カツカツカツカツ・・・・
(アーチの向こう側より足音が)
クク「!!」

鉄平「なんかパズルみてぇで楽しいな」(石床に空いているスペースを見下ろしながら)
クク「早く!見張りが来るわよ!」ブブブブ(ゲルハルトの頭の上から飛んで離れる)
ナジューブ「入れ。下から組み合わせるんだ」ひょっ

へぇ~~しょっとな・・ズズズ・・
(各自、床の上に置かれた敷石を引きずりながら頭の上に掲げるネコ達)

ゲルハルト「イ~~ッ

ナジューブ「ここでひとまずお別れだ」(床上で見つめている猟虫サイズのオオナナホシに向かって)
クク「また連絡するわ。気をつけて」
鉄平「お前もな」
ゲルハルト「・・・・・・・・・・・」ちら・・
ホワホワホワホワホワ・・・(光蟲や雷光虫が舞う内陣を天井から床まで囲う正方形の縦長な升目型の鉄格子の中、こちらに背を向けて座禅を組みながら詠唱を続けている邪龍教徒の老人)
ゲルハルト「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

一也「よし、それじゃあ・・・せぇ~~のて・・・」
ガゴン

クク「ふぅ・・・・・・」
カツカツカツカツ(龍堂に入ってくる二人一組の赤服の見回り)
ブブブブブブ・・・(ククもまたすかさず天井に向かって高く飛んでいく)
クク「・・・・・・・・・・・・・・・」ぴたっ(精緻な龍の鱗が彫られたファン・ヴォールトの上にしがみつく)
カツカツカツカツカツ(鉄平達が下りていった4マスの敷石に向かって歩いていく二人の見回り)
クク「・・・・・・・・・・・・・」はわわわわ・・(とテントウムシな前脚を口元にあてながら)
一也「クク、大丈夫カニャ」こそっ(真っ暗闇の床下から彼のひっそり声が)
鉄平「平気さ。それより行こうぜ」こそっ
ナジューブ「待て」がさりごそり
ぬりぬり・・ぬりぬり・・
ゲルハルト「ハニャ?」こそっ
ナジューブ「セッチャクロアリとネンチャク草を混ぜた特性の接着剤さ。これで上から踏まれても1000年は崩れることはないだろう。さぁ、新王達が帰ってくる前に脱出しよう」1000年てすげぇな・・(と鉄平)
カツカツカツカツカツ
クク「・・・・・・・・・・・・・」はわわわわ・・
カツカツカツカツ・・・(例の4マスの上を踏んでいく見張り達)
クク「・・・・・・・・・・・・・」はわわわわ・・
くるっくるっくるっくるっ(どういうわけか例の4マス上でバグったNPCのように同じ場所を回りながら周囲を確認している二人の見張り)
クク「・・・・・・・・・・・・・」はわわわわ・・
カツカツカツカツカツ・・・(異常なしと判断したのか、無感情のまま姿勢良く龍堂をあとにする見張り達)
クク「・・・はぁ・・・・・・急いで戻らないと」
ブブブブブブ・・・・(扇型ヴォールトの近くを幻想的に照らす光蟲や雷光虫の間を縫いながら飛んでいく猟虫サイズのくすんだマゼンダ色のオオナナホシ)
フゥーーーーーーーー・・・・
パシュパシュパシュパシュ!!
(同じく赤紫の龍属性エネルギーのミストを口からハイアーザントップに向かって吹き付けるイェル・ミナ)
イェル・ミナ「良かった。あなたもまだまだ余裕があるようね」パシュパシュパシュパシュ!!(龍属性エネルギーを帯びたハイアーザントップを構える)
ゲンス・ゴンス「あんたの曲芸に合わせやってるだけだ。看守長」ショオオオオオ・・(対し、呪いの毒霧を放つ奇王剣【ゲンス・ゴンスの戯れ】を構える)
イェル・ミナ「そうこなくっちゃ。副看守長」フフッ
ちら・・(横目でVIP席を見上げるイェル・ミナ)
ワァアアアアアアアア!!
(高揚するオーディエンスの大歓声に包まれながら、同じくご満悦な表情で玉座にふんぞり返ってグラウンドを見下ろしているコズンダのもとに、焔デザインのタトゥーを脳天にいれたスキンヘッドの赤服の戦士が、新王の傍らで護衛をしているセフィティスを気にも留めず、その前を堂々と横切りながら近づいていく)
アンソニー「あれ、誰?」ワァアアアアアア!!
ハロルド「ハンギルのクソ野郎」やれやれ
セフィティス・ファルザーム「お休みになられていたのでは?」ワァアアアアアア!!
ダル・ハンギル「退屈だったものでな。ほぉ・・イェル・ミナか」ワァアアアアアア!!
コズンダ「余興だ。まぁ、見ていけ」ワァアアアアアア!!
イェル・ミナ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ワァアアアアア!!(横目でその光景を捉えながら操虫棍を握る手に力が入る)
ゲンス・ゴンス「おえらいさんの到着か?点数稼ぎをするために俺を選んだか」フッ
イェル・ミナ「傲慢。勘違いしないで。本当に自分の実力を見せつけるのなら、あなたじゃなくて、別の人を選んでいるわ」フフッ(流し目で闘技場の端にいるカーブーを一瞬見る)
ゲンス・ゴンス「ああ?だったらなぜ、俺を選んだ」ゴイン(奇王剣を軽々と肩に担ぎながら)
イェル・ミナ「悔しいけど、彼には無事でいてもらうため」ぼそっ・・(と、ぼったり艷やかリップな口元をほころばせながら)
ゲンス・ゴンス「??」(ふてぶてしく首をかしげる)
イェル・ミナ「さっきの。もう一度、見せてくれる?試したいことがあるの」クスッ
ゲンス・ゴンス「そう言われてやるバカがどこにいるバカぁあああああああ!!!!」フオオオオオン!!(両手で握った奇王剣を頭上高く振り上げる)
ダシャアアアアアアアン!!
モワモワおおおおおおおお!!
(力いっぱい地面に叩きつけられた刀身より、またしても毒霧の衝撃波が放出されると、怨念の恨めしい雄叫びと共に赤土の地面を一直線に這いながら、猛スピードでイェル・ミナに向かって襲いかかっていく)
ハロルド「あのバカ!!またやりやがったね!!」モワモワおおおおおおおお!!
イェル・ミナ「これならどう!?」ダッ!!
バサァアアアアアアン!!
ヒョオオオオオオオオ!!
(イェル・ミナは向かってきた毒霧の衝撃波を龍属性エネルギーを帯びた突進回転斬りによって打ち消すと同時に舞踏跳躍によって軽やかに宙を舞う)

