~あたちファーム....
ちゅんちゅん ちゅちゅんちゅん
(小鳥のさえずる中、大壷を「ザ・運搬スタイル」で抱え、中身の匂いを嗅いでいる撫子装備のあんまん女。その傍らではハチミツ箱を背もたれに体育座りをかまし、何やらメモをとっている、頭部の毛をオールバックに整えた茶アイルーの姿も見られる。また彼の横には煌黒大剣が立てかけられており、その前ではレザーライトシリーズを纏った男が一生懸命、UBUに何かを語りかけている様子である)
ガイウス「というわけでだな、今一度我らを彼らのいる場所に案内して欲しい」
UBU「う~む・・・今が旬ね・・」くんくん(大壷の中身を嗅いでいる)
コーネリアス「♪♪」カキカキカキ
ガイウス「出来れば今度は違うモンスター・・そうだな、やはり飛竜がいい」
UBU「はぁ~~~~・・この脳裏を溶かすような芳醇かつ濃厚な香り・・・自分の穢れない嗅覚に感謝だわ・・」くんくん
コーネリアス「蜂蜜酒ですか?」
UBU「そうよ。嗅いでご覧」
ガイウス「報酬は出す。要求があればアカデミーの事務局を通じ、後で必ず送金させる。だからだな・・」
コーネリアス「う~ん・・・天然酵母の独特の風味が感じられる匂いだ・・。どのくらい寝かせたんですか?」
UBU「7日よ。頃合いでしょ?ユクモには小煩い酒税法やアルコール専売法はないのよ♪あの「おっさん」みたいに、ビールで一儲けも夢じゃないわけ」パチりん(ウィンクしてみせる)
コーネリアス「本当にいい香りだ・・。元々のハチミツのクオリティが高い証拠ですね。そうか・・ドスはたらきバチの蜜ですね?」
UBU「正解♪中、見てみる?」(ハチミツ箱を開けようとする)
ガイウス「聞いとるのか!!」ブブ~~(箱の中から飛び出す蜂の群れ)
UBU「もう・・大きい声出さないでよね」がぽん(蓋を閉める)
ガイウス「我々はだな・・!!」
UBU「時間がない。だから早く一刻も早く知的生命体種の生態観察をしたい、でしょ?」カポり(蜂蜜酒が入っている大壷の蓋も閉める)
ガイウス「分かっているならすぐに渓流へ・・」
UBU「あたちは忙しいの。護衛なら他のハンターに頼んでみたら?ゴンザレス狩猟団っていう貧弱集団で良ければ、いつでも空いてると思うよ」
ガイウス「知的生命体種の場所を知っているのは君だけなのだろう?だから頼む」
UBU「それが人にものを頼む態度なわけ?いいおじさんのくせして、感情むき出しの強引な懇願じゃ人は動かないわよ?」よいしょっとな(大壷を動かす)
コーネリアス「ふふ・・」(上でガイウスが睨んでいる)
UBU「そんなに調査したいなら、またアマテラスの家(うち)に行ってみればいいじゃない?書士隊なら一度行ったことのある場所くらいMAPなしでも覚えているでしょ?」
ガイウス「彼女は危険過ぎる。もう少し理解力のある・・」
UBU「なにそれ。腰抜けのギュスターヴ・ロンと同じじゃない」ふん
コーネリアス「フフフフフ」くすくす
ガイウス「だからだな!!護衛を頼んでおる!!」バサバサバサバサ(御神木の木々から小鳥が飛び立っていく)
UBU「大声は飛竜に負けないかも」こそ(コーネリアスに耳打ちをする。それを受けてまた小さく笑うコーネリアス)
ガイウス「それともう一つ。君の煌黒大剣にも興味がある」むむむむ・・!(顔を赤らめ怒りを静めている様子である)
UBU「・・・・・・・・・・・」ちら(ハチミツ箱に立てかけている煌黒大剣をちら見する)
ガイウス「この通りだ。頼む」へこり
UBU「・・・・・・。悪いけど、あたちは用事がある時以外、村を出たくないの。この前はロージーが村にいてくれたから特例。護衛なら他の人にお願いして」
