Quantcast
Channel: あたちのモンハン日記
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2669

Recollection No.5_45

$
0
0

ビュオオオオオオオオオオ
(背後より追い風となっているモンスーンの勢いを借りながら宿屋通りを一直線に駆け抜けていく)


外は危険です!ここは我々にお任せください!!
(バンガローの隙間より何やら警告を発する声が聞こえてくる)


バッ(小屋と小屋の隙間に入り込み、壁を背に向こう側の様子をそっと覗き見る)


ビュオオオオオオオオオ
(吹き荒れる砂塵の中、街の防衛隊と思しき城塞遊撃隊の男二名と、どこぞのお屋敷のメイド一人が何やら話し込んでいるのがうっすら見える)


メイド「ですが身代金を持っていかないとお嬢様の命が!!」ビュオオオオオ(よく見るとメイドは鞄をぶら下げている)

城塞遊撃隊A「我々が代わりに運びます!!」ビュオオオオオ(強引に現金が入っていると思われる鞄を奪う)

城塞遊撃隊B「指定された場所は!?」ヒョオオオオオ

メイド「移民地区との境界線にモニュメントを象った石像があるみたいです!そこに置いていけと指示が書いてありました!これです!」(風で吹き飛ばないように身を屈めながら脅迫状らしき用紙を広げて見せている)

城塞遊撃隊A「・・・・・・現金を確認したら子供を屋敷に返す・・・・了解しました!お嬢様は必ずや我々が救出してみせます!ですので今はお屋敷にお戻りください!」

メイド「ああ・・こんなときに旦那様が留守だなんて・・・これ以上、ローゼンクロイツに不幸が起こらぬようお願いします!!」


ヒョオオオオオオオオオオ
(砂埃の奥へ消えていくメイドを見届けている遊撃隊員)


城塞遊撃隊A「よし・・俺は鞄を置いてくる。その間にお前は本部に戻って応援を・・・って、今はほとんどの連中が外の警戒にあたっているんだったな・・」

城塞遊撃隊B「だからさ。犯人はモンスーンが来るのを待っていたんだろう。念の為、本部に報告した後、ギルドにもこの事を伝えてみる」

城塞遊撃隊A「おい、まさかギルドナイツを出動させるつもりか?」

城塞遊撃隊B「違うよ。連中が近い将来、犯罪捜査の特別機関を設立するっていう話をお前も聞いたことがあるだろ?もしかしたら力を貸してくれるかもしれない。犯人は移民エリアに潜伏しているに違いないからな・・人数が多いに越したことはない。エリアを包囲するんだ」

城塞遊撃隊A「そうか・・ハンター達も力を貸してくれれば・・」

城塞遊撃隊B「絶対にとっ捕まえてやる。ローズマリーさんのためにもな」

城塞遊撃隊A「ああ・・・だからこそ人質の命が最優先だ。俺は鞄を置いたら、すぐに隠れて犯人が現金を取りに来るのを待つ。尾行して人質の居場所を確認したら、連中が逃亡しないよう見張っているから、お前たちで探してくれ」

城塞遊撃隊B「移民地区はそれほど広くはないからな。すぐに見つけてやるさ」

城塞遊撃隊A「幸運を。それじゃあ後で」


ガシッ(二人は拳を突き合わせるとすぐさま互いに別々の方向へと走り去っていく)


ビュオオオオオオオオオオ
(その姿を砂嵐がかき消していく)


ムーア「どえらい事件になってもうてるタラー






Recollection No.5_45






ヒュオオオオオオオオオオ
(その場に立ち止まり砂に塗れながら何やら考えている様子だ)

ムーア「ビリーのバカ・・・こんなことしちゃって・・一体どうするつもりなのさ・・・」ヒュオオオオオ・・


ちょんちょん(と視点の主の肩に何者かのお手が触れてくる)


ムーア「ぎゃあああああああああ!!」びくんハッ(ビクつきながら振り返ると...)

キンババ「ぎゃあああああああああ!!」びくんハッ(同じくこっちの予想以上のリアクションに驚愕している彼の顔が)

ヴィルヘルム「バカ野郎。大声出すんじゃねぇ。先公共に気づかれたらどうすんだ」ガシッDASH!(と視点の主とキンババをそれぞれの手で自分の顔へ引き寄せる)

ムーア「なんだ・・あんた達か・・・って、来ちゃったの!?」

キンババ「小屋から出ていく君の姿を見ちゃったんだから仕方ないだろう?放っておくわけにもいかないし・・僕はもちろん先生に報告しようって言ったんだよ?そしたら彼が」

ヴィルヘルム「仲間を売るつもりはねぇ。俺たちでロージーを助けるぞ」

ムーア「なんでそれを知ってるの?」

キンババ「君がクシャクシャにしていった手紙を読んで慌てて追いかけみたら、盗み聞きをしている君を発見したんだ。だから僕らも黙って話を聞いていたのさ。今じゃ聞かなければ良かったと思ってるけど、ロージーのことが心配だ」

ヴィルヘルム「夕方、ビリーの奴が一人だったのは、きっとデービスとケイシーにロージーをさらってくるよう命じた後だったんだな。あの野郎」

キンババ「立派な犯罪だよ。やっぱりここはプロに任せて・・」

ぐいっDASH!(キンババの耳を引っ張りながら移動開始する)

キンババ「いたたたたアセアセどこに行くのさ?!」

ムーア「決まってるでしょ?移民エリアよ」

ヴィルヘルム「ロージーがあそこまでの近道を教えてくれたろ!?ガーディアンより先に行くぞ!」




ビュオオオオオオオオオ!!
(一段と風が強まり、視界が砂塵で埋め尽くされていくのをじっと堪えながら、物陰より(大タルの中から顔を覗かせながら)移民エリアの小さなモニュメントを見張っている)

