ゴロゴロゴロゴロゴロ!!
(崩れ落ちてくる巨大な氷塊群を背景に、一目散にと遁逃する金獅子、霞龍、大猪。オクサーヌはルーの背中で呑気に正座している)
カイルス「走れぇええええええええ!!」ドドッドドッドドッドドッ
(背中に掴まるソネルは後方を振り返り警戒している)
ルー「げおげお」ドスンドスンドスン
(疲労状態気味でなんだかつらそう)
オクサーヌ「頑張って、ルー」(正座スタイルのまま鼓舞する)
ルー「げお~」(泣きそうな顔してる)
ジョー「古龍のお前は落とし穴になんか落ちたことないだろうが、あれは嫌なものだぞ!?なんといっても、ひっくり返されるんだからな!!」ズドドドドドド(UBU とBBBを乗せながら並走する古龍に向かって叫ぶ)
UBU「お腹が可愛いんだよ♪」ズドドドドドド
BBB「前を見ろ!!」
ゼベーーーン!!
ゼルベス「・・・・・・・・・」
「あたちのモンハン日記」
~Sanctuary of extinction~
カイルス「任せたぜぇ~!!炎王龍の旦那ぁ~!!」ズドドドドドド(ゼルベスの横を通り過ぎていく三頭のモンスター)
ゼルベス「フン」ヒュオオオオ・・・(一同が通り過ぎた風圧で気品溢れる鬣がふわりと靡く)
ゴロゴロゴロゴロゴロ!!
(立ちはだかる炎王龍に襲いかかる氷塊の大軍勢)
ゼルベス「溶けて消えろ!!ゴッドデスインフェルノ!!」
ブバァアアアアアアアアア!!
(口から爆炎を180度に放射する炎王龍)
ジュオオオオオオオオオオ
(火炎放射の圧に押されながら、瞬く間に溶けていく氷塊群)
UBU「うっひょ~!!やるじゃんかよ!!ゼルベっちゃん!!」キキィ~~~~(四肢を滑らせ、Uターンブレーキをかますモンスター達)
ゼルベス「つまらぬことをさせおって・・(ホッ・・うまくいってよかったでも少し疲れちゃったな)」ふぅ~(安堵の溜息をつく炎王龍)
カイルス「終わったな。ソネル」バッ(背中から颯爽と飛び降りる火の国のハンター)
ソネル「ああ。これで本当に・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(銀盤エリアに聳えていた山頂は消え去り、その平坦の向こう側ではソネル達が立っている環境とはまるで対象的に、「いつもどおり」マグマをグツグツと煮えたぎらせている溶岩湖と、通常の神域エリアが見える)
BBB「これでここ(神域)での狩猟は出来なくなっちまったな」
UBU「うん。でも、元凶が消えたんだからいいんじゃない?」パチりん(ウィンクしてみせる)
ジョー「オクサーヌは何処に行った?」ちら
ルー「めお」(カメレオンの様な目で遠くを見ている)
ジョー「ん・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(ジャバルサマーンが位置した辺りに散らばる氷塊群の傍らで、何かを探している様子の白いドレスの少女)
UBU「ほえ・・いつの間に」
BBB「お前んとこの大将はマジですばしっこいな。4号」てん(霞龍のぽっこりお腹を叩き、オクサーヌの下に歩み寄る黒猫と他の一行)
オクサーヌ「う~ん・・・おかしいなぁ~」ぽいぽい(ちいちゃい氷塊をぽいぽいしながら何かを探している感じ)
ソネル「何をやってるんだ?まさか、まだ心臓が・・!?」
オクサーヌ「違うわ。肉片ならそのへんに飛び散ってるでしょ?」ぽいぽい
ソネル「・・・・・・・・・・・・」きょろきょろ
ジュウウウウウウウウ・・・・・・・
(飛散した肉片が煙を立てながら浄化されていく)
BBB「うえ・・俺、もう二度とひき肉のハンバーグなんかマジ食えねぇ」
