ガヤガヤガヤガヤガヤ・・
(礼拝堂の中で交流を図る王都と外街の生徒たち(十代前半と思しき「年長さん組」は椅子に腰掛け互いの自己紹介をしたり雑談したり、対し外街のまだちいちゃい「年少さん組」はロケーションに興奮しているのか所構わず走り回っており、それを壁際で大人しく静観している王都の坊ちゃま&嬢ちゃまもまた、子供心(こどもごころ)を感化されたのか、「自分たちも走り回っていいのかな?」といった様子で何だかソワソワと密談している)の光景を長椅子の背もたれにふてぶてしく肘を置きながら眺めている視点の主)
ミミ「ええ、今の学園の環境にはとても満足しているわ」(何列か後ろの長椅子では、そう照れくさそうに説明しながらも「まんざらでもない」様子でもじもじと座っているミミを隣からじっと笑顔で見つめている王子様系イケメン風王都のティーン生徒の姿も)
かしこまちゃって!お嫁にでもいくつもり!?
(そんなミミの姿を見た年少さん組が)
ミミ「うふふふ。ね、元気な子ばっかりでしょ?ごめんなさい、ちょっと待っててね、すぐ・・戻る・・から・・・・って、こらぁ~!大人しくしなさぁ~~~い!!」きゃ~~~~♪(と散開する年少さん組。そんなミミの姿を目の当たりにしたイケメン生徒は驚愕している)
ムーア「ほら。あたちがやんなくたって、しっかりこなせてるし」ちら(と振り返ると目の前の長椅子で逆向きに座ったヴィルヘルム姿が)
ヴィルヘルム「でも、お前同様、恋愛の方は進展なさそうだけどな」ししししし(背もたれに顎を乗せながら)
ムーア「いいパートニャ~でもいれば別だけど」ふん
ガヤガヤガヤガヤガヤ・・
(壁際では男女入り混じりながら雑談している視点の主と同い年程度の外街生徒と王都の生徒たちが立ち話をしている)
ガヤガヤガヤガヤガヤ・・
(その中で率先して一同に講義をしている王都の生徒(細ミドル身長(170センチ程度)&爽やかな印象を放つブロンドヘアな前下がりナチュラルソフトアシメマッシュ(サイド&バックはもちろん2ブロック)の切れ長奥二重的ちょっぴりセクシー男子)の姿が際立って見える)
ガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤ
(話し続けながらこちらの視線に気づいたのか、首を妖艶に少し傾けたセクシーボーイの魅力的なブルーアイと目が合う)
ヴィルヘルム「あいつみたいな「分かりやすい」のが好みじゃないだろ?」ガヤガヤガヤガヤ・・(その声で我に返ったかのように真逆な太マッチョ系山賊男の顔を見る)
ムーア「まぁね。ペテン師には興味ないし」
ヴィルヘルム「ハハッ。お前らしい変換だ。男は黙って態度で口説くってな。というわけで、俺はバールボーン家に相応しい花嫁候補を探してくるとしよう」ザッ(と山賊みたいな男が立ち上がる)
ムーア「結婚式には呼んでよね」おう(と勇ましく戦場へ向かう山賊ボーイの頼もしい後ろ姿)
Recollection No.5_67
ガヤガヤガヤガヤガヤ・・
(引き続き礼拝堂を見渡すと、豪壮なアーチ型のステンドグラスの前で楽しそうに雑談しているポレット先生と王都の教師の姿が)
シオン「同級生みたいよ」(とヴィルヘルムと入れ違いで視点の主が座っている右側(長椅子の通路)から慎ましく歩いてくる清楚な彼女の姿が。またその後ろからは腰巾着のようにくっついてくる「目がメロメロになったキンババ(二つ名)」の姿も)
ムーア「昔はこっち(王都)で教えてたんだって。積もる話ばかりでしょうね・・。立派よ。「うちの」ポレット先生は」(それを聞いたシオンは笑顔で隣に腰を下ろす)
シオン「いいのよ、キンババ。向こうにいても?」(と、明らかにドギマギしながら彼女の隣に腰を下ろした彼に話しかける)
キンババ「い、いや、いいよ!君のおかげでたくさんの生徒に挨拶はできたから」
ムーア「・・・・・じゃ、今度はあたちが挨拶かまして・・」
ギュッ

シオン「どうせそんな気サラサラないでしょ?こっち(王都)であなたと話しができる機会なんて滅多にないんだから、今日は「あたしのペース」でやらせてもらうわよ」ギロッ(と先ほどまでとは打って変わり、悪鋭い眼でこちらを睨んでくる)
ムーア「ハァ~~~イ♪」(と左横を通り過ぎた王都の生徒達に愛想を振りまく)
ちら(瞬時にシオンの方を見ると「うふふふふ」と可憐な笑顔でその生徒達が通り過ぎるのを確認してから...)
シオン「ちょっと。からかう気!?」ガシッ

