~渓流、ガーベージダンプ(がらくた置き場)
UBU「うーん・・これもダメ、これも使えない」ポイポーイ(がらくたの山に登り物色してる)
がらくた置き場の責任者(メラルーの中年)「ちょっとUBUちゃん。一応これでも、このがらくたの山は俺の商売道具なんだニャ。ちったぁ丁寧に扱ってくんニャ。チェルシーちゃんも何か言ってやるニャ」(山の下から話しかけてる)
チェルシー「あたちは使えなくなったゴミになんか興味はないにょだ」ぷい(がらくたに腰掛けてる)
メラルー「ゴミとはひどいニャ~。確かにひとつひとつじゃ、がらくたに過ぎニャいが、使い方次第じゃ武具のリペア品になったりするんだニャ。おバカなハンターが荷物を持ちきれなくなって狩猟フィールドに捨てていったものもたくさんあるニャ。地図なんてそれだけで商売が出来そうなくらい腐るほどあるんだニャ確かにそういったありきたりのものが多いけどニャ、ギルドのストアや行商人からは買えない「掘り出し物」もた~くさんこの山の中には眠ってるニャ。それを見つけるのも楽しみのひとつなんだニャ♪」ふふ~ん(腕組みしながら自慢気に話す)
UBU「ほぉ~んと。よく集めてくるもんね、あんた達(メラルー種)って。でもって、この中からなら、何を取っても重量制で同一価格ってんだから、より多くのトレジャーを見つけたもん勝ちっつーわけね。まさに宝の山♪探さなにゃ損損」ガサリゴソリ
チェルシー「あたちにはゴミにしか見えないにょ。だからおじしゃんも、もうちょっと幼児が喜ぶ品を集めてくるにょよ。魔法猫少女☆ニャンニャンのトレーディングカードとかにょ」
メラルー「それは手厳しいニャあ、これなんてどうかニャ?」ガチャリ(がらくたの山からマギアチャームの先っぽ(まあるい部分)を取り出す)
チェルシー「しょれだけあっても意味がないにょ!しょんなんじゃ、魔法猫少女☆ニャンニャンのマジカルステッキ代わりにもならないにょ~!」ぷん
メラルー「厳しいお嬢ちゃんだニャ~」
チェルシー「ねぇ~姫姉ちゃま~まだおうちに帰らないにょ~?」(山の上のUBUに話しかける)
UBU「もうちょっと待ってぇ~。なにか使えるものがあるかも~。あ、太刀の鍔(つば)だ。カーブーに高値で売りつけてやろう。しっしっしっしっし。儲けた儲けた」ガサリゴソリ
チェルシー「ちぇ。つまんないにょだ。渓流のモウモウさんでも見てくるかニャ」
メラルー「ニャニャ?モウモウ・・ドボルベルグのことだニャ?危ないからここで待っていた方がいいニャよ」
チェルシー「みゅううう。姫姉ちゃま!まだにょ~!!」ぷんすか
UBU「はいはい。もう行くわよ。って、まったく、空き瓶ばっかりね。ギルドの支給品箱に何気にいつも入ってるもんだから、みんな取っちゃ捨てていくんだわ。ほんとハンターって、「廃棄物生産マシーン」なんだから。少しは大陸のエコ化に・・・」ずるっ(がらくたの山を登ろうとして足を滑らせる)
チェルシー「あ。落ちるにょ」
UBU「いていていていていていて」ガシャンガシャンガシャンガシャン
(尻もちを突きながら落ちてくるUBU)
ガラガラガッシャーーーーーン
(がらくたに埋もれるUBU)
UBU「いちちちち・・・」ガポーン(がらくたの山から顔を突き出す)
メラルー「大丈夫かニャ?」
UBU「ええ。なんとかね」パンパン(服を叩く)
チェルシー「あたちを待たせるから罰が当たったんだにょ。いい気味にょ」
チラ~ん
チェルシー「みゅうう?にゃんだ?姫姉ちゃまと一緒にニャにか落ちてきたにょ」
