDASH!(と銃口をベックフォードに向ける)

ベックフォード「あ、危ないですよアセアセもし間違って発砲でもしたら大変です」あたふたアセアセ

ジェイソン「昔の話だ。今の僕はアンジェリカに見せても恥じないくらい、ボウガンの扱いが上達したんだぞ」グリグリ(銃口を嫌がるベックフォードの頬にグリグリする。「ひえええええアセアセ」と典型的な怖がり方をするベックフォード)

アーロン「じゃあ昔は彼女の方が?」

ジェイソン「遠い昔話さ。ドリスが僕を鍛えてくれたおかげで、もう尻もちをつくことはなくなったよ。だろ?」(と、振り返りこちらの様子を窺ってくる)

こくり(そっと頷いてみせると満面の笑みを浮かべるジェイソンの顔が)

アーロン「フランクは君に自慢したくして仕方なかったんだ」こそっ(としながらもみんなに聞こえるように話す)

ジェイソン「当たり前さ。なんてったって、この僕があの雌火竜相手に「撃退」までもっていったんだからね。あの時の恐怖に満ちたドリスの顔をみんなにも見せたかったよ。あれがギルドのクエストだったら、討伐までいけたけどね。なにせカールとドリス夫妻は良きライバルであり、僕の師でもある存在だ。むやみな殺生はここ(白の同盟)の理念に反する。それは君の意志でもあるからな、バーニー」すりすり(と銃身に少し傷だらけの顔面を擦りつけている)

アーロン「ああ。そのうち、カールとドリスにも「肉の差し入れ」でも持っていかないとな」ハハハハハ(相変わらず憎らしいまでに光る白い歯を輝かせながら、かつ爽やかにわろうている)

アースラ「ねぇ、その火竜の夫妻にも赤ちゃんが生まれたんでしょ?」すりすり(嬉しいぽっこりお腹をすりすりしながら聞いている)

アーロン「ああ。この前、巣を見に行ったときはまだ「たまご」だったからな・・もう生まれたかな・・」

ジェイソン「君がお望みなら、ここまで「運搬」してこようか?」ブワッハッハッハッ(額に手をあててわろうている。に対し、ぜんぜん笑っていない仏頂面のアースラ)

アーロン「この子が生まれたら、彼らの子供に修行をつけてもらうか」すりすり(とアースラのお腹を撫でる)

アースラ「まだハンターになるって決まったわけじゃないでしょ?男の子か女の子か、まだ分からないんだし」まったくもぉ~(と「あんまん」みたいに膨れた顔して呆れている。これぞ「あんまん呆れ」という)

ジェイソン「君らの血を受け継いだ子供なんだ。メサイアの妖精に匹敵する狩人になると思うがな」フフ・・

アーロン「オクサーヌのような女の子か・・・・外見はいいけど、あまり凶暴過ぎてもなぁ・・・」(顔を見上げ、回想しながら独り言を呟く横でパートナーの顔を見上げて微笑んでいるアースラ)

ジェイソン「お前も早く世継ぎを作って僕を安心させろ」チャッ(と再び銃口を向ける)

ベックフォード「な、なにをご冗談をアセアセ代わりを務めることができても、血統までは引き継げませんタラー

ジェイソン「相変わらず融通がきかない奴だな・・・ルチアなら素早く銃口を叩くなり、僕の首筋に向かって「鋭いチョップのカウンター」をしてくるだろうに・・。そうだ。ルチアなんてどうだ?逞しい子が生まれるぞ」

ベックフォード「笑えません。彼女に今の話を聞かれたら僕まで引っ叩かれます。・・そういえば彼女は?」

アースラ「今日は「遅番」なの。皆さんにお会いできなくて残念がってましたよ」ふふふ

ジェイソン「『正当な後継者』だけ、作っておくのも・・ありかなぁ・・・」ちら(っと意味ありげにこちらの顔を覗いてくる)

ベックフォード「あ~~~~~っと!!もし「あれ」でしたら、自分も検討してみます!!その・・本当に自分でよければのお話ですが!!」あ、そう(と他人事ジェイソン)

アーロン「ハハハハハ。名家の後継ぎとなると大変だな。その点、俺たちは気楽なもんだよ」ねぇ~~~~♪(と見せつけるように円満さをアピールする二人)

ジェイソン「子供が生まれる前に式を挙げろ。僕の気が変わらないうちにね」ふんだ

ベックフォード「いいですね!やりましょうよ!!ウー家も完全バックアップします!」とん(と薄い胸を叩く)

