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「俺を誰だと思ってんだ?」の巻

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~エル・ディアラ・サンドリア、マーケットエリア....

・・・・・・・・・・・・・・・・・
(人混みも時間の経過と共に少なくなった商店街通り、テラス席で向き合いながら話し込んでいるドボルヘルムのお面を被った少年と赤装束の女性。またテーブルの上にはマゼンダ色にくすんだ「猟虫サイズのオオナナホシ」の姿も見える)


イェル・ミナ「そう・・・そんな経緯が・・・」ペロペロペロ(テーブルの上に置いてある、何やら甘そうなミツがついている小皿を舐めている猟虫サイズのオオナナホシ)

ハロルド「人手不足ってのもあったけど・・・俺の声を最初に聞いてくれた仲間のためにも、ミッションをコンプリートさせたいんだ」かちゃりこちょり(空になったパフェグラスのそっこをスプーンでほじりながら)

クク「心配してるのよ。ゲ・アゲルゾンと同じような職業だから」ちょんちょん(液体状になったアイスクリームが付着したスプーンを彼女の小皿に分けてあげるハロルド)

ハロルド「安心して。俺は今の仕事に誇りを持っているし、頼りになる仲間もいる。そりゃあ、まだシオンは新入りだけど、すごかったろ?実は俺も驚いた」ハハハハ

イェル・ミナ「フフ・・強くなったわね、ハロルド。あなたのテレパスを私やセフィティスがキャッチ出来ていれば・・・・ごめんなさい・・」

クク「二人とも、ずっと心配していたのよ?もちろん私も」ペロペロペロ

ハロルド「巻き込みたくなかった。セフィティスは、あの頃には既にコズンダの従者だったし、イェル・ミナだって、メフタフおじさんに剣術を教わっていただろ?俺の方こそ、突然、いなくなって、ごめん・・」(スプーンの手を止める)

イェル・ミナ「いいのよ。こうしてまた、あなたに会えたんだから」スッ・・(ドボルヘルムのお面を被った少年のライトブラウンのちょっとぼさぼさなショートボブの髪を優しく撫でる)

ハロルド「セフィティスは元気そうだったね。前にも増して、強いオーラを感じた」

イェル・ミナ「会ったの?」

ハロルド「シリウスさんがコズンダに会ったとき。と言っても、俺はタルに扮装していたんだけどね」

クク「やるじゃない」ペロペロペロ(嬉しそうに頭をポリポリするドボルヘルムのお面を被った少年)

イェル・ミナ「あなたから見て、コズンダ様は・・・どう感じた?」

ハロルド「その時はシリウスさんの指示で、力を使うなって言われてたからなぁ・・・赤服だらけだったしね。だけど、心が読みにくい印象を受けた。完全に心を閉ざしているみたい」やれやれ

イェル・ミナ「うん・・・そうね・・・・コズンダ様は、あなた達の計画をどこまで知っているの?」

ハロルド「シリウスさんは頭の良い人だ。アヤが再び動乱に陥ったとしても、その事後処理に相応しい勢力をここへ来るよう仕向けた。援軍という立場でね」ちょんちょん(自分が被っているお面を指差す)

クク「やっぱり。只者じゃないと思ったのよね」ペロペロ

イェル・ミナ「撹乱させるつもりなの?」

ハロルド「コズンダが俺達のギルドから買ったものは、それほど甚大な被害・・災厄をもたらす兵器だからさ」

クク「古龍よりも?」ペロペロペロ

ハロルド「ああ。そいつを「運搬中」だった仲間に問題があったみたいなんだ。当初の予定なら、とっくに練兵場にでも着陸しているはず」やれやれ

イェル・ミナ「そんなに巨大なの?」

ハロルド「古代人が作ったバケモンだ。だからシリウスさんは、アヤの民を思えばこそ、戦乱にも適応できる連中を保険として選んだんだ」

イェル・ミナ「じゃあ、グランデギルドや月蝕の翳氷・・・アグダ・マズラーにも?」

ハロルド「来ているはずだよ」

イェル・ミナ「・・・どうやって彼らに情報を?」

ハロルド「シリウスさんが王妃に匿名の密書を送ったんだって」かちゃりこちょり

イェル・ミナ「・・・スカルリーナ様・・・・・・ということは、大宰相が各地に使者を・・・・」

クク「いろいろ見えてきたわね」ペロペロペロ

イェル・ミナ「ええ。状況は考えていたよりも複雑だったみたい」

ハロルド「どういうこと?」かちゃりこちょり

イェル・ミナ「私も加担してしまったの。アグダ・マズラーに反乱を起こすよう、手引きをしてしまった・・・」

クク「正確にはコズンダに利用されたの。この子は何も知らなかった」

ハロルド「詳しく聞かせて」

クク「イェル・ミナはセフィティスと一緒にいたくて、ゲ・アゲルゾンに入隊することを希望していた。その気持ちを見透かしていたコズンダは、入隊を条件に、アグダ・マズラーに密書を渡すよう指示したの」

