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Channel: あたちのモンハン日記
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Recollection No.5_79

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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(視界は一面に黒く塗り潰されており、視点の主が瞼を閉じて気を失っていることが窺える)



・・・・・バルルルルル・・・・・
(耳元から甲虫が翅を羽ばたかせる独特な羽音が聞こえる)



・・うう・・・・・・・・・・・・・
(譫言と共にゆっくり目を開けると、虚ろな俯いた視界に左側より差す橙色の灯りが次第に明瞭になっていき、そこに映る自分の下半身が「椅子に座らされている」ことに気づく)


グッ・・グッ・・・(縄が巻かれている自分の上半身に気づくと、身動きが出来るか体を軽く動かしてみるも案の定、両腕が椅子の背後に回らされており、それが背もたれに拘束されていることをその身をもって確認する)


ムーア「ちっ・・・」(状況を察知し、反射的に舌打ちをする)


??「ムーア」(正面のすぐ近くから声が飛び込んでくる)


・・・・・・・・・・・・・・!!
(すぐさま首を上げると、暗がりの中、目の前には同じように椅子に座らされ、拘束された姿のニッキーが)


ニッキー「大丈夫か?」

ムーア「そっちこそ。・・・・って、この部屋・・・」かしゃりこしょり・・(左に首を傾けると暖炉の中で蠢く音をたてながら青白く発光する雷光虫の群がる姿が)

ニッキー「さっきまで見てた部屋の中だ」(首を左に傾けたまま、右側から聞こえる彼の説明を受けながら、暖炉の上に飾ってある壁掛けの一際巨大なダイオウカジキ(ドスか?)の剥製を見上げると、その上に設置されている燭台(両端ダブルタイプ)の灯りによく照らされており、距離もまた近いことから、先程までのぞき穴で眺めいたそれとは全く違う大迫力の存在感を放っている)

ムーア「いつかこういうの釣ってみたい・・・って、これを飾った人も同じ気持ちだったのね・・」

ニッキー「右側を見てご覧」

ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ちら


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(反対側の壁には威厳しか感じられない東方系の老人の肖像画が飾られている)


ムーア「だれ?」(肖像画に描かれた人物のやたらと立派な口髭&ロング顎髭にピントを合わせながら)

ニッキー「大抵の場合、一代にして確固たる地位を築いた「初代の人」の栄誉を讃えるケースが多いが・・・・きっと僕らは「あの眼」から覗いていたに違いない」むぅ・・(と視点の主が目を凝らして「初代の人」の両目を凝視するも、全くこちら側からはそのギミックが分からない仕組みになっている)

ムーア「だから金持ちってのは・・・このお爺さんも、まさか自分が子孫の悪趣味に利用されるなんて思いもしなかったでしょうね」ブッアセアセ(憤りをツバと共に肖像画に向かって吐きつける)

??「威勢が良いのは山賊育ちの父親譲りか・・容姿こそ母上には似ているが、性質はまた違うようだな、キャロルムーア」(肖像画が語りかけてくる)

ムーア「ぎゃああああああああああ!!おばけぇえええええええ!!!!」向こうに人がいるんだよ(と冷静なニッキーの声)






Recollection No.5_79






ニッキー「あまりいい趣味とは言えないな」ぎゃああああああああ!!(と首を左右に激しく振る向こう側から肖像画に問いかける彼の声が)

??「お目当てのものは見つかったかな?ヴァイデンフェラー家の若きローグ。それとも、名家の名を捨てたprowlerと呼ぼうか・・・フッ・・」お~~ばぁけぇええええええええ!!!!

ニッキー「入った部屋が良くなかった。サディズムの引きこもりが、なぜ俺のことを知っている?」だれかぁああああああああ!!

??「ここの屋敷は礼拝堂同様、都市の中央にある。見晴らしもまた絶景だ。そして今の光景もな」たすけてぇえええええええええ!!!!!

ニッキー「祖先に対する陵辱のつもりか?それともこんな小童相手にも素顔を見られるのが怖いのか?ジェイソン・ウー」ぎやあああああああああ!!!!

ベックフォード「如何にも・・・私がジェイソン・ウーだ」

ムーア「へっ・・・・おばけ違うか・・・」ホッ・・

ニッキー「・・・・・・・・・。質問を続けさせてもらうぞ」

ベックフォード「何故、そっちの彼女・・・キャロルムーアを知っているのか・・だろう?」(淡々と答える肖像画を見つめている)

ムーア「あんた、さっきあたちのお父さんとお母さんがどうとかって言ってたけど・・どういう関係なわけ?」

ベックフォード「クククッ・・・そうか。君は自分のルーツを知らないのだったな」

ムーア「・・どういう意味?」

ベックフォード「私が知っている範囲で良ければ答えよう。だが、それは私の依頼を君が達成できたらの話だ」

ムーア「・・・・ジェイソン・クソ・ウー。殺さなかったのはそれが目的だったのね?」

ベックフォード「そちらのヴァイデンフェラー家のご子息はもちろん、君にも手荒な真似はしたくない。勇敢にも君たちはウー家の屋敷に潜入してみせたのだからな。保守派のそれとは違う。その勇気を見込んで君達にクエストを受注してもらいたい」

ムーア「そうやって言われると弱いのよねぇ・・・」しょんげり

ニッキー「俺もだ。少なくともうちの両親よりは俺の事を理解しているようだ。聞くだけ聞いてみよう。依頼内容は?」

ベックフォード「今の私は君達も知っての通り、屋敷から一歩も外へ出ず、書状ひとつで王都をどうとでも扱うことができるほど強大な存在になってしまった。だが、その裏で外の人間に自由を与えすぎてしまったのもまた事実だ。私の悩みはそこにある」

