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Channel: あたちのモンハン日記
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「・・・・・の、はず」の巻

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ガヤガヤガヤガヤガヤ
(長老府より出てくる金髪の行商人)


肉まん君「・・・・ん・・・・」


ガヤガヤガヤガヤガヤ(行き交う人混み越しに垣間見える、テラス席の面々が敵視を飛ばすように一斉にこちらを見ている)


肉まん君「モンスターの気持ちが分かる・・」はぁ・・


ガヤガヤガヤガヤガヤ(視線に構うことなく、その場をあとにする肉まん君)


イェル・ミナ「いいの?知り合いなんでしょ?ニックマンと」

シリウス「ニックマン・・・・」


シオン「ふぅ~~・・・ちょうどよかった。彼との関係を聞きたいんでしょ?」ぎくっハッ(とするアンソニー。ごまかすようにアイスコーヒーに手を伸ばす)

シリウス「興味がある」ゴクッ(と木製ジョッキを)

シオン「いいですよ、別に。やましいことは何もないし」ゴクゴクゴク(アイスコーヒーを直で)

シリウス「それはあいつもか?」(ジョッキ越しに鋭い目で)

シオン「・・・・・の、はず」





「あたちのモンハン日記」
Anthem of a Dying lights





イェル・ミナ「ゲンス・・ゴンス・・・」ふむ・・

クク「本名も偽名も個性的ね」やれやれ(テントウムシな脚で)

シオン「そのリベンジをあなたに取られた。私も彼もね。でも誤解しないで。私も彼も、あなたのことは恨んでいないから。むしろ、せいせいした」ゴクゴクゴクゴク(アイスコーヒーのグラスをがぶ飲みする彼女を笑顔で見つめるイェル・ミナ)

ハロルド「だからあの看守を尾行したのか。ミオンとシオンが強い絆で結ばれている理由が、はっきりと分かったよ」


ミオン「これで、もう頭の中を覗かなくてもいいミャ♪」なでなで(寄り添う彼女の頭を撫でるハロルド少年)

アンソニー「家柄にとらわれず、友達との約束を守るなんてね・・・すごいと思う」

ミオン「うミャ。シオン達が来てくれなかったら、今もずっと、ゲンス・ゴンスのもとで働かされていたミャ」すりすり(椅子に座っている彼女の足に顔を擦り付ける蒼きガルク)

シオン「それが正しいやり方だったのか、私も彼も分からない。けど、後悔はしていない」

アンソニー「いいんじゃない。君がナイツに入団を希望したのは、その信念の強さからだと思う。ねぇ、シリウスさん」

シリウス「・・・・・・・・・・・・・・・・・」(木製ジョッキを見下ろしている)

シオン「ご不満でも?」

シリウス「あの男・・・ニックマンもシュレイドの名家出身だと言ったな?」

シオン「ええ」

シリウス「二人共、代償は大きかったと思うか?」

シオン「・・・・どうして代償だと決めつけるんですか?」


はわわわわわわ・・(と、見つめ合うシオンとシリウスの顔色を交互に窺うハロルドとミオン)


シリウス「いや。二人共、同じギルドの仲間だ。今はそういうことにしておこう」フフッ(と木製ジョッキをシオンに向ける)

シオン「ご期待に応えますように」カティ~んハッ(アイスコーヒーのグラスをシリウスのそれにぶつける)

アンソニー「ねぇ、シオン。僕らに彼のこと、話して平気だったの?」

シオン「ノープロブレム。前にシリウスさんには会っているって言っていたし」ゴッゴッゴッ(アイスコーヒーの残りを一気に)

ハロルド「あいつのセクションはよ?」

シオン「それだけは教えてくれないの。今は潜入捜査中だっていうことくらい」やれやれ

アンソニー「ってことは、中央捜査局かな?」(シリウスに向かって)

シリウス「どうかな・・。あいつは俺に、メッセンジャーだと言っていた」

シオン「メッセンジャー?」

シリウス「ああ。俺らも会ったことがない、ギルドの奥底にいる幹部と繋がりがあると言っていた」やれやれ

シオン「へぇ・・・・・・」(目をまんまるに)

