
泥吉「卑劣なコズンダは首長の赤ん坊を暗殺教団の刺客を使って誘拐したんです」

フラワー「なんてことを・・・・」(我が子を強く抱きしめる)
泥吉「部族の仲間は彼らにとって全員が家族なんです。当然、彼らは従うしかなかった・・・・!」ポン(俯く同志の肩を強く掴む)

ジャブ吉「・・・・・・・・・・・・・」
泥吉「あっしの仲間も連中に捕まっちまいやした。無事に返して欲しければ、クーデター決行日に都内で騒動を起こせと・・・コズンダは要求してきたんです」

フランソワ「警備の目を引くため。そして外からは二軍による挟撃。執務不能な国王不在の中、首都の警護を任されていたのは?」
泥吉「長男のアダンカです。当然コズンダは父親が自分よりも兄を信頼していたことを知っていました。そして父譲りの勇猛な性格を受け継いでいることも」
フランソワ「・・国王が帰還する前に撃退すべきだと兄上の義憤を煽り、迎撃に出るよう促して、北東から進軍してくるジャブ吉さん達の対応に向かわせた・・・首都に残った軍勢と共に・・・・そして完全に警備が手薄になった宮廷を暗殺教団によって包囲・・・国王や兄上を支持する大臣達もいたはずです。彼らは?」
泥吉「ゲ・アゲルゾンによって皆殺しにされやした。アダンカもまた、確かに腕は立ちますが、軍を率いた経験は皆無でした。結果、アダンカは操竜術を誇るシャーマラーン・ハハーン族の軍勢に打ち負かされ、命からがら首都に帰還してきたところをコズンダ率いる暗殺教団によって捕縛され、宮廷の牢獄に幽閉されてしまいやした」

サムソン「国王に知らせは?」
泥吉「すぐに国王が待機していた兵站拠点に伝令が飛ばされやしたが、いかんせん距離と時間が掛かりやす。コズタン一世に知らせが届いた頃には、すでに首都はコズンダが支配していやした。アダンカを生かしたままにしておいたのも人質として利用する為です。コズタン一世はそれを承知で遠征軍を引き返し、首都へ戻ったのですが・・」
フランソワ「父親が息子の為に兵站を捨て、行軍の速度を限界まで上げて帰還するのは分かる話です。そして反乱軍との戦いと移動による兵の疲弊と糧秣不足もまた容易に想像できます」
泥吉「おっしゃるとおりです。それを見透かしていたコズンダは都入りさせていたシャーマラーン・ハハーン族とゲ・アゲルゾンからなる軍勢を率いて、伏兵による奇襲で国王軍を狂気的に討滅したそうです・・・・そして最後は自らの手で父を殺害したと・・・・また、どういうわけか、国王軍が打ち負かされている間、『日蝕』であったことも伏兵にとっては大きな助けとなったのでしょう・・・本当に・・・本当に陰惨な一日でした・・・・」
サムソン「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

一也「つまり・・あの日にクーデターが起きたんだニャ」
バステト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
鉄平「分かるぜ、その腑に落ちない顔。すべてが順調過ぎるってんだろ?」みゅう(と母に抱かれながら頷く赤ちゃんネコ)
サムソン「はたまた災禍を望むものがおるのか・・・・気に入らんな」あむっ(喉から沸き起こる憤慨を抑えるように温泉まんじゅうを丸呑みする)
「あたちのモンハン日記」
Anthem of a Dying lights

