~ロックラックシティ、ハンターズギルド本部地下
ギルドナイツセクション/ミーティングルーム
シリウス「・・・・・・・・・」(グレーの石壁に囲まれた質素な部屋の中央に置かれた木製ソファに深く座り、何かを考えている様子である)
王羽美「失礼します」ガチャリ(ホワイトカラーのギルドナイト装束を纏った黒髪ショートボブの女性が入ってくる)
シリウス「・・・・・・・・・」(それに目もくれず一転を見つめている)
王羽美「報告があって参りました」カチャ・・(白いグローブを纏った両手で、静かにドアを閉める)
シリウス「サフラがアサイラムに経った・・違うか?」
王羽美「はい。ハロルドと一緒に」スッ・・(布に包まれた人差し指でドアノブの表面を優しく拭い去る)
シリウス「・・・・・。やはりか」
王羽美「と仰ると?」シュッ(ハンカチを取り出しグローブの上から指を拭う)
シリウス「王、お前がサフラから聞いた話しでは、あの女ハンターはレオとウルが「小芝居」をうってまで捕縛し、アサイラムで幽閉していると言ったな」
王羽美「はい。先日お答えしたことに間違いはないかと。シリウス様が以前のミッションで竜水晶の記憶を移した女性ハンターです」
シリウス「記憶のロード方法はサフラから聞いたか?」
王羽美「古代遺産のレリーフに刻まれた、特別なチャントをすることで、デバイスとなった人間の脳から記憶を読み起こすと・・・そもそも記憶を移された者は、自分が竜水晶に封じ込められた情報を持っているということに気づいていないのですよね?」
シリウス「竜機兵製造に関する情報の一部だからな。古代人の魔術めいた技法でこそ為せる暗示の様なものだろう。残念だが今の大陸レベルの知識と技術ではジェネシスオーパーツの構造を解き明かすことは不可能だという」
王羽美「少しでもその超文明の恩恵にあやかる為、具現化出来ることは実践していく・・・そのための一歩が造竜技術の復元だとサフラさんは言っていました。ですがハロルドをなぜ同行させたのでしょう?」
シリウス「チャントをしても記憶が呼び起こせなかったからだ。アサイラムの龍科学者達はあの女ハンターをコーマ状態にし、何度もチャントを唱えたが、情報を聞き出せなかったという」
王羽美「それでハロルドの浄天眼を使って、被験者の心を読もうと・・・ですが被験者の記憶は、本人も身に覚えがない状態なのですから、いくらテレパスでも読み取る事はできないのでは?」
シリウス「あの女ハンターが、既に記憶を呼び戻していたとしたら・・どうかな」
王羽美「!!」
シリウス「可能性の話しだ。俺はその「仮説」をサフラに教えてやったまでだ」
王羽美「その為にハロルドを・・」
シリウス「効率性の問題だ。拷問という尋問の手間も省ける。ハロルドの浄天眼をもってすれば容易いことだ」
王羽美「ハロルドに水晶の記憶がコピーされる可能性はないのでしょうか?」
シリウス「ハロルドはあくまでも、あの女が「知っている答え」を読み取るだけだ。直接、竜水晶の記憶を覗くわけではない。ハロルドの脳に外傷はないだろう。それに竜水晶を破壊せず直接、浄天眼で記憶を読み取ることが可能ならば、本部はとうの昔にハロルドにそれをやらせているさ」
王羽美「それを聞いて安心しました。ハロルドはあの能力のおかげで、人の心は読めても、自分の心を閉ざしてしまっています。彼が気を使わず接する事が出来るのは、心を読むことの出来ないシリウスさんとレオだけ・・。私もお二人の様に、精神鍛錬に長けていれば、彼の・・少年ハロルドの心に触れることが出来るのに・・」きゅむっ(拳を握る)
シリウス「お前のその篤心な礼節は、ハロルドが心を読まずとも感じている。心配するな」