ルー「めおっ」(同感)
UBU「ゼルベっちゃんの龍焔がまだ効いてるんだよ。すげぇな・・」ジュウウウウウ・・・・
カイルス「ま、これで一安心だな」ほっ(隣で胸をなでおろすソネル)
ジョー「ではオクサーヌは一体なにを・・」
オクサーヌ「あったあった!!あったのよぉ~♪」バッ(何かを掲げる)
UBU「ん~?」
ぺちょりぃ~~~ん
(右手に掲げるは血みどろになった、実にまあるいソフトボールサイズの「瑠璃色の紅玉」である)
UBU「玉(ぎょく)?」ぱちくり
オクサーヌ「そうそう。レプリカからも剥ぎ取れる、極めて希少な瑠璃色の龍神玉よりも、更にレア。なんといっても本番の煌黒龍アルバトリオンの実体から取れた、世界でひとつだけの龍玉なんだから♪」キラリぃ~ん(怪しげに光る玉(ぎょく))
UBU「すげぇまあるい・・・あんまんみたいに綺麗・・・」(うっとりあんまんフェイスの瞳に映る輝かしい龍玉)
BBB「んで?そのレアアイテムを高値で裏取引して、てめぇらの勢力の資金にしようってのか?」
オクサーヌ「見損なっちゃ困るわ。サザンゴッドの連中じゃあるまいしはい、あげる」ぽん
(UBUに手渡す)
UBU「え・・・いいの?」チラリぃ~ん
オクサーヌ「その玉(ぎょく)をよぉ~くご覧なさい」
UBU「ほえ・・・・・」
ギョギョギョギョギョギョ・・・・
(瑠璃色をした水晶の中心に映る銀河系の渦)
BBB「なんだ、これ。どうやってんだ、このおもちゃ」ん~(玉を下から覗いている)
UBU「これって・・・・」
オクサーヌ「ゼブルはダークマターを含んだ隕石を食べたでしょ?きっとその未知なる原子がすべて、この龍玉に凝縮されたのよ」
UBU「ほえ・・・・・」
ギョギョギョギョギョギョ・・・・
(美しい銀河星雲がゆっくりと時を刻む様に渦巻いている)
ソネル「まるで吸い込まれてしまいそうなくらい、神秘的な輝きだな・・」
BBB「ダメだぜ?彼女の土産にしようったって。けどよ、こんな貴重な代物、どうしろってんだ?」
オクサーヌ「正確にはUBUちゃんじゃなくて、カーブーおにいさんへのあたしからのプレゼント♪」
UBU「え・・あんた達、知り合いなの?」
オクサーヌ「と言っても、一度だけ。それでおにいさんに新しい武器でも作ってあげたらいいわ。あたしの見た感じだと、あのおにいさんもきっと面白いハンターになるわよ、きっと♪」
BBB「あの変態シスコン野郎、各地で妹を作ってやがるな。最も、こいつばかりは普段から血石を食べるゴシックホラーの吸血妹・・」ビシャーーーン(顔面にホットドリンクをかけられる。「あちっ」てリアクションする素直なビー)
UBU「ありがとう。オクサーヌ。ちゃんとカーブーに渡すね」にこ
オクサーヌ「そうしなさい」にこ
ジョー「残念だったな。UBU」
オクサーヌ「あら、そんなことないわよ。だってUBUちゃんには、もうとっておきの武器があるじゃない」よっ(足下に落ちてる重厚な青い番傘の柄を足で蹴り上げ、その反動でUBUに手渡す)
UBU「うん。守護雨っていうんだぞ。どうだ?しゅごいだろう」ふおっふおっふおっふおっ
オクサーヌ「その傘もそうだけど、そっちの大剣」
UBU「うぽ?これか?」ゴイン(アルレボを抜く)
キラァーーーーーーーーーン
(燃えたぎる炎の様な形状をした刀身上を、流れる様に光る紫洸を放つ煌黒大剣)
UBU「あれ・・・いつもとなんか光が・・違う・・?」はて
オクサーヌ「エクセレント!!」(でっかい声で言う。びっくりする一同)
BBB「何がどうしたってんだ?まさか壊れちまう前兆ってわけじゃねぇだろうな」