チラ~ん(眩いばかり七色に光るたまご)
チェルシー「みゅううう。にゃんだこりは」じろじろ
チラチラり~ん(チェルシーの身の丈よりやや小さい七色に光るたまご)
UBU「うひょーーなにこれ!?光るたまごじゃないのさ!!」(たまごマニア)
チェルシー「ミャア」
「あたちのモンハン日記」
~3rd Stage 「七色たまご」
~わんぱく激アツマイホーム・・それは・・・・・
あたちんち(俗称「あたちハウス」)
チェルシー「フ~ンフフ~ン♪にょ~にょ~♪」(体と同じサイズの光るたまごを抱っこしてる)
BBB「へぇ~。そんでそのガラクタの山から出てきた七色に光るたまごを、すっかりチェルシーが気にいっちまったもんで買ってきたのか。なぁ、それより俺のパンツ、知らない?」
UBU「洗濯物ならトンコさんとフランソワしか知らないよ。だいたいなんであんた家ん中でパンツ履こうとするわけ?外出る時は履かないのに・・」ペラペラ(ベッドに腰掛け、何か本で調べ物をしてる)
BBB「ぬくぬくして気持ちいいぞ、パンツは。そりゃ外出る時は「かっこ悪くて」履いていかねぇのが獣人猫族の誇りってもんでよ・・って、何調べてんだ?」
UBU「ん~、そのたまごのこと。あたち愛読書のね、この「フェルナンド・ピサロ著/僕の選んだたまご百選」でね、その色が変わって光るたまごらしきものを読んだことがあるのよ・・・う~ん、どこだっけかなぁ~」ペラペラ
BBB「なぁ、チェルシー。おじちゃんにもそれ、触らしてくれよ」スッ(手を差し出す)
チェルシー「ダメにょ!!」ぺちーん(肉球で肉球を弾き返される)
BBB「ちぇ。ケチ」ふぅ~ふぅ~(叩かれた肉球をふうふうするおじさん猫)
UBU「あった!!これよこれ!!」
チェルシー「にゃにか分かったにょか?おちえてほちいにょだ」なでなで(たまごを撫でてる)
UBU「いいわよ。え~と、なになに・・・「七色たまご。見つけたものの願いを孵化すると云われる希少なたまご。七日七晩、肌身離さず願い事を想い、温め続けた「親」の願い事をひとつだけ叶えると言う伝説のたまご・・ですってぇ~~~~~!!うきゃああああああああああ」ぽーい
(興奮して本をどっかに投げちゃう)
BBB「お前が発狂してどうすんだよ。それよりいい買い物してもらったなチェルシー。何か好きなお願いごとしてみればいいさ」
チェルシー「みゅうううう・・お願いごとにょ?」
BBB「ああそうさ。お前の大好きな「魔法猫少女☆ニャンニャン」になりたいとかさ」
チェルシー「ニャンニャンに!?」どきりーん
UBU「こういうのはどう?金銀財宝あるいは大陸中に溢れる「玉(ぎょく)」や「天鱗」「天殻」、スタミナ弁当~~!!」
BBB「お前、幼児の前で恥ずかしくねぇのか?そういう欲望むき出しの願いを言って。だいたいなんだよ、スタミナ弁当って。普通に買えよ。ま、お前も「一応」女だもんな。目先の幸せよりもセクメーアパールってか?金は裏切らねえオンリーワンだなんて、チェルシーに余計なこと教えんじゃねぇぞ。幼児ってのはだな、もっと清廉な夢を抱いて・・」
チェルシー「一生、ゴロゴロ寝たまま、楽をちて暮らせますように」ぎゅっ
(たまごを抱きしめる)
BBB「ほら見ろ。主人のみっともねぇ強欲が子供に伝染っちまった」
UBU「ねぇ!チェルシーちゃん!!そのたまごと、あたちのハチミツ入りあんまん、交換しない!?ねぇねぇ」
