~アヤ北部首都、エル・ディアラ・サンドリア、マーケットエリア....

ガヤガヤガヤガヤガヤ
(賑わう雑多な屋台が並ぶ石畳の路地を行き交う人々の中に紛れて進む蒼きガルクとその背中に跨る「大タルを背負ったミオン」の姿)

ミオン「へっへ。やっぱり市場は活気があっていいミャオね♪」ガヤガヤガヤ
ハロルド「シリウスさんから聞いた。なんでもイベントが開かれるから、ジ・ゾゲージョ要塞が開いたってな」(大タルの中から声が)
ミオン「それで人が増えたってかミャ・・・イベントってニャ~よ?」ガヤガヤガヤ

ジークガルム「このことだろう」ベリッ(通りすがりの大タルに貼られていたビラを食いちぎり、上に乗っているミオンに咥えているビラを手渡す)
ミオン「どれどれ・・・・決闘裁判開催・・・原告の代理人はゲ・アゲルゾンの精鋭・・・被告人はパパグラーナのグランドマスター・・・代理人は・・デスカーブー・・・・こんなのが面白いミャ?」パカン(背負っているタルネコボディの蓋を少しだけ開け、ビラを入れてやる)
ハロルド「罪の理由にもよるね。不倫関係の決闘裁判なんか、階級問わず、大盛りあがりよ・・・・・・・デスカーブー・・?まさかなぁ・・・ここはアヤだし・・」(ミオンが少しだけ蓋を開いてくれているから、その隙間から入る光によってチラシを読めているのだろう)
ミオン「有名人ミャ?」とっとっとっとっ・・
ハロルド「あっち(新大陸)で少しばかり有名な狩人と名前が似ているだけ。俺達のミッションをいつも邪魔する連中の一人さ」やれやれ(と蓋を中から閉じる)
ミオン「ふぅ~~~ん。嫌な奴だミャ」ガヤガヤガヤ
ハロルド「派閥争いはどこの大陸でも同じだよ・・って、人が多くなってきたみたいだな。気をつけろ。この街は、お前らを下に見ている連中ばかりだ。ムカつくこと言われても相手にするんじゃねぇぞ」
ミオン「ハンッ!いちいち言うでミャ~よ!これでもミオンはギルドナイトのオトモだミャあぜよ。昔の苦悩に比べれば・・・」
魚屋のおやじ「お・・?ネコが犬っころに乗ってやがらぁ」
常連っぽい客「パパグラーナからだろう。あっちはネコにも寛容だからな」
魚屋のおやじ「おい、そこの観光ネコ!!味見してかねぇか!?欲しけりゃゼニーを持って来やがれ!!」ハッハッハッハッ(店の客達も嘲笑かましてくる)
ミオン「ぶち殺してやらぁ~ぜミャ!!」シャアアアアアア
ハロルド「言わんこっちゃない

