
ニャンだってこにょ しょんだらこにょ
(へんてこな「猫会話」を背景に日傘付きのテーブル席にふんぞり返りながら、「グダッと」見慣れた四番街のL字道(スラムの殺風景だが雑多な景色)を視界に映している)
ムーア「ふぁ~~~~あ・・・・・」あ~こにょ!くしょ~!!
ちら(気だるそうにテーブル側を振り返ると四人テーブルのそれぞれの席に着席している民族衣装を纏った猫型の獣人が、各自「ふさふさモワモワな両手」にメラルーの絵柄が表側にプリントされたカードの束を広げながら、試行錯誤を示す独り言を「ニャアニャアブぶつぶつ」と呟いている。また、テーブルの中央には各自が切ったと思われるカードの山がこんもりと積まれており、視点の主側には、A3サイズほどのかなりぶ厚めな写本が置かれている)
ムーア「まだぁ?」ウ~~~~~(対面の茶トラ猫が業を煮やしたように唸り声をあげているのをこちらから見て左側に座っているアメショー猫がニヤニヤしながら傍観している。また右側の赤ぶち猫はまだかまだかとなんだかソワソワしている)
アメショー猫「ほれ、早くするニャ」ウ~~~~~
茶トラ猫「分かってるニャ!少し黙ってるニャ!!」シャアアアアアア

ムーア「はぁ・・・・」
ちら(振り返った先には、獣人しか入れないサイズ感のちいちゃい木造レトロ風バンガローが見え、その屋根下には「Antique shop NyaNya堂」と書かれた看板が「ちんまり」と見える)
茶トラ猫「これニャらどうだニャ!!」しょれっ!!(と、手持ちのカード二枚をテーブル上に聳えるカードの山に叩きつける)
ひょれっ・・(カードの山に接したカード二枚のうち、一枚だけがひっくり返り、釜を手にした死神メラルーの絵が見える)
茶トラ猫「やったニャ!!トライ成功ニャ!!」くしょ~~~~!!(と悔しがる両サイドの猫たち)
ムーア「へぇ~~~、やるじゃない」しっしっしっしっ♪(と、カードの山に両手を伸ばし、おそらく取り分と思われる枚数を根こそぎ自身のテーブル側に寄せていく)
赤ぶち猫「パスだニャ。トライ成功の次にやるんじゃ不利だからニャ。しゃあ、ムーア」にっにっ(とフサフサな左手で「しっし」しながら催促してくる)
ムーア「そうねぇ・・・・」チャッ・・(猫型の懐中時計で時間(昼時だろうか)を確認する)
がちゃ・・(店側をそれとなく振り返ると、ちいちゃいドアが開き、中からスカーフェイスなメラルー(首元に唐草肉球柄の紺色マフラーを、腰には革性のベルトを巻き、衣類は纏っていない部族的な「雄らしさ」を感じる)が、小袋を片手に下げながら外に出てくる)
ムーア「賢い選択ね。OK。一気に勝負を決めるわよ」(それを確認すると手持ちのカードを振りかざしながらテーブルの方へ体を傾ける)
アメショー猫「ニャッ!?あのフォームは!?」
茶トラ猫「ましゃかここであの大技をやるつもりかにょ!?」
ムーア「はちょ~~~~~~~!!」(大袈裟に右手に持つカードを振りかぶる)
すぺぇ~~~~~~ん

(カードの山の頂上に叩きつけた全てのカードがひっくり返りながら、まるで自分の意思を持つかのようにそれぞれの配置につくと、それはそれは美しいカードのピラミッドを作り上げる)
赤ぶち猫「げええええええええええ!!!!サイエンス・APEX・トライアングル!!!!!」ブブーーーー!!(その大技を前に大胆な「カルチャーショック」を受けた三人の猫たちは、こぞって鼻血を吹き出しながら高揚すると、そのまま後ろに椅子ごと倒れてしまう)
ムーア「悪いわね。あたちの一人勝ちってことで」しっしっしっしっ♪(と、両手ですべてのカードを自分側に引き寄せる)
はぁ~~~~~あ・・・
あんニャ大技を見せられたら、やってられニャいニャ・・
(と、三人の猫は愚痴とおもらしを共にもらしながら、各自、懐より紙幣を取り出し、乱雑にそれをテーブルに投げつけながらその場を去っていく)
ムーア「毎度ありぃ~~♪あたちがここにいる時はいつでも勝負を受けるわよ♪」もうやらニャいニャ