チェルシー「嫌にょ!!この七色たまごはあたちのなにょ!あたちだけが願いを叶えるにょよ!!」ケリケリ(すがってくるUBUの顔面を足蹴りにして、たまごから遠ざける)
BBB「まったく・・女ってのは夢がないねぇ~。俺なら大陸中の雌という雌の太ももを触り放題とか、時間が止まる力をくれ、なんて願うけどな。ま、所詮はただの言い伝えだろうけどよ。そんな簡単に願いが叶うわけねぇ・・・な~んてことは大声で言っちゃ、チェルシーを傷つけちまうか。フフ・・」ちら
UBU「チェルシーちゃ~ん!あたちの・・あたちの願い事も少しだけ叶えさせて~」(足蹴りされながらも幼女に懇願する大人の女性)
チェルシー「嫌にょ!願い事はあたちだけのものにょ」ケリケリ(UBUの顔面をしこたま蹴る)
BBB「フ・・・。健気なもんだ」
それからというもの、チェルシーはご飯を食べる時もお風呂に入る時も、そして寝る時でさえも、七色たまごを肌身離さず抱き続けました。たまごへの願い事を頭に思い浮かべつつ・・。そんな六日目のお昼・・
~集会浴場
チェルシー「ぷう~。村のみんながお仕事してるお昼から、ぬくぬくと入る温泉は気持ちいいにょだ」(たまごを抱っこしながら温泉に入ってる)
ヨッコ「やっほーチェルシー。あ、ほんとだ。UBUの言ったとおり、たまご抱いてる」(温泉エリアに入ってきた一応ギルドのストアガール)
コノハ「あははははは。可愛い~チェルシーちゃん♪それが噂の七色たまご~?」(同じく仕事そっちのけの受付嬢)
チェルシー「みゅう・・幼女のお遊戯だと思ってバカにしてるにょだな」ブクブクブク(たまごを背中に隠す)
ヨッコ「チェルシーちゃん、あんた、願い事何にするの?」(浴槽を見下ろしながら話しかける)
チェルシー「内緒にょ(一生、ゴロゴロ寝たまま、楽をちて暮らせますように、にゃんて教えたら絶対にバカにされるにょだ。ひたむきな「いけない欲求」こそ、お腹の中に隠せ、とは姫姉ちゃまの常日頃の教えにょ)」ブクブクブクブク・・・(顔を「湯」に沈めていく)
ヨッコ「つまんないのー。あたしにもお願いごとさせてよ。ねぇねぇ」にやにや
チェルシー「嫌にょ(どうせヨッコちゃまも姫姉ちゃまと同じでお金がほちいだけにょ)」ブクブクブクブク・・・
コノハ「願い事と言えば今日の夜、ニャンコ流星群が見えるってユクモ新聞に出てましたよ。ロックラックの有名な占い師が予言したんだそうです。なんでも何百年に一度の大流星群なんですって」
ヨッコ「大流星群ってことはなに?じゃ、流れ星への願い事「したい放題」ってわけ?」
コノハ「あははははは。そういうことになりますね。でもそういう場合どうなんだろ?ひとつの流れ星に対して願い事一個なのかなぁ・・」
ヨッコ「連打して願い事すれば、一個は叶うんじゃない?」
チェルシー「どういうことにょ?」ブクブクブクブク・・・(顔を半分「湯」に沈めたまま質問する)
コノハ「流れ星へのお願いごとは、星が見えてるうちに三回願い事を唱える必要があるからよ♪」
チェルシー「しょんなの無理にょ」ブクブクブクブク・・・
コノハ「だからロマンがあるのよぉ~♪お星様、どうか願いが叶いますように・・素敵なケルビに乗った王子様があたしの目の前に現れて、突然の求愛を・・・・なんてとても恥ずかしくて口に出せな~いきゃあああああ♪」(一人大はしゃぎするコノハの横でヨッコが哀れな目で見てる)
チェルシー「・・・・(こんな浅はかな夢見る少女になりたくないにょだ)」
コノハ「でも流星群が来るの夜遅いから、あたし・・起きてられるかな」しょんげり