王羽美「却って気を遣わせてしまいます。それがあの子にも、私にも重圧となって、すれ違ってしまうのです」
シリウス「だったら山伏にでもなるんだな。心を悟られず、自然に接することが出来れば、その悩みも解決されるだろう」
王羽美「え、レオとシリウスさんって山伏経験あるんですか!?」
シリウス「例え話だ」
王羽美「むう・・」ぷん
シリウス「どちらにせよ、ハロルドにはいい経験になるかもしれんな・・」
王羽美「アサイラムを見学することがですか?社会科見学じゃないんですよ?あそこは異常犯罪者や凶悪犯の監視施設なんですから」
シリウス「表向きはな」
王羽美「・・・・・また隠し事ですか?」ムッ
シリウス「お前は知らない方がいい。それよりハロルドやウルといった、まだ幼くしてハンターの才能を開花させている者を、なぜギルドはナイツに入れたか知っているか?」
王羽美「またそうやって話を逸らして・・・それくらいは「ナンバー4」の私でも知ってます」かきかき(掌に「ふん」って書いてる)
シリウス「是非、ご教授願おうか」
王羽美「もぉバカにして!じゃあ教えてあげます」ぷん
シリウス「・・・・・・・」(ハットで顔は隠れているが、口元は笑っている)
王羽美「よいですか?ウルやハロルドは、ギルドが構想したハンター育成プランの一環「メサイア計画」に選ばれた子供達なんです。といっても、実際の育成期間はごく短いものでしたが」
シリウス「その理由と、メサイア計画とは?」
王羽美「メサイアとは大陸の救世主となる者の意です。由来はかつてギルドに在籍した通称「メサイアの妖精」こと、オクサーヌ・ヴァレノフにちなんだものなんです。ご存知オクサーヌは全大陸上で最も有名な狩人であり、その土地々々に彼女の狩猟逸話が存在する程、天賦の「狩才」に恵まれた、1000年に一度のハンターと云われた俊逸です」かきかき(掌に「genius」と書いてる)
シリウス「若干11歳にして狩人の真髄を極めた少女は、獰猛なモンスター相手の危険なハンティングであればあるほど、心弾ませ悦び、狩り乙女特有の穢れ無き微笑みを魅せたという・・・最も有名なオクサーヌの風説であり、メサイアの妖精という異名の由来もそこからついたのであろう」
王羽美「はい。そんな穢れ無き少女が、その身の丈の数十倍はあろうかという凶暴なモンスターの首を引きずりながら街に帰還する・・・人々は自発的に沸き起こる歓喜と熱狂によりその神童を迎え、畏れ崇めた・・。重力の様に人々の心を魅了してやまないオクサーヌ・ヴァレノフの、ごくごく普通な女の子としての振る舞いや仕草の裏には、どこか超自然的な魅力もあったのでしょうね」スッ・・スッ・・(純白のグローブに覆われた人差し指で肩の埃を落とす)
シリウス「だろうな。人だけにあらず、獣人種やモンスターでさえも、彼女には気を許したという記述もあるほどだ」
王羽美「純真無垢な天才ハンターというステレオタイプになったオクサーヌ・・・けど、ある頃から彼女の中で異変が起きる・・。詳細な理由こそは極秘資料にも記載されていませんでしたが、ひとつ言えるのは、オクサーヌ・ヴァレノフがその特化した能力に過信し、増長したということです。そして彼女はこともあろうか、ギルドに対して謀反を起こしたのです」
シリウス「・・・・・・・・」
王羽美「以来、両者の信頼関係は決裂。今までの実績をすべて水に流し、一転、オクサーヌはギルドナイトに命を狙われる超重要参考人へ変貌・・その後、彼女は当時ギルドナイツに在籍した100名近くのナイトを相手に、ファンロン古塔のラグナロク、そしてヒンメルンでの悪夢の歌劇事件と、歴史に名高い数々の大虐殺を犯し、必死な逃遁の挙句、現在はここ、新大陸へ渡り、凍土のマフィア・・エヴァーウィンターナイツの棟梁となった・・・以上が現在ギルドで確認がとれている、メサイアの妖精伝説です。どうです?」ちら
