~渓流狩猟エリア、旧居住区域....
ゴッゴッゴッゴッ・・ブッブッブッブッ・・・
(旧居住区内に再び静寂が訪れたことを証明するように、ファンゴの群れがてくてくと散開していく。またエリアの中心にはボケっとした桜火竜が「顔」を見せており、その周りにハンターや獣人達が募っている)
アマテラス「まほっ?あれ?ここ・・カーブーちゃんちの・・どうして?」きょろきょろ
ファイヤージンガー「なんにも覚えてねぇでやんの」
ロージー「憑かれてた証拠ね」むぅ~
カーブー「UNKNOWNは行ってしまったな・・」(渓流の山々を見上げている)
UBU「いいんじゃない?彼にしてみれば自分の生活圏を脅かす存在はいなくなったわけで、用は済んだんだから」
カーブー「助けてもらったことには違いないっすよ。せめて礼を言いたかったな・・」
UBU「あたちもね。重大なヒントを貰った」(夜空を見上げるその顔はどこかほくそ笑んで見える)
カーブー「??」
ゴッゴッゴッゴッ・・ブッブッブッブッ・・
(バステトを抱くフラワーの周りにファンゴの家族が寄っていく)
フラワー「あら・・この子達はさっきの・・」
バステト「マァ~マ。よいよい」(下に下げてくれと要求している)
フラワー「え・・そうね。ほら」(ファンゴの家族の前に下ろしてやる)
ゴッゴッゴッゴッ♪ブッブッブッブッ♪
(デコに傷をつけたパパファンゴに、前髪がサザエさんぽくカールしたママファンゴ、お兄ちゃんらしきやんちゃなファンゴとお嬢ちゃんらしきつぶらな瞳のファンゴが、地べたにペタンと座るバステトの顔を舐めている)
フラワー「・・・・・・(あの子が何かをした途端に、怯えて動けなくなっていたこのファンゴの家族達はこぞって逃げ出すことに成功した・・・一体バステトは何を・・・)」
バステト「やぁ~~~~~ん♪」ベロベロベロ(四方向から舐められ、嬉しそうに嫌がっている)
ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぃ
フラワー「あら・・この如何にもドボルネコヘルムをフィルターに通した声は・・」
バステト「パァ~パ♪」
鉄平「お~~~~い!みんな無事かぁ~~~!?」ひいひい(と、エリアインしてくる両隣にはBBBとポールの姿も)
UBU「やぁやぁ、お揃いで」しゅぱっ(ハンターアクション「あいさつ」を実に機会的な動きでやってのける)
BBB「呑気言ってねぇで、どうなったんだ?どえらい咆哮が村まで聞こえたもんだからよ、飛んできたんだ。な?」
ポール「ああ。彼女は・・・」ちら
アマテラス「まほっ?ポールちゃん。こんばんわ」へこり
ポール「どういうことか説明してもらおうか。UBU」じろっ(睨まれると同時に、実にぶさいくな顔しておどけてみせるUBU。舌も出てる)
ロージー「ねぇ、アマちゃん。あなた、いつから記憶がないの?」
アマテラス「まほぉ・・・・眠る前までは覚えているんだけど・・起きてからもなんだか最近、体が「だるい」の」ごきっごきっ(長い首を回す)
ポール「竜でも体が凝るのか・・」う~ん
ロージー「ねぇ、アマちゃん。あなた最近、ひよこ寺に行かなかった?」
アマテラス「ええええええええ!?ど、ど、どうしてそれを!?い、い、い、行ってなんかいないわ!!」(明らかにしどろもどろする)
BBB「なんか読めてきたな」う~ん(と頷くポール)
鉄平「ええ。和尚が言っていた侵入者っていうのは、お前だったんだな?アマテラス」
アマテラス「和尚様が・・・そうね・・やっぱり気づいていたのね・・」しょんげり(長い首を下げる)
UBU「お話なさいな。怒んないから」よしよし
アマテラス「怒んないなら・・・そう。ひよこ寺の庭園に「夜な夜な」忍び込んでは、食料庫の小窓から首を伸ばし、中のご馳走を頂戴していたのは・・他でもない、あたし・・・罪深き桜子よ・・」しょぼん
カーブー「なんでそんなことしたんだ?食料には困っていないだろう?」
アマテラス「それがねカーブーちゃん・・。実は最近、弟のスサノオがお家(巣)に帰ってこないの・・」
