ムミャニャアアアアアアアアアア!!
(猫民の大歓声の中、拍手喝采と共に国王夫妻が座る玉座へと向かう民族舞踊の面を着用したエスニック衣装の舞踊団二名)
鉄平「・・・・・・・・・」ザッザッザッザッ(道中、猫民に肩をペンペンされたりしてる)
影丸「・・・・・・・・・」ザッザッザッザッ(同じく感極まる猫民達)
フレッカー「たった二名で?ほぉ・・・・」(バルコニーの椅子にもたれかかったまま、双眼鏡で下の様子を考察している)
ロイ「・・・・・・・」ニャアニャアミャアミャア!(群衆に紛れ、二人の舞踊団の登場を見ている)
ニャン=ジュスト「不審な動きがないか常に確認していろ。いいな」(バルコニーの手すりに立つ狙撃手(レグヌムネコシリーズ着用)に声をかける)
レグヌムネコ「ハッ!!」ガチャリ(狙撃用ボウガン(Mk11タイプ)をバルコニーの手すりに乗せ、スコープでターゲットを捉える)
・・・・・・・・・・・・・・・・
(スコープ越しの視点。人混みを掻き分けながら花道先端上に向かう舞踊団二名の姿)
鉄平「・・・・・・・・・・・」ちら
・・・・・・・・・・・・・・・・・
(特設花道ステージ上の玉座に座る国王夫妻が視界に入る)
鉄平「・・・・(待ってろフラワー・・すぐに俺を思い出させてやるからな・・!!)」
「あたちのモンハン日記」
~Sanctuary of extinction~
ニィ~ニィ~ニャアニャア!!
姜淑「フレッカー様。どうぞ」コトン(テーブルに小皿を置く)
フレッカー「ふむ・・・これは珍しい」
姜淑「メロンベリーの実に、ジォ・テラード産高級モスの生ハムを添えたものです。どうぞお召し上がりを」
フレッカー「フェイリンメイリン国がそこまで海路を制していたとは驚きだが・・・・うむ。メロンベリーを包む生ハムは一見、とろけるようなクセのない脂分だけと思いがちだが、その半面、赤みは実にきめが引き締まっており、それがベリーの甘みをより引き立てている。シェフは?」あんみゃんみゃん(口いっぱいに頬張っている)
姜淑「ジォ・ワンドレオの三ツ星キッチンアイルーです。この他にもまだまだたくさんの最高級料理が出て参りますので、是非お楽しみ下さい」スッ・・(頭を垂れ、下がろうとした瞬間・・)
鈴麗「大変大変大変!!超絶大変ニャ~~~」ずどどどどどど
姜淑「いっ」
どがーーん(姜淑におもいっきしぶつかる)
姜淑「いたたたた・・・・こら!!鈴麗!!」むきぃ~
鈴麗「たいへんにゃんだぁ~!!」ガバッ(アクション俳優みたいに背中の反動だけで起き上がる)
姜淑「??」ぱちくり
鈴麗「伯母さん!たいへんにゃのだ!!」フゥ~
姜淑「落ち着いて。何があったのです?」
鈴麗「ワイン貯蔵庫で警備兵が眠らされていたんだニャ!」
姜淑「!!」
鈴麗「一緒にいたABブラザーズさんは、先に地下を調べに行ったニャ!鈴麗に宰相様へ報告をしろって!」
姜淑「半田千恵子・・・彼女が関係しているに違いないわ!」
鈴麗「宰相様にも報告を・・」
姜淑「ここは私に任せなさい」スッ
鈴麗「え・・」
姜淑「宰相様がここを離れれば、ゲストの方々に何かあったと悟られてしまいます。心配いりません。必ずや侵入者をひっ捕らえて参りましょう」
鈴麗「伯母さん・・・」
姜淑「あなたも陛下の結婚式を、台無しにはしたくないでしょう?」
鈴麗「・・・・・」こくり(強く頷く)
姜淑「では鈴麗。ここは任せましたよ」タタタタタ(足早に回廊へと消えていく)
鈴麗「・・・・・・。でも・・本当に千恵子さんが関わっているのかニャ・・・」
~監獄エリア....
