~火の国、正門エリア....
コポコポコポコポ・・・(エリア一面に広がる溶岩湖に巨大な石橋が建てられている。その橋をエリア方面から突き当たると、それほど高くない防壁が土壌の上を囲っており、火の国領内へと繋がる正門も見える。門の前には当然のように黒いアーミースーツを着た二名の門兵がアサルトボウガンを構え警備をしている)
門兵「・・・・・・・・・・」(辺りを警戒しながら汗を拭う)
ドッドッドッドッドッドッ・・・・
(橋の向こう側から小型モンスターのそれらしき突進音が近づいてくる)
門兵「!!」スチャ(咄嗟に銃口を向ける二名の門兵)
ズドドドドドドドドドド!!
(激しい爆騒音がどんどん接近してくる)
門兵「・・・・・・・・」チャ・・(額から滴り落ちる汗は溶岩湖の熱気によるものと、迫り来る脅威への緊張感とで入り混じっている)
ドドドドドドドドドドドド!!
(熱気の蜃気楼に揺られながら橋の上に現れてきたのは、真っ黒なドクターコートを疾風になびかせ直走ってくる金髪眼鏡のポニーテール女史だった!)
門兵「!?」いっ
キキキキィ~~~~~~~~
(門の前で両足ブレーキをかけて停止する黒衣の女史)
カペラ「ただいま」ふぁさっ(金髪ポニーをかきあげる)
門兵「カ・・カペラ様!」びしっ(敬礼する)
カペラ「開けてちょうだい」ちゃりっ・・(おそらくおニューの眼鏡であろうを直す)
門兵「ハッ!」
ギョ・ギョ・ギョ・ギョ・ギョ・ギョ・・・・
(重量感満載の鉄門を押し開ける門兵二名)
カペラ「ご苦労様」ザッザッザッザッザッ・・(おそらくこれも新製品であろうダークブラウンのスエード製ロングブーツで颯爽と中にインしようとする)
「ぉぉぉぉぉぉぉぉぃ」
門兵「??」ちら(か細い声がする方へ振り向く)
ハッキネン「ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぃぃぃぃぃぃ」ぺなんへなん(スタミナゲージ赤の今にもぶっ倒れそうな千鳥足で橋を渡ってくる、Tシャツ装備のこ汚い男。ズボンは普通の短パンの様だ)
門兵「民間人?」スチャ(スコープでそいつをロックオンする)
カペラ「一応通してあげて。あれでもボディガードらしいの」ザッザッザッザッ(漆黒のドクターコートの裾をなびかせながら、門の中にインしていく女史)
門兵「あれがボディガード・・?」ちら
ハッキネン「うぉ!!あぶねぇ~!!」フラッ(橋の上から危うくマグマゾーンに落ちそうになってる。その背中には「狩人(かりんちゅ)」とロゴがプリントされてる)
門兵「ププッ」(それを見て、口に手を当てて思わず笑う門兵二人)
「あたちのモンハン日記」
~Sanctuary of extinction~
~火の国領内、旧市街地区....
