
シオン「ふわ・・・・・・・・」(目をまんまるくさせながら中の様子に驚く)
キラキラキラキラキラキラ・・・・・・
(純度の高い蒼天石で作られているステンドガラス風のドーム型天井を通ってきた太陽光が厳かな青白い可視光へと変色して色鮮やかな蝶々達が舞う大広間を甘美夢幻な世界へと魅せている)
ファタファタファタファタファタ・・
(青白い光束の道標を辿りながら舞い上がっていく妖精のような蝶々たちの姿)
シオン「・・・・・・・(マボロシチョウにアゲハプリンスとプリンセス・・・オオツノアゲハも・・・キンババが見たら大興奮するわね・・・)」うっとり・・
ファアアアアアアアア・・・・・・
(豪華な容姿のイナゴージャスが群れをなしてステンドガラス風のドーム型天井の前を横切っていく)
シオン「・・・・・・・(群れで飛ぶ光景は金貨の雨のよう・・・とはよく言ったものだわ・・。外の黄金魚といい、希少な生物たちを阿りの装飾として使わないで欲しいわ。まるであの頃の輝竜宮殿みたい・・・今なら、あの子が怒っていた理由がよく分かる・・。興ざめね)」ふぅ~~~
カーーーーーン・・カーーーーーン・・
(幻想的な光景に目を奪われていたからだろうか、その虚構から意識が離れると何やら石をノミで叩く音が明瞭に聞こえてくる。目線を下げると光束が照らす先、大広間の中央に青い輝きを放つ円型大噴水(水は止まっているが、その水場の広さから噴水プールの役割も果たしているようだ)があり、その真中に設置されている「一対の絡み合った龍像」を今まさに撤去せんとばかりに土台部の切り離し工事をしている作業員たちの姿も見える)
シオン「・・・・・・・(フロシスメタルかしら・・・南部は寒冷地だと聞いたけど・・・・それにしてもあの彫刻・・この「ついうっとりしちゃう」デートスポットで逢い引きする恋人たちを官能的に表現しているつもりかしら・・・・どっちにしても好みじゃないわ。いやらっしい~)」へんっ(と訝しげな顔を浮かべながら思いを吐き捨てるようにおさげな黒髪をかきあげる)
カーーーーーン・・カーーーーーン・・
(撤去中の龍像越しに背を向けながら大噴水の縁に腕を組みながら乗っかっている、後ろ裾が菱形のデザインになった真紅のフード付きレザーコートを纏った男の後ろ姿が見える)
シオン「・・・・・・(セフィティス発見・・・・だけど、あんなところに乗っかっちゃって・・・・何かを監視している・・・?)」スッ・・(壁際より少しだけ顔を覗かせ、奥の様子を確認する)
カーーーーーン・・カーーーーーン・・
(大噴水の向こう側の広間では、イーゼルに向かい合い必死に絵を描いていると思われる無数の画家たちの姿が見え、更にその奥は、おそらくステージのようなものに使っていたのだろう、緩やかな低層だが幅広な大階段になっており、その上で項垂れながらあぐらをかいて座っている高貴な赤装束を纏った男の姿も確認できる)
シオン「・・・・・・(新王・・・・?彼を「描かせている」・・?)」
カトゥッロ「ん・・・もうできているじゃないか」(と噴水の奥から彼の声だけが)
シオン「・・・・・・(忘れてた。おじいさんもいるのね・・・ちいちゃいから見えないんだ・・・おかしい・・)」ククッ・・
画家「いえ、これはまだ・・」
カトゥッロ「よこせ。時間がないんだ」バッ(拒絶する画家のイーゼルから絵を剥ぎ取ったのだろう)
画家「ああ・・・・」
とっとっとっとっとっ・・(幅広な階段をよたよたと絵画を片手に上がっていく邪龍教徒の翁)
カトゥッロ「コズンダ様」(ステージ上で俯いたままあぐらをかいている男に声をかける)
シオン「・・・・・・(やっぱり・・あれがコズンダ・コズタン・・・・)」
コズンダ「んん・・・・・・」(独特な毛束感を見せる髪型をした男は気だるそうに下を向いたままである)
カトゥッロ「コズンダ様。コズンダ様」バサバサッ(絵が描かれた紙で彼を仰ぐ)
シオン「・・・・・・(えっらいダウナーだけど・・・・薬物でもやってるのかしら・・・・だからか。この広間に漂う強欲者の香りからシュレイドを思い出すのは・・・)」
カトゥッロ「コズンダ様。ほら。見えますか。御母上ですぞ」(目の前で絵画を広げて見せる)
コズンダ「んん・・・・・・・・・・」(おもむろに顔を上げ、それを確認する)
シオン「・・・・・・・(母親の絵を描かせていたの・・?)」