アンソニー「彼なら、竜大戦のことも詳しいかも」

シリウス「可能性はあるな。話してくれるのならな」

シオン「あ!そうだ!」ビクッハッ(と飲もうとしてたアイスコーヒーをこぼすアンソニー)

シリウス「どうした?」

シオン「彼から伝言。っていうか、私が聞いたんだけど。彼ら、サザンゴッド側の依頼人。誰だと思います?」ふふふふ

アンソニー「ジーナ・ジラント」ズズズズ(ちょっとこぼしたアイスコーヒーを)

シオン「え・・なんで?」

アンソニー「ここがアヤだということ。それに、彼女を水没林から攫っていったのは、君のオトモダチだよ?聞いてないの?」ズズズズ

シオン「チェッ・・・つまんない・・」(死にそうな顔しながら俯く)

アンソニー「当たったみたい」ズズズズ

シオン「その人もここにいるって。外周エリアのアンティークショップ。そこが拠点よ。メッセンジャーの彼もそこにいるって。あの可愛い双子姉妹もね」やれやれ

シリウス「フレッカーでは扱いきれなかったようだ。おそらくジーナと取引きをして、拘束を解いたのだろう」

アンソニー「彼女のことだ。殺そうと思えば、いつでもやれたはず。ビジネスも二の次だと思う。本当の目的は?」

シリウス「フレッカーが船を持っていたということ。それ以外は計り知れん」やれやれ

シオン「メッセンジャーさんは、こうも言っていたわ。カーブー君をここへ連れてきたのは、ジーナの様子をみるためだって。彼らはジーナから護衛のクエストを受けて、ここへ来たのよ」

アンソニー「・・・確かにカーブー君は彼女に固執しているようにみえた・・・・一体、彼女は何を考えているんだ・・・」

シリウス「絶望さ。強い希望を抱くものほど、堕ちた時の絶望もまた計り知れない。そういう連中さ。あいつらは」(木製ジョッキを見下ろす彼の目には、少なからずとも怒りを感じる)

シオン「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

アンソニー「ねぇ、イェル・ミナ。君はジーナ・ジラントという上位信者の名前を聞いたことがあるかい?」

イェル・ミナ「ごめんなさい。私は信仰を持っていないの。知っているとすれば、カトゥッロ様ね」

シオン「あのお爺さんね。聞いたところで素直に答えないと思うけど」ふぅ~~

アンソニー「前に宮殿の地下で捕縛されている竜信者達に質問をしにいったことがあるんだけど、一人だけ別に囚われている人がいた。彼は何者?」

イェル・ミナ「タガル・ウムト。先王を支えた重臣の一人。私はそれくらいしか知らない」やれやれ

シリウス「やはり上位信者だったか・・」

アンソニー「道理で何も語らないわけだ。こっちの存在なんて見えていない感じだったしね」やれやれ

シオン「私、声、聞いたわよ」ふふん(と自慢げに)

ハロルド「やるじゃねぇか。で、なんて?」

シオン「メッセンジャーな彼と一緒だったの。彼がジーナの名前を出したら、反応があった。けど、多くは語らず、彼が救出すると言っても、その必要はないって感じだった。ただ、「あの女に関われば、必ず死ぬことになる」・・だって」やれやれ

アンソニー「ジーナの目的は、彼らの解放?」

シオン「タガル・ウムトも同じことを言ったわ。直接、ジーナにそう言われたのか?って」

シリウス「・・・別の目的があるということか・・」

シオン「そっちは彼に任せましょう。何か手伝ってほしいことがあれば、言ってくると思う」

ハロルド「謎のメッセンジャーを信じろってか?まぁ、シオンがそう言うなら、いいけど」

クク「なんだか、おそろしい組織ね。あなた達のギルドって」ちょんちょん(ハロルドの手をテントウな前脚で)

ハロルド「てやんでバ~ロ~。ゲ・アゲルゾンほどじゃねぇわぁ~い!そうだよね、シリウスさん?」キラキラキラ(顔につけているリオレウスのお面を懇願乙女みたいな表情にさせながら)

イェル・ミナ「ふふっ」カラカラカラ・・(半分まで減ったアイスコーヒーのグラスに浮かぶ氷を指で回しながら)

ミオン「あっ!しまったミャ!!お話しに夢中になって、全然食べてないミャおアセアセ」めちゃ~~ん(と溶けてしまっている「おイチゴの特選かき氷」。おそらく頭頂部を囲うように突き刺さっていた本物のイチゴも落ちてしまっている)