ガタガタガタガタ・・・
(戦争被害を受けた石造りの居住用建築物の一画にある足元の悪い砂利道の公道上を、おそらく蒸気小型自動車であろう四輪二人乗りのカートに並んで乗っているカペラとその用心棒)
ハッキネン「すげぇな、これ。もうポポなんていらねぇな」コネコネ(おそらく方向転換に使うのであろう操舵レバーの先っちょ(もちろんまあるい)を面白がってコネコネ回したりしてる)
カペラ「よしなさいよ。取れたらどうするわけ?あんたの安月給じゃ到底弁償出来ない代物なんだから」ぺぇ~ん(そのお手をおもいっきしはたき落とす)
ハッキネン「いてえ!いいじゃねぇか、少しくらい産業革命の賜物に触れたってよ」ふうふう(叩かれたお手の甲がちんちんに腫れがってる)
カペラ「頭の悪いあんたに説明するだけ無駄。あ、そこ右ね」ガタガタガタガタ・・
ハッキネン「蒸気機関だろ?それくれぇ俺だって知って・・らっと!」ガゴン(レバーを微妙に倒して右折する)
ガタガタガタガタガタガタ・・・
(ゴーストタウンの中には瓦礫の山と化した建造物も見える)
ハッキネン「お~お~、おっかねぇほど殺風景だな」ガタガタガタガタ・・
カペラ「・・・・・・・・・・」ガタガタガタガタ・・・(風に揺られたポニーテールの背景に映る景色はあまりにも対照的である)
ハッキネン「反乱軍ってのは、構成員のほとんどがハンターの資質を持つガキなんだろ?」ガタガタガタガタ・・
カペラ「ええ。子供から青年まで、みんな国に対して反旗を翻したそうよ」ガタガタガタガタ・・
ハッキネン「よほど指導者にカリスマがあるんだろうな。しっかし、驚くのはそのレジスタンス相手に、圧倒的優勢をみせる、うちの軍事力だろ」ガタガタガタガタ・・
カペラ「いくら反乱軍が事前に用意してた正規品の狩猟兵器を使おうとも、所詮は狩りの道具。人殺しのそれとは比較にもならないってこと」ふぁさっ(髪をかきあげる)
ハッキネン「その殺戮兵器のほとんどを開発してるのがあんただって知ったら、連中血相を変えてあんたをとっ捕まえに来るだろうな。ホワイトギルドの連中みたいな」ちら
カペラ「・・・・・・・・・・」ガタガタガタガタ・・
ハッキネン「・・・・。しっかし、よくここまで辿り着いたもんだ。俺の悪運に感謝しろよな」ガタガタガタガタ・・
カペラ「かもね・・」ぼそり
★カペラ組、帰還ルート★
東方港→漁船略奪(もちろんハッキネンがやらされる)→しれっと海路へ→道中、タンジア港行きの旅客船を発見!→漂流したフリをして旅客船に見事乗船(もちろんハッキネンが必死の形相の演技。リアル感を出す為、カペラによって服もボロボロにされた)→ゆったりまったりとタンジア支部の暗黒商会拠点へ(道中、カペラは緑安(東方)滞在中に、あやしげなバイヤーから買ったアングレサイトのクラスター(スタミナ減少無効の恩恵を持つ硫酸塩鉱物)を自ら宝飾し、指輪を作る。同じく服がボロボロのハッキネンを見かねたメゼポルタ帰りのおじいさん(旅行者)が、お土産にと購入した狩人Tシャツを一枚、ハッキネンにあげる。短パンは船員の替えを盗んだ)→タンジア到着→ネコタクで暗黒商会タンジア支部付近まで移動(運賃1万Z。お金だけはカペラが持ってる為。けどハッキネンへの給付は東方在中時も含めなし)→タンジア支部で以前よりカペラがデザイン、発注をかけていた衣装にチェンジ(ハッキネンはもちろんそのまま。タンジア支部のいにしえ麻薬を保管する倉庫で結晶性粉末タイプ(100g)を盗む)→火山近郊まで自社の飛空船で移動。領内まで入らなかったのは、火の国が現在も内紛中である為、誤って撃ち落とされない為)→走って正門まで移動(前述の自作指輪「リング・オブ・ラッシュ」の効果により、カペラは持ち前のスプリントに加え、永久機関に等しい持久力を手にいれたのだ!ちなみにハッキネンは鉱石アレルギーの為、お守りを身に付けるのを拒む傾向にある。頑張れ)