カトゥッロ「如何ですかな?上手に描けているかと」
コズンダ「婉美だけ・・・・母上を娼婦と愚弄するか」
カトゥッロ「め、滅相もございません」
コズンダ「所詮、私は奴隷の子・・・・それの何が悪い!!!!」
ひいいいいいいいいいい

ゴロンゴロンゴロンゴロン

(たまらず階段を手にした絵と共に転げ落ちていくカトゥッロ)
コズンダ「セフィティス」(再び俯きながら)
セフィティス「ハッ。ここに」
コズンダ「その「贋作」を描いた者を殺せ」
画家「えっ・・・・」
セフィティス「コズンダ様。今一度、チャンスを・・」
コズンダ「殺せ」
セフィティス「・・・・・・・・・・。では、後ほど・・」
コズンダ「ここで殺せ」
セフィティス「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ふぅ・・・
シュタッ・・(心なしかゆっくりと噴水から飛び降りるセフィティス)
画家「どうかお許しを!!」(懇願するステージ上の支配者はすでに彼など眼中にない様子で俯いてしまっている)
セフィティス「すぐに終わる」スッ・・・(右手のグローブを外し、その手を広げ、画家の額に触れる)
画家「お許し下さいお許し下さいお許し・・・・・・・・・・」ガクン(膝から崩れ落ちる)
セフィティス「ほらな」タシッ(倒れてきた画家を軽々と肩に担ぎ、こちらを向く)
シオン「!!」スッ・・(咄嗟に出入り口から顔を引っ込める)
ドサッ・・(水が流れていない噴水の中に画家を放り込むセフィティス)
セフィティス「後で一緒に運んでやってくれ」ヘイ(と仕事中の職人は手を止めず返事をする)
シオン「・・・・・・・(殺した・・あんな簡単に・・?一緒に・・・それってつまり・・・)」スッ・・・(再び広間を覗き見る)
カーーーーーン・・カーーーーーン・・
(噴水の中には同じく画家と思しき服装をした芸術家達の死体が重なり合いながら無造作に転がっている)
シオン「・・・・・・・・・・・・・・」ごくり・・・
コズンダ「お前たちが来る前に俺が直接、裁可を下してやった」チャッ・・(俯いたまま足元に置いてある長剣を手に取る)
ぷるぷるぷるぷる・・・・(広間では震える筆を一心不乱に走らせながら絵を描き続ける画家達の姿が)
シオン「・・・・・・・・・・・・・(まともじゃない・・・コズンダ・コズタン・・!!)」きゅっ(沸き起こる義憤を抑えるように唇を強く噛みしめる)
「あたちのモンハン日記」
Anthem of a Dying lights
~アヤ北部首都、エル・ディアラ・サンドリア中央、練兵場....

しててててて・・・・・きょろきょろ・・してててててて・・・
(フラットな赤土の広い練兵場、兵舎と思しき一階建ての木造施設に周囲を警戒しながら忍び寄る、なんだか「ゆめかわな奇面族」(ガジャブータイプの「ゆめかわな面」は全体的にパステルカラーの「夢見がちなグラデーション」に塗装、目元はダイヤ型、口元はハート型(この奥で光るつぶらな瞳にもまたマツエクが)にくり抜かれており、後ろ髪はサラサラパープル毛、面の両サイドからも紫毛のきれいな編み込み(先端にはそれぞれ、ゆめかわにデフォルメされた、お星さまやお月様、幻獣、アイルー、ガルク、ウルキーなどのアクセサリーが付属)が無数にぶら下がっている。服装もまた通常のガジャブーのようなモフモフ毛皮のアームウォーマーとレッグウォーマーと腰みの&ブラを装着しているのだが、それら各種もゆめかわなパステルカラーに染まっている))
アジャリナ「・・・・・・・・・・・・・・」そろぉ~~~(ちいちゃい足を忍ばせながら)
赤装束の男A「なんだ?アジャリナ」ザッ・・(兵舎の奥から、日に焼けた褐色肌の二人組の赤装束の男達がニヤニヤしながら姿を見せてくる)
アジャリナ「チッ・・。休憩いった違うか?」ふんっ
赤装束の男B「お前らが悪さをしないか賭けをしたのさ。案の定、餌に釣られたな。さ、俺の勝ちだ、そいつをよこしな、マリク」ちっ・・(とAが渋々と出したお札を奪い取る、鼻毛とひげともみあげがつながったタイプのモジャモジャ男がほくそ笑みながら)
アジャリナ「性根の腐った人間め!!どうするつもりか!?あたいを殺すか!?」
赤装束の男B「退屈してたところだ。ま、相手が奇面族じゃ話にならないがな」フッ
アジャリナ「アホめが!!首切ってやるぞ!!」
赤装束の男B「やるってのか?数は多いぞ?」クククク
