
のしん・・のしん・・・・
(原生林エリアをナックルウォークかましながら歩いて行く黒毛モードの金獅子)

カイルス「マジで野生種がいなくなっちまったんだな・・・いるのは小型のそればかりか・・・」あきゃ~~あきゃ~~・・おえっおえっ・・(周囲から謎の密林型生物の声だけが聞こえてくる)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(突如、鳴き声が一斉に止まり、不気味な沈黙が走る)
カイルス「誰だ!?」バッ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(森の奥で光る二つの赤い眼光)
カイルス「・・・・・・・・・(飛竜の赤眼・・・・火山で見たあいつか・・?)」(目をほそめる金獅子)

????「・・・・・・・・・・・・・」ドスン・・・(鮮血を吹いたように発光する赤眼をそのままに、森の深淵より姿を露わにしてくる刻竜)
カイルス「なんだてめぇ・・カーブーの仲間なんだろ?」グッ・・(刻竜を睨みつけたまま、地面につけている両拳に力を入れる)
????「・・・・・・・・・・・・・・」(どこか別の咆哮に首を傾けている)
カイルス「ん・・・・・・・」ちら
ドスン・・ドスン・・・・(再び森の奥へと姿を眩ませていく刻竜)
カイルス「気味の悪ぃ奴だぜ・・・・。あの野郎・・向こうを眺めていやがったが・・・」あきゃ~~あきゃ~~・・おえっおえっ・・
タッタッタッタッタッタッタッ・・・
(原生林エリアを駆け抜けていくロックラック装備のベテランハンター)
ポール「・・・・・・・・・(キャンプにみんなの姿は無かった・・・きっと何かあったに違いない・・・南部の仲間の下に行ったのだろう・・・)」タッタッタッタッタッタッ
バッ

ポール「・・・・・・・・・(だが、逆に言えば好機・・・この隙にシリウス達と合流できれば・・・・おそらくは旧狩猟エリアのベースキャンプを利用しているはず・・)」シュタッ

ビューーーーーーン・・・しゅるるるるるる

(懐からツル草を伸ばし、高い木の枝に絡ませるポール)
ポール「・・・・・・・・・(ジーナ・ジラント・・・・あの女は一体・・・そして俺はあの女に何を喋ってしまったんだ・・!?)」ひょおおおおおおおおん

バッ・・バッ・・・(木々の枝を飛び移っていくロックラック装備のハンターを遠目に眺める視線)
カイルス「ハンター・・・あの野郎は、あれを俺に見せたかったのか・・?」あきゃ~あきゃ~~・・おえっおえっ・・
ザッ・・(一歩前進する金獅子の黒いナックルウォークの「お手」)
カイルス「おもしれぇ。ちょいと尾行でもしてやるか」フフ・・
「あたちのモンハン日記」
~Fourth Stage~
~水没林、旧狩猟エリアBC跡地....

パチパチパチパチ・・・

(荒廃したベースキャンプにて薪を燃やし、腰を下ろして暖を取っている「青銀装束」のブラックナイト)

シリウス「・・・・・・・・・・・・」パチパチパチパチ・・(深く一呼吸つきながら、薪の火を見つめている)
??「肉焼きはもう卒業したのか?」
シリウス「お前が来ると分かっていれば、垂皮竜のミートサンドを残しておいてやれば良かったな。ポール・ベインズ」ちら
パチパチパチパチ・・・