BBB「家出か?」
アマテラス「違うの。あの子ったら、近頃よく、火山に「修行」をしに行っていてね・・・それが本格的になってきたから「お泊り」で合宿するって・・・帰ってこない日もあるの・・」しょぼん
カーブー「ほほぉ・・それは殊勝なことだな」
ロージー「どこがよ。心配する家族の身になってごらんよ?」ほんとクソだな(ジンガーも罵倒する)
UBU「なるほどね。不安な気持ちと寂しさから、暴飲暴食しちゃったのか。それで食料が足りなくなって、下山したのね?」よしよし、可哀想ねぇ~
アマテラス「まほっ」こくり
BBB「種は違えど、女ってのは感傷的な生き物ってことだな」(隣で微笑むポール)
アマテラス「罪な桜子・・・人のものは決して盗んじゃダメって、弟にいつも聞かせているのに・・ダメなお姉ちゃん・・・」よしよし、そんなことないよぉ~(とUBUにでかい頭を撫でてもらっている)
鉄平「でもよ、なんだって憑かれたんだ?」
ポール「う~ん。問題はそこだな・・」
「それは私がご説明致します・・」(一同の頭上からエコーがかった声が反響する)
BBB「ああ?なんだ?この神々しい声は」きょろきょろ
ぽわぁ~~~~~ん・・・
(宙に浮かぶ青白いエクトプラズム)
UBU「ぎゃあああああああああ!!おばけぇえええええええ!!!!」
カーブー「落ち着け」ゴスッ(UBUのお腹を「峰打ち」で殴る。一落ちしてその場に崩れ落ちるあんまん女)
ポール「これは・・・・」ぽわぽわぽわぽわ(目の前に浮かぶ霊魂を見上げている)
ロージー「あなた、零子さんね?」ぽわぽわぽわぽわ
霊子「はい。この度はご迷惑をおかけしました」ぽわぽわぽわぽわ
鉄平「嘘だろ・・・」
ロージー「説明をお願い出来る?」
霊子「はい」
ぽわぽわぽわぽわ・・・
(シュンとしているアマテラスの目の前に飛んでいく龍魂)
アマテラス「まほっ?なにこれ・・」ぽわぽわぽわぽわ
零子「再び失礼します」
ショウウウウウウウウウン
(アマテラスの顔面の中に入っていく龍魂)
ポール「なっ・・」
BBB「憑依ってやつだ。昔、奇面族からシャーマニズムを教えてもらったばあちゃんにも、同じようにラオシャンロンの霊が宿ったことがあったな。隣村まで「ずんがずんが」と進んでいっちまって、止めるのに苦労したのを思い出したぜ」へぇ~(バカな顔して頷く鉄平)
霊子「霊体のままでは話しづらいので、再びこの方の体をお借りしてお話させて頂きます」へこり
鉄平「話しづらいのか・・」
フラワー「霊体だと声が反響するからじゃないかしら・・」う~ん(なんとなく頷くポール)
ロージー「どうしてアマちゃんに「憑いた」の?」
霊子「はい。それは数日前のこと・・・」
カーブー「語りだした」
BBB「成仏させるには話を聞いてやるのが一番ってな」
霊子「この桜火竜の子が、宝物殿の小窓から「ひょっこり」顔を覗いてきたのがきっかけでした」
鉄平「きっと食い物が入ってると勘違いしたんだろうな」う~ん(頷く一同)
零子「宝物殿に収められているかつての私の体の一部・・鱗に宿っていた私は、これ見よがしに「チャンス」と思い、この方の体に取り憑いたのです」しくしくしく
ロージー「そっか・・。あの朽ち果てた龍鱗に、零子さんの思いが残っていたのね・・」
UBU「残留思念っていうのよ」う~ん・・(むくりと起き上がる)
カーブー「なんすか、それ?」(実にバカっぽい表情でUBUを見るドボルヘルムとドボルネコヘルムのオトモ)
UBU「前に麻生博士から聞いたことがあるの。人が何かを強く思ったとき、その場所や物体に残留するといわれる思考や感情などの思念のことよ」すりすり(殴られた腹を撫でながら解説をかます)
零子「お恥ずかしながら」こくり
ポール「すると、君は長いこと龍鱗に?」
零子「それが記憶にないのです。私が意識を持って目覚めた時、目の前にこの桜火竜の子がいたのです」
UBU「同じ雌火竜同士、共感したとみるべきでしょうね。きっとアマテラスの存在が、龍鱗で眠っていた霊子さんを呼び起こしたのよ」