クク「手伝ってあげる」カサカサカサ(と人様のかき氷皿に向かっていく彼女をむんずと掴み上げるイェル・ミナ)

イェル・ミナ「あなた達の関係性は分かったわ。それで、副看守長は今、特別牢にいるけど、どうする?」おろしてちょうだい(と、テントウな全脚をじたばたさせているクク)

シオン「そりゃ~自分の手でボコボコにしてやりたかったけど、もういいわ。でしょ?ミオン」

ミオン「うミャ。こうしてずっとシオンと入れるんだミョん。それに、牢獄に入ったのなら、それでいいミャ・・・」



ムーア「ゲンス・ゴンスがここで殺されれば、あなた達は自由になれるかもしれないのよ?」

ボワコフ「ムーア殿。あなたと最初にお話しさせてもらった時、あなたはこう言ったでアリマス。自分とあなたの理想は、農園を襲ってくる無法者達が消え、農園の労働環境も見直されて、ここにいるみんなの意思が尊重され、そして自由になることだと・・・」

ミオン「ムーアさん!!」

ムーア「・・・・・あなた達は、あの二人に罪を償わせるチャンスを与えたいのね?」

ボワコフ&ミオン「・・・・・・・・・・・・・・・・」こくり(手を取り合いながら深く頷く)

ムーア「・・・復讐心とは違う、慈愛の教示・・・・・受けてみるわ。そのクエスト」




ミオン「・・・・・・・・・・・・・」グスン・・(彼女の気持ちを察したのか、シオンは優しく彼女の頬を指で撫でる)

シオン「復讐はとっくの昔に終わっていた。彼のことはお願い」

イェル・ミナ「ええ。彼には必ず償いをさせる。おそらく彼もまた・・・それを臨んでいるはずよ」

シリウス「・・復讐・・・・ジーナ・ジラントが臨んでいるもの・・・・・」

アンソニー「まさか、彼女は僕らの計画を?」

シリウス「さぁな・・・・・」

ハロルド「・・・・・・・・・・・・・・・・・」ソワソワ(足をもじもじさせている)

シオン「あら。おしっこ?」

ハロルド「て、てやんでバ~ロ~!!おもらしなんて公共の場で誰がするかぁ~!!」ごめんごめん(と真顔で謝るシオン)

シリウス「隠し事があるなら、早く言った方がいいぞ」ゴクッ(木製ジョッキの最後の一口を)

イェル・ミナ「すごい。あなたより読心術に長けているみたい」ふふっ(つまんなそうな顔のハロルドはテーブルの中央に顔を寄せる)

ハロルド「イェル・ミナ。シリウスさん達になら話してもいいだろ?」

イェル・ミナ「ええ。私からもお願いするわ」

シリウス「報告か?」ゴトン(木製ジョッキをテーブルの上に置く)

ハロルド「ああ。ドボルヘルムのあんちゃん達のクエスト。明日、決行する予定だ」こそっ

シオン「え・・」

イェル・ミナ「私がハロルドを巻き込んでしまったの。そして彼らの作戦が成功するよう導いた・・この子に頼んで」スッ・・(ククをテーブルの上に下ろす)

クク「アジャリナはオトモダチなの。彼女達をこれ以上、争いに巻き込むわけにはいかない。そうでしょ?ハンターズギルドの騎士さん達」


ふぅ~~~~~~~(ナイツ組はこぞって「そう言われるとな・・」という表情を浮かべながら、一息つく)


ハロルド「支援しろって言っているわけじゃない。ただ、あいつらの作戦を黙って見ているだけでいい」(「お願い」と言わんばかりに両手を合わせながら)

アンソニー「ずいぶんグルーミーなお願いだね」やれやれ

シリウス「構わないさ。奴等の作戦を知った時から、そのつもりだった。俺等には関係がない。しかし、コズンダはそうはいかないだろう」

イェル・ミナ「重々承知しているわ。その時はその時。あなた達に迷惑はかけないわ」

アンソニー「って言ってるけど?」

ハロルド「・・・・・・・・・・・・・・」ちらっ・・

シリウス「ミッション優先だ。俺達はコズンダの盟友として招かれた。彼女は、それを承知で計画を打ち明けた。俺達が動けないことを知っているからな」ジャラッ(銀貨を机の上に置く)