とっとっとっとっ・・(足早に人混みを抜けていくガルク)
ミオン「キィ~~っ!お魚もあんなバカに捌かれて可愛そうだミャ!」
ジークガルム「乾燥地帯になぜ魚がいる?」とっとっとっとっ(周囲に悟られぬよう声を殺しながら)
ハロルド「農園に養魚池がある。所有しているのは、もちろん宮殿だ。あいつらは小作人と同じ立場ってわけ」
ミオン「私がいた農園もおんなじようなシステムだったミャお」ふんっ
ハロルド「そっか・・その農園の地主がシオンの家だったんだね?」
ほら、早く持って来い(ケルビが牽引する荷車の御者席に座った人間の男が、両手いっぱいの荷物をふらふらと運んでいるアイルーを急かしている)
ミオン「・・・・・・・だミャ。シオンは私達のことを考えて、両親に奴隷制をやめるよう言ってくれたんだミャお。けど、願いは叶わず、シオンはお家を裏切ってまで、私達を解放してくれたんだミャお」
ハロルド「すごい行動力だが・・・それでシオンの家はどうなったんだ?」
ミオン「その後、ヴェルド協定が結ばれて、差別主義が撤廃されるようになると、その影響を受けたシオンのお家もまた、凋落していってしまったんだミャお・・・・そのことを今でもシオンは気にしているミャ・・・自分の責任だって・・・」
ハロルド「・・シオンを止められなかった親にも責任がある。どの道、風潮の変化に逆らうことはできなかったさ」
ミオン「私もそう思うミャお。誰も悪くないって・・・今ではそう思えるミャ・・・」
カランコロンカランコロン♪コロンコロンカラン♪
(とあるパン屋の中から、木箱を抱えた例の「ゲ・アゲルゾンシリーズ」を身に纏った小柄な女性と、到底、パン屋の雰囲気に似つかわしくない「鮮血のチャチャブーフェイク」を被った上半身裸(今日はサスペンダー&茶迷彩軍パンスタイル)な大男が「パンの突き刺さった小袋」を抱えながら出てくる。そしてやたらとカランコロンが長い)
ミオン「!!」
ガヤガヤガヤガヤガヤ・・・・(そのミスマッチな男女はパン屋の前で少し会話をすると、それぞれ別の方向へ歩いて行く)
ガヤガヤガヤガヤガヤ・・・・(鮮血のチャチャブーフェイクの大男が数歩踏み出すと人混みが自然と真っ二つに割れ、大男は戦慄の道を開いてくれた大衆には目もくれず悠々と尊大に歩いて行く)
ミオン「・・ゲンス・・・ゴンス・・・・・!!」ワナワナワナワナ・・!!
「あたちのモンハン日記」
Anthem of a Dying lights
ガヤガヤガヤガヤガヤ・・・・
(大男が通り過ぎていくと道は再び人混みによって埋め尽くされていく)
ハロルド「おい。どうした?」
ミオン「ジーク。あの偉そうな大男を追うミャ」こそっ
とっとっとっとっとっとっ・・・(人混みの向こう側から「にょっ」と突き出ているチャチャブーフェイクな後頭部を尾行していくガルク一行)
ハロルド「おい。どこへ行くつもりだ?」
ミオン「だぁ~~ってミャ」とっとっとっとっ・・
とっとっとっとっとっとっ・・・(人混みの奥から「にょっ」と突き出ているチャチャブーフェイクな後頭部の行き先にワイドな大断崖群が見えてくる)
ミオン「外周エリアに行くつもりだミャ」とっとっとっとっ・・
ハロルド「誰がよ?尾行してるのか?」
ミオン「ゲンス・ゴンス。プラウズ家から農園の管理を任されていた民兵だミャ」とっとっとっとっ・・
ジークガルム「なに・・・間違いないのか?」
ミオン「世界広しといえど、あんなお面被っているのはあいつしかいないミャお。どうしてここに・・・」
とっとっとっとっとっとっ・・・(断崖に近づくにつれ、やがて人混みは見えなくなり、大男が歩いて行く街並みもまた次第にその建築レベルと規模が衰えていく)
ミオン「ここでも奴隷を相手に商売しているのかミャ・・・・これ、ジーク。見つからないようステルスモードで行くミャお」
てててててて・・・・・てててててて・・・・・
(指示通り、バラックの陰に隠れては尾行を続ける蒼きガルク)
ハロルド「いいぞ。実にギルドナイトっぽい活動の仕方だ。で?ターゲットは?」
とっとっとっとっとっとっ・・・(ゲンス・ゴンスはパンが突き出た小袋を大事に抱えながら、人気がない断崖前の空き地に向かっていく)
ミオン「みゅうう・・・パンの取引でもするつもりかミャ・・・」じーーーー(バラックの陰より)
ハロルド「じれってぇ。俺にも見せろ」パコッ・・(内より少し大タルの蓋を開け、隙間より「いやらしい両目」を光らせながら外を覗き見る)
おかえんなさい おっ?こりゃまた、うまそうなパンですね
(崖下の洞穴横で見張りをしていると思われる、ボサボサ頭に赤いバンダナを巻いたひび割れメガネな褐色肌の細傭兵が大男に声を掛ける)
ミオン「マッド・ダニー・・・・あそこは何をするところミャ?」
ハロルド「監獄エリアだな。ほら、洞穴がいくつか見えるだろ?あの中に牢獄があると思う」じーーーー
看守長は?
兵舎に向かった あいつを連れてきてくれ
へいす
ザッザッザッザッ・・・(おもむろに洞穴の中に消えていくダニー。ゲンス・ゴンスは別の洞穴を見張っている、コーンロウポニーテールがクールな黒人女性の傭兵のもとに歩いていき、小袋からパンを取り出し、それを手渡している)
ミオン「カリサ・・・・」
ジークガルム「農園にいた人間だ。見覚えがある」
ミオン「だミャ。やい、ハロルド。あいつらを知っているミャ?」
ハロルド「いや、知らない。どうやら看守を任されているようだな・・」むぅ~(タルの隙間より「いやらしい両目」を鋭い目つきに変えながら)
ジークガルム「シオンを呼んでくるか?」
ミオン「いミャ。もう少し様子を見ようミャ」
へぇ~~~しょっと・・(ゲンス・ゴンスは崖前に置いてある「切り株タイプの椅子」を2つ両手で持ち上げ、それぞれ両肩に担ぎながら、広場の真ん中にそれを運んでいく)
ハロルド「ランチでもする気かな・・」
おら、さっさと歩け クソヘルム(ダニーが洞穴の中より「手枷足枷をつけられた上半身裸なドボルヘルムの男(下はボロボロの白黒縞々囚人ズボン)を連行してくる)
ハロルド「おいおい、嘘だろう」
ミオン「どうしたミャ?」
ハロルド「あれがデスカーブーだよ。まさか本人だったとはな」ふぅ~~~