ロージー「そしてアマちゃんに憑依して、彼女の意識が眠りについた後、その体を借りては夜な夜な渓流エリアを彷徨い歩いた・・・・すべては竜夫さんを探す為に」
霊子「・・・・・・・・・・」しくしく
BBB「顔が黒い霧に覆われていたのはなんでだ?」
UBU「深い情念がエレメントのように具現化したのよ。その形が零子さんの場合、顔に現れたのね」
零子「それはきっと竜夫さんの外見にも関係あるかもしれません」
フラワー「どういうことかしら・・」はて・・
鉄平「分かった!あんたの恋人は俺やカーブーと同じで、「ヘルム」を被っていたんだろう!?」
霊子「はい。おそらくは竜夫さんに恋い焦がれるあまり、顔を「隠した」のかと・・」しくしく
ポール「憧憬を抱く心象が異形と化した・・・霊体にも事情があるってことか」う~ん(共に頷くビーと鉄平)
ロージー「お兄ちゃんを竜夫さんと勘違いしたのは、ヘルムを被っていたからだったのね」
BBB「恋人はいつもヘルムを被っていたのか?」
霊子「はい。それはもう食事の時も寝る時も」しくしく
一同「・・・・・(きっと素顔を知らないんだな・・その「迷い」もあって、顔を隠したに違いない・・)」なるほどぉ~
零子「ああ・・・竜夫さん・・・・」つぅ・・・
ひゅうううううううううう・・
UBU「ねぇ、零子さん。悪霊から除霊された今のあなたなら、竜恋苦難の結末を受け入れることが出来る?」
零子「結末・・・」
UBU「あなたには真実を知る必要がある。あなたはそれを受け入れ、成仏しなければならない。そうでしょう?」
霊子「・・・・・はい」しょんげり
UBU「OK。なら、ついてきて。と言っても、「憑いちゃ」ダメよ?あたちに考えがあるの♪」
霊子「??」(きょとんとする桜火竜の背後では、バステトがお辞儀をしながら去ろうとするファンゴの家族に手を振っている)
「あたちのモンハン日記」
~Fourth Stage~
~渓流、非狩猟区域....
ひょおおおおおおおおお・・・・
(朧げだった月の翳りはすっかり晴れ、その淡い月影をもって渓流地区を見守っている)
ゲゲゲ・・ゾゾゾ・・
(例の奇虫が鳴く森林地区の突き当り、高い断崖の下に桜火竜が呆然と立ち尽くしている)
霊子「そんな・・・ここで竜夫さんは・・・」
鉄平「崖の上にアネモネの花が咲いている場所はここだけだ。あんたの恋人は、あんたに花冠を作ってやろうと、崖を登り・・・転落してしまったんだ」
零子「そんな・・・・ああ・・竜夫さん・・・」しくしく
フラワー「気の毒な話ね・・」
バステト「みゅうう・・・・」
BBB「事実を知っただけもマシさ。それより、あいつは何やってんだ?」
ん~~~・・むぅ~~~・・
(と、射影機を構え、崖下付近を手探りするように覗いているあんまん女の姿)
UBU「確かにこの辺りで、青く光っているのだが・・」むぅ~~
フィ~~~~~~ン
(カメラ視点。暗闇の地面が見えるファインダーの真上に付属している「豆電球大の筒状コイル型発光器」が青く点灯している)
BBB「なにしてんだ?また新しい霊魂でも見つけたのか?あんまんの」がっはっはっはっはっ&ぷぅ~~~(バカ笑い&おなら)
UBU「おだまり、デリカシーのない黒猫め。このカメラは除霊機能以外にも、残留思念を探知出来る機能が備わっているざます・・・って、あった!!」
げばげばげばげばげば
(カメラ視点。ファインダー越しに映る岩の塊を覆うように、青白いエクトプラズムがフィラメントのように揺らいで見える。またファインダーの真上にある小さな発光型探知機は「びんびん」に青く点灯している)
UBU「間違いない。すげぇゲバってる」
バシャーーーーーーン
(射影機のシャッターボタンを押し、眩いフラッシュと共にその岩場を撮影するUBU)
BBB「その光、猫目には有害だ」ごしごし(目をこすってる黒猫、そしてフラワー親子)
UBU「うひょ!!」
ボベぇ~~~~~~~~~ん