カーブー「おお!!」オオオオオオオ!!(場内も大歓声)
シャオオオオオオオオ
(毒霧が粒子状の赤黒い龍の力によって蒸発するようにその性質ごと消散されていく中、操虫棍を下に向けながら急降下していくイェル・ミナ)
イェル・ミナ「また頭が、がら空きよ」ヒョオオオオオ!!(垂直落下攻撃を仕掛ける)
ゲンス・ゴンス「そう何度も食らうか!ヒ~ホホ~~!!」
むんずっ(操虫棍を握るイェル・ミナの腕を握ってくる亡霊のような緑霧の手)
イェル・ミナ「!?」ヒョオオオオオ!!
ブーーーーーーン!!
シュタッ!!
(イェル・ミナは亡霊の手を断ち切るように操虫棍を振り回しながら着地する)
イェル・ミナ「今のは何?」
ゲンス・ゴンス「ヒ~ホホ~~!!よく体を見てみろ」
モワモワモワモワモワモワ
(彼女が纏うガンナー装備ベースのゲ・アゲルゾンシリーズに呪いの霧が付着している)
イェル・ミナ「!!」
ゲンス・ゴンス「ヒ~ホホ~~!!自分で斬りに行くから悪いのさ。かかれ!!上玉ぞよ!!」
モワモワモワモワモワモワ
ヒッヒ~~~~~~~~~
(毒霧の腕がイェル・ミナの首を背後から絞める)
イェル・ミナ「!?」ヒ~ホホ~~

