GOOOOOOOOOO！！
（晴れのち曇り的な灰色に変貌しつつある天候のもと、大海原を尋常じゃない速度で直進していくキャラベルタイプの小型帆船。雪のように真っ白な帆には劇画タッチな謎のUMA的人面フェイスタイプの魚竜が大口を開いたまま水面から巨大な顔を出し、溺れている狩人らしき人間をまさに今、丸呑みしようとしている風刺画的へんてこな絵が描かれている。それも帆のいち枚にだけ。もう片方は無地のまま。そして船首像に施された「可憐な印象を強要させる大理石の白いドレスの少女」がチラりと光るのだが、その首には、まるで絞首刑のようにロープが「二本」括られており、上空遥かに伸びている）
GOOOOOOOOOO！！
（二本のロープの行き先を辿ると、そのまま大空で飛翔する炎妃龍と冰龍の足に繋がっており、「彼女達」が船の原動力となっていることが窺える）
ゼット「いざ行かん！！アヤ大陸へ！！」GOOOOOOO！！（船首付近で船長気取りながら）
フォウウウウウウウウウウン！！
（帆を突き破らんばかりの怒涛の追い風が灰虎な船長を前方へすっ転ばす）
ゼット「いてぇ
こらぁ～！！気をつけろ、サドンデス！！」バフウウウウウウウウン！！
（帆船の後方では帆の高さに合わせて浮揚している風翔龍の同志が人工的ならぬ竜工的な追い風を口から突風しながら船にさらなる推進力を齎している）
サドンデス「航海は順調。晴天は間もなく荒れ模様になる気配」ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・・（次第に曇っていく空を見上げながら）
ゼット「なんだってこの・・・」よいしょっとな（と猫膝を叩きながら起き上がる猫股の向こう側より獣纏族の外交官が甲板上にそのモフモフな姿を見せてくる）
ボワコフ「ありゃま。曇ってきたでアリマスね」むぅ・・
ゼット「あんだよ。姐さん達と一緒に寝てたんじゃねぇのか？」GOOOOOOO！！（ジェット機のように進んでいくありえない船景色をバックに）
ボワコフ「あれ以来、夢を見るのがどうも・・・オクサーヌ殿は逆に眠たいとおっしゃっていましたが。飲むでアリマスか？酔い止め入りかつアルコール入りの元気ドリンコでアリマス」（どんぐりタイプの水筒を勧めてくる）
ゼット「うっ・・
遠慮しておくぜ。なぁ、それよりよ、あいつらと話をしたか？」ボワコフ「ああ、スリー殿のことでアリマスね。このドリンクを調合してくださったのも彼女でアリマスよ。なんだか体だけじゃなくて頭の中までポワポワしてきて気持ちが良いでアリマス。フフフフ。アハハハハハ（以上から笑い）」
ゼット「よく、わけのわかんねぇ狩人が作った飲み物なんて飲めるな。毒でも入ってたら・・」
むんずっ（灰虎の猫首を豪快に持ち上げるゴシャアーム）
スリー「月蝕の翳氷（つきはみのえいひょう）は、そんな姑息な手段は使わない」（頭部以外、ゴシャシリーズに身を包んだ女狩人の姿が）
ゼット「ただの狩猟団だろうが。それともアヤの女は猫嫌いってか？」
スリー「意識し過ぎよ。ま、それだけ根は真面目ってことか」とっとっとっとっ・・（彼女に寄り添うように歩いてきた白毛のガルクにゼットを乗せてやる）
ボワコフ「羨ましいでアリマスね、カーラ殿に乗れるなんて」アハハハハハ（から笑い）
カーラ・スノウ「最果ての戦士はその地理的環境から孤高と思われがち。そうでしょ？」ガルルルルル
ゼット「偏見を抱くのはお互い様だってな。知ってるか？ネコってのはあったかいとすぐ眠たくなるんだ」ファ～～～あ・・（カーラの背に乗りながら）
カーラ・スノウ「よだれさえ垂らさなければ」やれやれ（と首を振る）
ボワコフ「冬国生まれは心が温かいと祖父が言っておりましたが、それはアヤでも同じようでアリマスね」なでなで（カーラのきれいな白毛を撫でる）
スリー「そうね。南部の民は自分たちの暮らしを守る為に動乱から逃れ、僻地に身をおいた。それなのに・・・あの男は・・国王は自分の権威を全土に知らしめるが為に意味のない侵略をしてきた・・！」
ゼット「権力者ってのは、傍若無人に振る舞うことで人を本能的に抑えつけようとしやがるもんさ。だから殺されたんだろ？息子の手によって」
スリー「それは私の使命だった！！」
ゼット「・・・・・・・・・・・・・・・・・」（猫目を細め、訝しげな顔でスリーを見上げる）
スリー「・・・・・ごめんなさい・・。自分に腹が立っているだけ」
ボワコフ「前国王コズタン一世が天下統一を果たした、その南征の時、スリー殿は？」
スリー「あの男が街を破壊し尽くした後、生まれた・・。だから、その場であの男を殺すことができなかった」
ゼット「復讐を奪われたか・・・・そして国は内から崩壊し、再び群雄割拠に陥った・・。あんた達が庇護している国王の長男ってのは、どんな男なんだ？」
スリー「王座に最も相応しい守護者」
ゼット「ほぉ・・・その正当な王家の血筋を盾に、クーデターを犯した腹違いの次男坊から首都を奪還しようってわけか・・・」
カーラ・スノウ「問題はそんなに簡略的じゃないわ」
スリー「いいの、カーラ。あなた達の助けには感謝している。本当よ」
ゼット「疑っているわけじゃないんだ。いやな・・どうして「うちの守護女神」が、代理戦争になりかねない他国の派遣争いに首を突っ込んだのか・・・俺はそれが気になる。それともうひとつ」
スリー「？？」