ヨッコ「だっさ。あんた、まだ夜更かしできないおこちゃま体質なわけ?ださくない?」
コノハ「別にださくないですよぉ~だヨッコさんみたいに「不良」じゃない証拠ですぅ~」
チェルシー「・・・・(流れ星がなんだにょ。しょんな「確率の低い」もにょより、この七色たまごに願い事をかける方がよっぽどいいにょだ。お星様に願い事なんて、しょうもないにょだ)」ブクブクブクブク・・・
ヨッコ「コノハもチェルシーちゃんのたまごに願い事したら?」ちら(チェルシーの背中のたまごを見る)
チェルシー「ダメにょ!!この七色たまごはあたちのだにょ!!絶対に渡さないにょ!!」ブクブクブクブク・・・(たまごを抱きしめ湯に沈んでいく)
ヨッコ「あらあら。そんなに警戒しなくてもいいのに。どうせ、ハッタリでしょ?古い言い伝えによくある、誇張されたエピソードよ」
コノハ「もう!ヨッコさんったらデリカシーが無いんだからチェルシーちゃんの夢を壊しちゃダメじゃないですかぁ~!」ぷんすか
ヨッコ「子供のうちから叶いもしない夢にすがるより、現実を見つめてたくましく生きろって教えてあげてるのよ」
コノハ「そんなのまだ小さいチェルシーちゃんに押し付ける必要ありません」ぷんすか
ヨッコ「七日七晩、たまごに願掛けですって?幻想よ。そんなのファンタジー。小説の中の寓話でしか・・」
チェルシー「うるさいにょ!!」バシャーン(お湯から出た)
ヨッコ「ありゃ・・怒っちゃった」
チェルシー「誰がなんて言おうと、このたまごはあたちだけの願いを叶えるものにょ!!たまごの事を信じない大人なんか、お星様が頭に落っこちればいいにょだ!!」
タッタッタッタッタッタッタッタ
(たまごを抱きしめ集会浴場から去って行く)
ヨッコ「あらら・・。少し言い過ぎたかな」
ダッダッダッダッダッダッダッダ
(たまごを抱え村を駆け抜けていく幼女猫)
チェルシー「・・・・(たまごは絶対に誰にも渡さないにょ!)」タッタッタッタッタ
行商人「よう、チェルシーちゃん。それが噂の七色たまごかい?」
チェルシー「うるさいにょ!!このたまごはあたちだけのものにょ!!」キッ
タッタッタッタッタッタッタッタ
行商人「なんだぁ~?」
タッタッタッタッタッタッタッタッ
チェルシー「ハァハァ・・(分かったにょ・・みんな、このあたちの七色たまごを狙ってるにょだ!!)」タッタッタッタッタ(周りを見渡しながら駆けて行く)
「ほら、奥様。あの子が抱いてるたまごが願い事を何でも叶えるたまごなんですって」
「まぁ~。それが本当なら私も是非、欲しいわぁ~」
チェルシー「ハァハァ・・(渡さないにょ・・七色たまごはあたちのものにょ!!)」
バーーーーーーーーーン
(あたちハウスの扉を勢い良く開けるチェルシー)
UBU「ほえ。お帰りチェルシーちゃん。ちゃんとお風呂に入ってきた?」(床に座って漫画読んでる)
チェルシー「もう寝るにょ!」テテテテテテテ
バサッ(たまごを持ったままUBUのベッドに潜る)
UBU「ありゃりゃ。どうしたんだろ」
チェルシー「・・・・(姫姉ちゃまもきっと敵にょ・・!七日七晩、あたちが温めたこのたまごを横取りして、お願いごとをするつもりなんだにょ!村のみんなもそうだにょ!!絶対に・・絶対に渡さないにょだ!!)」ふるふる(布団に潜りたまごを抱きかかえ震える)
UBU「おーい、チェルシーちゃん?どうした?お腹でも痛い?」ちら(布団をめくる)
チェルシー「ほっといてにょ!!」バサッ(布団をかぶる)
UBU「ほえ・・・」
