ムーア「キンババ!早く早く!!」(股間をおさえながらあからさまに臆している彼に声をかける)
キンババ「やっぱりやめようよ

バオ~~~~~~~~~ン!!
(振り返ると超巨大建築物の不気味な石材ベースの竜頭が、まるで大型輸送機の格納庫へ繋がるゲートのように大口を開いて待っている。また中へ繋がる大きな木板スロープもまた、この巨竜の舌のように見え、入り口である上顎部と下顎部には大理石と思われる素材で作られた巨大な石牙が無数に接合されており、より一層、ドラゴンの口まわりを再現していると思われる)
キンババ「帰る」くるっ



Recollection No.5_15
ルチア「なにしてんだ?行くぞ」ドッドッドッドッ・・(とレイアグリーヴの重厚な足音を鳴らせながら木製スロープを上っていく)
ムーア「待って、ルチア!」とっとっとっとっ

ほえ・・・(と天井(竜頭の上顎部)を見上げると、アーチ工法(石材を円形に積むことで上部からの圧力を側面へ逃がし、その内部に空間を造る建築術)で造られており、石材の隙間にはびっちりとモルタルが埋め込まれているのが見え、その天井から突き出ている悪魔の爪のような大きな竜牙もまたネンチャク草などでしっかりと接着されているようだ)
ルチア「大陸広しといえども、こんなめちゃくちゃなアーキテクチャで作られた建物なんか見たことねぇぜ。竜人の一級建築士が見たらびっくりすんだろうな」(まるで洞窟のように暗いアーチの中を歩いていく)
ムーア「なんか臭いね」くんくん(と石床を見ると所々に骨付き肉の残骸や空ビンが転がっており、中には「なぞの頭骨」までもが見える)
キンババ「急に襲ってきたりしないよね

ムーア「ルチアがいるから平気だよ。あたちもいるし」むん(とその力こぶを頼るようにしっかりと両手で掴んでくる健気なキンババ少年)
??「こりゃ珍しいお客さんだな」
ちら・・(声が聞こえた方へ首を傾けると、石壁に空いた穴の中に見える階段(明らかにアーチ完成後、無計画な増築を図ったと思われる)から、ボロボロの装束を纏った「裸足の」こ汚い長髪&長ひげの男がランタンを片手に降りてくる。おそらくこのみすぼらしい男はキャッスルの住民なのだろう、降りてきた階段は住居の方へ繋がっていると思われ、改めてこの異様な巨大建築物が集合住宅であることが再確認できる)
キャッスルの住民「ちょうどいいところに出くわしたぜ。龍の食道は暗いからな、このランタンを買っていかねぇか?安くしておくぜ」ひひひひ
ルチア「失せな。モールにつけば灯りはいらねぇし」しっしっ