ハッキネン「なんだ・・今、天の声みてぇなありがたい解説が聞こえたが」
カペラ「あんたのやってることはこそ泥ばかりと、人の温情を受けやすい気の毒な外見だってことじゃない」フフ
ハッキネン「うるせえ!だいたいなんであんただけ新しい装備品なんだ!?」ぷんすか
カペラ「いいじゃない。自分で設計、デザインしたんだから」ぷい(その他のカペラ装備については近日のなぜなに☆あたモンのコーナーで紹介するのだ!乞うご期待☆)
ハッキネン「俺にも専用のイカしたバトルスーツを、つぅ~くぅ~れぇ~」ぷんすか
カペラ「いいじゃない。そのTシャツで。だってあんた狩人なんでしょ?あ、それ「かりゅんちゅ」って読むんだっけ」ククッ
ハッキネン「ちきしょ~!!こうなったらてめぇで火山のモンスターぶっ倒して、オリジナルのオレジナルの防具を作ってやらぁ~!!」(でも鉱石アレルギーだから着れるものは限られる)
カペラ「どうぞお好きに・・」ふぁ~(口に手を当てあくびをする)
ガタガタガタガタガタガタ・・・
カペラ「・・・・・・・・・・・・」ちら
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(道端に子供が落としたと思われるアイルーのぬいぐるみが落ちている)
カペラ「止まって」
キキィ~~~~~~・・・・・
ハッキネン「どうしたぁ?」
バッ(華麗に運転席から飛び降りる女史)
ハッキネン「??」そそくさ(それを見つつ、半ズボンのポッケからあやしげな薬包紙を取り出す)
カペラ「・・・・・・・・・・」スッ(ボロボロになったアイルー人形を拾いあげる黒衣の女史)
ハッキネン「新しいの買ってやろうか?」ずうううううう(手の甲に広げたこれまたあやしげな白い粉をおもいっきし鼻で吸引する)
カペラ「・・・・・・・・・・・」ちら
・・・・・・・・・・・・・・・・・
(倒壊した居住建造物の瓦礫の下から、一般市民の遺体が見える)
カペラ「子供の頃ね、あたしもよくこういうので遊んでたわ」ぱんぱん(アイルー人形の顔面を払う)
ハッキネン「・・・・・・。その頃に会いたかったよ」トントントン(その台詞が信じられなかったのか、薬がキマったのか、こめかみを手のひらで叩く)
カペラ「それが今じゃ猫だって、キャタピラの火力兵器に跨る時代になったのよ?」なでなで
ハッキネン「らしいな。驚きなのは水没林にいる猫どもは、それ以上の兵器作成をやってるらしいじゃねぇか」くらくら(になりながら今度はよれよれのタバコをくわえる)
カペラ「だからこの子達も、今はあたし達の立派な商売敵であり、顧客でもあるのよ」ぽすっ(コートのポッケにそれをしまう)
ハッキネン「半獣を人扱いしろって?」ショボッ(手すり部にマッチを擦りつけ、着火させてタバコに点ける)
カペラ「革命以後、確かに新大陸は変わったってことよ。それとあたし達が東方に行っている間にもね」(空を見上げる)
ハッキネン「この内紛か?戦争屋のうちにとってはちょうどいい稼ぎ場所じゃねぇか。大陸の戦ある所にブラックギルドの影あり・・くお~!クールだぜぇ~!!」ふかぁ~
カペラ「戦争利益は彼らの仕事。あんたもあれくらいの「腕っ節」になったらどう?」フフ・・
ハッキネン「はぁ?」ちら
ガシーンガシーン・・ガシーンガシーン・・
(ゴーストタウン公道の向こうから、砂塵と共に現れたのは・・)
ガシーンガシーン・・!!