ミオン「そんな!冷たいミョ!」ザッ(立ち上がり、その場を去っていくシリウスとアンソニーに向かって)

シオン「だめよ、ミオン。あなたが獣人達に同情する気持ちは分かる。けど、シリウスさんの言っていることは正しいわ」ちら(イェル・ミナを見つめる)

イェル・ミナ「ごめんなさい。振り回してしまって・・ただ、あなた達には私の気持ちを伝えたかった」

シオン「助けて欲しいのなら、私達にじゃなくて、セフィティスに打ち明けるべきだった。そうでしょ?」ザッ(ジークと共にシリウスを追いかける)

イェル・ミナ「・・・・・・・・・・・・・・・・」

ミオン「待つミャ!!」タッタッタッ!!グッ(シオンを追いかけ、力強く主の手を握る)

シオン「なに?」

ミオン「ムーアなら、みんなを見捨てないミャ」(シオンにだけ聞こえる音量で力強く)

シオン「・・・・・・事情が違う。私達はギルドナイトなのよ」ザッザッザッザッ(ミオンの手を振りほどき、シリウスとアンソニーに続いていく)

ミオン「組織なんて、つまらないミャ・・・」とぼとぼ(とテラス席に戻ってくる)

ハロルド「・・・・・・・・・・・・・」しょんげり・・

イェル・ミナ「気にしないで、ハロルド」なでなで

ミオン「ミオンは力になるミャ」

イェル・ミナ「ありがとう。でも、それはあなたの大好きなご主人に迷惑をかけてしまう。私なら大丈夫。さぁ、一緒に行きなさい」グッ(ミオンとハロルドの手を握らせるイェル・ミナ)

ミオン「何かあったら、知らせるミャお」こそっ

イェル・ミナ「ふふっ・・・さぁ、行って」


ててててて・・・・ちらっ
てててて・・・ちらっ
(手を繋いだままのハロルドとミオンは人混みの中、先を行くシリウス達を追いかけながら、時折、心配そうにこちらを振り返る)


クク「もしも追われる身になったら、彼らを頼ったら?」

イェル・ミナ「だめよ。だって、彼らはここにいるんだもの。それに彼らの作戦を邪魔するわけにはいかない」

クク「でも否定はしなかったわね?」ブブブブブ(翅を広げ、イェル・ミナの右腕にしがみつく)

イェル・ミナ「・・・・・・・・・・・・・・」

クク「異国の騎士の猟虫っていうのも悪くはないけど」

イェル・ミナ「どうせ美味しいものが目当てでしょ?」じろっ

クク「最悪のケースも考えておくべきだわ。現実的なのは、南部ね」

イェル・ミナ「・・月蝕の翳氷に?セフィティスと戦えっていうの?」

クク「ほら、現実的に考えるようになってきてる」

イェル・ミナ「もう。まずは明日。余計なことは考えない」ザッザッザッ・・


書類はまだぁ~~!?
だぁ~~!!うるせぇな!!もうちょっと待ってろ!!

(と長老府の中より、市民VSゾフィの声が)


イェル・ミナ「何かしら?」・・ちゃんと・・並んでくださぁ~い・・(と、心もとないお姉ちゃんの細い声も微かに)

クク「集中して。彼らの成功を祈るのよ」ごちゃごちゃ言うなら、てめぇでやれ!!(とゾフィの怒号が)

イェル・ミナ「そうね・・・なんだか今日は長い夜になりそう・・・」いつまで手伝わせんだ!?ちゃんと金払えよ!!ボケぇ~~~!!


To Be Continued






みんなの激アツ一票でしっかり応援してほしいミャオ♪

次回「あたちのモンハン日記/Anthem of a Dying lights」

第191話 「ゲニャらてよ」

12/11(月)0時更新予定

作者は毎月スタバの新作フラペチーノを飲んでるんだけど、寒い時期が一番つらいって、あったかいものを飲んでおけばいいのに、冷たいもの(しかもカスタマイズ有り)を飲んだから、まんまとお腹ゴロゴロになって、その日の夜は、結局、白湯頼りだったみたいだミャ。おかしいミャ。



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