シリウス「機密文書の賜だな」パチパチパチ(ソファにふんぞり返りながら気のない拍手をする)
王羽美「その事実がごく最近ギルド機関内で公表されたこともあり、メサイア計画は急遽中止となったのです。ハンターとしていくら才能があっても、心まで拘束することは、それこそ超古代文明の秘術でもない限り出来ません」
シリウス「純真であればあるほど、それが打ち砕かれた時の衝動は大きく、心的外傷という精神的なダメージを与える。ギルドが育成した直属の純粋戦士が、異常狩人者になっても困るからな」
王羽美「そうです。そんな人としての機能が欠落した「兵隊ハンター」をギルドが育成してるだなんて公にされたら、それこそ反体制派の思うツボです」ぴしっ(シリウスに向けて人差し指を立てる)
シリウス「現在のギルドは保守派が支配しているからな。そもそも、その計画自体に乗る気ではなかったのだろう」
王羽美「計画が頓挫したことにより、育成機関も解体。大陸中から集められた才能豊かな子供たちは、ご両親がいる子は親元へ、戦災孤児の子も故郷へと帰り、各々少しばかりとはいえ、ギルドの育成施設で受けた貴重な体験を活かして、現在は立派なハンターとして活躍しているのですよ」ぴしっ
シリウス「その中でもずば抜けた才能を持っていた戦災孤児のウルとハロルドは、ギルドから推薦を受け、ここ(ギルドナイツ)にやって来た・・・そもそもウルはレオに拾われ、施設に入ったのだからな」
王羽美「ウルだけに関して言えば、最初からあの子はナイトになるという目標の為だけに、ロックラックへ来たんだんですよね?」
シリウス「そういう意味でもウルは、他の子供とは抱いている雄志と、その絶対的価値観が違う。大陸社会の秩序の欠落が、ウルをストイックな子供へと仕立てあげたんだ」
王羽美「それに関してはハロルドも同じでしょう・・・あの子はシリウスさんが連れて来たのですよね?その頃、私はまだ在籍していませんでしたが」
シリウス「ああ。当時、メサイア計画を委託された育成機関は、大陸中の才能豊かな子供達の資料を集めていた。ハロルドはその「オーディション」を勝ち抜け、選ばれたんだ」
王羽美「それでシリウスさんがハロルドを連れてくるようにミッションを受けたのですね?」
シリウス「そうだ。アヤ国に優れたアビリティを持つ戦災孤児がいるから連れてこいとな。お前も知っての通り、アヤ国は内紛国で有名だ。各地でイデオロギー闘争が起きている。それで俺が選ばれたというわけだ」
王羽美「・・・・・。ハロルドはとても純真な子です。出来ればアサイラムには行かせたくなかったのですが・・」
シリウス「テレパスが働き過ぎて、施設内の犯罪者共が抱く闇を覗いてしまうからか?」
王羽美「・・・・・・・」こくり(心配そうに俯きながら頷く)
シリウス「心配ないさ。ハロルドはオクサーヌ・ヴァレノフの二の舞いには・・・・」
王羽美「??」
シリウス「だからだろう」
王羽美「え・・・」
シリウス「少年ハロルドにとって、あの女との出逢いが吉と出るか・・・はたまた・・・みてみようじゃないか」にや
「あたちのモンハン日記」
~Sanctuary of extinction~
~ギルドアサイラム
ザッザッザッザッザッザッザ・・・・(洞窟を並んで歩く、白衣を着た痩せ型の男と獣人種、そしてその横には獣人種と身の丈がほぼ同じであろう人型の子供)