ハッキネン「ぎゃああああああああ!!多殻蟹ぃいいいいいいいい!!!!」バッ(急いでカートから飛び降りる)
ぐん(そして逃げようとしたところをカペラにTシャツの襟首を掴まれ首が締め付けられる)
ハッキネン「ゲボッ」カクン
(一落ち)
カペラ「安心しなさい。お仲間よ」
ガシーンガシーン・・
(接近してくる多殻蟹)
ハッキネン「な、仲間だと・・・」あわわわわわ(カペラの足元に隠れる)
カペラ「そ。彼がブラックアーミー、第三陸軍装甲蟹将軍・・」
カペラ「ゾンゲ大将軍よ」
ハッキネン「タイクンザムザの大将軍・・・ゾンゲ・・」ちら(目の前に現れた巨大蟹を見上げる)
ゾンゲ「ザァ~ムザムザムザムザム!!」(笑ってるっぽい。このタイクンザムザは「歯」が真っ白である)
ハッキネン「あ、あれもあんたが作ったのか?」ちら(カペラの足を掴みながら見上げる)
ゾンゲ「バカモーーーーーーン!!」ブワッ(あの右手を豪快に掲げる)
ハッキネン「いっ」ひょっ
(ハッキネンが掴んでる足を蹴りあげ、颯爽とバックステップするカペラ)
バギャアアアアアアアアアン!!
(ハッキネンの目前に落とされる巨大な塊状の岩殻)
ゾンゲ「将軍と呼ばぬか」ぐあん(鉄球の様な右手を持ち上げる)
ハッキネン「は・・はひ・・・・・」へなへな・・(完全に腰をぬかしたらしい。ついでにおもらしもしたっぽい)
カペラ「ゾンゲ将軍。お久しぶりね」
ゾンゲ「お前が帰還したと聞いてな。すぐに「蟹前走り」で来たのだ」ほれ(鏃の様な左手の先っぽに小型無線機がちょこんと乗ってる)
カペラ「相変わらず器用ね。それ、頂いてよろしいのかしら?」
ゾンゲ「その為に持ってきた。元々はお前が発明した通信機だ。雷光虫の電力を通信機に応用するとは、まさにタイクンおったまげたが、我が軍はこれで通信を取るにより、情報戦にて他勢力より圧倒的優位に立つことが出来た。天才龍科学者の数ある発明品というわけだ」ほれ(左手を静かに落として通信機をカペラに取らせる)
カペラ「驚かされるのは大陸生物の驚異的な生態よ。私はそれを論理的に応用しただけ。それよりいくつか質問していいかしら?」スッ(通信機を黒衣の胸ポッケにしまう)
ゾンゲ「お前がいない間に起きた事で、このゾンゲ様に分かる事であれば答えよう」キラぁ~ん(真っ白な歯が爽やかに光る)
ハッキネン「ひいいいいい」(なぜか歯の白さに怯える)
カペラ「ああ、あれ?将軍はホワイトニングを欠かさないのよ」
ハッキネン「・・・・・・・・・」ちら
キラぁ~ん(歯だけが眩しい)
ハッキネン「ひいいい」ガバッ(カペラの足元にすがる)
ガッびたーーん
(即座に顎に膝を食らい、おまけに頭を叩かれぶっ倒れるハッキネン。2落ち確定)
カペラ「質問いいかしら」ぎゅんむ(容赦なくハッキネンの頭を踏む)
ゾンゲ「ザムザム」
カペラ「お目当てのものは見つかったの?」
ゾンゲ「ザム」こくり
カペラ「・・・・・・。今何処に?」
ゾンゲ「既に神域の奥地、神界に入った」
カペラ「!!」
ハッキネン「う~ん・・・」(目をこすって起き上がる)
カペラ「ちょっと待って!!あれを調べる為に、私はわざわざここまで来たのよ!?」
ゾンゲ「これは我らブラックギルドを治める七大怪魔様のご意志であられる」
カペラ「・・・ということは神界に・・・「実体」が降臨しているってこと!?」
ゾンゲ「口を慎め、ダニエル・カペラァアアアアアアアア!!!!」
ブバァアアアアアアアアア!!
