~アヤ西部、失望の谷....

はいしょと、へぇ~~えと・・・
(少し陽があたってきた乾燥盆地を腰を叩きながらナックルウォークで歩いて行く黒毛モードな金獅子)

カイルス「・・・・・・(日が出ているせいか・・霧がいつもより薄く感じる・・・スサノオが元気だったのはそのせいか・・・)」のすん・・のすん・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(ゴツゴツとした灰色の岩場の大地の上に直接、等間隔に寝かされた紫肌の人間達(各自、外傷を負っている様子)が見えてくる。また彼らを看病しているのであろう夜鳥と天狗獣、そして皮と骨だけになった紫肌の長老と思しき翁や老婆達(自然物による原始的な衣類を身に纏った、トレジィやネコバァタイプ)の姿もあり、一部の患者達を毛皮で温めている「箱座りをした巨獣」もいる)

荒柿法師「お・・戻ってきたようだな。柿の木は見つかったか?」
カイルス「ああ。実がデカいからな。ドラモンドを連れて行ったのも正解だった。匂いですぐに見つけてくれたよ。まだ渋そうなのは置いてきた。今回はこれだけだ」ゴソッ(背中の籠を下ろす)
荒柿法師「十分だよ。でかしたでかした」すりすり(あのしっぽで金獅子の頭を撫でる)

ライラ「ライラ・ホルルは感謝いたします。カイルス様のご慈悲に。ホルル」へこり
にょっ(夜鳥のふんわりとした胸元の金色毛の中より、煌めくピンク色の羽毛に包まれた、人間の手のひらサイズほどのラブリーミニなサイズ感を誇る「ミニホロロ」がその愛らしい顔面だけを見せてくる)
ジュディ「ジュディ・ホロロも感謝いたちまちゅ。ワタチ達より早く移動できるなんて、カイルチュちゃまは、まさに導きのきんじちち(金獅子)なのでちゅ。ホロロ」へこり(金色胸毛の中より出ている頭を下げる)

業娑磨萩比古「カイルス殿。疲れたろう。あとは我々に任せて、休んでくれ」よしよし(と、怪我人のお腹を寝かしつけるように優しくぽんぽんしながら)

