ゴオオオオオオオオオ・・!!
(俯瞰視点。山頂エリアの崖っぷちで我が子を抱きしめながら蹲るアーロンと彼の側に寄り添うアースラの背後から膨大な雪煙の残り香が立ち昇ってくる)
マモーナス「忌々しい。貴様の色を見ているだけで反吐が出る」ゴオオオオオオ・・(眼前に立ち込める白煙のような雪煙に視界が覆われていく)
バサアアアアアアアアン!!
(視点の主が霧を振り払うように巨大な両翼を羽ばたかせる)
フオオオオオオオオオオ!!
(龍属性エネルギーを纏った赤紫の突風により吹き飛ばされた粉雪が山頂エリアを突き抜けながら消失していく)
バッサバッサ・・バッサバッサ・・
(羽ばたかせる重厚な翼の音と共に再び山頂エリアを見下ろすと、ゆっくりと立ち上がったアーロンが目の前に立ち尽くすジーナの方へよたよたと歩いていくのが見える)
ジーナ「その子を渡しなさい。そして自由になるのです」(両手を広げて受け入れようとしている)
アーロン「ジーナさん・・・あなたは知っていたのですね?俺たち親子の一部始終を・・」ああああああああん!!(泣き続けるムーアを右腕にしっかりと抱きしめながら歩み寄っていく。その背後では両膝をついたアースラが悲観に暮れた表情でパートナーの背中を見つめている)
バッサバッサ・・バッサバッサ・・
(絶望の最中、山頂エリアの中央で見つめ合うアーロン・ロザリーとジーナ・ジラント)
ゴオオオオオオオオ・・・・(その時、先程とは別の角度から雪崩が生じ、再び山頂エリアを激しい雪煙が覆っていく)
マモーナス「干渉するなと言ったはずだ。邪魔をするな!!」
ボオオオオオオオオオオオオン!!
(視界の先に伸びる巨大な黒龍の鼻先が大きく上向き、口から紫紅色の球体状のエネルギー弾を雪崩が起きた地点に向かって勢いよく放つ)
ドワアアアアアアアアアン!!
(雪崩自体を破壊する大爆発が起き、白雪の蒸発を飲み込む黒煙が瞬く間に辺り一面を覆い尽くしていく)
マモーナス「さぁ、赤子を捧げるのだ。アーロン・ロザリーよ」(首を下げ、覗き込むように山頂エリアを見下ろす)
バッサバッサ・・バッサバッサ・・
(霧雪が晴れ、ジーナのもとに歩み寄っていくアーロンの姿が見える。またその光景をアーロンの後ろから静観していたアースラもまた、パートナーを止めるように駆け寄っていく)
アースラ「だめぇえええええ!!」
アーロン「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」はぁ・・はぁ・・・(息を切らせながらジーナの目の前に辿り着く)
ジーナ「あなたは正しい選択をするのです。その決断に後悔はないでしょう」
アーロン「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」(諭されたように静かに頷く)
アースラ「誑かされちゃ駄目!!バーニーーーーー!!!!」
マモーナス「ハッハッハッハッ。いいぞ。甘い希望など見出すから慟哭をあげる羽目になるのだ」
バッサバッサ・・バッサバッサ・・
(傍観を続ける俯瞰視点の山頂エリア中央、アーロンが赤子を抱きながらジーナの横を黙って通り過ぎていく)
マモーナス「??」(不可思議な様子に思わず長い首を傾げながら眼下のアーロンを目で追っていく)
アーロン「親父・・・・あいつさえいなければ・・・!!」
ゴオオオオオオオオオ・・・・・(爆発が起きた傾斜地点から雪景色とは対照的な黒煙を上がる中、山頂エリアではアーロンが小さな墓標に向かって歩いていく)
アーロン「俺はシュレイドを滅亡へ追い込んだ暴君の子、アーロン・ロザリーだ!!そしてこいつがすべての元凶だったんだ!!」(右手で背中に背負っている火竜の大剣を抜く)
アースラ「バーーニーーーーーー!!」(ジーナには目もくれずアーロンのもとへ駆け寄っていく)
バギャアアアアアアアン!!
(因果を振り払うかのように大剣を薙ぎ払い、父の墓石を破壊するアーロン)
アーロン「次はお前の番だ!!マモーナス!!」ガイン(こちらに向けて炎剣リオレウスの刃先を向けてくる)
Recollection No.1_63
マモーナス「哀れな。運命の戦争に抗うつもりか?」(眼下の小さな人間に向かって問いかける)
アーロン「そうやって人の心を誑かし、さもしい争いを起こさせているのは誰だ!?お前を倒せばすべてが終わる!!そしてここにいるすべての者に自由が訪れる!!」(その言葉に同意するように寄り添ってくるアースラにムーアを託す)
マモーナス「誹りの唾罵は届いても、真義の刃は届かぬぞ」フフフ・・
アーロン「そうやって貴様は自らの手を汚さず、傍観の限りを尽くしてきたんだろう!?降りてこい!!卑怯者め!!」(同じくアースラもまたその純真な蒼い瞳でこちらを睨んでいる)
マモーナス「貴様らと我では比にならん。稚拙な修飾語でいくら挑発しようと無駄だ。忘れたか?我が何を望むのか・・」
バッサバッサ・・バッサバッサ・・
(凛とした表情でこちらを見上げているアースラの姿を確認する)
マモーナス「それは貴様らの絶望を喰らうことだ」
フオオオオオオオオオオン!!