アーロン「う~~ん・・・」(とアースラと顔を見合わせる)

ベックフォード「どうしてです?神殿内でも公認の仲でしょう?」

ジェイソン「だからさ。神殿の連中に気を遣ってるのさ」やれやれ

アースラ「お気持ちだけ受け取っておきます。私たちは、この子が無事に生まれてくれるだけで十分です」(とお腹を撫でる)

ジェイソン「ロザリー家の末裔が、どんな大人になるのか楽しみだ」ハハハハハハ



ドックン・・(マゼンダの血痕が視界に浮かび上がり、その微笑ましい光景すべてを侵食するように塗り潰していく)




コンコン・・ガチャ・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(開かれたドアの方を振り向くと同時に何事もなかったかのように視界は元通りになっている。ドアの向こう側から、ごちそうの乗ったワゴンを押してくる「メイドネコシリーズ【スノーホワイト】」(純白の下地に氷晶のようなデンドライトの模様が薄く描かれた獣人専用のメイド服)を着た薄紫色のアイルーと和蒸籠を頭の上に掲げながら運んでくる「シンプル板前ネコスーツ【下積み時代】」を装着した赤虎猫の獣人が部屋に入ってくる)


おトキ「お夕食をお持ちしました」キコキコキコ

吾郎「あんまんも持ってきやしたぜ」

ジェイソン「おお!グラッチェリーパイにあんまん!!」

ベックフォード「ずいぶん感激されていますが、毎日食べているのですよね?」かちゃりこちょり(とソファテーブルいっぱいに料理とあんまんを展開していく二人の猫獣人)

ジェイソン「だから飽きないのか?とでも言いたいのか?」滅相もありません(と食い気味に顔を背けるベックフォード)

おトキ「さ、アースラ様もお食べになってくださいな」かちゃり(アースラのお食事だけ見るからにヘルシーな主食・主菜・副菜からなるバランスのとれた献立となっている)

アースラ「あたしもあんまんがいい~~~!!」糖質過多、めっ!!(と食い気味におトキさんに叱られる始末)

ジェイソン「うわははは。その分、狩人でたくさん「運動」をしてきた僕がしっかりと炭水化物の塊を食べてやろう♪」あちちち(と右手にあんまん、左手にグラッチェリーパイという「夢のラインナップ」)

吾郎「さぁ、ベックフォードさんも食べてくだせぇ。さぞ頭を使ってばかりでしょうから、糖分を補充しないといけやせんでしょ?」コト(と一際でかいあんまん(頭頂部中央には赤い斑点)が乗った大皿を置く)

アースラ「あ!!試作品3005号!!できたんだ!!」

吾郎「それも「亜種」です。これも姐さんとマスターの努力の結晶でございまさぁ・・」ううう・・(袖で涙を拭っている)

ベックフォード「そう言われると食べないわけには・・・マスターはお元気ですか?」

アースラ「それが・・」

ベックフォード「??」

ジェイソン「病気なんだ。少し前にね、咳が酷くなって・・ここ最近はずっと寝たきりの状態だ」(それとなくこちらにもことの重大さを知らせるように首を傾けて伝えてくる)

ジーナ「・・・・・・・・・・・・・・・・」

おトキ「食欲もないみたいで・・何を運んでいっても召し上がられないのです」

アースラ「マスター・・・・」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(一同の沈黙はマスターの容態が良くないことと、そしてその先に待っている悲しい結末を既に覚悟している様子にみえる)


ジェイソン「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ちら(一同に悟られぬよう、目を合わせず何かを促すように首を傾けてくる)


スッ・・(軽く会釈をして部屋を出ようとする)


ベックフォード「あれ、アンジェリカさん、食事は?」

ジェイソン「まったくお前は気が利かない奴だな。彼女にだって生理現象はあるんだぞ?」

ベックフォード「あ・・す、すみませんでしたタラーど、どうぞ」ハハハハハ(と背後から一同の笑い声が聞こえる)

ジェイソン「っと、アンジェリカ。マスターが寝ている部屋は「レストルームに近い」から、もし酔っ払っている連中が辺りにいたら、部屋に戻るよう促してくれ」

へこり(ドアの前で少し首を背後に傾けて頷く)


ガチャ・・・・・カチャリ・・(ドアを開け、振り返って再び軽く会釈をしてから静かにドアを閉め、応接間を後にする)


ドックン!!
(変貌したように廊下の方へ素早く振り向くと同時に視界が鮮血に染まっていく)



To Be Continued






★次回ストーリーモードは8/19(月)0時更新予定です★


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