(炎のフィラメントを描く薪の向こう側に、揺らいで見えるロックラック装備のハンター)
ポール「できれば、デルクスの肉がいいんだが・・ここじゃそれも叶わぬ夢だ。久しぶりだな。シリウス」ザッザッザッザッザッ・・
シリウス「デルクスどころか、垂皮竜一頭、見つけるのにも一苦労だ。「お前たち」が戦いを起こしているせいでな」パチパチパチ・・
ポール「俺は正式にはクルセイダーズの一員じゃあない。だが、垂皮竜がいないのは、クルセイダーズの尾槌竜が別のエリアで匿っているからだと思う。それ以外の野生種は、みんな危険を察知して何処かに身を潜めているようだ」よっ(と、薪の火を挟んでシリウスの対面に腰を下ろす)
シリウス「潜んでいるのはモンスターだけじゃないぞ」ちらっ(目線でポールにサインを送る)
ポール「・・・・・・・・・・誰だ?出てこい」チャッ・・(凶針を構える)
??「さすがギルドナイト。盗み聞きをするつもりは無かったんだが、少し君たちの力量を知りたくてな」(BCエリアを囲う低い断崖の上から声が聞こえる)
シリウス「それを知った貴様を俺達が逃がすと思うか?」スッ・・(傍らに置いてある「勝利と栄光の勇弓」を静かに握る)
??「慌てるな。俺はギルドより、お前たちに指令を下す者として派遣された」
ポール「・・・・・・・・・・・・」ちら(ボウガンを上向きに構えながらシリウスの指示を待つ)
シリウス「ギルドからだと・・簡単に信じると思うか?」
??「今、そっちに降りる。間違っても、それぞれの得物を放つなよ」
シリウス「ゆっくりだ。ゆっくりと出てこい」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
(陰気に曇る空模様を背景に、頭部以外、ゴールドルナシリーズを身に纏った「頭のさきっぽ」が尖った「坊っちゃんヘア」のハンターが断崖上にゆっくりと姿を見せる)
肉まん君「降りるぞ。いいか?」(両手を上げてみせるものの、背中には立派な黒刀を背負っている)
シリウス「そのまま両手を上げて飛び降りてこい。妙な真似をすれば、俺の相棒がお前の顔面に風穴を空ける。いいな」スチャ・・(背後でボウガンをスコープを覗き、ターゲットを捉えるポール)
肉まん君「了解だ。飛び降りるのには慣れているんだ。と言っても分かるまいか」フフ・・(ぱっつん系の前髪両目を覆っている為、表情の全貌は明らかではないが、口元は確実に不敵に微笑んでいる)
シュタッ

シリウス「名前は?」
肉まん君「サザンゴッドでは「肉まん」というコードネームを使っている」
プッ(と吹き出すポール)
ポール「すまない。知り合いでそういった「饅頭の類」が好きな奴がいてな。続けてくれ」スチャ・・
シリウス「ギルドからの使いだという証拠を見せろ」
肉まん君「分かったよ」スッ・・(腰に付けている「ハンターポシェット」に手を回す)
シリウス「いいか・・」
肉まん君「『ゆっくり』に、だろ?」がさり
シリウス「そうだ」
スッ・・(ポシェットからギルドカードを二人に差し出す肉まん君)
シリウス「見せろ」スッ・・(慎重にカードを受け取る)
ポール「どうだい?相棒」(スコープ越しにターゲットを捉えたまま話しかける)
シリウス「本物だ。ギルドの暗号が記された、正真正銘の「ギルド関係者」だけが持つことが許される身分証明書だ」スッ・・(カードを返そうとする)
肉まん君「これで信じてくれたか?」スッ・・(カードを受け取ろうとする)
パシン