ガ・ムータン「あっためてやろうか?」(箱座りしているモフモフ毛の足元では下半身だけ潜らせた怪我人達の姿も。中には「逆」になっている者もいる)
カイルス「いや、大丈夫だ。ここへ来る途中、カレン達の様子を見てきたが、だいぶ復活してきたみたいだな」へぇ~えと(その場にあぐらをかく金獅子のもとに治療中と思しきメラルーに肩を貸してやりながら近づいてくる茶毛の蛮勇ネコ)
ライアン「カレン将軍は衛生兵としての知識もお持ちだ。傷ついていたネコ兵達の回復が早かったのは将軍のおかげだ」スッ・・(怪我を負っているメラルーを座らせながら)
長老A「本当に皆様方のおかげですじゃ。我々に希望を与えてくださる」ありがたやありがたや(と、ちいちゃいおじいとおばあ達が)
長老B「俺等は皆、貴方方を崇拝しております。強欲な人間の統治に代わり、どうかアヤに希望の光を・・」ありがたやありがたや
カイルス「モンスターが創る王国ねぇ・・・アッシュやゼルベスの野郎なら興味を抱きそうだが・・・やっぱり萩比古が国王になるのか?」
業娑磨萩比古「国や君主など必要ない。権力によって虐げられているものがいれば、俺達が救うまでだ」ありがたやありがたや(とおばば達)
ライアン「モンスターが中央集権に干渉するとなれば前代未聞だろうが、経験上、独裁は続かない。大切なのは獣人の部族をはじめとする、中央集権に頼らない地方共同体をどう治めるかだ」
業娑磨萩比古「そのとおりだ。このアヤにも、まだ各地に潜んでいる同志(知的生命体種)がいるはず。彼らが呼応してくれれば、ル’ヴォーにだって勝てる」
ライアン「この大陸へ来てから、その名前ばかり聞く。それほどまで恐れるものなのか?」
ライラ「ライラ・ホルルがお答えします。古代アヤ語で「支配に屈しない最も荒々しく乱暴な頂点捕食者」。それがル’ヴォーです。ホルル」
ジュディ「ジュディ・ホロロがお答えちまちゅ。ル’ヴォーはち(死)しょのもの。いちじょく(一族)をも喰らいちゅくし、アヤにちぇいちょく(生息)しゅるモンシュターの種を悉く絶やし、邪龍と互角に渡り合った古龍なのえしゅ。ホロロ」
カイルス「ち・・しょのもの・・ねぇ・・・。で、その「おちょろちい」古龍相手に邪龍様も手こずっているってのか?」
荒柿法師「その逆だよ。邪龍はル’ヴォーの実力を認め、アヤの各地を奴の狩猟フィールドとして与えることを条件に契約を交わし、自分の眷属にしたという」
カイルス「何様のつもりだ。種を根絶するのが奴等の目的なのか?」
荒柿法師「邪龍は破滅的なル’ヴォーの有様を見て、種を絶やすことが必ずしも己が目指す支配体制ではないことに気づいたのだろう。ル’ヴォーには人間を襲わせず、モンスターもまた繁栄がきく範囲で狩猟するよう命じた。アヤの人々が邪龍を崇拝する理由のひとつを作ったのだ」ふむ・・(と籠の中のデカデカ柿を手に取りながら)
カイルス「自分が真の統率者だと知らしめる為に?違うな。奴には別の目的がある」
業娑磨萩比古「どういうことだ?」
カイルス「ここにいる邪龍ってのが、俺達の知る黒龍ならば、奴はアヤに棲むあらゆる生物から絶望を喰らう為に、その数をル’ヴォーという眷属を使って調整させているだけに過ぎない。他の大陸では、その黒龍によって滅ぼされたという王国もある」
荒柿法師「・・シュレイドのことか・・・・」ふむ・・
カイルス「知っているのか?」
荒柿法師「ワシはおぬしらの大陸より来たからな。確かに大いなる竜の災厄と似たような伝承が、このアヤにはある。そうじゃな?ジュディ、ライラ」
ライラ「ライラ・ホルルがお答えします。ラ・エメシス、古代アヤ語で「安息の聖地」と呼ばれる王墓に関する民間伝承によれば、アヤ歴の有史以前より聖地の使者として認知される竜信仰の使者団が聖域保護の為に貢献した、時の権力者、及びその支配下にある民を聖域へと導き、来る聖戦に向けた復活を約束に、その生命を聖地に捧げさせていたと伝えられています。ホルル」
ジュディ「ジュディ・ホロロがちゅぢゅけてお答えちまちゅ。彼らはまた、富のちょうちょう(象徴)である財宝も信仰のあかち(証=供物)とちて聖地にしゃしゃげて(捧げて)いたともちゅたえられているのでちゅ。ホロロ」
カイルス「・・ようやく繋がってきたぜ・・・邪龍がなぜ、創造主などと嘯き、強欲な人間の権力者を取り込んでいるのかが・・」
荒柿法師「それを裏で手引きしているのが聖域の使者団か」
業娑磨萩比古「詳しくお聞かせください」
荒柿法師「ふむ・・。聖域の使者団は、アヤ累代の権威者に中央集権的な統治体制を与え、大国化に貢献しては、その絶対的権力の庇護・・古代アヤから受け継がれる伝統的措置のもと、聖地を守らせながら、利益を搾取し、時勢をみながら用済みと判断された時の権力者を民もろとも邪龍に捧げることで、再び動乱を起こさせては、その戦争利益を得て、勢力を拡大させていったのだろう。この大陸で長きにわたり続いている諸悪の連鎖だ」
長老A「なんと・・悍ましい・・・・」あわわわわ・・・
業娑磨萩比古「では、我々の反乱もまた、奴等の手中にあったというのですか?」
荒柿法師「焦るでない。我らがこの谷に集まったのは偶然ではない。ワシが最初にここへ来た時、長老達はこの言葉を喋る天狗獣を恐れるどころか、歓迎してくれた」ブツブツブツ・・(と何やら念仏をデカデカ柿に向かって唱えている)
ガ・ムータン「法師様に続き、俺達も導かれるようにこの谷へ集結したんだ。そして七つの義憤なんていうだいそれた異名をつけてくれたのさ」
長老A「歴史にその名が残るよう」
長老B「我々の目に狂いはなかった。やはり強欲な人間には大陸の統治など到底任せられませぬ。改めて、皆様方に心服いたしますじゃ」へこり・・
カイルス「互いに生きる為・・・邪な権力に抗う為か・・・・」
ライアン「常に歴史はその繰り返しだ。だが、俺達、カレン隊は違う。相手がでかければでかいほど、潰し甲斐があるというもの。何もせずに歴史は変えられない。創造主が相手だろうが、やってやるだけだ」パシン

