~アヤ北東部、スパンスコーン山脈麓エリア....

あきゃ~あきゃ~ おえっおえっ
(謎の環境生物達の声が遠からず反響している密林地帯、恐る恐る周囲を警戒しながら進んでいく軽装(レザーシリーズの上から黒いマント、腰部にも黒い前掛けを装着)の大宰相を先頭に、この大自然のエリアには到底相応しくない高貴なダマスク柄ファーカラークロークに身を包んだ王妃が慎重な足取りで続いていく)
スカルリーナ「・・・・・・・・・・・・・・・・・」あきゃ~あきゃ~ おえっおえっ(古びた倒木を避けながら進んでいく)
エムセス・ガリタン「少し休まれますか?」あきゃ~あきゃ~ おえっおえっ
スカルリーナ「大丈夫。パパグラーナにいた頃は、ギルドのメンバーと一緒に、よく川辺で遊んだものです」
げおっげおっ げおっげおっ
(王妃の足元、濃いグレーのスエードレースアップロングブーツ(かかと部が「太硬そうな」蹴られたら痛そうなタイプ)にぷっくりタイプのネムリガスガエルが)
スカルリーナ「まぁ・・可愛らしい・・」スッ・・(手を差し伸べようとする)
エムセス・ガリタン「いけません。触ると危険です」
げおっげおっ げおっげおっ
(つぶらな瞳で王妃を見上げているネムリガス)
スカルリーナ「小さい頃、今のあなたと同じセリフを言っていたフェデリコおじさんが、誤って踏んづけてしまい、瞬く間に眠ってしまったのを覚えています。興奮させなければ問題ありません」スッ・・(カエルの頭をそっと撫でる)
げおっげおっ げおっげおっ
(なにやら一点を見つめているネムリガス)
スカルリーナ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ちら・・
あきゃ~あきゃ~ おえっおえっ
(振り返ると少し先の地面に大きな足跡が見える)
エムセス・ガリタン「・・・それほど時間は経っていないように見えます。すぐにここから離れましょう」ザッ
スカルリーナ「お待ちを。ならば先程の飛竜かもしれません。足跡を辿っていきましょう」
エムセス・ガリタン「それこそ危険です。今は安全な場所を探す方が・・・・」
ガサッ・・
エムセス・ガリタン「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」チャッ・・(王妃に背を向けながら静かに構え、腰におさめている剣の柄を握りしめる)
スカルリーナ「・・・・・・・・・・・・・・・」あきゃ~あきゃ~ おえっおえっ
ガサガサッ!!
(茂みが揺れ動く)
エムセス・ガリタン「!!」
バッ!!

ジャブ吉「◎~~~~!!」バビョ~~~ん(両手を上げながらご陽気に茂みより飛び出てくる)
エムセス・ガリタン「奇面族・・・近寄るな!!」サイーン

ジャブ吉「・・・・・△○?□▽??」(スカルリーナの顔を下から覗き込んでいる。対し大宰相は「しっしっ!」と剣で払いのけようとしている)
スカルリーナ「あなたは・・・・ひょっとして泥吉の・・?」
ジャブ吉「オ・ト・モ・ダ・チ」(面の奥で光る両目が笑っているように見える)
お~~~~い ジャブ吉やぁ~~い
どこ行ったニャ~~?
エムセス・ガリタン「ん?」
ザッザッザッザッザッ
(大型生物が這いずる音が近づいてくる)
スカルリーナ「あれは・・・・」
ザッザッザッザッザッ

(密林の向こう側より頭にネコを三人乗せた泡狐竜が現れる)
スカルリーナ「静かに」(怯む大宰相がリアクションを起こすよりも早く言葉を投げかける)

ウズメ「迷子にしては、少しお年を召しているようですが」
エムセス・ガリタン「・・・喋った・・・・」

マクシミリア「鼻には自信がある方ですが、さすが一也殿」

一也「ニャろ?香水の匂いからして、位の高い人だニャ」くんくん

ニャーク「御婦人。失礼ですが、お名前は?」
スカルリーナ「スカルリーナ・コズタンです。あなた方は?」(身構える大宰相の背後より一歩前に出ながら答える)
一也「ユクモクルセイダーズ。やったニャ!泥吉さんのクエスト達成ニャ♪」ぱぁ~~~ん

エムセス・ガリタン「・・・ユクモクルセイダーズ・・・・では、彼らが援軍の・・!」
スカルリーナ「お導きがあればこそ。ようこそ、アヤ大陸へ」にこっ
「あたちのモンハン日記」
Anthem of a Dying lights
~アヤ西部、失望の谷....