ムーア「ねぇ、食道って?モールって?」
ルチア「ああ、入り口から繋がるこの一本道のダンジョンのことさ。そんで食道の先にある胃の中には、ショッピングモールがあるってわけ。だからストマックモールなんて呼ばれるんだ」(と呑気に歩いていく)
ムーア「ルチアは何回も来たことあるの?」てってってってっ(遅れないよう小走りで並走しながらルチアを見上げて質問する。またキンババもそれに続いてくる)
ルチア「輸送をしにちょくちょく外街には来ているが、毎回じゃねぇな。昔は物珍しさによくモールに来たけどな。もう飽きちまった」ふぁ~あ(と完全に慣れた様子であくびしながら歩いている)
キンババ「パスはどうしたんです?」てってってってっ
ルチア「ん・・昔の連れに貰った」(突然この話題になると同時にむくれた顔になる)
ムーア「恋人?」てってってってっ
ルチア「っせぇ。この話はもうおしまい。ほら、ついたぞ」(前を見るよう促してくる)
ムーア「ほえ・・・・」ちらり
ギョボーーーーーーーーーン!!
(トンネルを抜けると広々とした面積と天井の高いドーム型円形広場に中央が吹き抜けになったショッピングモール(円状の外壁に沿う形で横並びに密着した各店舗(ぱっと見だけでも鉱石屋、素材屋、宝石屋、武具屋、鍛冶屋、料理屋、絵描き、骨董品売り場、薬局などが目視でき、それら各店舗を隔てる「店の枠組み」は、古びた木製素材を基礎とした簡易的な組み立て式販売台で商いをする者もいれば、鉄鉱石などを使用した鉄製の枠組みを持つ大型屋台で料理屋を営む者もいる)が階層ごと(1~3F)に区分して展開されており、吹き抜けの中央に設置された「如何にも後付け増築感満載な」木製の螺旋階段(実に不安的そう)を上がって、2階、3階のショップが並ぶ通路へと行くことができる)が突如としてその賑やかな姿を現す。またモール内には、今まで通ってきた暗い内部通路の殺伐とした雰囲気とは対照的に様々な照明具(店舗の机などに置かれた色とりどりなランタン、各種蝋燭をはじめ、灯り代わりに燭台の上に設置された綺羅びやかな各種鉱石や館内を漂う光蟲や雷光虫たちがモールに幻想的かつ異世界的な「逆にサイバーパンクな風情」を演出してくれている)が設けられており、各フロアには「何処にこれだけ隠れていたのか?」と思えるほどの(人型&獣人種からなる)人混みが和気あいあいとショッピングを楽しんでいる姿も確認できる)
キンババ「すごい・・」あ~~っしゃい!!(と新たな来訪者に気づいた店主が早速の活気だしをかましてくる)
ムーア「見に行こう!!」(とキンババの手を引っ張り、フロア内に向かって駆け出していくと同時に背後からは「あ、待て!!」とルチアの声が)
ワイワイガヤガヤニャ~ニャ~

(と賑やかな人混み(視点の主は「まだちいちゃい」ので、大人たちの腰しか見えない)の隙間から、興味津々に自分の好きそうな店を物色している)
おいでおいで

ムーア「いってみよう」うん!(とキンババ)
胡散臭そうな店主「お嬢ちゃんたち、ストマックモールは初めてかい?」(ちいちゃくこ汚い販売台の上には美しい鉱石の欠片が雑多に置き並べられている)
ムーア「わぁ・・キレイ・・・」(ざっと見ただけでも緋鳶石(紅)、輝竜石(緑)、燕雀石(青)、霊鶴石(紫)の欠片であることが見て取れる)
胡散臭そうな店主「そうだろ?お嬢ちゃんたち、お金は持ってるかい?」
ちら(キンババを見るもすぐさま首を左右に振る)
ムーア「あたち達は持ってないけど、ルチアなら持ってる」
胡散臭そうな店主「ルチア・・・なっ!お前らあいつの連れ子か

ルチア「こんな所にいやがったのか。ったくすばしっこい・・・って、よぉ。まだ店じまいしてなかったのか?」(とやってくる)
胡散臭そうな店主「ハン!買わねぇなら失せろ!」しっしっ

ルチア「そんな口聞いていいのか?てめぇが売ってる鉱石はあたしらが採掘してるんだぜ?一番街の商人に頼んで、てめぇとは取引するなって言ってやってもいいんだけどなぁ~・・?」
胡散臭そうな店主「あ~ん!悪かったよ!で、今日は何しに来たんだ?」
ルチア「あ~、それなんだが・・・」そそそそそ・・(彼女が店の机に肘を置いて落ち着こうしたところを見計らい、再びキンババの手を引っ張って、人混みの中に消えていく視点の主)
キンババ「大丈夫?怒られない?」ガヤガヤニャ~ニャ~
ムーア「いいのいいの。それよりも、もっといろんなお店を見て回ろう!」
キンババ「うん!」
ワイワイガヤガヤニャ~ニャ~

(周囲を群がる人混みの頭上から漏れてくる多彩な灯りを受けながら、大人たちの「邪魔な」腰や同じ背丈の獣人たちを掻い潜って探索を開始していく...)
To Be Continued

★次回ストーリーモードは11/14(木)0時更新予定です★