オクサーヌ「その逆。一般的には煌黒龍アルバトリオンと呼ばれる、バアル・ゼブルの自己像幻視であるレプリカ素材で作られたこの煌黒大剣アルレボは、実体の返り血を浴びて、本物の煌黒大剣へと進化したのね」
UBU「ほえ・・・・・」キラァーーーーン
オクサーヌ「尚且つ、ゼブルはあなたとの戦闘中に生まれて初めて恐怖を実感した・・・その本人も気づいていない潜在意識が煌黒大剣に反映され、あなたに服従を・・つまり忠誠を誓ったってわけ」
ジョー「ということは、大剣が生命を宿したとみていいのか?」
オクサーヌ「今はまだ成長段階って感じじゃない?でもいつか、近い将来、あなたを・・いえ、この大陸を救ってくれる、頼もしい大剣になるかもね」
UBU「ほほぉ・・・・こいつがねぇ・・・」キラァーーーーン(掲げてみせる)
BBB「やったじゃねぇかよ。なんだか勇者様みたいでカッコイイぜ」
ルー「げおげおげお」
オクサーヌ「え?あたしにこの剣の名付け親になれって?そうねぇ・・・」(小指を唇に当て考え込む)
BBB「血石をも斬り裂く、その名も変態ヴァンパイア女ソードってのは・・」バシャーーン(目にクーラードリンクを浴びせられる。たまらず「ブルっ」とするビー)
オクサーヌ「う~ん・・・これはどうかしら?神滅大剣アル・レボアをも超える、絶滅さえも喰らい尽くす煌黒聖大剣・・・その名もバアル・レボア!!」びしーーん
ソネル「うーん・・バアル・ゼブルを倒した大剣なら、それでいいかもな」
カイルス「安直じゃねぇ?ただ「バ」を足しただけじゃねぇか」
BBB「俺もそう思うぜ。センスのかけらもねぇ」ごしごし(クーラードリンクを浴びせられ、まっちんちんに充血した目をこすってる)
オクサーヌ「あんだってのよ!!じゃあ、炎王龍さんに決めてもらう!?」ふん(怒り気味にゼルベスを睨む)
ゼルベス「そうだな・・・ワンちゃんを守る聖剣、犬照大神(いぬてらすおおみかみ)ってのは・・」
UBU「バアル・レボア!!それでいいよ♪」(喜ぶオクサーヌとは対照的に、食い気味で却下されたのを心から残念がる炎王龍。そのでっかい足をそっと撫でてやるビー)
ソネル「シェルターで学んだよ。確か、その大剣は・・」
オクサーヌ「終焉の際、所有者は人としての生を絶ち、龍としての生を選ばねばらない・・・でしょ?」
UBU「ほほぉ・・・」キラァーーーーン
BBB「いよいよワイバーンの仲間入りってか?でもそれってよ、今となっちゃ、レプリカ素材で作った鍛冶職人が、その価値を高める為につけた売り文句だろ?」
オクサーヌ「さぁ。伝承を真相に変えるのもまた、英雄の役目よ♪」バッ(霞龍に跨る)
ソネル「もう行くのか?」
オクサーヌ「ええ。あたしの帰りを待っている、愉快な仲間達があたしにもいるの」ヒュオオオオオ・・・(風で髪を靡かせ、遠くを眺める)
ソネル「そうか・・。ありがとう。オクサーヌ。もしも、君が困ったことがあったら、いつでも火の国に相談してくれ。必ず今日の借りを返す」(霞龍の背上から微笑み返す白いドレスの少女)
BBB「おい、あいつは国に引きこもりだったから、外界のこと何にも知らねぇんだ。あの冷血女の素性を知ったらきっと驚くぜ」こそこそ
UBU「それでもソネルは義理を果たすわよ」にこ
オクサーヌ「じゃあ、皆さんも御機嫌よぉ~♪」
UBU「あ、待って!オクサーヌ!」
オクサーヌ「??」
UBU「もしも・・・もしもウィンターナイツの方で、暗黒商会の残りの怪魔の居場所が分かったら・・」
オクサーヌ「勘違いしちゃダメよ、UBUちゃん」ヒュウウウウ・・(霞龍の背中の上から見下ろす白いドレスの少女の顔は、風で靡く白銀の髪で覆われ、その表情が見えない)