ハロルド「そんで、俺はそのハンターのねえちゃんを「読めば」いいんだな?」(オリーブグレイとオフホワイトのヒッコリーストライプが特徴的なオーバーオール風のギルドナイト装束をパーカーの上から纏い、そのクマ耳タイプのフードを被ってる金髪坊や。背中には金色の「おやすみベア」を背負ってる)
アウラー「ざましょ。とぉ~っても凶暴だから気をつけることね」(見るからに「そっちの人」っぽい風貌の痩せ型白人。両耳が尖っていることから竜人族であることが分かる。髪は油の付け過ぎなのか、なんだか「てやてや」してる)
ハロルド「え・・そんな野蛮人な、ねえちゃんなの?」
サフラ「今は向精神薬でぐっすりですニャ。安心ニャいですよ♪」
ハロルド「うげ・・向精神薬って、中枢神経系を作用して精神に影響を及ぼすっていうあれだろ?まさかいにしえ麻薬じゃないだろうね。俺、アンチドラッグだから」じー
サフラ「これこれ。仮にもここはれっきとしたギルドの施設ですニャ。薬はローゼンクロイツが開発したトリアゾラムという睡眠薬ですニャ」
ハロルド「へぇ・・さすがローゼンクロイツだね・・。そういや、ロックラックのあの金持ち屋敷のねえちゃん、今頃何してっかな・・」ぼそ
アウラー「眠らせるのにもとっても苦労したざますよあたしなんて頭かじられたんだから」すりすり(かじられたっぽい後頭部を撫でる)
ハロルド「それだけ「活きが良い」から被験者に選ばれたんだろ?シリウスのおじさんはそう言ってたぜ」
サフラ「ご存知でしたニャ?」
ハロルド「フフ・・俺とシリウスおじさんの絆は深いのさ」にや(なぜか得意げな顔)
アウラー「手の付けられない不良息子が、昔同じく街のギャングだった親戚のおじさんになつくみたいなもんね」
ハロルド「うっせえバカ野郎クソ野郎おかま野郎」
サフラ「それで、どこまでお聞きになったニャ?」
ハロルド「心配すんな。言っても超機密事項なんだろ?おじさんだってバカじゃねぇ。前の凍土でのミッションの時、竜水晶をその女ハンターにインストールしたってことしか聞かされてねぇよ。それとも、サフラさんはおじさんを疑っているのか?」じろ
サフラ「いえいえ。お二人共信頼していますニャ」にこにこ
ハロルド「その笑顔の深層心理が読めないんだよなぁ・・・一体どんな精神訓練を受けたんだか」じー
アウラー「そんなことより話はあのUBUというハンターのことざます」
ハロルド「うぶ?ケケッ。へんてこりんな名前」ぷぷっ(子供らしく両手で口を覆って笑う)
サフラ「ユクモに在籍するギルドのハンターであり、同村を守る自警団の首魁ですニャ」
ハロルド「首魁?なに、悪い女なのそいつ?」
サフラ「何かとギルドを困らせる義賊といったところですかニャ」
ハロルド「そんなの大陸社会じゃ五万といるじゃん。それともそういった義賊症候群の群れが、徒党を組んで赤の思想を持つことを恐れているわけ?猫族の革命だって無事に終結したじゃないか」
サフラ「その革命を裏でコントロールしていたのが、その田舎の自警団なんですニャ。それ以外にもゴッドジャスティス収容所を事実上機能停止にしたり、最近では各フィールドを拠点におく犯罪シンジケートとも繋がりや抗争を起こしているとも聞くニャ」
ハロルド「へぇ~。とんでもないじゃじゃ馬なんだね、その「うぶ」ってねえちゃん。そんな危険人物ならそれこそ・・・って、そっか、中央捜査局に逮捕させないのは、そのねえちゃんが竜水晶の記憶を持っているからか」
サフラ「一応、革命終結の為、最終的には帝国軍と共闘して暗黒団を退けた「影の英雄」でもあるからですニャ。そんな反体制派のプロパガンダである小さい英雄でも、安易に投獄すれば、それこそ連中の結束力を深める要因になりかねないですしニャ」