ニッキー「すきあらばあんたを貶めたい連中は掃いて捨てるほどいる。兵権を握り、王都のガーディアンを庭師同様、私兵として顎で使える今のあんたに恐れるものなんてないだろう?」

ベックフォード「実は先日、脅迫状を受けてね」

ムーア「ザマァ・・それだって今に始まったことじゃないでしょうに」ブッアセアセ

ベックフォード「その犯人によれば、連中は私にとって実に都合の悪い秘密を握っているらしい。そしてその秘密を公にされたくなければ、兵権を王宮に返せと要求してきたわけだ」

ニッキー「よほどの大スキャンダルみたいだな。で、俺たちへの依頼とは?」

ベックフォード「君たちには、その真犯人を探し出して欲しい」

ムーア「それこそガーディアンに頼めばいいじゃない」

ベックフォード「彼らは信用できん。王宮とも繋がっているからだ」

ニッキー「なるほど・・・王宮内で結束力を高めている反ウー家の連中を扇動している元凶を探し出せっていうんだな?」

ベックフォード「流石だ。父上は君を過小評価しているようだな」フフ・・

ニッキー「・・・残念だよ。俺達よりも先にあんたの秘密を握った先客がいたなんてね。しかも今度はあんたの味方をしろと強要されているんだからな・・」はふぅ~~~~

ムーア「ガッカリするのは早いわよ。その犯人を突き止めれば、秘密を知ることもできるわけだし。あたち達がそっちに寝返る可能性だってあるんだから」

ベックフォード「それはない。私は君たち二人の弱みを握っているからだ」

ムーア「ジェイソン・クソ・ウー。ニッキーはともかく、あたちは・・」

ベックフォード「その権力者にも屈しない気骨は、ルチアさん譲りというところか」

ムーア「!?」

ベックフォード「君だって、知りたいはずだ。亡き父親と母親のことをね・・」

ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


ちら(ニッキーの顔色を窺う)


ニッキー「もし、嫌だと言ったら?」

ベックフォード「ゴルゾン」

ムーア「へ・・?」くるっ(と後ろを振り向くと)


がしゃ~~~~~~~んハッ
(部屋の隅に飾ってあったフルアーマーなシンプルゴールドルナシリーズ(メンズ用)が音を立てて崩れ去ると、その中から、あの恐怖の赤鉄仮面男がその悍ましい姿と共に姿を露わにしてくるものだから思わずビクッとしてしまう)


ゴルゾン「ア~~ア~~」ドスンドスンDASH!(と、ゴリラのようなナックルウォークで視点の主とニッキーの間に入ってくる)

ムーア「ヘイ、あんた。あたちは負けたと思ってないからね。次は逆にしびれさせてやるんだから」ショリィ~んハッ(掲げた左足に履いているゴツメな革製黒ブーツのさきっぽから状態異常付加のナイフ(左足はパラライズ)が飛び出る)

ゴルゾン「ウ~~ウ~~」(と、「おお、こわい」的なジェスチャーをしている)

ムーア「こいつマジムカつくムカムカ」ガサガサ・・(そんな悪態無視しながらゴルゾンは後ろを振り返り、暖炉の前にでっかい図体を屈ませて何かをかき集めている様子だ)

ゴルゾン「フモ~~~」ひょっ(振り返り、でっかい無骨な右手につまんだ一匹の雷光虫を見せてくる)


ちら(それを見て何かを悟った視点の主は、すぐさま自分が座っている椅子の素材を確認すると、それが鉄製で出来ていることを知り、その下に敷かれている鉄板が、先程、「拘禁された男」を地味に苦しめていたものであるこにも気づく)


ムーア「さっきの男の人はどうなったの?」(と、肖像画の男に問いかける)

ベックフォード「今宵は「あれ」で楽しもうと思っていたんだが、思いがけない珍客があったからね・・。安心しろ。もう既にゴルゾンが処理した。明日には外街の掃除屋が後片付けしてくれる」

ムーア「くたばれジェイソン・クソ・ウー」

ベックフォード「ハッハッハッハッ!!君を見ていると、ルチアさんを思い出す。それで、返答は?」ちら(答えを求めるようにニッキーを見る)

ニッキー「クエストの期間は?」

ベックフォード「奴らが行動を起こす前にだ。屋敷の外で花火を起こして警備の目を引きつけた君たちの友人を使ってもいいし、君がいつも一緒にいるプラウズ家の娘に相談しても構わない」

ニッキー「シオン達に何をした!?」

ベックフォード「安心しろ。何もしていない。今頃、彼女達は、君たち二人が「無事に」帰ってくることを願っていることだろう。その期待を裏切るな」

ニッキー「・・・・・・・・・・・・・・」フゥーーーーーー・・

ムーア「随時、報告はどうすればいいの?」

ベックフォード「君たちにいつでも屋敷内に入れる許可証を渡そう。話はこの部屋で行う」

ムーア「拷問部屋が密会の場所だなんてね・・・それにあんたもね」ブッ(アセアセと、ゴルゾンに向かってツバを吐きかけると、またしても「おお、こわい」的なりアクションをみせながら、ひょれっとそれを身軽に交わしてみせる)

ベックフォード「では、交渉成立だな。こちらからも動きがあり次第、君たちに知らせよう」

ムーア「ジェイソン・クソ・ウーのクソクエスト。受けてやろうじゃないの」ブッアセアセ(再度ゴルゾンにツバを吐くも、今度は派手に回転回避(見事なまでの前回り受け身)しながら避けると同時に鉄板の上なもんだから、「ダシャ~~~~ンハッ」とやたら派手な音だけが室内に虚しく反響するのであった....)

To Be Continued






★次回ストーリーモードは7/9(木)0時更新予定です★




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