ぽく・ぽく・ぽく・ぽく・ぽく・ぽく・ぽく
(霧がかったフラットな荒廃地、一頭の天狗獣がしっぽをおっ立てながら空中で座禅を組み、「手持ちの木魚」を叩いている姿を見守る多殻蟹)

ゾンゲ「思念天氷・・?是非、お教えくだされ。荒柿法師」へこり(と、でかい頭を下げる多殻蟹)

荒柿法師「思念瞑想し、恍惚状態、つまり悟りに入るために、業娑磨一族が編み出した観相法だよ。深く息を吸い上げ、瞬間的な瞑想をすることにより、体内に宿る氷結袋を内から鍛え上げ、通常個体よりも氷塊をより増幅させることができる」ぽく・ぽく・ぽく・ぽく(手持ちの木魚には柿のマークが)
ゾンゲ「気力同様に・・・それはすごい」ザム・・
荒柿法師「彼ら曰く、氷結袋の内側にある個の根源を瞑想により追求することでゴシャの真理を得られるという。これにより竜種のような氷の翼を背中に付属させることや両手に氷の武器を装着させることもできるというわけだよ」ぽく・ぽく・ぽく・ぽく
ゾンゲ「ゴシャの真理・・・・」
荒柿法師「瞑想中は自身に流れる「ゴシャの血」から「偉大なるゴシャの歴史」を「ちょっとだけ」顧みることで、「ゴシャの真理」を知ることができるというのだが、起きた瞬間に瞑想中に見たそれらのことをすべて忘れてしまう為、まったく覚えていないという。それもまた、ゴシャの教えなのかもしれないな・・」ぽく・ぽく・ぽく・ぽく
ドシューーーーーーン!!
(灰雲の中、こちらに向かって飛んでくる「氷の翼が生えた雪鬼獣」)
ゾンゲ「思念天氷を受け継ぐ、氷雪の天使・・・業娑磨萩比古(ごうしゃま はぎひこ)か・・。ご教授、感謝致す、荒柿法師」へこり(と、でかい頭を下げる多殻蟹)
荒柿法師「よいよい」ぽく・ぽく・ぽく・ぽく
ドシャーーーーーーーーーン!!
(豪快に着地してくる雪鬼獣の巨体。同時に砂埃が法師と多殻蟹に浴びせられる)
荒柿法師「ペッペッ


業娑磨萩比古「これはすみません、法師。ゾンゲ殿も許してくれ」へこり(あのおそろしい顔を下げると同時に氷の翼がパキパキと音をたてながら崩れ落ちていく)
ゾンゲ「水には困らないというわけか」
業娑磨萩比古「ハハッ。さすがに俺の氷だけじゃ、きびしいさ。水路は北の密林エリアから、地面の中に穴を掘って、引っ張ってきているんだ」
ゾンゲ「それはザムなアイデアだな。さぞ穴掘りが得意な獣人でもいるのかな」
業娑磨萩比古「かつて、この谷に棲んでいた獣人達がやってのけたらしい。近年では、その穴を更に拡大したんだよ」
ゾンゲ「それはまたザムな・・大変だったろうに」
??「あたいらに任せれば、なんてことないさ」
ゾンゲ「ザム・・?」ちらり

セルターーーーーーーン!!
ゾンゲ「おお、ゲネッタにアル助が手伝ったのか」

ゲネッタ「実際、穴を掘ったのはあたいさ。うちに駄目亭主は、空から応援していただけ」やれやれ

アル助「(以下、すんごい虫っぽい甲高い声で)そんなこと言うなよぉ~~。君が迷子にならないように上から誘導してたじゃないか~

ゲネッタ「ハンッ!あんたのナビがなくても、先人達が掘ってくれた穴を辿っていけばいいだけなんだから、あたし一人でやれたさ」やれやれ
アル助「またそんな強がりを。途中、道をそれちゃって、慌ててたんだぜ?『ぎゃああああ!!モギーが出たぁ!!』なんてさ」こそっ(とゾンゲ達に)
ゲネッタ「婿養子が偉そうに!!」ばちぃ~~~ん


