ひえええええええええええ

さぁ!早くこちらへ!!
(覗き見る通路奥の交差地点、左側の階段下、踊り場より大臣らの悲鳴とそれを促す衛兵の声が)
ニッキー「どういうことか説明してもらおうか?」(下を見るとこちらを見上げている彼の渋い顔が)
ムーア「ご乱心になった国王を探しにきた衛兵を見て、つい自分たちの素性がバレたと勘違いしちゃってね。それで狼煙を上げて呼んだってわけ」ひええええ・・・・・(避難していく大臣らの声が次第に遠のいていく)
シオン「飛竜を呼ぶなんて聞いてないけど」むぅ(ニッキーと同じくこちらを睨みながら)
ヴィルヘルム「じゃあ、あれはアポロンか?」いえ~す(と視点の主)
キンババ「なら安心だ。少なくとも僕らを襲ってきたりはしない」ふぅ~~
ニッキー「待て待て。するとなんだ?君たちは俺とシオンがしばらく神殿に行っていない間に、火竜の友達が出来たってわけか?」
お~いえ~す、いえ~す(視点主とその部下(ヘボッチョ&ヘボンヌ)が実にバカっぽい声で返答する)
シオン「呆れた。余計に騒動を大きくしてどうするつもり!?」
ムーア「脱出の保険よ。投獄されるのは嫌でしょ?」ボギャアアアアア・・・
ヴィルヘルム「アポロンのやつ、ずいぶん派手に威嚇してるみてぇだが、プリムは大丈夫だろうな?」
ムーア「平気よ。「殺すな」って言ってあるから」
ニッキー「待て待て待て待て。言ってあるから?すると君は俺たちが知らない間にビーストテイマーになったっていうのか?それとプリムって言ったが、君たちは皇太子妃に接触したのか?」
ドゴオオオオオオオオン
ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・
(神殿に何かが衝突したような重たい衝撃音と振動が屋内に伝わってくる)
シオン「今のは?」むぅ(ムスッとした表情でこちらをひたすら睨んでいる)
ムーア「ああ・・・威嚇程度なら「吐いても」いいって言ったかも・・」ぽりぽり
ニッキー「何を?」むぅ
ムーア「火球を」てへっ
ション!!バシッ

(反射的にビンタかましてきたシオンの鋭く疾いスナップの効いた右腕を瞬時に両手でキャッチ(真剣白刃取りみたいに)して止めるキンババ)
キンババ「今は喧嘩してる場合じゃないよ


ムーア「ほんとそう思う」ぎぃ~~~~~!!(そのバカな返答に余計に怒り増すシオン)
バッ・・きょろきょろ(盗み聞きかましていた曲がり角から飛び出し、周囲が無人であることを確認する)
ムーア「アポロンの様子が気になる。見に行こう」
ヴィルヘルム「踊り場に窓があったぞ。アポロンが時間稼ぎをしてくれている間に、とっととずらかろうぜ・・ってよ、俺たちの存在はまだ、誰にもバレてないんだろ?慌てる必要はねぇし、そんなことならプリムも連れて来てやればよかったな・・」はぁ・・・
ボギャアアアアアアアアア・・
ニッキー「ほら。ご主人を探してるみたいだぞ」(呆れ顔で)
ムーア「すねないの。ちゃんと紹介してあげるから」ダッ
タッタッタッタッタッタッタッタッ・・
そろぃ~~~り・・・・(目の前に見える十字路へ向かって駆けていくと、交差地点で一旦立ち止まり、階段下を覗き見下ろす)
パンチラーノ「あ!あんまんスキー婦人!!」(踊り場を登ってくる彼の姿が)
ムーア「ゲッ


パンチラーノ「大臣達が慌てながら王妃様を連れて広間を退出していったのですが・・・何かご存知ですか?」むぅ・・(と踊り場の開き窓から夜空を見上げる)
ムーア「え~~へへへ・・・なんのことでござまんしょ

シオン「痛いわね!何するのよ

ムーア「あ、バカ

パンチラーノ「ほぉ・・・やはり君も一緒だったか・・・・それから、ヴァイデンフェラー家の坊っちゃんもね・・」フフッ・・
ニッキー「何が言いたいんだ?」スッ・・(視点主の隣から姿を露わにする)
パンチラーノ「普段は舞踏会に姿を見せない君たちが来た時から不思議に思っていたんだ・・。君たちこそ、目的はなんだ?」
ヴィルヘルム「弱そうだな。ぶん殴って気絶させてネムリ草で眠らせてから、マヒダケ入りの麻袋被せて噴水に投げ込もうぜ」こそっ(と耳打ちしてくる)
ボギャアアアアアアアアア!!
(次の瞬間、上空から火竜のけたたましいそれが)
パンチラーノ「なんだ!?」ずでぇ~~ん

ムーア「今よ!!」ガツガツガツガツガツ

ちら(踊り場で一瞬立ち止まり、開き窓越しに夜空を見上げると、宙を旋回しながら舞う、月明かりの逆光になった火竜のシルエットが確認できる)
ヴィルヘルム「中庭ならもっとよく見える!!」グイッ