ゼット「そのいかちぃ装備。クールだぜ。よく似合ってるよ」スッ（猫拳を掲げる）
スリー「あんたのウルクネコもね」こちん
（拳をぶつけ合う）ゼット「ダチの素材なんだ。あんたのは？」
スリー「奇遇。私達、気が合うかもね」にこっ
ゼット「フッ・・・・」
ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・・・・
カーラ「・・・・・・・・・・・・・・・・」（暗雲を見上げる）
ゼット「アヤってのは排外的だと聞く。どうやって凍土まで？」
スリー「密航船の存在を聞いたの。なんでもその船に乗れば、安全に他の大陸へ行けるって。最初は信じがたかったけど、本当だった」やれやれ
ゼット「俺たちの存在はどうやって知ったんだ？」
スリー「それも支援者から。東部の都市もまた内密に援軍を要請をする為に出港するって。だから私達にも援軍が必要だって教えてくれたの。同じ冬の戦士をね」パチりん（ウィンクしてみせる）
ゼット「・・・・フィクサーねぇ・・・・ちょっと待て・・・・って、ことは・・」
ボワコフ「他にもアヤを目指している軍勢がいるということでアリマスね」
ゼット「姐さんが何で動いたのか・・・なんとなぁ～く見えてきたぜ」ぼちょん
（その灰虎な猫顔に雨が落ちてくる）「あたちのモンハン日記」
Anthem of a Dying lights
ボボーーーーーーシュッコ！シュッコ！
（同じく曇り空な大海原をモクモクと征く外輪式蒸気船（左右の舷側に３つ外輪を持つタイプ）。白いボディの船首両側にはローゼンクロイツのエンブレムが）
ラインハルト「いやだなぁ・・雨降りそうじゃない・・」（グラサンアロハ短パン片手に日焼け止めオイルの瓶持参スタイルで空を見上げている。もちろん鏡のようなグラサンのレンズには曇が反射して映っている）
ミサキ「中に入られますか？」（折編笠を被り顔には相変わらず面妖な狐面（面の下地はセミグロスなホワイトベース。黒く塗りつぶされたキツネ目は上側に金色、下側に水色のアイラインが水彩チックに薄く引かれており、出っ張った鼻部は半月状に黒、ぎゅっと閉ざされた口の長いラインは朱色で引かれている。両頬には金色の緩やかな立てラインが二本入っていて、おでこにも水彩チックな薄いタッチでローゼンクロイツのエンブレムが水色、金、桃色を用いて描かれている。そんな少しPOPな狐面だが、その表情は「無」に近い印象を受ける）を付けた彼女（防具は両肩が円状に「ピーン」と立った高貴な陣羽織（青を貴重に縁、各所が白のデザイン）を、武器は鬼薙刀を背中に納刀）が、今は「主の為の日傘」を持っている）
ラインハルト「やめておく。日焼けはしたくないけど日光浴はしたい派なんだ。君のその帽子もいいね。やっぱり僕用のも作ってもらおう」よいしょっとな（甲板に敷いてる、鮮やかな色のレジャーシート（潜口竜の皮ベースか？）に「ゆっくりと」横たわる）
コズマ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」（曇り空を見上げている黒衣のフード付きコートを纏った邪龍教徒の女性。「こちら」はフードはかぶっていない為、ブラウンヘアーな深いサイドパートが特徴的な無造作ボブで開かれた美しい褐色肌にトパーズのような黄金色の輝きをみせる瞳と、その周りを囲うアイホールから目尻の先を経て、涙袋まで広範囲に塗られた真っ黒なアイシャドウが印象的な顔がよく確認できる）
ラインハルト「予兆とかやめてよね。古龍出現の」う～～～ん・・ゴロゴロ・・（するたびにちゃんとミサキが日傘を動かす）
コズマ「そのようです」サーーーーーー（一気に小雨が降り出す）
ラインハルト「え？」サーーーーーー（見上げるアホな顔のグラサンのレンズが雨粒によって覆われれていく）
ザーーーーーーーーーー！！
（大理石の白いドレスの少女の彫像にも同じく雨が絶え間なく降りかかり、なんだか彼女が泣いているようにも見える）
スリー「あれってオクサーヌ？」（船首を覗き込みながら）
ゼット「ああ。オリジナルは破壊、さらには盗難されちまったんだろ？」
ボワコフ「ええ。きっと他にも夢を共有したものの仕業でアリマ・・・っと、ありゃま。えらいまた降ってきたでアリマスね」ザーーーーーー（見上げる獣纏族の毛皮がみるみるに水浸しになっていく）
ゼット「荒れ狂う大波に負けじと繰り広げられる大冒険劇・・・きっとそう言うぜ。フェルナンド・ピサロなら。フフ」ザーーーーーー
スリー「カーラ・・・これって・・まさか・・・」（傍らで空を見上げるガルク）
ザーーーーーーーーーーーーー
（前方の雨空で船を牽引する炎妃龍、冰龍が共に警戒を促すようにこちらを振り返っている）
スリー「行きは平気だったけど・・帰りは違うみたいね・・」ガルルルルル（傍らで雨空に向かって威嚇を始める白きガルク）
To Be Continued
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次回「あたちのモンハン日記/Anthem of a Dying lights」
第23話「ミューズ・ネロ」
4/11（月）０時更新予定
でアリマス！！不可解に降りしきる雨の淵源たるや・・
次回もお楽しみでアリマスよ♪
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