王羽美「あれがどんなに危険なものなのか貴方達は知らない!!!!」ガンッ!!
シリウス「俺とアンソニーに与えられていたミッションは邪龍の巣窟を調査することだった。ハロルドが奴のねぐらを探知する前から確証は得ていたんだ。奴はアヤの中央にいるということを。考えてみろ?なぜ俺とアンソニーが選ばれたのかを」
王羽美「・・・普通の人間では立ち入ることができない危険なフィールドだから・・・・それで竜機兵を使おうというのですか!?アヤの民のことも考えず!!!!」
シリウス「だから動乱という口実が必要だった!!その支援として、アヤで対立関係にある各勢力に奴等の情報を流し、援軍要請を出させるよう仕向けたのも俺だ!!」
王羽美「・・・またしてもクルセイダーズやウィンターナイツを利用するのですか・・?面倒なことは彼らに託して・・・・・恥ずかしくないのですか!!??あなたは!!!!」ダンッ!!!!!
シリウス「邪龍はハンターズギルドの・・いや、世界の宿敵だ。俺は・・俺の信義を貫く為に生きている」
王羽美「信義とは道と侠の上にある!!!!!それを心得ているユクモの人達を利用することが貴き精神だというのですか!!!???答えなさい!!!!!シリウス・ハント!!!!!!」ガンッ!!!!!
シリウス「・・・・・・・・・・・・ミッションは・・・・目的は必ず達成させる・・・例え犠牲を払おうとも」

鉄平「仲間が捕われたと言っていたが、あんた達は何者なんだ?」
泥吉「グリムリンクス。山猫族から構成された義賊です。今はあっしがリーダーをやらせてもらっていやす」
サムソン「ん・・記憶によれば、王都の外街で・・・」
バステト「イッ!」キッ(と睨みつける)
サムソン「・・ほむ・・・・アヤ出身なのか?」
泥吉「いえ。あっしらグリムリンクスは拠点を持ちやせん。代々、義賊として大陸各地を転々としながら、階級格差が激しい都市を見つけては、そこに居住する富裕層から金品を盗み、貧者に分け与えることを天職と感じているんです」へへへへ・・
一也「肉まん君みたいだニャ」しーーーっ(とクルセイダーズ一同)
泥吉「王都ヴェルドはご存知ですか?」
一也「そりゃあもうよく知って・・」バチぃ~~~ん


フラワー「噂はかねがね。どうして王都へ?」
泥吉「へい。ちょいとしたあっしのワガママで立ち寄ったんです」
一也「それってまさかUBUにゃんに会う為・・」バチぃ~~~ん


フラワー「うぶなお方だと。続けてください」
泥吉「情勢を探ろうと貴族の家に忍び込んだ時でした。ニャんて盗聴ですがね。そしたらアヤの動乱に関する噂を聞いちまったんです。聞けばアヤは外部との接触を断っているとのこと。こりゃ~きな臭い話じゃねぇですか。一体、そんな大陸で今、何が起きているのか・・・興味津々になっちまったんです。きっと内訌に巻き込まれ、苦しんでいる民がたくさんいるはず・・・それであっしらは一致団結、アヤへ向かうことを決意しやした」
サムソン「私も若かった頃はそういった冒険に憧れたものだ」つまんねぇ話(と鉄平。同時に一斉に頷くクルセイダーズ一同)
泥吉「まさにあっしらがそうです。腐敗しきった領主や君主に代わって正義の炎を焚きつける為、密輸船に仲間と共に忍び込み、一路、アヤを目指したってわけでさぁ」へへへ
フランソワ「総帥好みのストーリーですわね」へへへ(と鉄平)
サムソン「その輸送船とは・・暗黒商会のものか?」
泥吉「さすがクルセイダーズの旦那。事情に詳しいようで。あっしらが密談を聞いちまった屋敷の貴族共もまた、連中と繋がりがあったんですよ」
サムソン「かの都には暗黒商会やタラスクギルドと繋がりのある顧問団がいるという・・・噂は我々も聞いたことがあるが・・・本当だったとはな・・」うむ・・(同じく頷く一同)
泥吉「それだけじゃあ、ありやせんですぜ。奴等の密航船は邪龍教徒の連中を送迎する為のものだったんです」
サムソン「タラスクギルドが・・・なぜアヤに?」
泥吉「驚かねぇでくだせぇ。実はですね・・アヤでは邪龍教が国教なんです」
サムソン「ほむ・・・・」
鉄平「これで納得がいったな。どうしてアヤが古来より外部との接触を断ってきたのかが」
泥吉「アヤでは交易港は作られていない為、あっしらが潜入したタラスクギルドの船は人の居住がない北東の海岸に停泊しやした。あっしらはそこでこっそり船を降りて、密林地帯に入ったんです。そしてシャーマラーン・ハハーン族に遭遇したってわけです」こちん

