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Channel: あたちのモンハン日記
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Recollection No.5_134

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サンサンサンサンサンサン・・晴れ
(熱帯地域特有の強い日差しが、見上げる「ボロめなバンガロー」の開き窓より漏れなく襲いかかってくる)

ムーア「あぢぃ・・タラー」ぐったり(とバンガロー内の木椅子にふんぞり返りながら顔を上げると天井の茅葺き屋根が目に映る)

キンババ「ほんと・・想像以上の暑さだタラー」ひぃひぃ・・(と質素な丸テーブルを挟んで右側の席に座っている彼は、着用しているレザーシリーズの見るからに「熱々な胸当て」の隙間に向かって手で風を送っている)

ヴィルヘルム「クーラードリンクを持ってくればよかったなアセアセ」だらぁ~(左側の席では見るからに蒸し暑そうな狼熊的燻製ヘルムを何故か脱がない彼が、中からじっとりと凄まじい汗を垂らしている)

??「そんないいもんはここにはねぇぞ」ドスッ(開かれた木製ドアの向こう側から、重厚なブーツの音を木床に響かせながら、頭部に「鮮血塗れのチャチャブーフェイク」を被った上半身裸の男(下半身はおそらく元々は白の長ズボンであったのだろう、現在は七分丈まで引き裂かれたボロボロかつ黄ばんでいるパンツ&擦り切れまくった軍用革製ブーツ着用)が右手に怪しげな「緑色の妖気」を放つ奇王剣を握りながら入ってくる)

ヴィルヘルム「・・・あんたが支配人のゲンス・ゴンスか?」ドサッ(視点主の対面席に腰を深々下ろすなり、丸テーブルの上にきったないブーツの両足を組みながら乗せてくる)

ゲンス・ゴンス「俺様がゲンス・ゴンス様以外に見えるか?ボワコフ!!達人ビール持ってこい!!」(つばを吐き散らしながら外に向かって叫ぶ彼を嫌悪感剥き出しに横目に睨むヴィルヘルム)

ムーア「あたちはおぶどうのジュースを・・・って、そんなもんないか・・」しょんげり・・

ゲンス・ゴンス「うちはモノカルチャーだからな。残念ながらブドウじゃねぇが、それ以上にうめぇもんがあるぞ」ドン(奇王剣を木床に突き刺して立てる)

ムーア「それ大剣でしょ?元傭兵だって聞いたけど、あんたハンターだったの?」

ゲンス・ゴンス「ハハハハハハ!!ゲンス・ゴンス様じゃない、軟弱なお前に俺様の武勇伝を聞かせてやろう!!あれは・・・」



ボワコフ「お待たせしたでアリマス」てててててて(小走り気味に木製ジョッキが4つ乗った木製お盆を持って参上してくる)


ムーア「助かったよ、ボワコフさん」(対し不思議そうなリアクションを見せるボワコフに対し、「ちっ」とゲンス・ゴンス)

ボワコフ「どうぞでアリマス」カタン・・カタン・・(まずはゲンス・ゴンスに達人ビールの入ったジョッキを。続いてこちら側にジョッキをそれぞれ置いてくれる)

キンババ「この香り・・・外で育てているバナナのジュースかい?」くんくん

ゲンス・ゴンス「ゲンス・ゴンス様じゃないバカなお前でも分かったか。それがこの大農園で栽培している「しましまバナナ」だ」


しましまバナナ:あたモンオリジナル果物。水色と白、ピンクと白、緑と白からなるストライプ模様の不思議なバナナ。栄養豊富で食べると色に応じた甘酸っぱい思い出が蘇る。水色=青春、ピンク=恋、緑=私生活


ムーア「ほんとだ・・みんなしましまのカラフルだね・・」(開き窓の向こうに広がるバナナ大農園に実っているバナナのふさはどれも確かにしましまカラフルである)

ヴィルヘルム「うめぇのか?」クンクン

ゲンス・ゴンス「ゲンス・ゴンス様じゃない、味覚音痴の貴様でも美味いと感じるだろう。やってみろ」

ムーア「それじゃ遠慮なく・・・」グッ(ジョッキを口に寄せると、中身の水面上が懸濁液のように白と水色がグルグルと混ざりあっているのが分かる)


じゅる・・


ムーア「くっちゃくっちゃ・・・・・」じゅるじゅる

キンババ「どう?」

ムーア「なんだろう・・・不思議と・・外街でニッキー達と過ごした青春時代が蘇ってくるよ・・・」ぽわわわぁ~~~~ん(と、おそらくは視点主の頭上に「思い出吹き出し」のエフェクトが出ているのであろう)