イェル・ミナ「私が西部出身だったことも関係している。怪しまれずにアグダ・マズラーに接触できることを期待していたのよ」

ハロルド「反乱を起こすように・・・密書の内容は知らなかったんだよね?」

クク「もちろん。そこもコズンダのずる賢いところ。イェル・ミナの真面目な性格を熟知していて、彼女を利用したのよ」ふんっ

ハロルド「だからその色の服を着ていたのか・・・コズンダめ・・!」

イェル・ミナ「アグダ・マズラーが反乱を起こすと、コズンダ様はこのエル・ディアラ・サンドリアで反旗を翻した・・・・そして国王も・・・メフタフ様も・・・」

ハロルド「おじさんが・・!?」

イェル・ミナ「反乱を起こしたアグダ・マズラーの討伐隊を率いた先王の護衛として、メフタフ様も従軍したの・・・討伐隊には私も参加した。メフタフ様の護衛として」

クク「イェル・ミナは責任を感じていたの。自分の責任でアグダ・マズラーが反乱を起こしてしまったことに対して」

イェル・ミナ「メフタフ様にそのことを話すと、二人でアグダ・マズラーを説得してみようって・・・・けど、私はメフタフ様をお守りすることができなかった・・・・」(右目から涙が自然に零れ落ちる)

ハロルド「じゃあ・・アグダ・マズラーに?」(咄嗟に首を大きく振るイェル・ミナ)

イェル・ミナ「戦いの途中、メフタフ様は暗殺された。ダル・ハンギルによって」






「あたちのモンハン日記」
Anthem of a Dying lights







ボボボボボボボボボ・・・・



ダル・ハンギル「・・・・・・・・・・・・・」ボボボボボボボ・・・・(森林地帯の木陰より夜空を見上げている)



ボボボボボボ・・・・・・・・・・・



ダル・ハンギル「はぁ・・はぁ・・・しつこい連中め・・・・・」ガブッ(アオキノコをかじる)


ザッザッザッザッザッザッザッ
(足早に森を抜けていくハンギル)


バッ(木々を抜けると表層部が砂利で舗装された公道が森の間に続いている)


ダル・ハンギル「はぁ・・はぁ・・・・・・」(道の左右を確認する)


ゴトゴトゴトゴトゴトゴト・・・・(東の道より二頭のアプケロスに引かれた荷車が姿を見せてくる)


ダル・ハンギル「フッ・・・やはり俺はついている」


バッ(道の真ん中に出て、大きく手を振るハンギル)


ゴトゴトゴトゴトゴトゴト・・(御者席に座る御者が彼の存在に気づき、速度を落としながら接近してくる。また荷台には、数名の民間人らしき男女の姿も見える)


ダル・ハンギル「北に向かうのか?」ゴトゴトゴトゴト・・・

御者「ああ。エル・ディアラ・サンドリアに向かう途中だ」

ダル・ハンギル「都は今、封鎖されているはずだ」

御者「あんた、その格好からして、アゲルゾンのメンバーだろ?知らないのか?」

ダル・ハンギル「しばらく離れていた。何があった?」

御者「都で決闘裁判が開催されているんだと。それ目当てだよ」(荷台に乗っている男女が、気まずそうに目を伏せる)

ダル・ハンギル「決闘裁判だと・・・・金ならいくらでも払う。俺も乗せてくれ」グッ(御者にありったけのボロボロになった札を握らせると、すぐさま荷台の端を掴み、乗り込む)

御者「相乗りでよければ」パシィ~~んハッ

ダル・ハンギル「問題を起こすつもりはない・・・安心しろ・・・・・・」ゴトゴトゴトゴトゴト・・・(周りの観光客を気にすることもなく、荷台の縁を背もたれに座り込み、揺られながら次第に眠りにつく)




ハロルド「ダル・ハンギル・・・・剣術指南とかぬかしやがって、散々ボコられたが・・あのクソオヤジ・・まだ生きてやがったのか・・」

イェル・ミナ「コズンダ様は、私とメフタフ様の行動に対し、不信感を抱いた・・・そしてハンギルを戦乱に潜り込ませ、メフタフ様がさも戦死したように見せかけた」

クク「彼女が生き証人よ。私も目撃した」

ハロルド「・・何があったの?」

イェル・ミナ「私とメフタフ様は、アグダ・マズラーに接触するため、彼らの兵站地に接近したの。そしたら突然、あたりが白煙が包まれた」

ハロルド「けむり玉とは古い手だ」ちっ

イェル・ミナ「アグダ・マズラーもまた、その異変に気づいて、慌てて飛び出してきたの。そして私とメフタフ様を見つけるやいなや攻撃してきた」

クク「当たり前よね。彼らからしてみれば、夜襲を仕掛けようと試みた刺客にしか見えないもの」やれやれ(と細キュートな前脚で)

イェル・ミナ「メフタフ様はそれが第三者による罠だとすぐに気づいたわ。そして追っ手は自分が食い止めるから、その間に私に逃げろと言ったの。もちろん私は反対した。けど、メフタフ様は、二人とも死んでしまっては、誰が国を・・アヤを救うんだって・・・・」(彼女に寄り添う猟虫サイズのオオナナホシ)

