きょえええええええええええ!!!!
(珍妙な雄叫びをあげながら典型的な一人称視点ダンジョンクローラーのような神殿内をスイスイ前進、時には直角に曲がりながら進んでいく視点主)
だぁ~~っはっはっはっはっはっ
(廊下の前方左端に見える「半開きになったドア」の向こう側から、下品な女の笑い声が)
キキィ~~~~~~~~

(ドアの直前で両足ブレーキかましながら停止する。またドアのアイルー型木製プレートには大陸文字で「盟主様の部屋 Do Not Disturb」などと)
バガァ~~~~~~~ン

(仮にも自分の部屋のドアを蹴り破りながらその勢いを利用してインする)
ムーア「!!」ハッ

ルチア「これ、お前が書いたのか?」(人のデスクにふんぞり返って座りながら、皮紙を広げて見ている)
ムーア「ぎぃーーーーーーっ!!!!」バチぃ~~~ん

ルチア「気にしちゃいねぇとか言いながら、なかなかよくできた相関図じゃねぇか」はむっ(と、「手持ちのあんまん」にかじりつきながら)
ムーア「勝手に入るなって言ったでしょう!!」くるくるくるくる

ルチア「開いてる方がわりぃんだ。外街で散々勉強してきたろ?なぁ、んなことより、それをロザリー家のオフィシャルの系譜にしたらどうだ?デーモン、アーロン、そしてキャロルムーアを取り巻く悪友どもってな」がははははは
ムーア「一応、書いてみただけだし。別にロザリー家なんて興味ない。どいてどいて!」(ルチアを無理やり立たせる)
ルチア「褒めてるんだぜ?お前はちゃんと運命に立ち向かってる。バーニー・・・親父さんと同じようにな」スッ・・(壁を背により掛かる)
ムーア「あたちはお父さんとお母さんの夢を叶えてあげたいだけ・・・死にぞこないの暴君が乗っ取った因果応報の神殿を二人は変えようと努力した」スッ・・(デスクチェアーに座り込む)
ルチア「・・そうだな。ウー家も滅びて、本当の意味で白雪神殿は自由になった。ハンターズギルドに代わる、より崇高で公明正大な狩猟団。それが今の白の同盟だ」ポン(視点主の肩にそっと手を置いてくる)
ムーア「まだまだ駆け出しだけどね」やれやれ
ルチア「忠義、名誉、金、女、信仰、哲学、思想。理由や属性はどうあれ、外でスカウトしてここに集まってきた連中は、みんな「お前の夢」を信じてるんだぜ?」
ムーア「やめてよ・・・オヨネさんじゃあるまいし・・。あたちはお母さんの言葉を守ってるだけだよ」
ルチア「だが、その「お告げ」の内容を深刻に捉え、お前を預言者や救世主とみなしている仲間がいることも確かだ」
ムーア「文化の違いでしょ?ルチアはどうなのさ?」
ルチア「シンプルさ。アースラがお前に忠告したのなら、あたしはそれを信じるまでさ。どんな理由であれ、アースラとバーニー、それに仲間を皆殺しにしやがった黒龍をぶっ殺すまで、あたしは死ぬわけにはいかない」
ムーア「・・・・復讐のため?」
ルチア「そうだ。だがそれ以上に大切なのは盟主を護ることだ」フッ・・
ムーア「報酬なんて出ないよ?」
ルチア「さっきも言ったろ?自由であることが何よりの報酬さ。それによ、亡国を滅ぼした化け物を倒したとなりゃ、同盟の信望も得られるだろ?そうなりゃ、一生遊んで暮らせるぜ?」ししししし
ムーア「フッ・・・・そうだね。そうなったら、あたちも学園の先生にでもなろうかなぁ・・」
しくしくしくしくしくしく・・・
(ドアの外からどこか「ネコっぽい」泣き声が)
おトキ「すみません・・お二人の話に感動してしまって・・」ぐりぐり(モフモフなお手で目をこすりながら部屋にトボトボと入ってくる)
ルチア「人は変われるんだ。バーニー・・・それにフランクが教えてくれたことさ」ぎゅっ(戦友であるおトキさんを抱きしめる)
ムーア「そっか・・・」
ルチア「ん?」(泣きじゃくるメイドアイルーの頭を撫でながら)
ムーア「ここに集まってきた同志は、みんな生まれ変わりたいんだよ。その為に一丸となって、ひとつの目標に向かってるんだ・・・例え、それがあたちなんかの戯言だとしても、志を一つにすることが大事なんだ」
ルチア「・・すでにお前は立派な教師だよ。こうやって子供ってのは自立して、親のもとを離れていくんだろうな」
おトキ「アースラお嬢様や旦那様が今のお嬢様をご覧になったら、どんなに喜ぶことでしょうか!!」お~~いおいおいおいおい