アジャリナ「・・・・・・・・・・・・・・」ちら・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(赤土の広場の向こう側では、同エリアを警備している無法者らの姿(トゲトゲになった大剣やらハンマーやらを装備)がちらほら見える)
赤装束の男B「あいつらは、ただの雇われだ。イデオロギーも道義心もない。ある意味、俺たちより融通がきかないぞ」ペッ(濃厚なそれを地面に吐き捨てる)
マリク「よせよ、ゴジャランダ。それで、何しに来たんだ?」
アジャリナ「みんな無事か見に来ただけね。たまには外出して、日光浴させるよ」
ゴジャランダ「窓はある。飯もちゃんと与えている。これ以上ない待遇だと思うが?」ふんっ
アジャリナ「話しさせるね!!」
マリク「ダメだ。どうせ悪巧みするんだろ?」
ゴジャランダ「いいじゃないか。こいつらが脱走でも企てれば、正々堂々殺せる。こんなつまらない見張り役ともおさらばだ」やれやれ
アジャリナ「自尊心ないアホめが!!お前なんて、ひっくり返っても、セフィティスやイェル・ミナのようになれないね」ふんっ
ゴジャランダ「ボディガードや看守長になるのが夢じゃねぇ。この国の腐ったルールをぶち壊すために戦うのさ」ペッ
アジャリナ「そんなのお前らだけで勝手にやるね!!あたいらを巻き込むな!!」
マリク「そうはいかない。お前らの操竜術は確かに使える。それを正しいことに使うんだ」
アジャリナ「摂理を破壊することが正しいか!?アホめが!!」
ゴジャランダ「それを支配しているのが邪龍だなんてぬかしやがる、腐ったしきたり自体がどうかしてるんだ」やれやれ
マリク「お前たちだって竜信仰じゃないだろ?今こそ、アヤを変える時なんだ」
アジャリナ「アホめが!!あたいらは大陸に従うだけ!!人の命、平気で奪えるお前らと一緒にするな!!」
ゴジャランダ「とか言いつつ、アダンカ軍と戦った時、お前らが飼っているペット共は、喜んで暴れてたじゃないか。それが本性だよ」ペッ
アジャリナ「自分たちを守るためね!!それもお前らがあたいの赤ちゃん、誘拐したからだろうが!!」
マリク「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ゴジャランダ「罪悪感なんて感じるな、マリク」ガッ(彼の肩を掴む)
アジャリナ「ちょっと待つね・・・ということは集落から、ジャスを攫ったのは・・・」
ゴジャランダ「知らねぇよ。それより話をするなら、さっさとしろ」クッ(親指を逆向け、兵舎の開き窓をさす)
アジャリナ「お前ら二人。覚悟しておくね」ザッザッザッザッ(二人の間を通っていく奇面族)
ゴジャランダ「ほらみろ。それが俺たちの本性なのさ。おお、こわい」
アジャリナ「それから、さっきあたいらの大切なオトモダチを侮辱したことも忘れないね」ザッザッザッザッ・・・(広場の向こう側に見える無数の檻檻を顧みながら)
ゴジャランダ「・・・・・・・・・・・・・」やれやれ
ザッザッザッザッ・・うんしょ・・(すぐ後ろでマリク達が監視している中、アジャリナは自身の背丈より少し高い位置にある兵舎の開き窓の前におもむろに立つと垂直に飛び上がり、窓下の縁を両手で掴んで顔を覗かせる)
ゴジャランダ「ハハッ。抱っこしてやろうか?お嬢ちゃん」
アジャリナ「絶対あの鼻毛をむしってやるね・・・・」ちら・・(窓の中を覗き込む)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(少し広い部屋の中、窓の外からさす太陽光を「まるまって」浴びているアイルー、メラルー、テトルーの姿。そして薄暗い部屋の隅々でも同じく横になっているガジャブー達の姿も)
アジャリナ「みんな、元気か?」
メラルーの義賊「泥吉は?」こそっ・・(眠ったふりをしながら声を静かに発する)
アジャリナ「まだ現れないね」こそっ・・
アイルーの義賊「族長のことは残念ニャ。何もできなかった俺たちを許してくれニャ」こそっ・・
アジャリナ「怒ってなんかいないね。あんた達も元気そうで何よりよ」
テトルーの義賊「そのことだが、どうやら食事の中に何か含まれているようだニャ」こそっ・・
アジャリナ「なんだって・・・」
ゴジャランダ「なにコソコソ話してやがる」ザッザッザッザッ・・
??「挨拶してただけさ」