ガイウス「先日起きたという占拠事件を懸念しての配慮か・・。ならば地図に知的生命体種と遭遇出来そうな場所を記してくれ」
UBU「記すのはなぁ・・・」
ガイウス「渋るな!!だったら自分で案内せんか!!」バサバサバサバサ(またしても小鳥が逃げていく)
UBU「なんだってそんなに知的生命体種にこだわるわけ?まさか暗黒商会の悪徳龍科学者と繋がりがあるわけでもあるまいし」じー
ガイウス「大陸に敬意を払わん傲慢な学者共と一緒にするな!!」(今までの怒り方とは少し感情が違う)
UBU「・・・・・・・。悪かった。ガイウスさんの専門って生体力学だったっけ?どう?博識でしょ?あたちってば」おほほほほほ
ガイウス「ふぅ~~~~~~」(なんとか怒りを沈めたようだ)
コーネリアス「そうです。ガイウス様は竜族の運動や構造を自然科学でいう力学的な観点を通じて考察し、そこで得られた結果を大陸社会に役立てようとしているのです」
UBU「それってつまり・・」
ガイウス「君らが掲げる三種共存社会の樹立にも役立つだろう。理知を持つ竜族やその他のモンスターが本当に共存出来るのであれば、我らの文明は遥かに向上する。私がユクモに来たのは、その先駆者たる君らの共通理念を理解し、知的生命体種モンスターの生態観察をする為だ」
UBU「その調査結果をアカデミーに持ち帰って、他所の大陸にいる知的生命体種と「交流」を図ろうっていうの?保守派のロイヤルアカデミーがぁ?三種共存のコスモポリタニズムよりむつかしいんじゃないの?」よいしょっとな(メモをとっているコーネリアスの横に腰を下ろす)
ガイウス「だからだ。ジョン・アーサーを失い、腐敗した今のアカデミーに活を入れ、かつての現場主義に戻す必要があるのだ。現に書士隊が卓上でこもっている間に、ここ(新大陸)では多くの学術が向上しているという。それは知的生命体種の研究を積極的に行っているからだ」
UBU「それを悪用しているのはブラックギルド。ホワイトギルドはそもそもの理念と近年築き上げてきた権威を維持しつつ、更なる勢力拡大を図る為に知的生命体種を普通種のモンスター同様に扱い、眼中のない「フリ」をしてるだけ。イコール・ドラゴン・ウェポンだって・・」
ガイウス「・・・・・・・・・」じーーーーーー
UBU「コホン。とにかくですよ。正統派アカデミーのお人が、これ以上突っ込む「分野」じゃないでしょう?ブラックギルドの龍科学者達はガイウスさんの書いた「龍生体力学論」を読んで育ったのよ?必ずしも学術の発展が、道徳的な文化向上に繋がるわけじゃないっていうのはとっくに理解してるでしょうに」ほじほじ(耳をほじる。勿論スクリュー方式で)
ガイウス「それでも知的生命体種には未来を感じざる得ない。君だってそれを理解しているらこそ、自警団というコミュニティを作ることで、彼らに目的を与え、本来持つ闘争心を制御しているのだろう?」
UBU「それは人も獣も同じ。形が違うだけなのよ。分かる?だからあたちは友達を生態調査の試料にはさせない。至ってシンプルな道理でしょ?」にこにこ
ガイウス「・・・・・・・・・・・・」フゥ~~~~~~
コーネリアス「・・・・・・・・・・」カキカキカキカキカキ
バサバサバサバサ・・・
(空より農場に「イン」してくる派手な色のインコ)
ガイウス「む・・・?」バサバサバサバサ・・
六本木「ムカエガキタ!ムカエガキタ!イソゲ!UBU !」バサバサバサバサ(UBUの頭の上にとまる)
UBU「ガイウスさん。粘った甲斐があったみたいね」よいしょっとな(蜂蜜酒が入った大壷を持ち上げる)
ガイウス「なに・・それでは?」
UBU「共に教示を受けに行きましょうか、渓流に」
「あたちのモンハン日記」
~Fourth Stage~
~渓流非狩猟エリア....