ハロルド「それでレオとウルに小芝居をうたせてまで拉致らせたってわけか・・・政治って、むつかしいし、まどろっこしいもんだね。だから俺たち(ナイツ)みたいな、優秀な「掃除屋」が組織には必要なんだけどそのじゃじゃ馬ねえちゃんも可哀想にな」
アウラー「安心するざましょ。用が済めば、ここでの記憶は催眠療法で暗示をかけ、大砂漠のど真ん中に帰してあげるつもりざます。けど、まさか最初から思い出しているとは夢にも思わなかったざますね」
サフラ「まさしく灯台下暗しですニャ」
ハロルド「それもシリウスおじさんの助言があればこそだろ?俺だっておじさん繋がりのミッションじゃなきゃ、こんな気持ワリィ洞窟なんかに来てねぇよ」プッ(つば吐いた)
アウラー「フルフルにみたいに唾ばっかり吐いて。いっそフルフルと接合してあげようかしら」
ハロルド「お~こわいこわい(甲高い声)。それよりさ、その「うぶ」って女、オーバードースが原因でバーサーカーモードになったりなんかしないよね?」
アウラー「その逆。もはや頭の中は廃人同然かもしれないわね。協力な睡眠薬の過量服薬に加え、連日続けたチャントだって、彼女の脳回路に多少なりともダメージを与えているかもしれないざます。もしかしたら記憶障害の傾向もみられるかもしれないざますね。って、そんな容態でも、あんたなら簡単に「読める」わけでしょ?」
ハロルド「頭に記憶を思い起こしていればな。それとこのサフラさんやレオ、シリウスおじさんみたいに精神鍛錬を受けていなければ、余裕のヨッコちゃんさ♪おじさんこそ、ハンターの神秘的な肉体をなめてると大怪我するぜ」
アウラー「ふん。仮に発狂したところで、その背中に背負ってるクマで眠らせてやりなさいよ」
ハロルド「クマじゃねぇ!!ポポロスキー君」ぷんすか
アウラー「どっちでもいいざましょ」ぷい
ハロルド「このクソゆるゆるなオカマ野郎が・・!!ぐるるるる・・」(狂犬みたいな顔して見てる)
アウラー「やだ!またこのぼうず、人の心覗こうとしてるわね!?」
ハロルド「おじさんの「いちいち」気持わりぃ過去や思想趣味なんて興味ないよぉ~だ」ぷい
サフラ「まあまあ」(肉球を見せながら二人を落ちつかせる)
アウラー「・・・・・(ほんと生意気なクソガキ・・・資料によると確かアヤ国の戦争孤児だったわね・・・国の急進左派が創設した、超能力テロリストの育成が目的の暗殺教団出身のくせに・・・)」
ハロルド「だからなんだよ」ギロ
アウラー「ひっ」
ハロルド「そうさ。俺はアサシン教団育ちさ」
サフラ「・・・・・・・・・」
ハロルド「しょうがねぇだろ?親が内紛で死んじまったんだから。「余った」ガキはみんな黒服に引き取られ、母国の為に命を張る殺戮マシーンに育てられるのさ。女の子なんてもっと最悪な人生が待ってるんだぜ?奴隷売買に出され、いにしえ麻薬漬けにされ、人間としての機能を奪われた挙句、チャイルド・マレスターのドールになるのが「堕ち」さ。同情なんてきかねぇ。彼女たちに必要なのは汚れた肉体と破壊された精神の転生、つまり「死」なんだよ」
アウラー「・・・・・・・・」
ハロルド「いいか?竜人族のおかま野郎。二度と俺たち、孤児を蔑んだ目で見るんじゃねぇ。今の俺はれっきとしたナイトだ。その強欲満ちた両目を切り刻んでアプケロスの餌にしちまうぞ」
アウラー「・・・・・・・」ぞぞぉ~(ちょっと漏らしたっぽい)
サフラ「これこれ。ハロルド君。仮にも我らは同じ組織に属する仲間ですニャ。同士討ちは厳禁、減点。ギルドポイントをためて、「たまご」の称号を貰うんですニャろ?」