キンババ「やっぱり三人だとギュウギュウだねタラー」(左を向くと間近に彼の顔が)

ムーア「服の中に砂が入るよりマシでしょ?」

キンババ「確かにそうだけど・・わっ!また目の中に砂が入ったアセアセ」ぐりぐりグー

ヴィルヘルム「おい!来たぞ!」(同じ樽内、すぐ右側から彼の声が)


ビュオオオオオオオ・・・・・
(先程の城塞遊撃隊(Aの方)が、鞄を大事に抱えながら慎重にエリアインしてくる)


ムーア「ビリーのバカ。いくらくらい要求したんだろう」

ヴィルヘルム「相場は100万Zが妥当ラインだな。金持ちの家なら、すぐに用意できる現実的な金額だからだ」

キンババ「まさか君の家(バールボーン家)もやってるんじゃないだろうね?何も起こりませんように・・」あわわわわわ


ヒョオオオオオオオ・・・・・
(若干風が弱まったのを確認すると、小さなモニュメントに添えるようにして鞄をそっと置く遊撃隊員)


ヴィルヘルム「ビリーのクソはまだ来ねぇな」

ムーア「きっとどこかからケイシーとデービスに見張らせているに違いないよ」


ビュオオオオオオオオオオ
(遊撃隊員は再び風が吹き荒れるとすぐに近くにあるバラックの裏側へ退避していく)


ムーア「いい調子。この砂埃ならどこに隠れたか見えない」あ~~(と納得のキンババ)



ビュオオオオオオオオオオ



ヒョオオオオオオ・・・・



オオオオオ・・・・・・・・・・・・・
(風が弱まり、視界が良好になっていくと移民エリアの奥から猫背のケイシーと、顔面と目を真っ赤にさせたデービスがこそこそと登場してくる)



ヴィルヘルム「プッ!!見ろよ、デービスのあの顔。昼間ぶつけてやった激辛ケムリ玉の効果だ」ククククッ(と同じく必死になって笑いを堪える視点の主)


きょろきょろ・・(その赤鬼のような形相のデービスがあたりを警戒している)


ムーア「ププッ!!ご覧よ、あのバカな顔!マジキモいんですけど!」

キンババ「静かに!バレちゃうよ!」し~~~っ


スッ・・がさり・・・
(ケイシーが鞄をおそるおそる取り、中身を確認する)


ムーア「まずそうするように、ビリーに「きつく」言われてきたのね・・」


お~~~~~~~
(と、中身の現金を見て感動しているケイシーとデービス)


ムーア「ププッ!!あのデービスの驚いた顔!!レウスより真っ赤かも」よせって(と笑いを堪えるヴィルヘルム)


きょろきょろ・・
すってってってってってっ・・ずでぇ~ん・・
(警戒しながら鞄を盗み、その場を去っていく二人。道中、デービスが豪快に転び、同時にズボンもまた豪快に脱げる)


ムーア「ブッーーーーー!!もう勘弁して!!」マジ腹いてぇ(とヴィルヘルム)


ばか!何してんだ!?早く行くぞ!!
(必死にズボンの位置を直しながら起き上がるデービスに向かってケイシーが怒号を飛ばす)


ムーア「ごめんよぉ~~とか言ってるよ、きっと」ククククッ(とヴィルヘルム)


すたたたたたたたた・・・・
(暗がりの移民エリアの奥へと消えていく二人)


ムーア「はぁ・・笑い疲れた・・」

キンババ「見て!」


バッ・・スタタタタタタ・・(同じく二人の姿を確認した遊撃隊員が姿を現し、すぐさま尾行を開始する)


ムーア「よし。あたちも行く」バッDASH!(大タルから飛び抜ける)

キンババ「どうするのさ?」シュタッ(と着地決め込む後ろから彼の疑問が)

ムーア「ビリーはあたちに一人で来いって言ったのよ?」よいしょっ(とキンババに手を貸してやる)

キンババ「素直に従うつもりなのかい?」バッ(と大タルから出る。隣ではヴィルヘルムがよいしょよいしょと自力で脱出している)

ムーア「ビリーの考えなんてお見通し。あいつはこのすべての犯行をあたちになすりつけるつもりなんだよ」

ヴィルヘルム「それを分かっていて、行くつもりか?」

キンババ「そうだよ。彼らなんてガーディアンに任せておけばイチコロだよ」

ムーア「そうだよ。だからロージーが心配なんだよ」

キンババ&ヴィルヘルム「??」(互いに顔を見合わせる)

ムーア「考えてもご覧よ?大都市のガーディアンまでも出動する大事になってることも知らない小心者でおバカなビリーは、きっと追い詰められて、取り返しのつかないことをするに違いないよ。例えば、ガーディアンに囲まれた挙げ句、人質のロージーに手を出すなんてこと容易に考えられる」

キンババ「切羽詰まったビリーの顔色が想像つくね。最悪の結末だ」

ヴィルヘルム「で、俺たちはどうすればいい?」

ムーア「さっきのガーディアンがビリーたちの姿を見ちゃう前に引き止めて欲しいの」

キンババ「ええ?!なんでさ!?」

ムーア「こんなことがバレたらビリー達は投獄されちゃうかもしれないのよ?ビリー達だって、一応、学園の仲間でしょう」

キンババ「・・・キャロルムーア・・・。君は本当に・・」

ヴィルヘルム「クソお人好しだな」パンハッ(とハイタッチする)

ムーア「必ずあたちがビリーを説得してみせる」ビュオオオオオオ!!


To Be Continued







★次回ストーリーモードは3/5(木)0時更新予定です★



Viewing all articles
Browse latest Browse all 2669

Trending Articles