フラワー「ジャブ吉さんとはすぐに?」つんつん(今度は茶を飲もうと、まだ熱い湯呑を人差し指で突きながら「チャレンジ」している彼を見つめる)
泥吉「いやぁ~それが密林内を仲間たちと探索中、いつの間にかジャブ吉たち、「原住民」に囲まれちまいやしてね。大事にはしたくなかったんでね、腹をくくることにしたんです」
サムソン「会談だな?」
泥吉「へい。仲間をその場に残して、あっしが代表として、シャーマラーン・ハハーン族の集落まで行ったんですよ。もちろん「縛られて」な」ニャハハハ(と笑う友を見て同じく笑い方を真似するジャブ吉さん)
一也「その男気が認められてたってわけニャ」
泥吉「へい。首長ゲンダラン・コンガラン・ケズマダ・ハハーン8003世と意気投合しちまって、兄弟の契を交わしたんでさぁ」
鉄平「こりゃまた8003世とはすごい歴史を感じるが・・・ってことは、ジャブ吉とも家族ってわけか」△□~!!(と意気揚々と返事をするジャブ吉)
泥吉「そこで厚いおもてなしを受けたあっしは、なにか困ったことがあればいつでもグリムリンクスを頼ってくれと残して、首都を目指したんでさぁ」
鉄平「ハハッ。それで今度はアヤの都で義賊として活動ねぇ・・大したもんだ」
泥吉「とんでもねぇ。民を救うどころか、あっしもまた、気づかぬうちに内訌に巻き込まれ・・・いえ・・・自分から飛び込んじまったんです・・・そして仲間を危険な目にあわせ、クーデターに加担させちまうなんて・・・・大切なグリムリンクスとの誓いを・・・仲間を・・・・あっしはリーダー失格です・・!!」

六本木「・・・・・・・・・・・(仲間・・・か・・・)」
王羽美「私がここ(ギルドナイツ)にいる理由は・・もうなくなった・・・・・」
シリウス「だが絶望に屈するわけではないだろ?」
王羽美「・・・・・・・水没林の龍災後、不思議な夢をみました・・・・・・そして投獄されてから、ずっと瞑想していました・・・・。目が見えない感覚がどんなものなのか・・・・あの方がどんな景色を見ているのか知りたくて・・・・・あなたには縁がない話です・・・・」
シリウス「どうかな・・。ユクモに行くつもりか?」
王羽美「さぁ・・・・・そう簡単に受け入れてはくれないでしょう・・・・」
シリウス「ならば陰ながら救え。俺はずっとそうしてきた」
ドサッ
王羽美「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ちら(涙を拭いながら開閉口より投げられたであろうものに目を向ける)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(ケムリの実とドキドキノコが目に入る)
シリウス「残念だが鍵までは調達してこれなかった。だが、そっちの方が脱獄する姿を見られなくて都合がいいだろう。どこに飛ぶかはお前の運次第だ」
王羽美「調合率も?」グッ(素材を握りしめる)
ガチャッ・・ドサッ・・(開閉口の向こう側でヘルムを脱ぎ捨てるシリウス)
王羽美「・・・・・・・・・・あなた・・は・・・」(彼の素顔を窓口越しからまじまじと見つめる王羽美)
シリウス「闇に生きようが絶望には決して屈するな。お前のナイトカラーの志もまた、俺が受け継ごう。白き盟友よ」(ドアの向こう側より「先程とは別人の声」が聞こえてくる)
王羽美「・・・・まさか・・・あなたの信義とは・・・・」スラスラ・・(反射的に右手の指で左の手のひらに何かを書いている。おそらくはこの人物の本当の名前だろうか...)
シリウス「かけがえのない世界を守りぬくため、その身を大陸に捧げよ・・。生きてまた逢おう。王羽美」ザッ・・・
To Be Continued
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次回「あたちのモンハン日記/Anthem of a Dying lights」
第18話「オトモダチ」
3/24(木)0時更新予定
道は示された・・
私は・・私もまた、自分の為に淵源を断ち切る
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