ヴィルヘルム「まじか!?じゃあ俺も」(虚ろな視線に映る彼が掲げるジョッキの中身から緑と白のグルグルが見える)


ゴッゴッゴッゴッくっちゃらくっちゃら・・ゴッゴッゴッゴッくっちゃらくっちゃら・・(躊躇なしにこってり濃厚バナナジュースを一気に「噛み飲み」かますヴィルヘルム)


ヴィルヘルム「・・・・・・あはぁ~~~ん!!ごめんよぉ~~パパ~~!!もう二度とボゲラスが作ってくれたガッツチャーハンがまずいだなんてワガママ言わないよ~~~アセアセ」え~~んえ~~ん

ゲンス・ゴンス「ゲンス・ゴンス様じゃないこいつは、一気に飲んだから効果も大きかったんだろう。未就学児くらいまで戻ったようだな」ごめんよぉ~~~パパ~~~~

キンババ「すごい・・そんなに威力があるのか・・」あ~~はぁ~~ん

ゲンス・ゴンス「お前もやってみろ」クイッ(と偉そうに顎で。と、虚ろな視線の視点主はまだ「思い出の味」に耽っているようだ)

キンババ「それじゃあ・・・・・・・・」じゅる・・

ゲンス・ゴンス「遠慮しねぇで、くっちゃらさせろや」

キンババ「・・・・・・・・・・・・・・・・」くっちゃら・・くっちゃら・・

ゲンス・ゴンス「どうだ?キメかましてきたろ?」

キンババ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ゲンス・ゴンス「??」

キンババ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」じわっ(両目いっぱいに涙が浮かび上がる)

ムーア「はっハッ・・・・ちょっと待って。キンババのは・・?」(呆けている彼が握ったままのジョッキを覗き込むと、ピンクと白のグルグルが浮かび上がっている)

ゲンス・ゴンス「恋愛の甘酸っぱい思い出だな」

キンババ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ぐすん

ムーア「ってことは・・初めてシオンにフラれた時の・・・やばっタラー」(小声で)

キンババ「わぁ~~~はぁ~~~~~ん!!!!!だから言ったんだ!!!!「今はまだ確実にフラれる」から君たちは余計なことするなぁ~~~~って!!!!!!」ガシャーーーーンハッ(ジョッキを放り投げると、それを華麗なステップで交わすボワコフさん)

ゲンス・ゴンス「ハハ~~ハッハッハッハッ!!ゲンス・ゴンス様じゃないお前達には、少々味がキツ過ぎた模様じゃぞぉ~のぉ~~!!」ゴッゴッゴッゴッゴッゴッゴッDASH!(余程愉快だったのだろう、自分のビールを一気に飲み干しかます)

ムーア「このバナナ達が大人気な理由は、身をもってよぉ~~く分かったわ。で?被害状況を教えて」

ゲンス・ゴンス「ぶはぁ~~~~~。その前に、王宮からの援軍ってのは、マジでゲンス・ゴンス様みたいに屈強な男じゃない、ひ弱なお前たちなのか?」げふぅ~~~~~~~~(臭み極まりないそれを浴びせてくる)

ムーア「ゲホッゲホッアセアセたまらなく、くせぇ~アセアセって、あたち達じゃ不満なわけ?」モワモワモワモワ(を手で扇ぎながら)

ゲンス・ゴンス「王都に戻っておえらいさんに伝えな。「あたちは必要ねぇ」ってな。ぶわっはっはっはっはっはっ!!!!」げふぅ~~~~~~~~

ムーア「くせぇし雲いアセアセそれやめろ!!バカ!!」モワモワモワモワ

ゲンス・ゴンス「ほぉ~~。ゲンス・ゴンス様じゃないお前が、ゲンス・ゴンス様のスメルブレスに耐えられるとはな・・・。ハンターの資質があるのか・・・」ふむ・・

ムーア「これでも一応、あんたと同じ大剣使いだ、バカ!!」モワモワモワモワ

ゲンス・ゴンス「よかろうぜよ。もともと、援軍なんて俺様は必要ねぇと言ったんだが・・」ちら・・(と、部屋の隅でかしこまってモジモジしている獣纏族を見つめる)

ボワコフ「・・・・・・・・・・・・・」モジモジモジモジ

ムーア「彼の方が戦略的思考には長けているかも・・それで?状況は?」

ゲンス・ゴンス「俺たちだけでやれる。お前らはここで見たものをゲンス・ゴンス様に代わって王都に伝えな」

ムーア「えっらそうに。だいたいここでのやり方がよくないからレジスタンスを生む結果になるのよ」じゅる(とバナナジュースを)