ムーア「どうどう。ここじゃあんたはプラウズ家のご令嬢だもんね♪いいじゃんそのメイク?「良い子ちゃん風」に見えるわよ♪」てんてん

シオン「い゛~~~~っ!!」ブンッ

キンババ「僕は素敵だと思うけど・・・って、今日は喧嘩はなしだよ

シオン「だからよ。あたしのペースに合わせて」ツン(と小顔を上向けてふてくされる)
ムーア「普通に話している感じにすればいいんでしょ?そんなことよりこれ初めて見た。「今のあんた」には似合ってるよ♪」(と、シオンが頭につけているコバルトブルーなカチューシャを指差して褒めてあげる)
キンババ「僕もそう思うよ!いつもは、ほら、後ろに髪を束ねて・・」
ゴスッ(シオンの「向こう側」から鋭い「エルボーの音」が聞こえてくると同時に、脇腹をおさえながら沈没していくキンババの姿も)
シオン「ねぇ、ムーア。あなた、またアカデミーに侵入したんですって?顔見知りのガーディアンに聞いたわよ」
ムーア「ちょっと本を借りに行っただけ。依頼主はあんたの横にいる男」へへへへ(と、シオンの向こう側でニヤついているモコモコパーマな依頼主)
シオン「気をつけなさいよ。今は大目に見てもらってるけど、あまり調子に乗り過ぎちゃ駄目」
ムーア「それはあんただって一緒。次こそあっち(外街)に来たら、誘拐されちゃうかもよ」しししし
シオン「そんなヘマしないし」
ムーア「だったらあたちも一緒よ」
い゛っ~~~~~~~~~~~!!
(と、いがみ合う二人)
キンババ「ほら、仲良く


ムーア「だいたいなんで礼拝堂なわけ?どうせなら宮殿に入ってみたかった。あんたらの親に口聞いてもらえば楽勝でしょうに」ドサッ

シオン「そう簡単にはいかない理由があるの。少なくとも、私の家には・・・・」
ムーア「嫌いなんだよね、お父さんとお母さんが。いるだけマシ。それを羨む境遇だってあるわけ」
シオン「分かってるわ。今日はその為の親睦会ですもの」ツン
ムーア「崇高な場所なら、喧嘩にもならないって?邪推好きな大人の考えそうなこと」フン
シオン「信仰は個人の心を救うことは出来るけど、必ずしも社会問題を解決するとは限らないわ。傲慢なのよ、ここの人達はみんな・・・」
ムーア「いくら品の高い教養と環境が整った教育を受けても、博愛主義になるわけじゃないもんね」ふぁ~~~あ
シオン「すべての種族をリスペクトすることは大切だけど、個人を偶像化してはいけないの。それが独裁の始まりだからよ」
ムーア「ヴェルドがそうだって?」
シオン「シュレイド人であることに誇りを抱くのはいいわ。けどシュレイド人が大陸一優れていると思い込むのは良くないことよ。愛国心という言葉は表向きであって、その根底にあるのは誇張されたナショナリズムだから。そういった思想に取り憑かれている人は暴力と侵略行為を正当化して、自分たちが犯したあらゆる残虐行為と憎悪を無視する傾向にある・・・私はその悪徳が・・心底許せない・・!!」
ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・」ふぁ~~~~あ・・・
シオン「偏見は常に博愛の敵なのよ。この国の命運は国民の意志によって大きく変わるはず。だからこそ、変革が必要なのよ」
ムーア「ん~~~・・・あんた、革命家?」
シオン「違うわ。イデオロギーは派閥と対立を生むだけ。私はただ正しいことをしていたいの。外街に行くのだって、現実を知るため。あなたなら分かるでしょ?ムーア」
ムーア「・・・・・どうかなぁ・・・」ぽりぽり
キンババ「彼女は立派な社会学者さ。暴力や権力とは無縁のね。そういった意味では僕と・・」(そこで食い気味にシオンが)
シオン「社会学とまではいかないけど、ただ私は権力の不均衡や誰がみても正しいことをしている人が正当な評価を受けれない状態にあることを黙ってみていられないだけ」(隣では話を流されたキンババのガッカリ顔も)
ムーア「真面目。じゃあ最近ヴェルドの話題を独占している義賊の存在にも賛同なんだ」
シオン「そうかもね。彼らは立派なことをしているんじゃないの?」
ムーア「彼らって?新聞では一人の名前しか出てないけど?」
シオン「・・・・・義賊っていうからには、複数だと思っただけよ」ハラハラ

ムーア「ふぅ~~ん・・。でもさ、義賊が反映すれば、それはそれで社会の混乱になるのもまた事実よ」
シオン「外街の人達が義賊の活動を求めて支援しているのも事実よ」
ムーア「あたちは願っていない」
シオン「そりゃそうよ。だってあなたは外街の子じゃないでしょ?辺境だけど、あんなに大きな神殿で暮らしているんだもの」
ムーア「・・・・・・・・・・・・・・」ふぁ~~~~あ・・
シオン「前々から疑問だったんだけど、あなたの家系って・・・・」
バカにすんな!!
さっきから黙って聞いていれば、偉そうな口ばかりききやがって!!
ガヤガヤガヤガヤガヤ
(怒号が聞こえた方に首を傾けると、先程まで雑談していたグループ内で口論が起きた様子だ)
シオン「予想が当たったとか言わないでよね」
ムーア「あれでも我慢した方だと思うけど」やれやれ
シオン「止めないと。あなたも来て」ザッ
ムーア「超めんどくさいんですけ・・」
シオン「いいから!!」グイッ


To Be Continued

★次回ストーリーモードは5/28(木)0時更新予定です★