ムーア「ハハ・・大袈裟だよ。それよりさ、おやつでも食べよう」カポッ(以前より整理整頓されたデスクの上に置いてある和蒸籠の蓋を開けると同時に凄まじい白い蒸気が濛々とあがり部屋を覆い尽くしていく)
ルチア「白き盟友よ・・・・なんだっけか?」モワモワモワモワ・・
ムーア「まだ覚えてないの?いい?・・白き盟友よ。かけがえのない世界を守りぬくため、その身を大陸に捧げよ・・よ」モワモワモワモワ・・
ルチア「よ・・よ・・。どうも聞くだけじゃ、覚えられねぇ」ボリボリボリ(血が出るんじゃないかっていうくらいキリンテールの頭を掻きむしる)
ムーア「ほら、これを見て」パラッ・・(懐より取り出したボロボロの書物を机の上に置き、その1ページ目をめくってみせる)
モワモワモワモワ・・・(蒸気を払いながら皆で顔を寄せ合い、全体的に少しふやけた武芸書を覗き込むと、雪解けにより滲んでしまったと思われる横書きの文字が目に飛び込む)
ルチア「ええと・・・白き盟友よ・・ガケガエノダイ・・・・」
ムーア「かけがえのない」はむっ(と「手持ちのあんまん」をかじる)
ルチア「滲んでて見えやしねぇ。お前、考古学者にもなるつもりか?」ぶちっ(視点主が左手に持つ「手持ちのあんまん」の半分近くをちぎってはそれを口に放り込む)
ムーア「あってると思うけど・・・きっと古くから同盟に伝わる理念なんだよ」あんむ(残りのあんまんが盗まれないうちに口の中へ)
おトキ「創立者の御方がお考えになられたのでしょうか?」
ムーア「たぶんね。ここを見て」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(スローガンが記されている右下に、著者らしき人物を示す文字が記されているのだが、より酷いシミに覆われており、一見にして解読が難しい状態になってしまっている)
ルチア「こりゃひでぇな」スッ(言いながら蒸籠の中より「次のあんまん」を取り出す)
おトキ「旦那様のお名前でしょうか・・・」
ムーア「あたちも今までそう思い込んでいたんだけど、ぼやけている文字をなぞってみると・・」
スッ・・スッ・・・(滲んでいる文字の上から、その下書きのあるがままに指でなぞってみせる)
ムーア「白鳥魔子・・・・あたちにはそう見える」
ルチア「はぁ?誰だ、そりゃ。聞いたことねぇな」
おトキ「私も存じ上げません」
ムーア「だよねぇ・・・深追いし過ぎで、そう見えるだけなのかも」はぁ~~~~(と、椅子の背もたれにグダっと)
おトキ「あ・・でも・・」
ムーア「ん?」(蒸籠の中より残りのあんまんに手をつけながら)
おトキ「倉庫の石像・・・・あの少女がもしかしたら・・・」
ムーア「白鳥魔子・・・同盟の創立者・・・・でもあの子はまだ小さいし、着ているのもドレスだよ?」
おトキ「そうですよね・・・だとすれば、あの石像は一体・・」
ルチア「バーニーにとって大切なものだったってことは確かだな」はむっ
ムーア「うん・・・それにこの言葉もまた、お父さんにとっては大事なおまじないの呪文だったんだよ」
ルチア「・・・投獄中のバーニーを支えた言葉・・・・そしてそれを教えたのが・・」
ムーア「お父さんにとってのタリスマン。それがあの少女なのかもしれない」
おトキ「・・・旦那様はその言葉の意味、同盟の精神を忘れないために、武芸書の一番最初に記した・・・」
ムーア「だからあたちもそれを受け継ぐ」スッ(父の形見を抱きしめるように着ている白装束の中にしまう)
おトキ「お嬢様・・・なんて健気な・・・」きゅむっ(感極まりハンケチを噛みしめている)
ルチア「暗記する方は大変だけどな」くっちゃらくっちゃら(しながら部屋を後にしようとする)
ムーア「どこ行くの?」
ルチア「収穫」ふぁ~~あ・・
ムーア「ドスパパヴェルね?あたちも手伝おうか?」
ルチア「だぁ~め。せっかくやめることができたんだ。そのまま健康でいろ」
ムーア「ルチアだってもうやってないでしょ?大丈夫よ。それとも新しいバイヤーを見つけたとか?」むぅ~~~~~
ルチア「んなことしねぇよ。ちゃんとナジャロのおっさんを通した「正規のルート」で医療施設に届いてるよ」
ムーア「よろしい」あむっ(とあんまんを)
ルチア「あんまん姫が偉そうに・・。お前こそ、アポロンが帰ってきたら稽古つけてもらえよ」
ムーア「わぁ~ってる、わぇ~ってるて。あ、それよりさ、自分の流派の名前、考えてみたんだけど・・聞きたい?」むふふふふふ
ルチア「どうせ「あんまん」がつくんだろ?」
ムーア「当然、考えたけど違う」ノンノンよ
おトキ「それでは?」
ムーア「あたちによる、あたちだけの大剣流派。その名も、あたち真剣」フフフフ
ルチア「お前のって、バーニーの武芸書ありきだろ?可哀想に・・」
ムーア「あんでだよ!!お父さんが教えてくれた剣技をあたちが世に広めるのよ!!」ブッ