ゲンス・ゴンス「ゲンス・ゴンス様じゃない小娘が、プラウズ家を非難するっていうのか?」

ムーア「ここに来る途中、黒いマフラーをつけたメラルーの子達に遭遇したわ」

ゲンス・ゴンス「ゲンス・ゴンス様じゃない、弱っちいお前らは、まんまと捕まったみたいだがな」ププッ

ムーア「むぅムカムカ」(とボワコフを睨むとそそくさとお盆で顔を隠す)

ゲンス・ゴンス「こいつは俺様の秘書だ。だから弱っちいお前らの失態も伝える義務がある。おい。そろそろ農園を見回ってこい」

ボワコフ「はいでアリマス」へこり


しててててててててて・・・


ムーア「あの子・・・見たことない種族だけど・・」

ゲンス・ゴンス「数年前だったか・・長年抵抗を続けていた奇面族の集落を潰しにいった時、捕虜になっていたあいつを開放してやった」

ムーア「へぇ・・人の心は一応、持っているんだ。あの子の種族は?」じゅる

ゲンス・ゴンス「アイルー科や奇面族と同じ獣人種だろうが、名前以外、口を開かねぇ。奇面族の連中もボワコフが珍しい部族だから捕縛して、奴隷商人にでも売っぱらうつもりだったのだろう」

ムーア「あんたは?」

ゲンス・ゴンス「ゲンス・ゴンス様は寛大だ。あいつは寡黙だが、よく働く。だから農園のリーダーもやらせている」

ムーア「ふぅん・・・義理堅いんだ・・。奇面族って、へんてこなお面を被っているっていうけど、そのお面も?」

ゲンス・ゴンス「ここへ駐屯して、初めて壊滅させた村の酋長から頂戴した。偉大な戦利品はゲンス・ゴンス様にこそ相応しい。それよりもゲンス・ゴンス様みたいに賢くない小娘が奇面族の事をどこで知った?」

ムーア「図書館」

ゲンス・ゴンス「??」

ムーア「アカデミーの書庫よ。ちいちゃい時から無断で出入りしてたの。だから今も永久入場禁止処分中」やれやれ

ゲンス・ゴンス「ハッハッハッハッハッハッ!!度胸のある小娘だ!!ゲンス・ゴンス様ほどじゃないが、俺様もアカデミーの連中は嫌いだ」グッ(と、床に突き刺してある大剣の柄を握る)

ムーア「毒っぽい大剣だけど・・それも?」

ゲンス・ゴンス「こいつは連中の秘技が込められた秘宝から、俺様が独自に鍛造したものだ」ゴイン(あたモンオリジナル奇王剣【ゲンス・ゴンスの戯れ】を持ち上げ、自慢げに掲げてみせる)

ムーア「羨ましい。あたちのボロより」ちら(と、ドアの横に立てかけられた愛刀のボーンブレイドを見る)

ゲンス・ゴンス「得物は自分のプレステージに比例しているとは言い難く、思想、信念、信仰の具現化といった方が正しいだろう。ちゃんと使っているようだな。いい大剣だ」

ムーア「・・・・・・・・・。ジャングルで遭遇したメラルーの子達は、あたち達を捕虜にするって言ってたけど・・その理由は?」

ゲンス・ゴンス「お前達が王都の人間と知って、王都側と取引をしようと企んだのだろう。なにせ、連中はここを乗っ取り、拠点にして王都の占拠を計画しているというからな・・・」チャッ・・(大剣の剣先をドアの向こう側、見えない敵に向ける)

ムーア「あの子達が所属している組織のことね?」

ゲンス・ゴンス「ブラック・カーニヴァル。黒の謝肉祭を謳う獣人種のみのメンバーから構成されるアナキスト集団だ」






Recollection No.5_134






ドワァアアアアアアアアアン!!


ムーア「なに!?」バッ(開き窓から農園の方を見ると、遠くの方で白煙があがっているのがここからでも見える)

ゲンス・ゴンス「おいでなすったぞ。戦況が知りたくば、ゲンス・ゴンス様に遅れることなく死ぬ気でついてくることだ」ムンズッDASH!(未だ回想中で呆けている「左右の二人」の後ろ襟首を軽々持ち上げながら)


To Be Continued






★次回ストーリーモードは2/4(木)0時更新予定です★




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