ピッピッピッピッピッピッ

(と嬉しそうに紙幣の束を数える対面の席に腰を下ろしてくるスカーフェイスのメラルー)
スカーフェイス「ずいぶん稼いだな。見せな」ちょいちょい(ドスの利いた声と共に紙幣をよこせと鋭い爪が伸びる指でちょいちょいしてくる)
ムーア「偽札チェックなら勘弁よ。前もそう言って多めに取られたし」(と、紙幣越しに疑念の視線を飛ばす)
スカーフェイス「おめぇはまだガキだから知らねぇだろうが、シュレイドにはまだ偽札がうようよ出回っているんだ。いいから見せろ」ちょいちょい
ムーア「知ってるし。偽札が原因で東側の経済が崩落して革命・・・え~~と・・太陽運動へと繋がっていたって・・・でもそれって昔の話じゃないの?」」バサッ

スカーフェイス「よく知ってるじゃないか。学園いちの不良娘が」スッ・・(紙幣を太陽にかざして何やらチェックしている)
ムーア「不登校でも成績はそれなりにいいのよ?学校にはない資料だって読んでるし」バンバン

スカーフェイス「またアカデミーに侵入したのか?懲りない奴だ・・・」スチャ・・(おもむろに懐から時計用ルーペを取り出し、それを片眼にはめる。またその手元には店より持ってきた小袋も置かれているのが確認できる)
ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・」そぉ~~~~(っと、小袋に手を伸ばす)
ぎゃりっ

ムーア「いてえ


スカーフェイス「大人しくしてろ」ふむ・・(とルーペを覗きながら慎重に一枚一枚見定めている)
ムーア「クソ鑑定士。地獄に落ちろ」ふうふう

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(鑑定中、暇つぶしをするように店の周囲を見渡す)
ムーア「ルチアから聞いた。昔はここ、カフェテラスだったって・・・犬もいたんでしょ?」
スカーフェイス「知らん」ふむ・・
ムーア「・・あっそ。で?どうなの?一応、鑑定士なんでしょ?」ふん(と片膝をテーブルにつきながら)
スカーフェイス「一枚だけだ。あとは大丈夫だ」ペラペラ(とお札を数えながら)
ムーア「じゃ換金してよ。偽札もここで交換してくれるんでしょ?」
スカーフェイス「まぁな。それも含めてこれだけだ」スッ・・(と二枚だけこちらへ返してくる)
ムーア「少しはまけてあげようとか思わないわけ?」ムスッ(としながらそれを渋々受け取る)
スカーフェイス「生意気言うな。ほれ」ボサッ

ムーア「それはこっちの台詞だし。ひょっひょ~♪」(と、袋を開き、中身をテーブルにぶちまけると、タバコの葉を筒状に巻いた葉巻きたばこが10本ほど転がってくる)
スカーフェイス「しつこいようだが、学園では絶対にやるなよ?」
ムーア「わかってるって。火、ある?」(その一本を口に咥える)
スカーフェイス「お前達の為に忠告してやってるんだ」(と言いながら、マッチ棒を渡してやる)
ムーア「マジウザいし。そんなことより、うちで育ててるどの植物が「これ」になるのか、いい加減教えなさいな」ボッ

スカーフェイス「深入りするな。お前はまだ若い。腐るにもな」
ムーア「それも聞き飽きたし。ルチアとおんなじことばっかり・・・」シュボッ・・・(マッチの火をたばこの尖端につける)
スカーフェイス「姐さんに感謝しろ。そうでなきゃ、お前みたいなガキにそいつを売ったりはしない」
ムーア「大事な時期だから必要なの。人体には影響ないって、むしろいいって」ふかぁ~~~~
スカーフェイス「それは俺が姐さんから渡されたレシピを見てそいつを作ってやってるからで・・」
ムーア「あああん!わかったわかった!!すごいのはルチアで、あたちはまだ子供だって言うんでしょ!?ったく・・」ふかぁ~~~~
スカーフェイス「分かっているのならそれでいい。あまり・・迷惑をかけるなよ」トッ(椅子を飛び降りる)
ムーア「へいへい・・」ちら・・(メラルーを目で追いながら店を眺める)
ゴホッゴホッ・・・(店内から弱々しい咳をする音が聞こえてくる)
ムーア「マスター。まだ悪いの?会ったことないけど」(メラルーの背中に問いかける)
スカーフェイス「それもお前の気にするところじゃない。早く悪ガキ共の所へ行ってやれ」しっしっ
Recollection No.5_60
ブッ

To Be Continued

★次回ストーリーモードは5/4(月)0時更新予定です★