(カメラ視点。撮影した岩場に「苦悶の表情を浮かべるヘルムを被った男」の幽体が浮かび上がる)
UBU「霊子さん。ここよ。竜夫さんは、このさざれ石に落下して亡くなったのよ」ふ~~
零子「可哀想な竜夫さん・・・・」しくしく
ぼちゃん(竜のナミダがさざれ石に落ちる)
バステト「・・・・・・みゃんみゃん!!」
UBU「ん・・・」
ショウウウウウウウウウ・・・
(さざれ石から、ヘルムを被った男の霊が実体化してくる)
UBU「ぎゃあああああああああ!!おばけぇえええええええ!!!!」
鉄平「てめぇが見つけたんだろうが」
フラワー「もしかして、この霊魂は・・・」
零子「竜夫さん!!」
竜夫「やぁ、霊子。しばらく見ないうちに、色が変わったねぇ~」ぽわぽわぽわぽわ(と浮かぶ男の青白い霊体は、頭部に無骨な鉄製アーメットを被り、上半身は裸、そして下半身は炎の先端のように揺らいで消えてしまっている)
BBB「確かにヘルムを被ってるが、今時のようなスタイリッシュなやつじゃねぇな。なんかダッセェ形だ」みゅう(と、頷くバステト)
竜夫「ごめんよ、零子。君に花冠を作ってやろうと、崖を登ったのはいいが、ゲゲゾンに頭を刺されてさ。ほら」(屈んでみせる無骨なヘルムの頭頂部に「ちっさい穴」が空いている)
零子「可哀想な竜夫さん・・・」すりすり(長い首を伸ばして竜夫の霊魂にすりすりするも透けてしまっている)
竜夫「いやぁ~。君が元気で何よりだ」ぶわっはっはっはっはっ
鉄平「あの手の男って、川村親子もそうだが、ある意味寛容だよな」うんうん(と激しく同意するフラワー)
零子「安心して、竜夫さん。私も死んでるの♪」
竜夫「えええええええええええ!!なんでまた!?」ガガーーン
零子「あなたがちっとも帰ってこないから、私はてっきり捨てられたと勘違いして・・・飲まず食わずのうちに、餓死して死んでしまったのよ♪」ぺろっ(っと舌を出す)
竜夫「なんてこったい・・・じゃあ、その体は?」
零子「借り物よ。だんだんフィットしてきたわ」えっ(って顔するUBU一行)
竜夫「借り物か・・・いいなぁ・・・」
ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぃ
フラワー「あら。この如何にもドボルヘルムをフィルターに通した声は・・」
カーブー「和尚を連れてきたぞぉ~」せかせか(と、森を抜けてくるカーブーとポール。後ろには「顔に札を貼った」宮司におんぶされた緋色の袈裟を纏ったちっさい和尚の姿も見える)
ポール「嘘だろUBUの近くで浮かんでるあれって・・」
宮司「やや。あれはまさに霊魂。これはまた珍妙な」
和尚「竜恋苦難の伝承は本当じゃったな。よっと」しゅたっ(実にしっかりとした着地を見せる和尚。まだまだ足腰は元気なようだ)
フラワー「和尚さま。どうして?」
UBU「あたちが鉄平達にひよこ寺の「連中」を呼んでこいって言ったの。除霊するためにね」ぽわぽわぽわぽわ(背後ではバカな表情した竜夫の霊魂が和尚を不思議そうに見ている)
和尚「ほほぉ・・それが竜夫という狩人じゃな。そして、その桜火竜に・・・なるほど。坊主冥利に尽きるわ」ほっほっほっほっほっ
零子「和尚様。除霊してくださるのは嬉しいのですが、実はその前にお願いがあるのです」
和尚「神仏は寛容ぞ。言うてみぃ」えっらそうに(と、呟くあんまん女)
竜夫「俗界の最期の思い出に、二人で祝言をあげたいのです。な、零子」
零子「はい・・」ぽっ(桜色の顔が更にほんのり桃色に染まる)
和尚「よし。いいじゃろう。カーブーよ、前へ」
カーブー「ウッス?」
和尚「さぁ、憑くがよい」
カーブー「え!?」
竜夫「それじゃあ、遠慮なく」ひょ~~~~~
カーブー「うげえええええええええ!!気持ち悪い!!」ひょ~~~~~(霊魂が肉体に入っていく)
フラワー「・・・・・(憑かれるのって、気持ち悪いんだ・・)」パチパチパチ(胸の中のバステトはそれを見て大いに喜んで拍手をしている)
零子「どう?竜夫さん・・」