ゴジャランダ「ああ?」(目を細めて部屋の中を覗き込む)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(首元に唐草肉球柄の紺色マフラーを、腰には革性のベルトを巻き、衣類は纏っていない部族的な「雄らしさ」を感じるメラルーが、その肉体美溢れる獣人ボディと共に机に両猫足を乗せたまま椅子にふんぞり返っている)
アジャリナ「スカーフェイス・・・・」
スカーフェイス「こっちは問題ねぇ、心配すんな、アジャリナ。なぁ、ジャンナーロ」(対面にうつむきながら座っている剣闘士のような魚兜を装着した緑肌な奇面族に話しかける)
ジャンナーロ「△○○□・・・」ぶつぶつ・・
アジャリナ「・・・・・・・・・・・・・・」
ゴジャランダ「おい!わけわかんねぇ言葉でコンタクト取るのはやめろ!!」
スカーフェイス「みんな滅入ってんだ。でけぇ声出すなって。こいつはただ、村に置いてきた奥さんの事が心配だってぼやいてただけだ。そうだよな?アジャリナ」
アジャリナ「そうね。それもこれもお前らのせいね」ギロッ
マリク「いや・・それは・・・・」
スカーフェイス「聞こえたぜ。赤ん坊をさらったのは、お前らだってな。よぉ~~~~~く、覚えておくぜ」ギロッ・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(暗がりの室内より獣人達の光る敵視が一斉に向けられる)
マリク「ひっ・・・・・・・・」じりっ・・・
ゴジャランダ「ケッ。もういいだろ?戻れ、アジャリナ。お前がいないすきにモンスターが暴れたら、マジで戦闘になるぞ」
スカーフェイス「ハハッ!!大丈夫だよ。彼女達のオトモダチは、お前より遥かに頭が良い。そっちも元気そうで安心したぜ、アジャリナ。また来いよ」ピッ・・(イケメン挨拶かます。同時に他の獣人達も顔を下げ、再び眠りにつく)
ゴジャランダ「クソ共が・・・・さ、行け」
アジャリナ「みんな、希望を持ち続けるね」
バッ・・(窓から飛び降りるアジャリナ)
ゴジャランダ「エスコートしていってやろうか?」
アジャリナ「さわるな!!アホめが!!あたいは誇り高きシャーマラーン・ハハーン族の女なるぞよ!!」ぺちぃ~~~ん

ゴジャランダ「いちぃ

バァ~~カバァ~~カ(と悪態&あかんべえを繰り返しながら巨大な檻檻が見える方へ戻っていく奇面族の女戦士アジャリナ)
ゴジャランダ「ったく・・・・気にするな。マリク」
マリク「ああ・・・」ザッ・・
スカーフェイス「ちょっと待った、旦那」
ゴジャランダ「まだ用か?」
スカーフェイス「ここのところ、ずっと大宮殿の奥から薄気味悪ぃ煙が上がってやがる。そんなに遺体の数が多いのか?」
ゴジャランダ「服従の意志がない戦争捕虜に思想犯。後宮で皆殺しにした妾もだ。こっちに回してくれても良かったのにな」やれやれ
スカーフェイス「まだ増えるのか?」
ゴジャランダ「多分な。なんでも後宮では写生大会が開かれているって噂だ。お前らも口には気をつけろ」クッ(首を掻っ切るジェスチャーをしてみせる。対し、やれやれポーズで返事をするスカーフェイス)
マリク「そうか・・セフィティスが・・・・・彼なら適任だが・・・」
ゴジャランダ「さ、行くぞ。マリク」ザッザッザッザッ・・・
スカーフェイス「次は酒を持ってきてくれ」(二人を見送るように窓の前に立つ)
モワモワモワモワモワモワ・・・・
(漆黒のドーム型大宮殿の奥から立ち上がる黒煙)
スカーフェイス「血塗られた変革ねぇ・・。ヴェルドを思い出すぜ」フッ・・
To Be Continued
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次回「あたちのモンハン日記/Anthem of a Dying lights」
第110話 「運が良かったな」
3/2(木)0時更新予定
今日のおまけのコーナーは、私、シオンがお送りするわね
この前の狩猟日記では、スピーを特集したんだけど、
黄トラな船乗りのコロンちゃんも可愛いわよねぇ~♪
後ろから忍び寄って、こちょこちょしたくなっちゃう!
ゲーム的には、あんまりお話できないのが残念だけど、
コロンちゃんも大切なエル友の一人よね♪
そんなわけで!
次回も見よう!読も見よう!!
■あたちのモンハン日記てなぁに?
■あたモン目次録