ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・
(密林エリアに聳え立つ巨大な砦蟹)
デブ「うひょ~~!!間近で見ると本当にでかいなぁ~!!」ドスンドスンドスン(何かの上に乗りながら上を見上げている)
パソコン「だろ~!?なんでも脚を狙うといいらしいよ!え~と、それから・・なんだこりゃ~!!シェンガオレンは時折立ち止まっては巨大な液体の弾を勢いよく吐き出すんだってぇ~!!」ドスンドスンドスン(両手に広げるは「ハンター大全2/復刻版」)
デブ「えーーーーー!!でもさ、さっきあの砦蟹が竜骨の口から吐き出したのって、弾っていうより、完全にビームだったよね!?」ドスンドスンドスン
パソコン「ちょっと待って、デブ。なになに・・記録によれば、城塞を守る兵士達が矢を撃っていたところにその弾が直撃して、一瞬のうちに全員が絶命しちゃったんだってさぁ~!!絶命だよ!?やばくない!?しかも、その弾の飛距離は軽く2~300メートルは飛ぶらしいよ!!」ドスンドスンドスン
デブ「もっと飛んでいったように見えたけどなぁ・・・警部さんはどう思う?」ドスンドスンドスン
アイオロス「だから普通個体じゃないんだって」ドスンドスンドスン(実に「頼りない」ユクモノシリーズの二人を背に乗せ、一生懸命走っている雷狼竜のエージェント)
デブ「え~~?なに?足音で聞こえないよ」ドスンドスンドスン
パソコン「シェンガオレンに近づいてきたよ!!デブ!!気合入れなよ!?なんたって、こっちは砦蟹討伐部隊として派遣されたんだからね!!」ショリ~~~ン(心なしか細っこく見える「古ユクモノ鉈(片手剣)」を抜いて天に掲げる様は、まるで「馬上のやられ将」そのものである)
デブ「大丈夫!!後ろからはラインハルト公率いる騎士団もついてきてるんだ!!まずは先陣を切る僕たちでご挨拶だ!!なんてね、はいよぉ~~~~~!!」パチぃ~~~~~ん(「古ユクモノ木槌(ハンマー)」を肩に担ぎながらもう片方の手で雷狼竜の頭をひっぱたく)
アイオロス「まったく・・僕は領内に向かったお嬢さん達の方が心配でならないよ」はぁ~~~
アガッツィ「む・・・なんだ、あれは・・・雷狼竜だと・・」ふおんふおんふおん(頭部に装着しているVRゴーグルのようなヘッドマウントディスプレイの表面に「雷狼竜」のモンスターアイコンが警戒を示すようにゆっくりと点滅している)
カペラ「問題はその雷狼竜に乗っている坊や達が着ている防具ね」(同じくゴーグルをかけ、コクピット前方に位置する強化ガラスの前で「偉そうに腕を組んで」立っている)
ソユン「ユクモノシリーズ・・・・クルセイダーズですか?」ふきふき(ゴーグルをかけたままネイルのお手入れに夢中)
ニック「作戦通り、向こうから来てくれたってわけか・・。スコット。あれをお見舞いしてやったらどうだ?」ぷはぁ~~(小瓶に入った千里眼の薬を一気に飲み干す)
スペンサー「OK!!それじゃあ、いくぜ!!」ぎゅりっ(操縦パネルから突き出た二本のコントロールレバーの向かって右側を根本から撚るように回転させる)
デブ「いざ!!突撃あるのみぃ~~~~!!」ドスンドスンドスン(下で溜息をつきながら仕方なく進んでいく悲しき雷狼竜のエージェント)
グワン!!
(目の前に立つ砦蟹が右前脚を高々と振りかぶる)
パソコン「そんなのこわくないぞ!!回避だ!!警部さん!!」はぁ~~~(と溜息をつく警部さん)
スペンサー「喰らえ!!スピーン・ガオレン・レッグ!!!!」
ウィイイイイイイイイイン!!