竜夫「うん。なんかいい感じ」むきっ(カーブーの肉体を支配し、力こぶを作ってみせる)
UBU「そのまま憑いててもらっても構わないけど」くすくすくす(と笑うビーと鉄平)
ポール「それはそうと、ロージーちゃんは何処に行ったんだ?姿が見えないけど・・」まさか神隠し・・
UBU「それなら任せて。こうなることを予想して、あの子にもちゃんとクエストを与えているから♪」パチりんあんまんウィンク
竜夫&零子「??」
UBU「アネモネの花言葉の意味を全部知らないまま、逝ってしまっては酷だからね」ちら(崖の上を見上げる)
びゅおおおおおおおおおお
(満月を背景に、崖を覆うツタを掴みながらよじ登っていくロージー)
ロージー「ひぃひぃ・・わし、この作業嫌いやねん・・」ざりゅっざりゅっ(ツタを掴んでよじ登っていく)
ファイヤージンガー「生意気に文句言ってんじゃねぇ。上にあるアネモネの花を採取するんだろう?しっかりしやがれ、このあばずれが!!」ばしーーん(葉っぱの手で首をひっぱたく)
ロージー「うひいいいいいいいい!!ちょっと!!落ちたらどうすんのよ!!」きぃ~~~
ファイヤージンガー「おっしゃ!上が見えてきたぞ」
和尚「汝、竜夫は、この零子を妻として、良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も・・」ぶつぶつ(和尚の前で寄り添い合う竜夫と桜火竜)
UBU「ひよこ寺って唯一神教なんじゃないの?だいたいなんで信仰の対象がひよこなわけ?依り代と同じ思考?それとも獣形神観?」
宮司「それはですね、かつてグークの祖先とも言われた鳥類の・・・あ、近いのキッスですよ!」べろっ(顔に貼ってる札を持ち上げて凝視する助兵衛宮司)
和尚「死が二人を分かつまで、愛を誓い、妻を想い、妻のみに添うことを、神聖なる婚姻の契約のもとに誓いますか?」
竜夫「はい」
UBU「死が分かつまでって、もう二人とも死んでんじゃんかよ」まぁまぁ(とポール)
ロージー「ひいひい・・って、アネモネ少な!!」ガガーーン(断崖上の草花には数本のアネモネしか咲いていない)
ファイヤージンガー「これじゃあ花冠は作れねぇなぁ・・」
ロージー「任せて。あたしも役に立ってみせるんだから♪」ゴイン(ユクモノホルンを抜く)
和尚「汝、新婦、零子。汝もまた、死が二人を分かつまで、愛を誓い、夫を想い、夫のみに添うことを、神聖なる婚姻の契約のもとに誓いますか?」
零子「はい・・」ぽっ
フラワー「素敵~♪」
BBB「おめぇらも早く式をあげねぇとな」(照れ笑いする鉄平)
和尚「では近いの口づけを」
竜夫「零子・・・」
零子「竜夫さん・・・」
ちゅっ
UBU「イェ~~~~~イ♪」パチパチパチパチぴぃ~~~~~い
(拍手喝采&指笛などで大いに盛り上げる一同)
プップクプップップ~~~~♪
(崖上から笛の音が聴こえる)
ポール「おや、この珍妙な笛の音は・・」
フラワー「ロージーのホルンだわ」
バステト「みゅうううう!」(上を指差す)
ひらひらひらひらひらひらひら
(崖上から色とりどりなアネモネの花びらが舞ってくる)
零子「まぁ・・綺麗・・・・」
竜夫「あれは・・・・」
UBU「あなたが採ろうとしていたアネモネの花」
鉄平「でもよ、その花って物騒な花言葉じゃねぇの?確か、「見捨てられた」とか・・」
UBU「それはアネモネ全般の花言葉。色別にすると、赤は「君を愛す」、白は「真実」「期待」「希望」、そして紫は・・」
ぽとん・・(桜火竜の頭の上に紫色の花びらが落ちてくる)
UBU「あなたを信じて待つ。ね、最高でしょ?」
ひらひらひらひらひらひらひら♪
(月光のスポットライトに照らされながら舞い降りてくる多彩なアネモネの花びら)
ロージー「どや!成功やろが!!」ぶわっ(崖上いっぱいに敷き詰められたアネモネの花の中から顔を出す)
ファイヤージンガー「ナッハッハッハッハッ!!ブーケ代わりだ!!心置きなく成仏しやがれよぉ~~!!」
ひらひらひらひらひらひらひら