パンチラーノ「あ・・待つんだ!!」ガツガツガツガツガツ

バッ

ダッダッダッダッダッダッダッ
(一階に着地するように飛び降りると、目の前のヴィルヘルムは先程、中庭から来た道に向かって一目散に駆けていく)
シオン「ちょっと!!」
ムーア「プリムが心配なのよ。行こう!」
ダッダッダッダッダッダッダッ!!
(ヴィルヘルムを先頭に星空広がる中庭へと向かっていく)
ヴィルヘルム「プリム・・・・!!」バッバッ(無人の庭内を見渡すも、どうやら彼女はすでに退避した様子である)
ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」クッ(それを確認すると素早く夜空を見上げる)
ヒョオオオオオオオオ・・・・・
(夜空を旋回しながら舞う火竜の影がそう遠くない上空に確認できる)
キンババ「彼も無事みたいだね」(隣から彼の安堵の声が)
ムーア「ふぅ・・・・・」ヒョオオオオオオ・・・・・
ダショーーーーーーーーン!!
ムーア「!?」
ボギャアアアアアアアアアアア!!
(上空を舞う火竜が明らかに何かに反応を示すかのように咆哮をあげる)
ニッキー「あれだ!!」(ニッキーが見上げる方向に顔を向ける)
キリキリキリキリキリ・・・・・(宮殿の見張り台であろう西棟屋上に設置された、据え置き式の大型弩砲を使って、上空に狙いを定めるように角度を調整している衛兵の姿が見える)
キンババ「バリスタだ!あれでアポロンを落とすつもりだよ!!」
シオン「向こうからも狙ってるわ!」(シオンが見上げる東棟の見張り台からもバリスタが上空のターゲットを狙っているのが見える)
ムーア「やめさせないと・・!!」
ザッザッザッザッザッザッザッザッ
(中庭の向こう側より、重武装の銃槍ガーディアン部隊が隊列を組みながら前進してくる)
ヴィルヘルム「戦争でもする気か?」
ニッキー「それだけ本気だってこと。戻ろう!」ダッ(回廊へ向かって駆けていく)
ダッダッダッダッダッダッダッ
(上空のアポロンを見上げながら駆けていく)
ダショーーーーーーーーン!!
(再びバリスタの発射音が聞こえ、鋭く飛翔してきた大槍がアポロンの躰をかすめながら、月夜を突き抜けていく)
ムーア「アポロン!!」
ボギャアアアアアアアアア!!
ドウーーーーーーーーーン!!
(上空のアポロンは怒りの咆哮をあげると、すぐさま見張り台目掛けて火球を吐く)
ドワァアアアアアアアアン!!
(隕石のような速さで見張り台の壁に激突して爆発をあげる火球。同時に屋上の衛兵はその衝撃により尻もちをつき、バリスタから離れる)
シオン「彼の平常心がいつまで持つかしら?」グイッ(心配そうにアポロンを見上げている視点主の手を引っ張りながら走るよう促してくる)
ムーア「とにかく見張り台へ!」ダッダッダッダッ!!(回廊の中に入っていく一同)
パンチラーノ「待て!!」バッ

ニッキー「チッ・・・前々からあのコーチは気に入らなかったんだ」ポキリポキリ(拳を鳴らせながら一歩前に出る)
ムーア「ダメよ。あんたが手を出したら、元も子もないでしょ」スッ(憤るニッキーの肩を鎮めるようにおさえる)
パンチラーノ「この騒動は君たちが関係しているのか?」ボギャアアアアアア・・!!
シオン「まったく・・ゴルゾンは何をしてるのよ・・!」
パンチラーノ「さぁ、何を企んでいるのか教えてもらおうか」チャッ・・(ランスの槍先を向けてくる)
ムーア「ヴィルヘルム。あれは持ってる?」(視線はパンチラーノに向けたまま、左手に侍る彼に小声で質問する)
ヴィルヘルム「ああ。最初の修学旅行の時からずっとな。更に「辛さ」を強化してあるぜ」
ムーア「合図したらあいつの顔に」了解(とヴィルヘルム)
パンチラーノ「何をコソコソ相談している。仕方ない・・危害を加えたくはないが、こうなったら実力行使でいくぞ」チャッ・・
ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」じりっ・・(視界の左端に映るヴィルヘルムもまた一緒に)
パンチラーノ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」じりじりっ
ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」じりりじりっ・・(ヴィルヘルムも一緒に。合図はまだかまだかと)
パンチラーノ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ぶすっ
ムーア「・・・ぶすっ・・?」
パンチラーノ「アヘアヘアヘアヘアヘアヘ」ビリビリビリビリ

ムーア「??」
バタァ~~~~~~~~~~ん

(そのまま顎から床に崩れ落ちていく哀れパンチラーノの背後から、フルフルネコチクリを手にした先程のキッチンアイルーの姿が)
キッチンアイルー「ま、ま、まずかったですかニャ


Recollection No.5_104
ダッ!!
ぎゅむっ!!
(一目散にキッチンアイルーのもとに駆けつけるやいなや、全身でハグをする)
ムーア「ぜんっぜんっ!!最高!!超カッコよかったよ!!」
キッチンアイルー「ニャはっ♪」ぽりぽり(照れくさそうに猫頭を掻きながら)
To Be Continued

★次回ストーリーモードは10/5(月)0時更新予定です★