(掲げられた巨大な砦蟹の右脚下部が、生物たる関節の法則を無視して「360度」の激しいスピーンを見せる)
デブ「ゲッ!!」
パソコン「あんなのこの本に書いてないよ~~~」
アイオロス「だから普通個体じゃないんだって」はぁ~~~
いやぁああああああああああん・・
(澄み切った青空に悲痛のエコーが響き渡る)
「あたちのモンハン日記」
~Fourth Stage~
~ニャー神殿....
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(開き窓から麗らかな日差し溢れる控室の中央で、煌々たる花婿衣装を纏った猛豚が空を見上げる中、その周りではメイドアイルー達がせかせかと身支度の最終仕上げに取り掛かっている)
猛豚「婚礼の儀に相応しい、実に晴れ晴れしい日和だ」
せかせかせか・・(猛豚のご機嫌を窺いつつも身支度に勤しむメイドアイルー達)
猛豚「気を配らんでも良い。そなた達が心配しているのは、また、婚礼を邪魔する弊害が生じるのではないかという危惧だな?」
せかせかせか・・(目をそむけながら猛豚の衣装を整えていくメイドアイルー達)
猛豚「心配いらぬ。前回の事件は、朕の未熟さが引き起こした当然の報い。すべては朕の責任なのだ」
メイドアイルー「そんなことございませぬ!聞けば前回の花嫁様は、元より敵軍の御方であったと・・・宰相様はその事実を承知の上で、陛下に対し内密にことを進ませ、強引に婚礼の儀にまで発展させたというのがもっぱらの噂でございます。それが真実であるならば、悪いのは・・」
メイドアイルー「そうでございます!宰相様は陛下がいらっしゃるにも関わらず、独断で事を進めてしまう傾向にあります!かと思いきや、近頃では軍務をはじめ、政務も他人に一任したまま、ご自分は御部屋に閉じこもったままであられるというではありませんか!?今日も陛下の婚礼であるにも関わらず、挨拶にも現れないとは不遜の限りでございます!」
メイドアイルー「おいたわしや・・宰相様の傲慢な態度が、他の高官達にも感染してしまったかのように、神殿内はかつての威光を失いつつあるのです・・・」うう・・
スッ・・(メイドアイルーを諭すように、そっと無骨な肉球を差し出す猛豚)
猛豚「ニャン=ジュストは今も昔も朕を支えてくれるかけがえのない同志だ。今まで朕がニャン=ジュストに甘えていたように、これからは朕が神殿を、国を導いていかねばならぬ」
メイドアイルー「陛下・・・」ううう・・
猛豚「さぁ、涙を拭うのだ。そなたらが流したその慈悲深い涙もまた、国の糧になるよう、これからは朕と鈴麗で皆を支えていくぞよ」ぽんぽん(しくしくと泣くメイドアイルー達を抱きかかえる)
メイドアイルー「なんてありがたいお言葉・・・陛下の従者になれたことを心から誇りに思います」うううう・・・
猛豚「朕の誉れもまた、皆のような忠臣が側にいることだ。国家とは元より国民が協力しあって統括していくもの。そこでだ。そなたらに頼みがあるのだ」
メイドアイルー「はい!!なんでございましょう!!」キラキラキラキラ(と希望に輝いた瞳で陛下を見つめる)
猛豚「うむ。実は領外に得体の知れない巨大なモンスターが出現したのだ。まさかとは思うが、敵軍が今日の婚礼を聞きつけ、襲撃してきた可能性も否めない」
ええええええ・・・・・(と、どよめくメイドアイルー達)
猛豚「そなたらへの頼みとは、何があろうとも式典を進め、そして見届けて欲しいのだ。安心しろ。警備はあのオステルマンと、その頼れる騎士たちが守っているのだ。この苦難は言い換えれば好機。だからこそ、我らは敵軍が攻めてこようとも、婚礼を終えてみせ、我が国の、もとい猫民の結束力を世界に知らしめるのだ」
・・・・・・・・・・・・・
(強い意志のもと、深く頷いてみせるメイドアイルー達)
猛豚「この国の聖者は領内の猫民一人一人にある。今度こそ、畜生残害な式典にはさせぬ。朕と共に猫民の未来を築こうぞ」
メイドアイルー「ふふふ・・」
猛豚「??」
メイドアイルー「失礼致しました。今までも勿論、頼もしかった陛下が、増して今日は預言者様のように神々しく見えるのが嬉しくて、つい・・」
メイドアイルー「そうよ!私達には無双と謳われた陛下がついておられるのです!怖いものなど、もとより存在なんてしなかったのよ!!」ニャーニャー!!