ザシュッザシュッ・・ザシュッザシュッ・・
(大壷を「運搬スタイル」で抱え、鮮やかな紅葉が映える山岳の道を登っていくUBU。その背後から続いて登ってくるガイウスとコーネリアス)
UBU「しっかり~♪」へっこらへっこら(と壺を抱える頭の上には六本木の姿も)
ガイウス「まったくハンターというのはとんでもない足腰をしておるよくもこの傾斜を酒樽を抱えて登れるものだ」ザシュッザシュッ(コーネリアスの手を引き、実に手慣れた様子で登山していく)
六本木「UBU、カイリキ。UBU、リョクゲジュウ」
UBU「そういうガイウスさんこそ、ハンター顔負けのアルパインスタイルじゃない。書士隊ってハンターが多いんでしょ?その年でそれだけ動けりゃ大したもんだわさ♪」おほほほほほ
ガイウス「それも昔の話だ。同じ卓上に向かう姿勢でも、アカデミーはとうの昔にワイバーンカレッジに先を行かれた。情けない事実しか更新しておらんのだよ、近年のロイヤルアカデミーは」ザシュッザシュッ
UBU「なんでガイウスさんはアカデミーを選んだわけ?分野的にもアルコリスの方が向いてると思うけど」へっこらへっこら
ガイウス「死んだ父の推薦という遺言を守っただけに過ぎん」ザシュッザシュッ
UBU「へぇ~。ってことはお父様もヴェルドの書士とか?」
ガイウス「人の子にしては珍しい古龍観測隊だった。と言ってもアシスタントだったがな。だからだよ。竜人から成る観測所を父が勧めなかったのはな」
UBU「なるほどね。それこそ分野が違うってことか」へっこらへっこら
ガイウス「父が生きていた頃は、まだワイバーンカレッジは創立されていなくてな。ロイヤルアカデミーもその頃は活発的に世界を駆けまわっていたんだよ」ザシュッザシュッ
UBU「そっか・・。ガイウスさんはお父様の意志をちゃんと受け継いでいるのね」へっこらへっこら
ガイウス「まだ私が幼い頃、父が観測隊の仕事がない時は、よく一緒に気球に乗って大陸を飛び回ったものだ」ザシュッザシュッ(実に清々しい顔で登山をしている)
UBU「ガイウスさんが行動派になったのは、その頃の衝撃的な体験が理由なのね。よく分かる話だわ」へえこらへえこら(運搬速度を緩め、スタミナ赤ゲージから回復を図る)
ガイウス「結果としては王都に入ることになったが、例えワイバーンカレッジに入ったとしても、森丘を拠点とすることは無かっただろうな」ハハハハハハ(一同に笑う)
UBU「二人はどこで?ヴェルドで知り合ったの?」へっこらへっこら
コーネリアス「はい。領内のとある屋敷で従者として雇われていた私をガイウス様が・・」
ガイウス「あれは従者という扱いではない!!」
コーネリアス「ガイウス様・・・」
UBU「・・・・・・・・・・」へっこらへっこら
ガイウス「アカデミーに出入りをしていた君ならよく知っているだろう。ヴェルドという城塞都市はシュレイド分裂後、かつての王国の富裕層から成り立ち、経済もまた彼らが発展させていった。貧困層は今も城壁の外にある「外街」と呼ばれるスラムを中心に生活をしているくらいだ。階級社会によって認められる財力が無ければ、彼らは領内に入ることすら許されないのだよ」
UBU「・・・・・・・・・・・」へっこらへっこら
ガイウス「私とコーネリアスが出会った頃の王都の富裕層は、領内の獣人を奴隷のように扱い、彼らの人生を奪い、肉体も精神も支配していた時代だった。今でこそ、その風習はここ(新大陸)をはじめとする獣人の人権運動によって風化されつつあるが、当時の領内は差別による暴力が先鋭の最盛期にあったのだ」
コーネリアス「私はその屈服した生活から、少しでも夢を見出す為、夜な夜な屋敷を抜けだしては学術院の書庫を訪れるようになったのです。幸い、字が読める程度であった私にとって、アカデミーの書庫はまさに未知なる世界だったのです」
UBU「それで家主の目を盗んでは、アカデミーの書庫に出入りするようになったのね?」
コーネリアス「お恥ずかしい話です。王都の多くの人が眠っている静寂な夜は、私にとっては脳が覚醒化する最も有意義な時間帯でした。書庫の論文をすべて濫読してしまったくらいです」ははははは
UBU「じゃあ、そこでガイウスさんと?」
コーネリアス「はい。私が「いつものように」ガーディアンの目を掻い潜って書庫に行くと、そこには私以上に書庫の論文に集中にしていたガイウス様の姿があったのです」
UBU「何か注意された?」
コーネリアス「いえ。ガイウス様には私の姿が見えていないのか、まったく気にすることなく論文を読み続け、時には激しくそれに注釈を入れるなどしていました。そんな関係が数週間続きました」
UBU「え。ってことは、なんの会話もなしに、図書館のように二人でただ書物を読んでいたわけ?」
コーネリアス「時には私の後にガイウス様が来られる時もありましたが、ガイウス様は何も言わず、明らかに従者の風貌をした私を見ても何も咎めることなく、同じ姿勢で職務をこなされておりました。私にとってあの時間は、今も神聖な思い出です」にこ
UBU「・・・・・・・。そんな無言の関係が「相方」に変わったのはいつなの?」