(毒液を吐く)
カペラ「クッ・・!!」バサッ(マントの様なコートを覆い被さりガードする)
バシャーーーーーーン
(毒液が辺り一面に広がる)
ハッキネン「ぎゃああああああああああ」ブクブクブクブク・・(もろに毒液を浴びる。三落ち決定。リタイヤ)
ゾンゲ「ほぉ・・我が毒液をも耐えしのぐコートを設計してあったか。さすがは天才龍科学者だな」
カペラ「なんならナパーム弾でも撃ってみる?」バサッ
ゾンゲ「タイクンやめとこう。お前は組織に欠かせない頭脳だからな」
ハッキネン「・・・・・(嘘つけ・・毒吐いたくせして・・)」ぷるぷる・・(俯せで助けを乞う様に片手を上げてる)
カペラ「もうひとつ質問があるわ」ふぁさっ(髪をかきあげる)
ゾンゲ「なんだ」
カペラ「本部は・・例の隕石を神界に運んでどうする気?」
ゾンゲ「そこまでは知らされておらぬ。確かなのは、グレートメテオライトは既にここにはないという現実だけだ」
カペラ「・・・・・・・・・・・」ふるふるふる・・(拳を握り感情を抑制している)
ハッキネン「・・・・・(ドクターをここまでヒステリックにさせる、その隕石ってのはなんなんだ・・)」スッ(静かに立ち上がる)
カペラ「いよいよ始動したのね?ブラックギルド勢力拡大案「ニューコンチネンタル・オーダープロジェクト(新大陸秩序計画)」が・・」
ゾンゲ「そうだ。そのための一歩が、暗黒団による火山圏の支配・統治化だ」
カペラ「そう・・・それで納得がいったわ。この周りの建物の倒壊の仕方がね」
ゾンゲ「ん・・?」
カペラ「道中ずっと不思議に思ってたの。だってこれ、全部が全部火力兵器による倒壊の仕方じゃないのもの」
ハッキネン「へ・・・」きょろきょろ
ゾンゲ「さすがだ。察しがいいな」
カペラ「巨大地震による倒壊。崩れ方が違うから、すぐに分かるわ。火の国の一般市民はどうしたの?あの崩れ方じゃ相当な遺体が出てもおかしくないと思うけど」
ゾンゲ「広範囲の戦争になる前、捕虜にした。ここで死んでいる者は隠れていたか、また、反乱軍を支援する者だろう」
カペラ「子供の遺体が見えないけど・・・それもこの国のレギュレーションに関係あることかしら?」
ゾンゲ「そうだ。子供達は物心付く前に、国が用意した施設に収容される。そこで長期にかけてハンターの資質があるかどうか見極め、ハンターであると断定された者が、イニシエーションを受けるということだ」
ハッキネン「おい、イニシエーションってなんだ?」こそこそ
カペラ「通過儀礼よ。生贄の」
ハッキネン「いっ」
カペラ「火山奥地、神界に潜む火の神・・その支配者に捧げる生贄が、ハンターってわけ。さっき私が拾ったぬいぐるみは、子供を国に奪われた親が、子の代替として可愛がっていたものでしょうね」
ハッキネン「ま、ま、ま、まじかよ・・・ど田舎だとは聞いていたが、そこまでオカルトチックなことをやってるなんてよ・・」ガタガタガタガタ・・
カペラ「安心して。あんたレベルのハンターじゃ、生贄にも選ばれないから」
ハッキネン「ホッ・・・って、ホッじゃねぇ!!」ぷんすか
ゾンゲ「まだ質問はあるか?」
カペラ「いいえ。もういいわ。おおよその検討はついたから」ふぁさっ
ゾンゲ「そう落胆するな。お前には別にしてもらいた研究がある」
カペラ「・・・・・。いいわ。せっかくここまで来たんですもの。その成り行きを見届けてからラボに帰るとするわ。直前の任務の報告書も書きたいし・・どこか静かな場所はあるかしら?」
ゾンゲ「それならば王宮の客室を手配しよう」
カペラ「・・そんな所まで制圧したわけ?」