千恵子「・・ここも違う・・・」きょろきょろ(独房をひとつひとつ確かめながら進む)
ユーリィ「・・・・・・・・・」ザッザッザッザッ・・(デッドフリルパラソル改を構え、警戒しながら進む)
猫の囚人「人型・・・おい!!てめぇ!!どっからここに入りやがった!?」ガシャーン(鉄格子に密着する、縞々の服を着せられたやさぐれ猫。デコに手裏剣みたいな傷跡がある)
千恵子「おい、あんた。昨日の晩、ここにメイドのアイルーが来なかったかい?」
猫の囚人「ああ?あのカワイ子ちゃんか?あの娘なら、ここを真っ直ぐ行った突き当りに入れられてたぜ。さっきも声をかけたんだが、なんの返答もねぇ・・って、おい!」
千恵子「ありがとよ!!」ダッ(一目散にかけていく)
ユーリィ「・・・・・・・・」ザッザッザッザッ(ゆっくりその後を追いかける)
猫の囚人「おい!人型!俺も連れてけ!!」
ユーリィ「・・ダメ・・」ザッザッザッザッザッ
猫の囚人「・・・・・・。クソ野郎~!!」ガシャーン
コニー「・・・・・・・・・・」(牢獄の隅で体育座りしている)
ダッダッダッダッダッダッダ・・・
コニー「・・・・・??・・」ちら
千恵子「コニーーーー!!」キキィ~~~~~(牢獄の前で横ブレーキしながら突如現れる)
コニー「千恵子・・さん!?」
千恵子「ああ!!あたしだよ!!コニー!!」ガシッ(鉄格子を両手で掴む)
コニー「千恵子さん・・・・・」ほろ
千恵子「おいで!!コニー・ファウラー♪」
コニー「にゅううううう!!ほんとにほんとに、千恵子さんにゅうううう!!」ダッ
だきっ(鉄格子越しに身を寄せ合う二人)
ニャアニャアミャアミャア!!
(猫民の大歓声の中、特設花道ステージ上の玉座に腰を下ろす国王夫妻に謁見する舞踊団の二人)
鉄平「・・・・・・・・・・」(影丸と並び、ひれ伏している)
猛豚「・・・・・・・・・・」(無表情なファンゴマスク越しにその二人を見下ろしている)
鉄平「・・・・・・・・・・」(その視線を感じながらも上は見ない)
フラワー「・・・・・・・・・・・」(呆然と目の前を見ている)
司会進行猫「皆様!それではお待たせ致しました!!これより舞踊団のお二方による、祝典の舞をご堪能下さい!!」
パチパチパチパチパチパチ
フレッカー「へりくだった修飾語はもういい。早くはじめてもらいたいものだが・・」あ~ん(生ハムを丸呑みする)
鈴麗「ワインをどうぞニャ」コポコポコポ・・
フレッカー「ん・・これが婦人の祝品のワインかね?」
鈴麗「え・・(そうだったニャそれを取りに行ってたんだったニャ・・)」コポコポコポ・・(すんごい注いでる)
フレッカー「ん~・・確かに年代物独特の芳醇な香りがするな」クンクン
鈴麗「にゃははははそうですニャ」ホッ・・
司会進行猫「では、舞踊団のお二人。お願いします」
キーーーーーーーーーーーン・・・・
(ざわめきは一斉に止まり、神殿前エリアに期待感の緊張が一斉に張り詰める)
フレッカー「ん・・舞が始まるようだぞ」
鈴麗「・・・・・・(陛下・・・・)」ぎゅっ(おぼんを胸に抱きしめながらバルコニーの下を眺める)
猛豚「・・・・・・・・・・・・・・」(微動だにせず玉座に腰を下ろしている)
ロイ「・・・・・・・(龍之鉄平は何をしてるんだ・・!?この踊りが終われば婚礼の儀に移行してしまうぞ!?)」
ニャン=ジュスト「・・・・・・・・・」(手すりから下を見下ろしている。ちょうど正面に玉座の後ろが見え、その向こうにひれ伏す舞踊団の姿が見えている)
レグヌムネコ「・・・・・・・・・・」スチャ・・(スコープで同じ方向をロックオンしている)
鉄平「・・・・・・・・・・・」スッ・・(ゆっくりと上を見上げる)
猛豚「・・・・・・・・・・・」(威厳放つ姿で鉄平を見下ろしている)
鉄平「・・・・・・・・・・・」ちら(国王の姿を確認するやいなや王妃を見る)
フラワー「・・・・・・・・・・・」(呆けたまま視線の先には鉄平は映っていない)
~立入禁止エリア....