ハロルド「う・・・それを言われると辛いな。ウルの奴よりも先に「たまご」の称号が、俺、欲しいんだ」う~
アウラー「あんたさ、なんでナイトになったのよ」
ハロルド「なんだよ唐突に。やけにごきげんを伺う質問じゃねぇか?ええ」にやり
アウラー「・・・・・(聞いて欲しかったのね)」
ハロルド「そうだよ。俺の生い立ちなんてたいしたことねぇんだよ。問題はさ、なんで教団にいた俺がこうして新大陸のお日様を浴びてるかってことなのさ」フフン
アウラー「脱走でもしたんじゃないの?」
ハロルド「バカ野郎クソ野郎おかま野郎。俺はね、勧誘されたのさ」フフン
アウラー「教団内でギルドナイツの?」
ハロルド「そうさ♪アヤ国に優秀なテレパスがいることを知ったギルドは、シリウスおじさんというこれまた優秀なギルドナイトを派遣させたのさ」
アウラー「え・・それってまさか・・」
ハロルド「勧誘をしにさ」にや
アウラー「誘拐じゃない」
サフラ「ニャハハハハ。結果としてはそうなりますニャ。けど、こんなハンターをも超える資質をもった少年を、政権争いの犠牲者にしておくには勿体無いと上層部は判断したのですニャ」
ハロルド「ほれみろ。ちゃんとしたスカウトを俺は受けたのさ。それもまた、大陸を揺るがすほどの才能をもったこの俺様の存在があればこそであって、それはもぉポポロスキー君だって毎晩枕元で褒め称えてくれ・・・・・ん」
アウラー「どうしたざます」
ハロルド「ちょっと黙ってざます」ん~(額に指を当てて何かを感じ取る仕草をしてみせる)
アウラー「なによ。またあたしの心を読むつもりなんざましょ!このスケベ!!」
ハロルド「・・・・・・・・・・」
サフラ「ハロルド君?どうしたニャ」
ハロルド「すげぇのがこっちに向かってくる」パッ(目を見開く)
アウラー「はぁ?なによ、それ。イケメンのハンターなら大歓迎よ♪あのレオゲルクって坊やみたいなね♪」
ハロルド「レオ・・・そうか、レオが行ったのか!いや、ウルの奴も一緒だ!!」
サフラ「ハロルド君。何が見えたニャ?」(諭すように優しく聞く)
ハロルド「通常種を遥かに超越した龍エネルギーを発する炎妃龍・・・それを狩りにいくレオとウル・・・まさかあのバカ兄妹!アサイラムの真上でひと狩りしようってんじゃねぇだろうな!!」
サフラ「アウラーさん。非常警報の角笛を」
アウラー「え、炎妃龍ですってぇ~」サッ(懐から角笛を出す)
ハロルド「サフラさん!心を読んで欲しいっていう女のいる所へ早く案内してくれ!!」ガッ(サフラの両肩を掴んで揺らす)
サフラ「ニャニャニャニャでもシュナイダー兄妹が向かったのなら大丈夫なんではニャいですかぁ~」ぐんぐんぐん
(揺さぶられてる)
ぱぁ~ぷぅ~~~~
(洞窟内で角笛を鳴らすアウラー)
ハロルド「言ったろ!?龍エネルギーが半端じゃねぇんだよ!!そんなバケモン古龍とあのモンスター兄妹がぶつかってみろ!!せっかく見つけたこの天然の要塞も吹っ飛んじまうぞ!!」グングングン(激しくサフラの肩を揺らす。マタタビを嗅いだ時みたく少し酔った顔のサフラ)
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次回「あたちのモンハン日記」ザッツ・ストーリーモードはぁ~!!
1/30(金)0時更新 「狩人というのは自信家ばかりで」の巻
をお送りします♪次回も読もう笑おう
潜り込もう
じいじのお家に
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「ちょっと黙ってざます」の巻
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