ルチア「そんじゃ、せいぜい頑張れよ」ぽいっ(蓋を投げ渡しながら)
ムーア「ぎぃ~~~~~~

おトキ「まぁまぁお嬢様。私は素敵なネーミングだと思います」すりすり(視点主の興奮を冷ますように優しく背中を)
ムーア「ふふ・・そうでしょうに。他にも入れてみたい言葉の候補はあったんだけどね。クルセイダーとか」
おトキ「十字軍・・・社会奉仕の意味合いですか?」
ムーア「そうそう。前にアカデミーの本で読んだことあるの。磔刑に使用される十字架をこの世界から無くしていきましょう!ってことでしょ?それから十字って四大元素のシンボルでもあるみたいだし、龍に対抗するにはなんかいいかなって。でも、アポロン達みたいな子がこれから先、仲間に増えるとなると、また意味合いが変わってくるね・・・その場合は種族差別撤廃も含めた意味での救済かなぁ・・・あ、でも、今の同盟にいるみんなもまた、十字架の贖いから逃れてヒンメルンに来たってことは、既に今の白雪神殿がクルセイダーズの拠点といってもいいわけか・・・そうだよ。それこそが、お父さんとお母さんの求めていた神殿の姿なのかも!」
おトキ「ふふふふふふ」
ムーア「あ、ごめん

おトキ「いいえ。お嬢様がちゃんとお考えになられている証拠です。今のお姿を旦那様達がご覧に・・」お~いおいおいおいおいおい

ムーア「ちょっと。おトキさん、最近、泣き確定のフラグがゆるゆるだよ

おトキ「例えどんな苦難が訪れようとも私はお嬢様を陰ながら支えていきますからね!」すりすり(彼女の背中をさすりながら、それとなく部屋から退出させていく)
ムーア「うん。ありがとう。みんながいるからあたちがいる。うん。そうよ?ほんとにそう思ってる。だから、ほら。そうそう・・」私だっていざとなればほうきを持って黒龍に立ち向かいますからね!!いつか私達アイルー科だってハンターに負けないくらい・・
ガチャリ・・
ムーア「はぁ・・・・。なんか疲れた・・

Recollection No.5_130
ぎぃ~~~~~~~~~~・・(おもむろに「ちょっと滑りが悪い」引き出しを開ける)
キラキラキラキラキラキラ

(凶暴の中にも高貴さを漂わせる、光がなくとも白く輝く鱗が)
ムーア「黒龍・・白鳥魔子に少女の石像・・・・そして、あんたは一体誰のそれなんだろうね・・?」キラキラキラキラキラキラ
To Be Continued

★次回ストーリーモードは1/21(木)0時更新予定です★