カーブー「今日はなんだ?また腕相撲か?」
ゲンス・ゴンス「いいから座れ。時間がない」(切り株タイプの椅子に前傾姿勢で腰を下ろしながら。ダニーは彼らから少し離れ、見張りを続ける)
スッ・・(警戒の目を察したジークはバラックの物陰に隠れる)
カーブー「看守長はお出かけか」ひょっ(対面に置かれた切り株タイプの椅子に飛び座る)
ゲンス・ゴンス「質問に答えてもらおう」スッ・・(パンが突き出た小袋を差し出しながら)
ハロルド「何を喋っているか分かるか?」こそっ
ミオン「任せるミャ」スッ・・(被っているフードを脱ぐと、両猫耳をレーダーのように立たせる)
カーブー「香ばしい焼き立ての匂い・・・いいだろう」スッ・・(一番ロングなパンをカッコつけながら引っこ抜く)
ゲンス・ゴンス「なぜあの女のことを知っている?」
カーブー「どの女のことだ?」くんくん(ロングパンの匂いをふんだんに嗅ぎながら)
ゲンス・ゴンス「とぼけるな。キャロルムーアのことだ」
ミオン「!!」
カーブー「ああ・・・・・」くんくん
ゲンス・ゴンス「どういう関係だ?」
カーブー「彼女は今、ハンターとして活躍している。俺は彼女が結成した狩猟団のメンバーってところだ」くんくん
ゲンス・ゴンス「・・・なぜここへ来た?」
ふぅ・・(その質問に対し、ドボルヘルムの囚人は肩を落としながら、ごちそうのパンを膝の上に置く)
カーブー「・・・今、彼女は原因不明の病に冒され、意識不明の状態だ。俺は何もできない自分に嫌気がさし、気づけばここへ来ていた。だが、彼女を治す手掛かりは、このアヤにある・・・・・俺はそう思っている」
ミオン「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ゲンス・ゴンス「俺に手を貸せというのは?」
カーブー「族長の赤ん坊がどこに囚われているか教えてほしい」
ゲンス・ゴンス「お前も奴等の仲間なのか?」
カーブー「そのメンバーの一人が、彼女の知己だからだ」
ゲンス・ゴンス「・・・・・そっちはまるで管轄外だ。知っているとすれば、今の看守長だろう」やれやれ
カーブー「なら居場所を聞き出してほしい」
ゲンス・ゴンス「俺になんのメリットがある?」
カーブー「前にも言った。キャロルムーアに会いたいだろ?」
ゲンス・ゴンス「・・・・・・貴様らの目的はなんだ?」
カーブー「決闘裁判に乗じて、族長達を解放したい」
ミオン「!!」
カーブー「あんたも知っているだろ?彼らは新王に利用されているだけだ。用済みになれば消される。だからその前に脱出させる。あんたにはその手引をしてもらいたい」
ゲンス・ゴンス「・・・逃亡先にキャロルムーアがいるのか?」
カーブー「大陸を超えれば」
ゲンス・ゴンス「はぁ・・・デスカーブー。お前は何も分かっちゃない。少しは見込みのある男だと思っていたが、俺の勘違いだったようだ」ふぅ~~~~
カーブー「このまま隠遁生活で終える気か?」
ズンッ(椅子から立ち上がる鮮血のチャチャブーフェイクの大男)
ゲンス・ゴンス「キャロルムーアに恨みはない。俺がここにいるのは・・それが俺の人生だからだ」
ミオン「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
カーブー「俺の方こそ、あんたを見誤っていたようだ・・。どうする?脱獄計画を企んでいた囚人をこの場で殺すか?」くんくん(再びロングパンの匂い嗅ぐ)
ゲンス・ゴンス「・・・・・貴様・・・仲間がいるのか?」きょろきょろ・・
ミオン「感じるミャ?」
ハロルド「北西に獣人の気配が一人」
ジークガルム「あそこの陰だろう」(見つめる先には崖下に置かれている大タルの列が)
ゲンス・ゴンス「俺を倒して、ここから出る気か?」ゴキッゴキッ(野太い首を捻りながら)
カーブー「どうかな」くんくん
ゲンス・ゴンス「ダニー!!得物をよこせ!!」ダッ