(口先から黒焔の矢をアースラに向かって放つ)
アーロン「うおおおおおおおおおお!!!!」(大剣の刀身を横向けながらアースラを庇うように彼女の目の前でガード体勢に入る)
バギャアアアアアアアアアン!!
(黒焔の鋭い矢が炎剣リオレウスの刀身に当たると爆発が起き、火炎を帯びながら木っ端微塵に砕け散る)
アーロン「どうした!?貴様の刃はこの火竜の大剣さえもへし折れぬか!?」
マモーナス「焦るな。絶望というのは突然に途方もなく現れるもの。ジーナ。赤ん坊を奪え」
ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・・(四方で生じる雪崩の影響を受け、山頂エリア全体が揺れ動く中、使命を授かったジーナがロザリー親子にそっと近づいていく)
アーロン「ジーナさん!!目を覚ませ!!あなたはあいつに操られているだけなんだ!!」(我が子を守るように抱きしめるアースラを背中に隠す)
ジーナ「その子もまた、運命の戦争の渦中に放り込むおつもりですか?」
アーロン「運命の戦争とはなんだ!?それはあの黒龍が勝手に引き起こしているだけに過ぎない!!」
ジーナ「それが大陸世界の運命だからです」(怯むことなくじりじりと二人に近づいていく)
アースラ「なぜこの子を欲しがるのです!?我が子を奪われた私達が絶望に暮れる姿を見たいのですか!?」
フオオオオオオオオン!!
(アースラの言葉を遮るように再度、黒焔の矢を放つ)
アースラ「きゃああああ!!」ズシャアアアアアアン!!(赤黒いエネルギー体から成る大きな矢が二人の目の前の地面に突き刺さる)
アーロン「ムーアを連れて逃げるんだ!!」
マモーナス「そうはさせるか」
フオオオオオオオオン!!
フオオオオオオオオン!!
フオオオオオオオオン!!
(立て続けに黒焔の矢を山頂エリアに向かって吐きつける)
アーロン「危ない!!」(アースラに覆いかぶさる)
ゴオオオオオオオオオオオオオ!!
(噴き上がるマグマのような四面楚歌の黒い炎の壁が山頂エリアの中央で倒れ込むロザリー親子を逃さんとばかりに燃え盛る)
アーロン「アースラ!!」ゴオオオオオオオ!!(黒炭のスポットライトを全身に受けながらパートナーをしっかりと抱きしめる)
アースラ「ムーア・・・」おぎゃあああああああ!!(胸の中で悲痛の叫喚をあげる我が子を静かに抱きしめる)
マモーナス「観念しろ。貴様らの求める希望の道とは畢竟荊棘。絶望の前に朽ち果てるのだ」
アーロン「クッ・・・!!」ザシュッ・・(大剣を地面に突き刺し、しっかりと柄を握りながら立ち上がる)
ギョオオオオオオオオオオ!!
(不気味な黒いファイヤーウォールがまるで意思を持っているかのように醜悪なうねりを見せながらアーロンに襲いかかる)
アースラ「バーニーーー!!」
アーロン「クソぉおおおおおお!!!」ブオオオオオオオン!!(大剣で迫りくる黒炎を薙ぎ払う)
マモーナス「せいぜい足掻くがよい。希望とは直に訪れる絶望の糧に過ぎないことを思い知りながら死に絶えろ」
アーロン「黙れ!!」ブオオオオオオオン!!
ゴオオオオオオオオオオオオオ!!
(猛り狂う黒い炎の渦を掻い潜りながら、ロザリー親子に近づいていくジーナの姿)
ジーナ「その子をこちらへ」ゴオオオオオオオ!!(白装束を身に纏っている彼女の全身に纏わりつく赤紫の炎の鎖がその色を次第に黒く染めていく)
アーロン「来るな!!ムーアに指一本触れさせるものか!!」ガイン(大剣の刃をジーナに向ける)
アースラ「あなたたちの望みは私達が絶望と共に息絶えることなのですか!?そんなことに何の意味があるというのです!!」おぎゃああああああ!!
ジーナ「強大な力の前では暗示的な価値などという道徳的観念は絶無。さぁ、闇の前に跪きなさい!!」バオオオオオオオン!!(全身から黒い炎を放射させると、黒く淀んだ装束が露わになる)
アースラ「近寄らないで!!」
フォオオオオオオオオオオオオン!!
(一瞬にして輝いたアースラから白いオーラが放出されジーナを吹き飛ばす)
マモーナス「やはりな・・。ベアトリクス家・・・・龍使徒の末裔か・・」
アースラ「マモーナス!!私の望みを聞いてくれますか!?」
マモーナス「望み?」
アースラ「それが欲しいのでしょ!?ならば今度は私と契約しなさい!!」
To Be Continued

★次回ストーリーモードは9/12(木)0時更新予定です★