長老A「俺等も、もう少し若ければ、皆様方と共に戦えるのじゃが・・」
業娑磨萩比古「長老達はもう十分戦った。今だって、みんなの支えがあるからこそ、こうしてみんな生きているんだ」なでなで(ちいちゃい長老達の頭を撫でる)
長老B「ありがたやありがたや。俺等はただ、若気の至りで徒党を組んでは権力に抗っていただけ。七つの義憤が揃いし今、俺等にできることは、陰ながら皆様方を支援することだけですじゃ」
隻腕の戦士「我々も早く復帰して、皆様と一緒に戦います」(あぐらをかいて座っている、まだ若い部族風の男の肌は薄紫に染まっている。その様子を観察するように見下ろしている金獅子)
カイルス「・・おう。頼りにしてるぜ」こちん

長老A「では、我々は神薬の調合がある故、このへんでお暇させてもらいまする」へこり
「あたちのモンハン日記」
Anthem of a Dying lights
そそそそそそそ・・・
へこり
そそそそそそそ・・・
(骨と皮だけになった紫肌の長老達は、そそくさと灰色に染まったフラットな乾燥地帯の向こう側へと歩いて行き、振り返っては一礼をみせると、また一斉に歩きだしていく)
カイルス「足腰は丈夫みてぇだな」
荒柿法師「だけじゃないぞ。彼らはワシらよりも遥か長く生きている。人の古龍種といったとこだろう」ブツブツブツ・・(再び念仏をデカデカ柿に向かって唱えている)
カイルス「・・竜人みたいにか?」こくり(念仏を唱えながら頷く天狗獣の和尚様)
業娑磨萩比古「長寿なのは、彼らがこの地で生きる為に服用している神薬の効果だ」
カイルス「神薬ねぇ・・・・」
荒柿法師「ブツブツブツブツ・・・」ポワワわぁ~~~~~ん(橙色の柿が緑色に変色し、ありがたい発光をみせる)
カイルス「ムホッ!?」(目をまんまるくさせて驚く金獅子)
荒柿法師「どれ・・食うてみぃ」スッ・・(隻腕の戦士に緑色の柿を手渡す)
隻腕の戦士「かたじけない」あむり(片腕で丸め込んだデカデカ柿をひとかじり)
カイルス「・・・・・・・・・・・・・・・・」くっちゃらくっちゃら・・(味を窺うように目線を上げている隻腕の戦士を見つめる)
隻腕の戦士「・・・・・・むむっ!?」しょきぃ~~~~~ん

荒柿法師「いかがかな?」
隻腕の戦士「体の痛みが和らぎました。法師様。感謝いたします」へこり
カイルス「ちょいちょい、ちょい待ち。何をしたんだ?」
ガ・ムータン「ハハハハ。法師様は無添加の柿に念仏を唱えることで独自の性質を帯びた柿に仕上げることができるんだ」
カイルス「独自の性質・・?」
荒柿法師「今のは健康祈願を宿した治癒効果を持つ、チユチユガキだ。それ以外にも良縁成就ならばショッキングピンクのドキドキガキ、合格祈願ならば白く光ったキレキレ柿、上質な睡眠を得たいのであればゆめかわ色のユメユメ柿と、その数はしれないが、念仏中に雑念が混じると、状態異常効果付与の柿になったりするので注意が必要だな」あむあむ・・しょきぃ~~~ん

業娑磨萩比古「谷のものは法師様のことを「徳の宝玉を司る大法師」と呼び、敬愛している」
カイルス「だろうね。いつからそのユニークスキルを?」
荒柿法師「さて・・正確なことは言えんが、少なくとも、この谷に来てからだろうな」ブツブツブツ・・(再びデカデカ柿に念仏を唱えだす)
カイルス「俺達の大陸から来たと言っていたが、生まれは?」
荒柿法師「大社跡だ」ブツブツブツ・・
To Be Continued
ランキング参加中だぜ!
みんなの激昂した一票で俺達を応援してくれよな!!

次回「あたちのモンハン日記/Anthem of a Dying lights」
第89話 「雑念が入ったな?」の巻
12/12(月)0時更新予定
なんでもサンのブレイクというやつでは
俺達(金獅子達)が傀異化しているそうだな
けど慌てるこたぁ~ないぜ
俺達(金獅子達)の動きは実にパターン化されているからな
よぉ~~く見るんだ
よぉ~~く見て、攻撃モーションが終わった後に「ぶてば」
だいたい勝てるぞ
古来より「(ラージャンビームを)吐いてるとき」は大チャンスだ!
なんて、俺はそうはいかないがな えっへん
■あたちのモンハン日記てなぁに?
■あたモン目次録