BBB「おいおい、どうしたどうした?」テテテテ(奥からビーが心配な顔して近寄って来る)
UBU「さぁ?」(両手を上にあげ、やれやれポーズ)
ガタガタガタガタ・・(布団の中で七色たまごを抱きしめうずくまって横になる幼女猫)
チェルシー「・・・・・・(こわいにょ・・・こわいにょだ・・!このたまごを奪いに来るやちゅは、みんな・・みんな・・お星様が頭に落っこちてしまえばいいにょだ!!)」
こわいにょ・・・・
こわいにょ・・
こわい
ZZZZZZZZ・・・・
・・・・・・・・
・・・・・
ドガアアアアアアアアアアン
チェルシー「はっ!!」
突然の凄まじい衝撃音が、普段は朝までぐっすり寝てしまうチェルシーを起こしました。何が起きたのか理解出来ないまま、まだ小さいチェルシーは出来るだけの勇気を振り絞り、頭まで被っていた布団から恐る恐る顔を出しました。
チェルシー「!!」
するとどうでしょう。そこにはまだ小さいチェルシーには到底受け入れることの出来ない光景が広がっていました。そう、目の前に「なにもない」のです。いつも目覚めると見える「はず」の、お家の景色がそこにはないのです。
ゴオオオオオオオオオオ
凄まじい怒号だけがまだ幼いチェルシーの耳に入ってきます。周りを見渡しても辺りは真っ暗。そう。夜のお外にいるのと同じ光景がチェルシーを待っていたのです。そしてチェルシーが乗っているベッドの周りからは、凄い煙が夜空に向かってモクモクと立ち上がっていることに気づきます。お空に向かって昇る煙と一緒に首を上げる幼女の瞳に、夜空を飛び交う流れ星がたくさん映りました。チェルシーはこの時、何が起きたのかはっきりと分かりました。
チェルシー「お星様が・・・・お星様が落ちたんだにょ・・!!」
幼い蒼猫は、そう呟くと自分が「乗っている」ベッドの下を震えながら覗いて見ました。そこには吸い込まれてしまうほどの、それはとてもとても暗くて深い深い奈落の底が、ベッドの当たり一面に広がっていたのです。いつもはお家の前で腰掛けてる優しい村長さんの姿や、お家の上に見える楽しい仲間がいる集会浴場もありません。チェルシーの周りに見えるのは、ただひたすらに真っ黒な「穴」しかないのです。まだ小さいチェルシーは怯えながらくるまっている毛布を強く掴みました。すると、ゴロンという音と共に、チェルシーの横に焼けただれた人型が倒れてきました。絶叫する間もなく、まだ幼いチェルシーはその全身真っ黒に焼けただれた人型が、自分のご主人様であることを悟ったのです。たぶん結末はこう。自分の隣でいつもの様に寝ていたご主人様は、危険を察し、その身を犠牲にして、チェルシーの上に覆いかぶさったのでしょう。チェルシーは初めて、この時、事の重大さを実感しました。
チェルシー「姫姉ちゃまが死んじゃったにょ・・・・あたちを守る為に・・・・姫姉ちゃまが・・・・・死んじゃったにょおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
ご主人様だけではありません。いつもは自分のお守りをしてくれる優しい黒猫のおじさんも、もういません。他の大切な家族やお友達も、みんなみんないなくなってしまったことにチェルシーは気づいたのです。
チェルシー「あたちが悪いお願いごとをしたから、みんな死んじゃったにょ・・・・・。あたちがお星様が落ちればいいなんて願ったから・・・・うわああああああああああああああああん!!!!!!」
果たしてチェルシーのお願い事は叶ったのでしょうか?