トトトトトトト・・・・・・
(つま先立ち小走りで廊下を行くセルタス警備猫)
ボニー「しっかし重いなぁ・・この鎧・・・やりにくいったらありゃしないよ」トトトト・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
(前方に本物のセルタス警備猫が三名)
ボニー「やば・・・」ぴた
セルタス警備猫「ピポ?」(ボニーに気づいた)
ボニー「え・・と・・なんて言うんだっけ・・ピポピポ?(こんな感じでいいのかな)」
セルタス警備猫「偽物だぁあああああ!!ひっ捕らえろぉおおおおおお!!」
ボニー「え~~~~~~!!」ガーン
鉄平「・・・・・・・・・・・」
フラワー「・・・・・・・・・・・」
影丸「陛下。王妃様。このたびは我らをお招き頂き、誠に感謝しております」スッ・・(頭を下げる二人)
猛豚「ち、朕は、た、大陸の猫民を快く受け入れよう。しゅ、祝典の舞・・お、王妃も慶んでおるぞ」
フラワー「・・・・・・・・・」にぱ(不自然な笑みを見せる)
鉄平「では早速、披露させて頂きます(無頼漢のこそ泥が全知全能にでもなったつもりか?浅ましい)」(ひれ伏したまま下を向いている)
影丸「・・・・・・・・・・」スッ(懐に手をいれる)
ニャン=ジュスト「!?」
レグヌムネコ「・・・・・・・・」チャ・・(トリガーに猫指を当てる)
影丸「では参ります」スッ(取り出したのは横笛)
ニャン=ジュスト「・・・・・・・・」ふう・・
鉄平「王妃様」
フラワー「・・・・・・・・・・」
鉄平「恋舞婚礼一対の剣、お見せ致しましょう」シャキーーーーン(片膝をついたまま双剣を広げてみせる)
猛豚「お、おお・・!」
~~~~~~~~~~~~~♪
(影丸が横笛で旋律を奏でると同時に立ち上がる鉄平)
フラワー「・・・・・・・・・・・」
♪~♪~~~バッ!!
(影丸が奏でる美しい笛の音色に合わせ、華麗な剣舞を披露する鉄平)
フレッカー「これは・・・」(遠くで聴こえる音色に惹きつけられるように席から身を乗り出す)
ニャン=ジュスト「ほぉ・・・」
♪~♪♪~~~♪♪~~
(どこか物悲しい旋律に反し、激情の放光を全身で表現しながら舞う鉄平。周囲の猫民は皆、言葉を失い、舞踊団が創りだした世界観にいつに間にか入り込んでしまっている)
ロイ「・・・・・・・・・・」(他の群衆と同じく、食い入るように魅入る)
有権者猫「なんと見事な・・・・」(バルコニーの手すりに群れを成して下の優雅な光景を見下ろす猫達)
鈴麗「叙情曲・・・そうニャ・・東方で有名な恋愛抒情歌ニャ・・」(おぼんを抱いたまま音色に酔いしれる)
♪♪~~~♪♪~~~~♪♪♪~~
(涼やかな表情をした影丸は憂愁な音調で横笛を吹く。相反し舞う度に汗の滴が弾けては発光する程に轟々たる演舞を披露する鉄平)
フレッカー「こんな遠くで見ている者までをも心熱くさせる、強烈な剣舞の熱情と鼓動・・・寂寥と憤怒、一対の舞・・・そうか!あの双剣はそれを意味しているのか!!五感的賞賛全てを喚起した、実に神妙な表現力だ・・・!!」ふるふる・・(全身震えている)
♪~~~~♪♪~~~~~♪♪♪~~~~
(靭やかに軽やかに、そして何よりも烈しく剣技を舞ってみせる鉄平)
セルタス警備猫「ひっ捕らえろぉおおおおお!!」
ボニー「うるさいよ!!」バッ(セルタス装備を脱ぎ捨ていつもの真っ赤なギルドネコシリーズが露わになると同時にネコ魔王剣を振りかざす)
♪♪♪~~♪~~♪♪~~~~
(同じく空中で双剣を薙ぎ払う鉄平)
ボニー「やああああああああああ!!」ギュルルルルルル(刃を向けたままひとっ飛びし、回転しながら突撃する)
ズシャアアアアアアアアア!!