猛豚「ハッハッハッハッハッ。そなたらを見ていると、ついこの前までの鈴麗の姿を思い起こす。彼女もまた、国を誰よりも想う聖女なのだ。これからも朕と鈴麗と共に、国を歩もうぞ」
メイドアイルー達「はい!!」
はっはっはっはっはっはっはっ
(と、控室外の廊下に猛豚の「朗らかな」笑い声が聞こえてくる中、一人のぽっちゃりナースアイルーが胸に手を当て、息を切らせながらドアの前を通り過ぎていく)
ポチャッティ「はぁ・・はぁ・・・(何処だ・・ジーナという女は・・・早く見つけないと・・・体が・・!!)」ぜぇ・・ぜぇ・・
ガチャ(控室のドアが開き、中からメイドアイルーが姿を見せる)
メイドアイルー「あら。こんな所で何をしているの?ここは陛下の控室ですよ」
ポチャッティ「す、すみません・・」ぜぇ・・ぜぇ・・
メイドアイルー「あら、酷い声。まるで人型の雄みたいになってるわよ?それに息もそんなに切らせて・・・分かった。風邪を引いたんでしょ?」
ポチャッティ「・・・・・・・」こくり
メイドアイルー「んもぉ~。陛下に感染したらどうするのよささ、早く向こうに!」
猛豚「どうした?」(部屋の中より声を掛けてくる)
メイドアイルー「な、なんでもございませんさ、向こうに給湯室があるから、そこで一休みしていなさい」
ポチャッティ「ジーナ・・ジーナ様は何処に?」ぜぇ・・ぜぇ・・
メイドアイルー「ジーナ様?それなら直に鈴麗様をお連れして、ここへ来られるはずよ。私もそれが気になって、覗いてみたの。何か用事があるのなら、私が聞いておくけど?」
ポチャッティ「・・・・・・・・」(身振り手振り「結構です」サインを示す)
メイドアイルー「そう・・仕事熱心なのもいいけど、その前にあなたは自分の心配をしなさい。だって、あなたも一人の聖者なんだから♪」うふふふふ(と、笑いながらドアをそっと閉めて部屋の中に消えていく)
ポチャッティ「・・・・・・・・・・」ふーーーーーー
ずるずる・・ずるずる・・・・(息を切らせ、胸をおさえながら廊下の向こう側へよたよたと歩いて行くポチャッティの後ろ姿)
鈴麗「ほにゃ。あのナースさんは確か・・」つかつかつか・・(廊下を歩むその左右ではそれぞれザザミネコが「ハサミになった手」を構え、異常に警戒しながら花嫁を護衛している)
ジーナ「ポチャッティさんです」つかつかつか・・(三人の後ろに付き従いながら、身長差をもって上から物申す)
鈴麗「なんかお体の調子が悪そうに見えるニャ・・」
ジーナ「・・・・・・・・・・・・」(黒衣のフードに包まれながら、その鋭い眼光を細める)
ずるずる・・ずるずる・・・・(廊下の途中にある小部屋に飛び込むように入っていくポチャッティ)
エビ吉「イ~~イッイッ(給湯室に入っていきましたな)」
鈴麗「大丈夫かニャ・・」
ジーナ「お二人は鈴麗様を陛下の下に。私が様子を見て参ります」ザッ
エビ吉&エビ夫「イーーーーーー!!(あいあいさー)」びしっ(ハサミの手で敬礼ぶちかます)
エビ吉「イッイッ。イップマン(さぁ、行きましょう。鈴麗様)」
鈴麗「はいニャ」
つかつかつかつかつか・・・
(控室に向かって廊下を歩いて行く三人組を見つめる視線)
セルタスボニー「こっちはダメだ。警備兵がいる」(壁際に身をよせながらチラ見かましている)
よいしょっ(と、「大タル」を2つを乗せた少し大きめな台車に手を掛けるセルタスボニー)
「すまないな、ボニーちゃん」(と、大タルの蓋が「内側」より少し開かれ、中から男性の声がすると同時に、暗闇の中から「歯」と思しき物体がチラりと光る)
セルタスボニー「平気さ。さすがにその姿で神殿内を歩かせるわけにはいかないからね。それにリックさんを一人で行かせてしまったのはボクの責任だ。力にならせてもらうよ」ギコギコ・・(台車を押し進む)