クク「イェル・ミナは一旦、メフタフ様から離れた。けど、すぐに心配になって戻ってみると・・・メフタフ様がハンギルに斬られて倒れ込むところだった・・・」

イェル・ミナ「同時に白煙の向こう側から、たくさんのモンスターの咆哮が聞こえた。それに気づいたハンギルはメフタフ様を慌てて肩に担ぐと、私に気づくことなく、急いでその場をあとにしたの」

ハロルド「・・・・おじさんが戦死したと見せかけるため、わざと遺体を回収したのか・・」

イェル・ミナ「ええ。私も最初は、なぜ、そんなことをするのか疑問に思った。だからその場でハンギルに襲いかかることもできなかったの。もしかしたら、なにか間違いがあって、ハンギルがメフタフ様を斬ってしまったんじゃないかって・・・・今思えば、メフタフ様は、ケムリ玉を使ったのが誰なのか分かっていたのよ。以前から、ハンギルはメフタフ様を目の敵にしていたから」

クク「本来なら、自分が国王の側近になるべきだってね。気づいてみれば、次男坊が作った私兵の軍団長ってわけ」やれやれ

イェル・ミナ「メフタフ様は失望の谷を救おうとしていた。アグダ・マズラーが反乱さえ起こさなければ、先王だって、メフタフ様の提言を受け、谷の住民に救いの手を差し伸べたはず・・・・それを全部、台無しにしたのは私なのよ・・!」

ハロルド「自分を責めちゃ駄目だ。そもそもコズンダをけしかけたのは俺達だ。イェル・ミナは、その戦略に巻き込まれただけだ」

イェル・ミナ「コズンダ様は私をわざと生かしている・・そう思うの」

クク「彼もまた、セフィティスを思っているからよ。この子がいなくなってしまったことで悲しむセフィティスを見たくないから・・・・同時に、イェル・ミナの復讐心にも気づいている・・・・それを傍観して楽しんでいるのよ・・!」

ハロルド「そのことはセフィティスに?」(すぐに首を左右に振って返答するイェル・ミナ)

クク「メフタフ様の二の舞いになることを恐れているの。コズンダ様に信頼されているうちは、セフィティスも無事なはず・・・この子は優しい子なのよ・・・分かってあげて、ハロルド・フェリックス」なでなで(俯きながら泣いているイェル・ミナの腕を前脚で撫でながら)

ハロルド「・・・・・いいかい?イェル・ミナ」

イェル・ミナ「??」

ハロルド「俺達のミッションは一つ。この動乱に巻き込まれて死んでしまった人達のためにも、ミッションを成功させるんだ。ハンターズギルドがアヤに拠点を置くことができれば、外の大陸との交易も可能になるし、たくさんの職人や学者だって、アヤへ来ることが可能になる。そうなれば、失望の谷だって、人が住めるようになる。だから戦うんだ。イェル・ミナ」

イェル・ミナ「・・・・・コズンダ様は危険よ?」

ハロルド「馬鹿野郎クソ野郎。俺を誰だと思ってんだ?ギルドナイトだぞ」えっへん

イェル・ミナ「・・・・ふふっ・・・・・・本当に強くなったわね、ハロルド」

ターバン巻いたウェイター「坊っちゃん。どうだい?おかわりは?」すりすり(ゴマをすりながら)

ハロルド「お!そしたら今度は色違いのを・・・・・って、ごめん。もう行かないと。ごちそうさま」じゃりん(机の上に多すぎる銀貨を。嬉しそうにお辞儀をするウェイター)

イェル・ミナ「どこに行くの?」

ハロルド「夜こそナイトの覚醒時。俺を助けてくれた仲間と一緒に諜報活動よ」ひょっ(椅子から飛び降りる)

イェル・ミナ「酒場に子供は入っちゃいけないのよ?それからそのお面。センスは良くないかも」やれやれ

クク「デスカーブーが苦手なんだって」こそっ

ハロルド「エクセレント。あ、これシリウスさんの口癖」

イェル・ミナ「フフ・・よっぽど信頼しているのね。少し・・悔しいけど」フフ・・

ハロルド「脱出する前、イェル・ミナとセフィティスに会えなかったのが、ずっと心残りだった・・・また会えて良かったよ」

イェル・ミナ「私もよ、ハロルド。さ、もう行って。お仕事があるんでしょ?」フフ・・

ハロルド「OK。盟勇」


ぎゅっ(両手を重ね合う二人。その上に猟虫サイズのオオナナホシもすかさず飛んでくる)



To Be Continued





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次回「あたちのモンハン日記/Anthem of a Dying lights」

第162話 「決まってんじゃんかよ。ギルドだよ」

8/31(木)0時更新予定

今日のおまけのコーナーは、この俺様、ハロルドがお送りするぜ!
なんでも最近、お腹の弱い作者は、アイスクリームをどうしても食べたいがために、白湯を一緒に飲んでいるそうだ。大人しく我慢すりゃ~いいのによ・・って、まぁ、アイスは美味しいよな・・。そんなわけで!!次回も見よう!!読も見よう!!



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