♪♪~~~♪~~~~~~~~~~~
(軽やかに着地をする鉄平)
シュタッ(同じく着地するボニー。背後には剣技を食らった三名のセルタス警備猫の後ろ姿が)
ズデェーーーーーーン
(同時に倒れる警備兵達)
♪~~~♪~~~~♪♪~~~~~~
フラワー「・・・・・・・・・・・」
鉄平「・・・・・(フラワー・・・聴こえるか・・?)」バッ!!バッ!!
♪♪~~~♪~~~~♪~~~~~~~~
鉄平「・・・・・(この曲は俺とお前がまだ小さい頃、故郷に来た東方の猫楽団が奏でてた曲・・・それが気に入ったお前は、楽団の笛吹きに吹き方を習い、楽団が去った後も毎日練習し、そして俺の為だけに吹いてくれた思い出の曲なんだぞ!!)」
ダン!!
(より高く跳ぶ)
フレッカー「おお!!」
鉄平「・・・・・(薬で神経を麻痺されようが、秘術で意識を支配されようが、その目と耳は生きている!!そうだろ!?フラワー!!)」ビューーーーーーン(力強く空を斬る)
フラワー「・・・・・・・・・・・・」(瞳に映る空中上の鉄平の姿)
鈴麗「素敵な曲ニャ・・・・」うっとり
フレッカー「詞はあるのかね?」(下に魅入りながら問う)
鈴麗「はいニャ。全部は覚えていないけど・・確か愛する人にその身を捧げる内容だったような・・・」
フレッカー「まるであの演舞を披露している男が、王妃に恋をしている様にも見えるな・・」
ニャン=ジュスト「!?」(それを横耳で聞き、何かに気づく)
♪~~~~~~~~♪~~~~~~~~
鉄平「!!(フラワーーー!!俺はお前の目の前にいるんだぜ!?)」バッ!バッ!!
ニャン=ジュスト「狙撃兵!舞を踊っている男から目を逸らすな!!」
鉄平「ハァッ!!!!(思い起こせ!!奮い立て!!俺はここにいるぞ!!フラワー!!)」
ダッ!!
(双剣を持つ両手をクロスし、玉座に向かって飛翔する)
フレッカー「あれは・・・十字・・・・」
ニャン=ジュスト「間違いない!!奴は薔薇十字軍だ!!」
鉄平「フラワーーーーーーーー!!」ジャキーーーーン(クロスした両手を顔の前で振り解き、双剣の当たりによって面を外す)
フラワー「!!」(瞳に生気が蘇る)
ロイ「あれは・・!?」バッバッ(人混みを強引に掻き分けながら最前列へと駆け寄る)
ニャン=ジュスト「龍之だぁあああああ!!てぇええええええええ!!!!」
鉄平「フラワァアアアアアアアアアア!!!!」ビュウウウウウウウン
ズキューーーーーーーーン
(神殿エリアにこだまする銃声)
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次回「あたちのモンハン日記」ザ・ストーリーモードは..
6/23(火)0時更新 「美しい名ばかりの牢獄」の巻
をお送り致します♪次回も読んで回って
もう一回読もう
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「寂寥と憤怒、一対の舞」の巻
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