UBU「ほえ・・・・」
オクサーヌ「ユクモと凍土は盟約を交わしたわけじゃない。だからあたし達はいつ敵同士になるか分からないのよ?他のフィールド勢力や、帝国軍、そしてギルドだって、あたし達を警戒している。その均衡が本格的に崩れたら・・今度こそ混沌とした大抗争へと発展するでしょうね」
UBU「・・・・・・・・・・」(俯く)
オクサーヌ「だからもしも・・・・」
UBU「・・・・・・・・・・」ちら(見上げる)
オクサーヌ「もしも敵同士として対峙することがあったら、その時は遠慮しないわよ」ゾ・ゾ・ゾ・ゾ・ゾ・ゾ・・(長い髪で覆われた顔の隙間から見える、左目の透き通る様なブルーの瞳に相反し、右目の深い赤紫色の瞳は凄惨たる蠢きを不気味に放ち、見る者全てを殺さんとばかりに警告している)
UBU「なるべくそうならないように祈るわ」ゴクリ・・
ゼルベス「その言葉。然と受け止めよう」
オクサーヌ「あら。ルナストラはまんざらでもないみたいよ?」くすっ(髪をかきあげ上を向く)
ゼルベス「・・・・・・・・・・」
UBU「元嫁とより戻して、凍土に降る気じゃねぇだろうな、ゼルベっちゃん。そんなことしたら、あんたが大切にしてるワンちゃん達、全員さらうからね」(「えっ」って顔する健気な炎王龍)
オクサーヌ「というわけで、また逢いましょう。新大陸にお住まいの皆さん♪」パチりん(深紅の瞳を隠すようにウィンクしてみせる)
BBB「おう。おめぇも元気でな、4号」
ルー「ばいばいっちょ」
オクサーヌ「はいよぉ~♪」ひひぃ~~ん
バサッ!!バサッ!!
(両翼を羽ばたかせ、垂直浮上していく霞龍)
オクサーヌ「御機嫌よぉ~~~~♪」ふりふり
ソネル「オクサーヌ!!ありがとう!!」
オクサーヌ「・・・・・・・・」にこり
ビュオオオオオオオオオン・・・・
(一同の頭上を飛翔していく霞龍)
ソネル「・・・・・・・・・・・・」
UBU「・・・・・・・・・・・・」
BBB「いっちまったな」
ジョー「エヴァーウィンターナイツが、なぜ諸勢力から恐れられているか、体感出来たな」
BBB「戦争なんてもう暫く勘弁だ。いや、二度とな」
ソネル「勿論だ。その為に俺達は戦ったんだ」
カイルス「ああ・・。そうだな」
UBU「でも、綺麗事ばかりも言ってられないわ。オクサーヌはそう伝えたかったのよ」ヒュオオオオ・・・・(霞龍が飛び立った方向を眺めながら呟く)
BBB「じゃあ聞くけどよ、ハッピーエンドの定義ってんなんだよ?」
UBU「・・・・・・・・。犠牲なくして幸福は得られない。この世界自体が絶滅の中の聖域なのよ」
ソネル「だから俺達は・・・戦い続けなければならないのか・・」
ヒュオオオオオオオオオ・・・・・・
(辺りはすっかり暗くなり、空に輝く無数の星々が銀盤上の演者達を照らしている)
To Be Continuedランキング参加中なのです
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次回「あたちのモンハン日記」ザ・ストーリーモードは!?
3/14(月)0時更新 「親愛なる大陸の友へ」の巻
をお送りいたします♪ついに聖域編も最終話絶対見逃すことなかれの風のごとし
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「ハッピーエンドの定義ってんなんだよ?」の巻
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