コーネリアス「ある晩のことでした。書庫の前に辿り着くと、入り口でガイウス様が待っておられたのです」
ガイウス「・・・・・・・・・・」ザシュッザシュッ
コーネリアス「そして初めて私の目を見て、こう話してくださいました」
「明日からエルデ地方という、普通の人間が立ち寄るにはあまりにも危険なエリアへ調査に入るのだが、君はどうするかね?」
UBU「はぁ?なにそれ。まるで同業者を誘う言い方じゃない」
コーネリアス「ええ・・。私もあの時ばかりは自分の耳を疑いました。なにせ、いきなり調査に誘われるなんて思いもしませんでしたからね」
UBU「それでなんて答えたの?」
コーネリアス「ガイウス様は、唖然としていた私に向かってこう続けました」
「専属の書記官が欲しい。君に最適な職業だと私は思うのだが、返答が欲しい」
UBU「すごい直截的・・」
コーネリアス「はい。その時、私は初めてガイウス様が、私の存在に気づいていてくれてたのだと諭されました。そして同時にガイウス様は私が部外者だと知りつつ、警備兵に知らせることも無ければ、その貴重な時間を共にしていてくれたことも・・」ぐすん
UBU「だって」ちら
ガイウス「私は単に助手が欲しかっただけだ。だが、コーネリアスの奴め。せっかくの誘いを家主との契約が残されておるから外には出れんと言いよった」ぷんすか
UBU「そりゃそうだよね。趣味の世界から、いきなし書士隊に勧誘されたら誰だって戸惑うわ。それでどうしたの?」
コーネリアス「自分の意志では主の屋敷を出られないとガイウス様に告げると・・」
「支配的な契約に屈するな。君は既に自分の意志でここに来ているではないか。それも警備の目を盗むという大罪を犯してまでだ。君を拘束している不要な雇用契約があるのならば、私がその違約金を支払い、君を王都という牢獄から解き放ってやろう」
コーネリアス「と仰ってくれたのです」
UBU「ワオ♪あたちもそんな豪胆な人間力に満ち溢れた大人になりたい♪」(むすっとするガイウス)
コーネリアス「その後が驚愕でした。ガイウスは私の手を引き、夜中にも限らず、私が仕えていた主が寝ている屋敷に押しかけたのです」
UBU「うひょ~。やるぅ~♪」
コーネリアス「寝ぼけ眼の主に向かって、ガイウス様は私の契約解除の旨を訴えてくださり、手持ちの「大金」をすべて投げ払うと、今だ何が起きているか分からない私を連れ、日の出とともに王都を旅だったのです」
ガイウス「・・・・・・・・・・・・」ザシュッザシュッ
コーネリアス「以後、私は新たな主の言葉を後世に伝えるべく、アーカイブに人生を捧げる喜びを与えられたのです♪」にこり
UBU「・・・・・・・・・」へっこらへっこら(微笑みながら運搬している)
六本木「「ヒト」ト「ジュウ」モ、オナジ。ワカリアエル」
UBU「鳥もね」
あはははははははは
ガイウス「しかしユクモに来て驚いたことがある」
UBU「なんだす?」
ガイウス「今の話でも分かるように、コーネリアスは人間に対し、今だ警戒心を抱いているのだが、ユクモでは・・特に君の前ではそれを全く見せん」(隣で照れくさそうにしているコーネリアス)
UBU「そうなの?」ちら
コーネリアス「ええ・・あなたには何か・・・そう・・・ガイウス様と同じ寛大さを感じるんです。うまくいえませんが、少なくともあなたは差別主義者ではないと」にこり
ガイウス「だからだ。ユクモには長期滞在しても平気だとな、確証を得た」にやり
UBU「あらら。お人好し過ぎるも問題かも」(微笑むコーネリアス)
ザシュッザシュッザシュッザシュッ・・
(壺を抱えたUBUを先頭に傾斜の森を登っていく一行)
ガイウス「ところで、いつまで登山を続ける気なんだ?」ザシュッザシュッ
六本木「アナ。アナ。チョウロウノネグラ」
ガイウス「なに・・?長老・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・
(一行の目の前に大きな洞穴が見えてくる)
ガイウス「ここに・・いるのか?」
UBU「その前に二人に約束して欲しいことがあるの」
コーネリアス「??」
UBU「二人の関係、研究にかける情熱、そして悪意のない志はよく分かったわ」
ガイウス「・・・・・・・」
UBU「でもここから起きることに対し、不道徳な探究心やそれに等しい行動をあなた達がとるようなら、「あたし」が即刻ユクモから追い出すから。いい?これはユクモからあなた達に問われる、ひとつのクエストだと思って」
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次回「あたちのモンハン日記」ザ・ストーリーモードは!?
11/5(土)0時更新 「ユクモからのクエスト/後編」の巻
をお送り致します♪ほいじゃあさ!!次回も少しはマジな顔して読も見ようよ
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「ユクモからのクエスト/前編」の巻
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