ベッドの上で泣き叫ぶチェルシーの体に何かが触れます。
チェルシー「・・・・たまご・・・」ぴと(チェルシーの体に傾いてきたたまご)
チラ~ん
チェルシー「・・まだ・・・・まだたまごは「光って」いるにょ・・・・・そうにょ!!まだ「あたちの願い事」は叶っていないにょ!!」
たしっ(たまごを両手で掴む)
チェルシー「たまごしゃん!!お願いにょ!!今日で七日七晩、あたちはたまごしゃんを一時も欠かさず、温めたにょ!!だから・・・だから、村を・・みんなを、あたちの大切なみんなを元通りにしてほちいにょ!!!!」
カッ
あたちの大切な家族と
かけがえのないお友達を・・
返して下さい。お願いします。
ちゅんちゅん
チェルシー「・・・・・・・・・・・」
ちゅんちゅん(チェルシーの頭の上に小鳥が乗っている)
チェルシー「・・・・・・とりしゃん・・」
パタパタパタパタ・・・(頭の上から飛んで行く)
チェルシー「・・・・・・・ここは・・」ぱちくり
UBU「うーん・・これもダメ、これも使えない」ポイポーイ
メラルー「ちょっとUBUちゃん。一応これでも、このがらくたの山は俺の商売道具なんだニャ。ちったぁ丁寧に扱ってくんニャ。チェルシーちゃんも何か言ってやるニャ」
チェルシー「・・・・・・・・・・・」(目をパチクリさせ、その光景を眺めている)
メラルー「どうしたニャ?チェルシーちゃん」
チェルシー「おじしゃん・・・それに・・・・」ちら(がらくたの山を見る)
UBU「あ、太刀の鍔(つば)だ。カーブーに高値で売りつけてやろう。しっしっしっしっし。儲けた儲けた」ガサリゴソリ
チェルシー「姫・・姉・・・ちゃま・・・・」
UBU「あ~ん、チェルシーちゃんいい子だから、もう少し待っててねぇ~」にこり
チェルシー「わぁ~~~~~~ん!!姫姉ちゃま~~~~~!!」
ガシャンガシャンガシャン(がらくたの山を駆け上がっていく)
UBU「わわわわ、どうしたどうした」
チェルシー「姫姉ちゃま!!」だきっ
UBU「ほえ・・」すりすり(抱きついてきたチェルシーの頭を撫でる)
チェルシー「こわかったにょ・・・とっても・・とっても・・・こわかったにょ!!」ブルブルブルブル
UBU「チェルシーちゃん・・?」すりすり
メラルー「おーい、どうしたんだニャ~?大丈夫かニャ~!?」ふりふり(山の下で手を振ってる)
UBU「え、うん・・」ちら
チェルシー「・・・・・・・」くすんくすん(震えながらUBUの胸に顔を埋め泣いている)
UBU「おじさぁ~ん、ごめぇ~ん。今日は何もいらないや~」
チェルシー「・・・・・・・」くすんくすん
UBU「さ、チェルシーちゃん。行こっか」
チェルシー「・・・帰るにょ?」ちら(涙目でUBUを見上げる)
UBU「うん。帰ろう。お家に」
チェルシー「お家は・・お家はあるにょ!?トリプレビーおじちゃまや、家族のみんなはいるにょか!?」ぎゅう(UBUを激しく掴む)
UBU「当たり前じゃない。みんな、お家で待ってるよ」にこ
チェルシー「ほんとにょ?」
UBU「うん。だから帰ろ。あたちと、あたち(チェルシー)のお家に、ね♪」ちょん(ほっぺを突く)
チェルシー「はいにょ!!」
UBU「そうと決まれば・・そりゃ~~~~~!!」
ガシャンガシャンガシャン
(チェルシーを抱っこしたまま滑り台方式でがらくたの山を降りていく)
UBU「ちょいやー!!」すたっ
メラルー「また来ておくれニャ、UBUちゃんも、チェルシーちゃんもニャ」
UBU「うん。またあさりに来るよ。じゃあ、帰ろっか」ぎゅっ(チェルシーの手を握る)
チェルシー「・・・・・・・」(がらくたの山を見つめる)
UBU「どうした?チェルシーちゃん」
チェルシー「なんでもないにょ。帰るにょ」
テテテテテテテテ(手をつないで帰っていく二人)
チラ~ん(がらくたの隙間から光るたまご)
七色たまご/完ランキング参加中なのです
ひと狩りひと読みしたらポチっとな
☆次回ストーリーモード更新日は11/6(水)0時更新予定です
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「七色たまご」の巻
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