ゾンゲ「事実上な。もはや国王オルハン・ミールは傀儡だ。反乱分子さえ消してしまえば、この国の新しい秩序を作り上げることなど造作も無い」
カペラ「王を盾に、実権はあたし達が握る・・・既にホワイトギルドがハンターという兵隊を各地に送り込み、そうしている様に、火の国をブラックギルド主権国家体制に再構築する。それが叶えば、国民という労働力を得ることによって、兵器のロット生産の稼働率も向上。例え帝国軍が来ようとも・・」
ちら(猛々しい火山を見上げる)
カペラ「火山の守護神が覚醒してしまえば、領内に入ることすら出来ないでしょうね」くす・・
ハッキネン「??」
ゾンゲ「ダニエル・カペラ。我らブラックアーミーはお前を歓迎する。駐留中、領内に運んだ兵器及び資材は好きに使ってくれて構わない」
カペラ「あら、ずいぶん信用してくれてるのね。将軍」
ゾンゲ「当たり前だ。お前は我が恩師、ディルク・エクスナーの・・」
カペラ「過去の話しよ」(火山を眺めながら遮る様に答える)
ゾンゲ「・・・・・・。質問に答えた見返りではないが、俺の質問にも答えてくれ」
カペラ「なに?」
ゾンゲ「ディルクは・・博士はこの火山の何処かで失踪したというのは本当か?」
カペラ「・・・・・・。私が頼んだルポライターの最後の報告によると、そうなっているわ。と言っても、そのライター自体、行方不明になってしまったけど・・」
ゾンゲ「そうか・・。俺がこの火の国侵攻に従軍を願い出たのは、ディルクを探す為でもある。お前がここに来たのだってディルクを探し、その姿を・・」
カペラ「口を慎むのはあなたの方じゃなくって?詮索は・・あなただって嫌いでしょ?」
ゾンゲ「・・・・・。先ほど毒霧を吐いたことは謝罪する。王宮には私から伝えておこう。後で尋ねるといい」くる
ハッキネン「ホッ・・・」(安堵のため息)
カペラ「ちょっと待って」
ゾンゲ「なんだ?」
カペラ「軍の、今回の総司令官って誰?」
ゾンゲ「ハンス・ハンニバルだ」
カペラ「そ。じゃあ王宮に行けば会えるわけね。ありがとう。束の間のバカンスを楽しませてもらうわ」
ゾンゲ「心からそう願おう」
ガシーンガシーン・・・
(再び砂塵舞うゴーストタウンに消えていく多殻蟹のごっつい後ろ姿)
カペラ「・・・・・・・・・・・」(その後ろ姿を見送る)
ハッキネン「なんなんだぁ?あいつは。傲慢に振る舞って、毒まで浴びせといて、最後は親しげに去っていきやがった。蟹の知的生命体種のザザミソってのは、そんなもんなのかねぇ」ペッ
カペラ「違うわ。彼の脳は・・・って、難しい話しをあんたにしても無駄ね。さ、行きましょう」ザッ
ハッキネン「なぁ、おい。さっきの・・ディルクって奴、なにもんなんだ?」
カペラ「粘菌」バッ(蒸気自動車に颯爽と乗る)
ハッキネン「はぁ?」
カペラ「あんたこそ、自分の保身を考えたら?鬼将軍、ハンニバル・ハンスに「謁見」出来るいいチャンスを作ってあげたんだから。感謝しなさいよね」ふん(足を組む)
ハッキネン「おい!まさか俺を戦地に送り込む気じゃねぇだろうな!?」バッ(隣に座る)
カペラ「出生したいなら、戦果を上げるのがてっとり早いんじゃないの?なんなら改良浮岳ガンをあんたに持たせてもいいけど。ほら、このあたりには知的生命体種の無頼獣の集団がいるっていうじゃない?一応持っておいたら?」
ハッキネン「俺はね、ドクターカペラ。労力を使わずのし上がるのよ。ここを使ってね」つんつん(おつむを指す)
カペラ「じゃあ一生、私の奴隷確定ね」
ハッキネン「・・・・・(こいつ、マジで言ってるな)」
ズキューーーーーン・・・ガガガガガガガ・・・
