ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・・
(刻一刻と頭上の太陽は貪るように押し寄せる黒き暗翳にその輝きを喰われていく)
背の低い男性同志「領主様・・・・これって・・・あの時の・・・・」(顔を見上げる横から彼の不安に満ちた疑問が)
男性同志「日食だ・・・・」(灰色の光に包まれながら空を見上げている彼に目をあてる)
ムーア「授業で習ったことがあるけど・・・・こんなに薄気味悪いものなの?」ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・
凛とした女性同志「古文書によれば不吉の予兆でもあるって・・・お屋敷に勤めていた時、書庫で一休みするのが趣味だったの。そして予言は当たった・・・・・」ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・
ムーア「何が起きたの?」ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・
男性同志「闇が去り、再び光が我が領内を照らした時・・略奪者どもが現れた」(実直な眼差しでこちらを見つめながら)
ムーア「シセ、彼女を探して」バッ(塀を飛び越えながらシセに指示を出すと、背後からすぐさま「わかった!」という返事と共に視点主とは反対方向である神殿内へと駆けていく彼の足音が)
男性同志「我々はどうすればいい!?」(花畑エリアの小道を突っ走ていく背後から次なる声が)
ムーア「みんなを集めて!!」(走りながら指示を出し振り返ると、それを受けた男性同志が身振り手振り、部下二名をそれぞれ各方向へ走るよう説明している姿が目に飛び込む)
ダッダッダッダッダッダッ!!
(灰色に光る不気味な空模様を見上げながら、花畑エリアを突っ切っていく)
ムーア「アポロン!!」ダッダッダッダッダッ!!(こちらは顧みず、長い首を垂直にまっすぐ伸ばしながら空を見上げている火竜の足元では、馬小屋エリアから来たのであろう、頭にリボンをつけたファンゴが挙動不審にソワソワとあたりを周回している)

アポロン「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・(空を見上げている火竜の姿が逆光となり、背の高い長方形の石柱モニュメントのようなシルエットをみせる)
ムーア「これを恐れていたのね?」はぁ・・はぁ・・・
アポロン「まだだ・・・まだくるぞ・・・・!」
Recollection No.5_184
ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・・
(おぼろげな影が獲物を狙う蛇のようにじわじわと太陽の明瞭を飲み込んでいく)
ゴッゴッゴッゴッゴッゴッ・・・・(顔を下げ足元を見ると、ファンゴの同志が本能的に不安を感じているのだろうか、興奮気味に鼻息を荒くしながら視点主の周りを小走りしている)
ムーア「だいじょぶ・・だいじょぶよ、イノみゃん」グッ(少し身を屈めて彼女の頭を優しく撫でながら自分の太ももに抱き寄せる)
ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・・
(馬小屋エリアに目をやると、ポポやガウシカもまたソワソワしながら、まるで方向感覚を奪われしまったかのように草原をうろうろしている姿が見え、厩舎の馬達も何かに怯えているのかのように俯いてしまっている)
ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・・(再び顔を上げると青色だった空の色は次第に薄くなっていき、まるで朝方のような静けさと冷たい鉛色に染まっていく)
ムーア「何が起きるの・・?」スッ・・(光源を徐々に失っていく空模様を見上げながら、そっと火竜の同志の脚に触れる)
アポロン「わからない・・・だが・・準備しろ、ムーア」ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・・
ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」(おもむろにお花畑エリアを顧みる)
ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・・
(仄暗くなってしまった花畑の花々もまた光を奪われ、その美しい色彩が隠されてしまったことにより、異質な雰囲気を漂わせている)
ぞろぞろ・・ぞろぞろ・・・・(そんなおどろおどろしい光景の中、神殿内より呼ばれて出てきた同志達が、まるで魂を喪失してしまったかのようにこぞって空を見上げながら、色を失った花畑に集まってくる)
アポロン「ムーア。みんなに武器を持つよう指示しろ」ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・・
ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ぞろぞろ・・ぞろぞろ・・・・(そう言われてはじめて同志達の身なりを確認すると皆、同盟メンバーの防具である白いフードコートは身に纏っているはいるものの、得物は手にしていない)
アポロン「ムーア」ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・!
ムーア「・・・・・・・・・あ・・・うん。そうだね。念の為に・・・・」
??「盟主!!」(頭上より声が聞こえる)
ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」(声が聞こえた崖の要塞を見上げる)
モーガン「逃亡者を捕縛してやったぜ!!」(バリスタが各所設置された崖の洞穴のひとつより、ウルファを羽交い締めにした彼が自慢げに姿を見せてくる)
ムーア「ウルファ・・・・」ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・!
ウルファ「誤解よ!!ムーア!!彼を説得して!!」(振りほどこうとする彼女の鼻からは鼻血が流れている)
モーガン「これ以上、盟主を誑かそうったって、そうはいかねぇぞ!!この泥棒猫め!!」チャッ(剥ぎ取りナイフを彼女の首元にあてる)
ウルファ「ムーア!!私を信じて!!」
モーガン「黙れ!!これが何よりの証拠だ!!」バサッ(彼女を拘束しながら、ナイフを引っ込め、その手で懐より筒状に紐が巻かれた皮紙を掲げてこちらに見せてくる)
ムーア「・・・・あれは・・・・・あたちが描いた・・・・」ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・!!
モーガン「こいつはお前の部屋からこの紙を盗んで、洞窟から逃げようとしていたんだ!!」グッ(野太い上腕二頭筋をもって背後より彼女の首を締める)
ウルファ「違うわ!!こいつが盗んだのよ!!」
ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・!!
モーガン「ふざけんな!!この期に及んでまだ嘘をつくきか!?俺は昨日の晩から、ここでぐっすり寝ていたんだ!!こそ泥が来るまでな!!」ギュリギュリギュリッ!!(豪腕で彼女の首を締め上げていく)
ウルファ「ムー・・・ア・・・・・・私を・・・・・信じ・・・・て・・・・」ギュリギュリギュリッ・・!!
ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ!!
アポロン「見ろ!!」
ムーア「!?」バッ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(太陽は完全に闇に蝕まれ、青白く迸るプロミネンスだけが世界を薄暗く照らしており、今しがたまで聞こえていた大気が擦れ合う重厚なアポカリプティックな怪音もまた時間が静止してしまったかのようにピタリとミュートしている)
ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(花畑を見ると、呆然と立ち尽くす同志達もまた、呼吸を止めているのかのように不動のまま、一斉に頭上の異常空間を見上げている)
ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」(そっと足元を見る)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(足元のファンゴはこの異常事態に耐えきれぬ様子で小刻みに震えながら視点主の太ももに顔をうずめている)
ムーア「イノ・・みゃん・・・・・」(そっと彼女に触れようとした次の瞬間..)
ブワッサ・・・ブワッサ・・・・
ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ブワッサ・・・ブワッサ・・・・
アポロン「来やがったぞ」

ブワッサ・・・ブワッサ・・・・
アポロン「あれがお前の・・・同盟の宿敵・・」
ムーア「マモーナス・・・・」ブワッサ・・・ブワッサ・・・
To Be Continued

★次回ストーリーモードは7/29(木)0時更新予定です★