荒柿法師「ホッホッホッ。夫婦喧嘩も良いが、怪我人の具合はどうじゃ?」
ゲネッタ「心配しないで、法師様。みんな、だんだん良くなってきているよ」
アル助「皆さん方が応援に来てくれたことも励みになってまさぁ~」
いやぁ~~~~~♪
きゃはははははは♪
(遠くの荒廃エリアで子供達と一緒に遊んでいる、炎獅子、蒼火竜)
ゲネッタ「坊主たちも喜んでいるよ。ほんと、悪いわね」
ゾンゲ「スサノオは介抱してもらったお礼だと言っていた。呂夏双はもともと、ああいう奴だ。気にしないでくれ。それよりジュディとライラの姿が見えないが・・」
業娑磨萩比古「長旅で疲れたのだろう。ここのところは日中にたくさん寝て、夜のパトロールをしてくれている」
ゾンゲ「ザム・・・・それほどまでに首都の軍勢は危険なのか?」
ゲネッタ「ハン!!正々堂々、戦えれば、あんな連中、怖くもないさ!!」
アル助「よしなよ、ゲネッタ。ゾンゲさん達は、まだここに来て間もないんだ」
ゲネッタ「臆病者の婿養子!!あんたにはプライドってもんがないのかい!?そんなんじゃ、またあいつの餌食にされちまうよ!!」ぶんっ

アル助「いたいっ


ゲネッタ「臆病者の婿養子!!あたいの両親も守れなかったあんたなんか、この谷に連れて来なければ良かったのさ!!」
ずんがずんがずんがずんがずんが

(と重戦車のように霧の向こう側へと消えていく重甲虫。道中、スサノオ達が「なんだ?」と彼女を目で追っている)
業娑磨萩比古「大丈夫か?アル助」よっ・・(彼をひっくり返してやる)
アル助「すまねぇ・・。まだ傷が癒えてなくってね・・うまく飛べやしねぇ・・」へぇ~え・・(と萩比古の肩を借り、今度は彼におんぶしてもらう)
ゾンゲ「彼女のご両親は?」
アル助「へぇ・・・ゲネッタはもともと、北東のスパンスコーン山脈の甲虫名家、セルタリーザ家の末裔なんです」
ゾンゲ「ほぉ~。道理で気品のあるご婦人なわけだ」
アル助「おっしゃる通りで。そんな彼女に一目惚れしちまったあっしは、養子を条件に彼女と結婚したんですが、平和な日々もほんの僅か・・当時、山脈地帯を荒らしていた斬竜に、彼女の両親は・・セルタリーザ家は滅ぼされちまったんです・・」
ゾンゲ「斬竜・・・」
アル助「名前は、ディ・ガルシャー。極悪な奴で、今はラ・エメシスを護る五冥神の一頭です。あっしら、アグダ・マズラーが反乱を起こした時も、コズタン一世の討伐隊を援護する為に奴が現れ、このザマです・・・クソッ・・!」しくしく
業娑磨萩比古「ゾンゲ殿。この谷にいるみんな・・人、モンスター、獣人は、種を問わず、故郷を何かしらの理由で追われてきた者が募っている。だから俺達、アグダ・マズラーは種の尊厳を取り返すべく、戦う道を選んだんだ。俺も、その一人だ」
ゾンゲ「ザムもまた同じ・・・ゾンゲと呼んでくれ。やはりここへ来たのは正解だった」がしっ

業娑磨萩比古「スリー・・・・」
ゾンゲ「ん・・?」
業娑磨萩比古「いや、すまない。かつての友を思い出した。さぁ、友ゾンゲ。今宵は語り合おうぞよ」にこっ(あのおそろしい顔が人懐っこい優しい笑顔に)
To Be Continued
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次回「あたちのモンハン日記/Anthem of a Dying lights」
第64話 「ああ。またね」の巻
9/15(木)0時更新予定
タイクン思うに、我ら多殻蟹がサンブレイクに登場するにはどうすればよいか・・
まずは知名度、同時にスピーンザムザのおそろしさを狩猟社会に轟かし、
狩猟世界における蟹界の代表格がザザミやギザミだけにあらずということを知らしめるのだ!!
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