「どうしてリックさんは一人で向かわれたのでしょう?」(と、もうひとつのタルの蓋が同じく内側より開かれ、中から若い女性の声が聞こえてくる)
セルタスボニー「ジーナを探すと言っていた。たぶん・・君たちの力になりたいんだよ」ギコギコ・・
「リック・・・早まった真似をしたもんだな・・!」
セルタスボニー「実はね・・君たちに黙っていたことがあるんだ」ギコギコ・・
「なんでしょう?」
セルタスボニー「リックさんの体は、もう限界に近づいている。たぶん、あの薬・・トリップが無いとダメなんだと思う・・。それを知ったら君たちが・・特にポールさんが心配すると思って、リックさんは黙っておくよう、ボクに言ったんだ・・。ごめんよ・・黙っていて・・」ギコギコ・・
「・・・・・・俺の弟が重ね重ね迷惑を掛けた。謝るのは俺・・・いや、俺とリック、ベインズ兄弟の方だよ、ボニーちゃん」
ガパッ(蓋を完全に開け、ロックラックシリーズに身を包んだ人型の姿を見せるポール)
セルタスボニー「ちょっ、ポールさん」
ポール「ここからは兄弟の問題だ。リックは必ず俺が助け出してみせる」チャッ(凶針(ライトボウガン)を肩に担ぐ)
セルタスボニー「で、でも」
ポール「大丈夫!「二代目時代」に神殿内の地図は頭に入っている!そう簡単に捕まりはしないさ!」ダッダッダッダッダッ(と、廊下の向こう側に走っていってしまう)
セルタスボニー「んもぉ~!だからハンターって!!」
「ボニーさん。ポールさんは高名なハンターにして、優秀なナイトでもあります。ここは手分けをして探した方が良さそうです」
セルタスボニー「うん・・分かった。君たちを信じるよ」
ザッザッザッザッザッザッザッザッ
(人型の身長と思しき一人称視点が神殿内の廊下を一直線に突き進んでいく)
ザッザッザッザッザッザッザッザッ
(颯爽と歩みながら、廊下右側に見える給湯室と思しき小部屋に視線を送る)
ザン!!(踏み込むように給湯室へ入っていく)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(給湯室の中は真っ暗闇で、まだ目が慣れないせいか、奥の様子は確認することができない)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(後ろから差す灯りが許す範囲内で首を振り、目視でゆっくりと部屋の中を確認していく)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(部屋の隅には脱ぎ捨てられたと思われる、少し大きめなメイドアイルーの着ぐるみが放置してある)
ジーナ「・・・・・・・・・・・・・」(視線の主がそれを冷淡な眼差しをもって見下ろしている)
ううう・・・・・助けて・・・くれ・・・・・・
(暗がりの深淵から救いを求めるか細い男性の声が聞こえてくる)
ジーナ「・・・・・・・・・・・・」ザッ(不敵な微笑を浮かべながら、その声の主の元へと足早に駆け寄っていく)
To Be Continuedランキング参加中だよ♪みんなの激アツ一票で応援しておくれよ
次回「あたちのモンハン日記」ザ・ストーリーモードはさ!?
6/15(金)0時更新 「しっかしあっちぃ~ニャ」の巻
をお送りいたします♪ほいだらさ!!次回もドア突き破りながら読も見ようよ
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「だって、あなたも一人の聖者なんだから♪」の巻
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