シオン「なんて、いやらしい状態異常効果なの!最低!!」ブーブー!!(同じく女性達からブーイングが飛ぶ)
アジャリナ「恐ろしい呪いね・・・あの男、それほど奇面族を殺めてきたか・・!」ブーブー!!
ゲンス・ゴンス「ヒ~ホホ~~!!喚け喚け!!それが俺への賛辞になるぞよ!!ヒッヒーーー!!」ブーブー!!こちん(客席より飛んできた棒状の骨が頭に当たる)
イェル・ミナ「クッ・・・・・・なんてね」
フーーーーーーーーー
(イェル・ミナは背後より首を締め付けてくる毒霧の腕に向かってドラゴンブレスを吹きかける)
ゲンス・ゴンス「むぅ!?」
パシュパシュパシュパシュパシュ
あ~~~~れ~~~~・・・・・・ありがとう・・・・
(龍の力によって成仏していく呪いの毒霧)
ゲンス・ゴンス「全うした!?」ガガーーーン

イェル・ミナ「次は何を見せてくるのかしら?副看守長さん」ワァアアアアア!!

ミオン「ありゃりゃ。お陀仏したミョ」ワァアアアアア!!
アンソニー「なんだかへんてこな戦いだけど、両者とも凄いのは確かだ」ワァアアアアア!!
シリウス「龍属性エネルギーは、もはや竜族の特権属性ではなくなったようだな」フッ・・
ハロルド「イェル・ミナがその気になったら、あんな奴、とっくにダウンさ。・・・ん・・」(空を見上げながら)
ブブブブブブブ・・・(闘技場の上からイェル・ミナのもとに向かって飛んでいく猟虫サイズのオオナナホシ)
ラインハルト「さて・・良い知らせか、どうか・・・」ふむ・・(と隣のミサキもまた)
イェル・ミナ「おかえり」ブブブブ・・・とすっ(鷹匠のように右腕を上げ、彼女を出迎えると、その腕にしっかとしがみつくクク)
クク「成功よ」
イェル・ミナ「OK」フーーーーーー(ククに向かって龍属性のブレスをご褒美のように吹きかける)
ゲンス・ゴンス「ヒ~ホホ~~!!今更、猟虫が来たとて・・」
ビョウーーーーーーーーン!!
(ゲンスの目の前に瞬時に飛んでいく龍属性エネルギーを帯びたクク)
ゲンス・ゴンス「いっ

ヒョオオオオオオオオオ!!
パシュパシュパシュパシュパシュ!!
(ククがゲンスの体を中心に上から下へと螺旋状に回転していくと、その龍属性エネルギーの粉塵が描く軌跡が鎖となり、彼の体を縛り付けていく)
ゲンス・ゴンス「うおおおおおおおお!!!!!」パシュパシュパシュパシュパシュ!!
フォオオオオオオオ!!
(マゼンダの鎖で拘束されたゲンス・ゴンスの頭上から、赤黒い雷を無数に迸らせるハイアーザントップを振りかざしながら急降下してくるイェル・ミナ)
シオン「まさに戦乙女」
ドシューーーーーーーーン!!
(降竜の如き怒涛の急降下突きをゲンスの腹部に浴びせたイェル・ミナもまた、その反動により、後方に大きく飛んでいく)

肉まん君「お見事」パチパチパチ
パキャーーーーーーーン・・・・・・
(両膝から崩れ落ちる鮮血のチャチャブーフェイクの大男を拘束する紫紅色の鎖もまた、激しく弾け飛ぶ)
ドサン・・・(そのまま前のめりに倒れるゲンス・ゴンス)
シュタッ・・(赤土の大地に颯爽と着地するイェル・ミナを追いかけるように彼女の右腕にとまる猟虫サイズのオオナナホシ)
「あたちのモンハン日記」
Anthem of a Dying lights
パーマの大男「勝者!!イェル・ミナ!!」
ウオオオオオオオオ!!!!
(怒号のような大歓声を受けながら、右腕にとまっている相棒の頭を優しく撫でるイェル・ミナ)
To Be Continued
ランキング参加中だミャオ!
皆様方の激アツ一票で応援してくださいミャ♪

次回「あたちのモンハン日記/Anthem of a Dying lights」
第186話 「信義を尽くしなさい」
11/23(木)0時更新予定
最近、作者は寝る前にピルクルのちいちゃいのを二本、ゴクゴク飲んでるみたいよ。たまに歯を磨いた後に飲むのを忘れていたことに気づいて、「イ~~ッ!」って言いながら、あっまいの飲んで、また歯を磨くこともあるみたい。おかしい。
■あたちのモンハン日記てなぁに?
■あたモン目次録