肉まん君「まだ何か?」
シリウス「関係者から盗んだ可能性は否めない。だろ?」にや
肉まん君「OK。だが、俺の存在を信じなければ、ここ(水没林)での「ミッション達成」は難しくなると同時に、重要なメッセンジャーを失うことになるぞ?シリウス・ハント」
シリウス「・・・・メッセンジャーだと?」
肉まん君「あんたが一番知りたい、ハンターズギルドのコア・・・・俺はそこと連携を取れる、大陸上、唯一の人間だからだ」フッ・・
シリウス「・・・・・・・・・・・・・・・・」
ポール「・・・・・・・・・・・・・・・・」(スコープから目線を逸し、相棒の背中を窺う)
シリウス「雇用主の素性を知りたくて何が悪いか。興味を抱いているお仲間は、中央捜査局をはじめ、たくさんいるはずだ」スッ(カードを返す)
肉まん君「中央捜査局か・・フフ。確かにそうだな」サッ・・(カードを受け取り、ポシェットに再びしまう)
ポール「ボウガンを下げてもいいか?シリウス」
シリウス「ああ。少しは信頼できるようだ」スッ・・(薪に向かって腰を下ろす)
ポール「メッセンジャー、あんたはどこから指令を受けてきたんだ?」よっ・・(とボウガンを下ろし腰を下ろす)
肉まん君「君たち、ギルドナイツセクションを統括する者・・・の代理人から、ここにいる君たちに指令を出すよう命じられてきた」スッ・・(薪の火を中心に、三角状になって座る三人)
シリウス「すいぶんややこしい事情があるようだな」フッ・・
肉まん君「お互いに勘ぐるのは終わりだ。ミッションの進行具合はどうなっている?」パチパチパチ・・・
シリウス「今はまだ動いていない。様子を窺っている状態だ」やれやれ
肉まん君「北部と南部で起きている戦いのせいでか?」
シリウス「ほぉ・・少しは把握しているようだな」
肉まん君「信頼を得ようとするわけじゃあないが、俺は俺で、「賞金稼ぎ」という表向きの素性から、トム・フレッカーというバイヤーに雇われ、サザンゴッドのハンター達と一緒に、奴の屋敷で待機しているんだ」
ポール「・・・・・・・・(トム・フレッカー・・・・前にタンジアの騒動で出会った、あの豪商の獣人か・・)」
シリウス「どんな「闇クエスト」を請け負ったんだ?」
肉まん君「なんでもフェイリンメイリン国領内に忍び込んでいるという、邪龍教徒の捕縛が目的だ」
ポール「!!」
肉まん君「どうした?何か知っているのか?」
ポール「いや・・・・(どうする・・・・昨晩出逢った、あの女のことを知らせておくべきか・・・・)」ちら
肉まん君「・・・・・・・・・・・・・」(前髪に隠れた両目が、確実にポールを捉えているのが肌で感じる)
ポール「・・・・・・・(報告に問題はないはずだ・・。何を躊躇う・・?それとも、あの女に何か重要なことを話してしまったという懸念でもあるというのか・・・?)」
シリウス「どうした?ベインズ」
ポール「ああ・・。実は昨晩、その邪龍教と思われる女を別のエリアで目撃したんだ」
肉まん君「なに・・?」
ポール「黒いフード付きの装束を纏い、例の・・・「黒龍伝説」をまるで経文のように唱えていた」
シリウス「間違いないな。タラスクギルドの人間だろう」
肉まん君「ああ。それで、その女はどうした?」
ポール「誰かと密会していたようなのだが・・・その前に気配を感づかれ、俺はその場を後にしたんだ(ここまでの経緯に嘘はない・・・あの女との「接触」に何があったのかは、俺自身があの女に問いただせばいいんだ・・!)」パチパチパチパチ・・(薪の火を見つめる)
肉まん君「やはり邪龍教徒が、フェイリンメイリン国内に出入りしているというのは本当のようだな・・」ふむ・・
ポール「トム・フレッカーはなぜ、邪龍教徒を捕まえようとしているんだ?」
肉まん君「トム・フレッカーの資金源はドスコカだ。同業である暗黒商会と強い癒着のあるタラスク・ギルドの人間を誘拐、監禁して、両勢力に纏わる決定的な秘密でも吐かせたいんだろう」やれやれ
ポール「なるほど・・・・(あの女が拷問程度で口を割るとは、とても思えないが・・・)」パチパチパチパチ・・
シリウス「残念ながら報告はそれだけだ。もう少し、南北での戦いが悪化してくれれば、領内にも近づきやすくなるのだがな」フーーーーーー
肉まん君「獣人スーツは持ってきていないのか?中央捜査局の工作員の間では有名だぞ?」
シリウス「信条に反する」フッ
肉まん君「ハハハハハハ。OK。今のところ、俺からの指示はない。やり方は君たちに任せる」ザッ

シリウス「以後はどうやって接触すればいい?」
肉まん君「基本的には、この無人のBCを活用させてもらおう。何かあれば東海岸近く、トム・フレッカーの屋敷に俺は滞在している。今もそこから来た」
シリウス「了解だ。あんた達の力を借りたい時は相談する」
肉まん君「そうしてくれ」クルッ・・
ポール「待った。ミッションとは関係がないんだが、聞きたいことがあるんだ」
肉まん君「分かることなら」
ポール「あんたは色々と知っていそうだからな・・・龍結核という病気を知っているか?」
肉まん君「ああ。人にとって害のある龍粉が肺に入り、体の免疫が落ちるという・・・それがどうした?」
ポール「その龍結核を治せる薬がないか探している。私的なクエストさ」フッ・・
シリウス「・・・・・・・・」
肉まん君「・・・・・・確かではないが、あることはあるようだ」
ポール「なっ・・本当か!?」
肉まん君「その薬の名はトリップ。だが、劇薬故・・・・」
ポール「どこで手に入る!?」ガバッ