カーブー「知ってるか?彼女もまた、狩猟では大剣を好んで使っていることを」くんくん(彼の背後ではカリサがハンターライフルの銃口を向けている)
ゲンス・ゴンス「過去諸共、一刀両断してやろう」ガシッ

カーブー「俺の得物は・・このパンか・・・うまそうなのにな・・」やれやれ
ヒュウウウウウウウウ・・・(切り株椅子に座ったままパンを見つめるカーブーの目の前で奇王剣を肩に担ぐゲンス・ゴンス。カリサとダニーもまた、いつでも発砲できるよう、ハンターライフルを構えている)
ミオン「ここでやりやう気かミョ・・・」
ハロルド「様子を見るんだ」ヒュウウウウウ・・・
ボリマム、ミラビト、リルレラソ♪
(背後から、ご陽気なあの歌を口ずさむ女性の歌声が)
ミオン「!?」バッ

シオン「リユゼフ・・・って、何やってんの?こんなところで・・・・・・ん・・?」むぅ・・
ミオン「まずいミャ

カリサ「ボス。九時の方向」(ボウガンの照準を覗いたままカーブーの背中を捉えながら、ゲンス・ゴンスからみた方位で教えてやる)
ゲンス・ゴンス「ん・・・・・・」ちら・・(振り返る鮮血のチャチャブーフェイク)
シオン「嘘でしょ・・・なんで・・あいつがここに・・!!」まずいミャ~~

To Be Continued
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次回「あたちのモンハン日記/Anthem of a Dying lights」
第120話 「ナラティブさ」
4/6(木)0時更新予定
今日のおまけのコーナーは、この俺、デスカーブーがお送りするぜ!
サンブレイクの追加コンテンツは実に申し分ない・・だが・・
俺の希望としては、重ね着でドボルヘルムが欲しい!ヘルムだけでいい!
一番手っ取り早いのはドボルベルク自体の復活なのだが、それはもはや叶うまい
次シリーズでの復活を期待するしかないのだろうが、
次期オンライン版モンハンの登場も気になるところだ
そんなわけで!!
次回も見よう!!読も見よう!!
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