零子「竜夫さん・・」ひらひらひらひらひら
竜夫「これからはずっと二人一緒だよ。さぁ、いこう」ぎゅっ(翼爪を握りしめる)
霊子「はい」にこり
フラワー「種を超えた愛・・・素敵ね」
鉄平「向こうでも元気でな!!もう帰ってくるんじゃねぇぞ!!」
零子「ご迷惑おかけしました!そしてありがとうございました!!」
竜夫「皆様のご恩は忘れません!!では!!」
ポール「って、ちょっと待て・・君たちのその体は!?」
カッ
(二人の肉体が光る)
UBU「うげええええええええええ」カーーーーーーー(一同、眩い光に包まれ、目を閉じる)
BBB「何度も何度も、目が潰れちまう」カーーーーーーー
バステト「・・・・・・・・・パァ~パ!!マァ~マ!!」ぐいぐい
鉄平「ん・・・・・・おっ♪」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
(暗くなった崖の下でぐったり倒れているカーブーと桜火竜)
UBU「いっちゃったね・・」
和尚「人も獣も、また竜も、ただ愛によってのみ憎しみを乗り越えられる。憎しみはより深い憎しみしか生まず、それを開放できるのは大海原のような慈愛のみ。ひよこ寺にこんな言い伝えがある」
UBU「言ってご覧よ」
和尚「ユクモ地方の渓流には、衆生、森羅万象に対して、慈・悲・喜・捨から成る、無限かつ平等な四つの慈愛があるという。慈とは他者への慈しみ、悲とは他者へのいたわり、喜とは他者の喜びを己の喜びとすること、捨とはいっさいの感情を離れて他者のすべてを平等にみることを示す。これら4つのあわれみを総じて、四無量心・四梵行と呼ぶそうじゃ。もう心配いらん。竜恋苦難の伝承に新しい結末・・お前さん達の言葉でいう「ハッピーエンド」が加わったのだからな」ほっほっほっほっほっ(説法する坊主の頭に肘を置いて夜空を見上げる笑顔のUBU)
ひらひらひらひらひらひらひら
(手向けの花びらが空を見上げる一同に降り注ぐ)
~後日、あたちファーム....
流せ流せ~~~!!
(簀巻にされた男を乗せた小舟を押すコノハをはじめ村の若い女子達)
クサッチーニ「勘弁してくれぇ~!俺が悪かった!!」ばしゅ~~~ん(言ってるそばから顔面に消臭玉がぶち当たる)
コノハ「散々、嘘ついて!!佞言絶つべし!!それぇ~!!」ばしゅ~~ん(無抵抗な簀巻男に向かって容赦なく消臭玉を叩きつける女子達)
カーブー「はっはっはっはっはっ。竜恋苦難の騒動も一件落着。村人に余計な憶測を飛ばした元凶もまた島流しの刑。観光客も一安心。これでよいですかな?ご隠居」
UBU「ひょ~ひょひょ!!万事よしでしょう!!な、じいちゃん!!」(背中におんぶしてるギルドマネージャーに声をかける)
ギルドマネージャー「ひょっひょっひょっ。何でもかんでも討伐すれば解決するわけじゃないんだぜ?クサッチーニよ」ぽ~~い(なんか投げた)
クサッチーニ「うげっ」ばふ~~~ん(モンスターのフンだったようだ)
コノハ「やだぁ~~きもたぁ~~~~ん」あはははははは
ポール「はぁ・・・・(事件を解決したのはクルセイダーズの面々・・・報酬の10万ゼニーはあんまん協会行きか・・)」はぁ~~~~~
ちゅんちゅん
(ゆっくり川に流されていく小舟を見て笑う一同。また農場に繋がる橋の上を笑顔で渡ってくる村長とロージー、龍之親子の姿も。今日もユクモは平和である)
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次回「あたちのモンハン日記」ザ・中継ぎ記事はさ!?
6/13(火)0時更新 ザ・なんも決まってない
をお送りするでしょう♪ほいだらさ!次回もシンプルに大回転しながら読も見ようよラララぁ~♪
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「終ノ刻:四梵住ユクモ」の巻
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