肉まん君「・・・・・・残念だが、大戦時代の話だ」スッ・・(ポールの手をそれとなく避ける)
ポール「大昔でもかまわない。知っていることをすべて教えてくれ」
肉まん君「・・・・・・・・・。劇薬故、副作用も強いという。龍結核ウイルスに対抗できる免疫力を手にすることは出来るかもしれないが、下手をすれば・・・」
シリウス「逆に薬の成分に侵され、死ぬ・・・」
肉まん君「おそらくは」
ポール「どこでその話を知ったんだ?」
肉まん君「・・・・・サザンゴッドでだ。信用するかどうかは任せる」
ポール「・・・・・・・・・・・・・」
肉まん君「もういいか?」
ポール「すまなかった。だが、ヒントは得た気がする」
肉まん君「そうか・・。では、幸運を祈る」
ビョッ

ポール「・・・・・・・・・・・・・」
シリウス「大丈夫か?ベインズ」
ポール「ああ・・・・。メッセンジャーか・・。だが、なぜギルドは、今回に限って監視の目をよこしたと思う?」
シリウス「うむ・・。それだけ重要な何かが、この水没林にあるかもしれないな・・」パチパチパチパチ・・・(フィラメントを描くように燃え上がる炎をじっと見つめる)
ポール「・・・・・・・そうだ。アンソニーはどうした?」
シリウス「それがあの男を全面的に信頼しなかった理由だ」フッ
ポール「そうか・・。さっきのメッセンジャーは、派遣されたナイトを「二名」だと聞かされてここにきた・・。つまり、俺をそのうちの一人として数えた・・・。なぜ、アンソニーの存在を隠したんだ?」
シリウス「さぁな。直感だ」
ポール「フッ・・・さすがのナンバー2だ。それで?アンソニーはどこに?」
シリウス「なんでもお前が今、属している仲間のことが気になるそうでな・・・偵察に出かけたよ」パチパチパチパチ・・
ポール「そうか・・・(アンソニーはカーブー君と意気投合していたからな・・・)」
シリウス「ん・・・・・・・・」(何かを察知したかのように首を上げる)
ポール「・・・・・大型モンスターの気配・・・・近いな・・」スチャッ・・
あきゃ~あきゃ~~・・・おえっおえっ・・・(焚き火で暖を取る二人のナイトを囲う四方の密林エリアから、野生動物の声だけが聞こえてくる)
ポール「・・・・・・・・・・・・・・・」ジリッ・・(凶針を構えながら、その場を軸にゆっくりと360°回転していく)
ボウーーーーーーーーン・・・・・(遠方の密林エリアより、電荷が弾けるような音が微かに聞こえる)
ポール「・・・・・・・・・・・・・・」スチャッ

シリウス「・・・・気配が一瞬にして消えた・・?まるで瞬間移動したかのように・・」パチパチパチパチ・・
ポール「さすがのクルセイダーズにも、そんなモンスターがいるとは聞いたことはないぞ」チャッ・・(ボウガンを下ろす)
シリウス「さて・・俺も偵察に出かけてくるか」ゴイン・・(「勝利と栄光の勇弓」を背負う)
ポール「珍しいな。あんたがそんな仰々しい得物を持ってくるなんて」
シリウス「恩師の形見・・・といったところかな」フッ・・
ポール「・・・・・また来るよ。できれば、古株同士、たまには飲み明かしたいが・・・そういうわけにもいかないか」やれやれ
シリウス「ベインズ。弟のリック・ベインズもまた、兄であるお前同様、強い男だ。何故ならばリックは、もうずいぶん長い間、龍結核と付き合っているんだからな・・。常人ではとても絶えられない暗闇の中、その深部に堕ちることなく、あいつはあいつなりに希望を見出している。お前という光を頼りにな」
ポール「・・・フフ・・。初めてだな。あんたとは付き合いこそ長いが、そんな言葉を受けるとは・・・ありがとう」
ガッ

To Be Continued



次回「あたちのモンハン日記」ザ・ストーリーモードはさ!?
1/30(火)0時更新 「ブルるるるるるるる」の巻
をお送りいたします♪ほいだらさ!!次回もチラチラ見よう