(人気のないゴーストタウンの遠くから聞こえる銃声)
カペラ「はじまったみたい。巻き込まれないうちに、もう少し領内を観察しにいきましょう」
ハッキネン「おい!いいか!?俺はあんたの奴隷で終わる男じゃねぇからな!!」ぷんすかガガガガガ・・(怒りながら蒸気自動車の起動スイッチを入れる)
カペラ「奴隷っていう自覚はあるんだ」くす
ハッキネン「・・・・・・・・・」(その笑顔に見とれる)
カペラ「なにしてんの?早く出しなさいよ。給料下げるわよ」
ハッキネン「クソォ~!!いつかあんたを凌ぐ大物になってやるからなぁ~!!」グン(決意と共にレバーを前に落とす)
カペラ「具体的じゃないのよ。そもそもの目的に達する為の論理性と、その計画と時間の使い方が」ガタガタガタ(揺れながら直進していく)
ハッキネン「うるせえ!!なんでもかんでもロジックで大成すると思うなよ!?ハンターってのは理屈をも覆す能力と才能を秘めてるのっ!!」ガタガタガタガタガタ(足元の悪い道を小刻みに揺れながら進んでいく)
カペラ「なら立証してみせなさいよ。たぶんだけど、クルセイダーズも来るわよ」ガタガタガタガタガタ(手すりに頬を付きながら景色を眺めてる)
ハッキネン「クルセイダーズ・・・・そうか!!ってことは、あのムカつくドボルマスクや、ローゼンクロイツの小娘も・・・ザボアザギルも一緒ってことか!!まだ「俺達の」クエストは終わってねえって証拠だな!?さすがだぜ、ドクター!!」ガタガタガタガタガタ
カペラ「あのお人好しの牙獣種も・・ね」ガタガタガタガタガタ
ハッキネン「ああ!?なんか言ったか!?」ガタガタガタガタガタ
カペラ「あ」
ハッキネン「なんだぁ~!?」
カペラ「榴弾、飛んできたわよ」ぴっ(その方向を指さす)
ハッキネン「おおおおおおおお!?」ガタガタガタガタガタ
カペラ「この飛翔音は・・・125mmAPFSDS・・・ハンター防具を貫徹させて中から爆破するのね・・そ。実戦検証中なのか」(涼しい顔して分析してる)
ハッキネン「バカ野郎ぉおおおおおおお!!」ガゴン!グイッ!!(慌てて操縦レバーを動かす)
ドガアアアアアアアアアアン
(間一髪で榴弾を避ける蒸気自動車)
カペラ「そうそう。その調子♪」ドガアアア・・・・・ン(硝煙の中、少し微笑みながら頬をつく女史)
ハッキネン「よく覚えておけ!あんたの護衛は俺くらいの腕がねぇと務まらねぇってこともな!!」ガタガタガタガタガタ
カペラ「はいはい。あ、また来るわよ」
ハッキネン「ひえええええええええ」ガゴン(レバーを豪快に傾ける)
ドガアアアアアアアアアアン
(またも寸でで榴弾を交わす)
ハッキネン「うおおおおおおお!!もういやだぁ~~!!」ドガアアアアン
カペラ「ほんと・・・とんだバカンスになりそうね」ちら
ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・・・・・
To Be Continuedひと読みしたならポチっとな
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次回「あたちのモンハン日記」ザ・中継ぎは・・
7/15(水)0時更新 たぶん「なぜなに☆あたモン」のコーナー
をお送りいたします♪次回も読んだらコロコロ回ろう最高の笑顔して
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「とんだバカンスになりそうね」の巻
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