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Channel: あたちのモンハン日記
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Recollection No.1_11

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キラキラキラキラキラキラ・・・・
(舞台上で華麗に天駆けるメサイアの妖精の顔から迸る聖いの汗が、宙に靡く長い白銀の髪をなぞりながら大気中へと滴り放たれ、空気と触れ合うと弾き飛び、微細になった水の粒子達が少女の振りかざすイフリートマロウの紅熱に蒸発するように弾け飛んでは神秘的な煌めきをもって観衆を魅了していく)


おおおおおお・・・・!!
(一人称視点に映り込む観衆達が一斉に感嘆の声をあげる)


ジーナ「本当に・・眩しいこと」シャーン!!シャーン!!(次第に激しさを増す銅鑼の音に合わせて踊り狂う白いドレスの少女を目で追いながら小声で呟く)


ブオン!!バボオオオオオオオン!!
(マグマの如く灼灼と滾る刃で旋回斬りを見せる少女が猛り狂った火円の軌跡を描くと、彼女が着ている純白のドレスを激情の紅焔色へと彩っていく)


ジーナ「あんな攻撃を受けたら、どんなモンスターでさえも畏縮してしまうでしょう」ズオオオオオオン!!オオオオオオオ!!(少女が逆手に握った剣の柄を見えない敵に向かって突きすと同時に歓声もひときわ高くなる)


オオオオオオオオオオ!!
(大歓声の中、視線を右側へ向け、ルドルフ・ダラーハイドの様子を窺うと彼もまた盟主の白熱した演舞に見入っている様子だ)


オオオオオオオオオオ!!
(視点はルドルフに向けたまま、ステージエリア内に反響する歓声に足音を紛らわせながらゆっくりと後退していく)


キィ・・・(正面を向きながら後方にある両開き戸の半分をそっと開け、身を潜らせるように外へ退出していく)


・・・・・・タン・・
(目の前に映るドアの隙間から漏れる歓声を押し殺しながら慎重にドアを閉めていく)


・・・・・・・・・・・・・・
(素早く周囲を確認する。暗がりの回廊には誰もいない様子だ)


・・・・・・・・・・・・・・
(来た道である左側の通路を選択して歩き出す)


・・・・・・・・・・・・・・
(視点の右上より差し照らす霊妙な青白い月明かりの中を警戒しながら進んでいく)


「もう二章に入ったかな」


・・・・・・・・・・・・・・
(T字路の見えない左側の奥より、見張りと思しき修練者の声が聞こえると、素早く壁際に身を伏せる)


「そのはずだが・・・見たかったものだな。盟主が舞う姿を」

「まったくだ。盟主は我々にも気を遣ってくださり、歌劇を観るよう勧めてくれたが、さすがにみんなで行くわけにもいかないだろ?それに今日は大事な招待客も来ているんだ。何かあっては大変だ」

「今までモンスターにすら襲撃されたことのない、この白雪神殿(スノーテンプル)でか?」

「確かに・・だが、うちにはモンスターより厄介な盟主とバーニーがいるんだぞ?」ハハハハハハハ


・・・・・・・・・・・・・・
(視点の主が俯き、大理石の床を見つめながら微笑を浮かべているようだ)


「バーニーといえば、ジェイミーさんも仕事熱心の御方だよな」


・・・・・・・・・・・・・・
(その言葉に反応を示したかのように再び壁際に頭をつけ、視線を声の方向に傾けて聴覚を集中させる)


「ああ。歌劇を見にいけばいいのに、今日も書庫に籠もりっきりだもんな」

「日課なのさ。本当に頭が下がるよ」


・・・・・・・・・・・・・・
(考え込むように少し俯く)


「よし。後で、書庫の方も見回ってみよう」

「番人がいるのにか?」(少し笑いながら言っているように聞こえる)

「だからさ。あの方に何かあっては困るだろ?」

「そうだな。バーニーも今頃、盟主様を陰ながら支えているだろうしな」

「大剣の技術も日に日に増している。底知れぬ才能だよ。まったく・・盟主様やダラーハイド様をはじめ、天賦の才というのは、凡人との実力の違いをまざまざと思い知らせてくれる・・」

「気を落とすな。そんな凄い人達と共にいれる俺たちもまた、世俗の者からしてみれば羨ましい存在に違いない。なんといっても我が盟主様は聖なる血を注がれた、選ばれし者なのだからな」

「まさに秘密の暴露を啓示された預言者様だな」

「大陸伝承によれば、大戦時代、竜族と共に戦った英雄を龍使徒(ドラゴン・ラスール)と呼んだらしいが、まさに盟主様を例えるに相応しい美称だろう」

「それだけじゃないぞ?ダラーハイド様は、祖なる者の純血を受けた盟主様を「龍なる者」と畏怖されておられる。まさに盟主様は救済者なのさ。今回の舞台に携わった読書人達が興奮するのも無理はない」ハハハハハハ

「メサイア伝承を絶やしてはならん。いつか盟主様もまた、啓示を受けた黙示録を書き記してくれるに違いない」

「そうなれば、書庫は大賑わいになるだろうな。寡黙なジェイミー殿もその時ばかりは罵声をあげるかもな」ハハハハハハ

「大義は盟主様にある。来る聖戦に備え、怠ることなく鍛錬に励もう」

「まずは見張りから・・な」


ハハハハハハハ・・(二人が移動していくことを示すように笑い声が遠のいていく)



スッ・・・・・(一人称視点が注意深く壁から覗き込むと、腰に双剣(一対のソードブレイカー)を携えた白装束の男が二人、背を向けながら通路の奥へと歩いていく姿が見える)


・・・・・・・・・・・♪~~
(周囲を確認し、二人が消えていった通路に進もうとした瞬間、右側よりステージエリアから漏れる演奏が「徐々に」大きくなって聞こえてくる。つまり誰かがドアを空けて外に出てこようとしているのだ)


・・・・・・・・・・・・・・
(瞬時にその場からステージエリア側へ忍び足で戻り、回廊から見える月夜を見上げる)


♪~~・・・・・・・バタン・・
(満月を見上げる視点の右側より聞こえてくる演奏がドアを締める音と同時に遮断される。また曲の盛り上がりから察するに二章のフィナーレなのだろう)


・・・・・・・・・・・・・・・
(雲に覆われた朧気な満月が見え隠れしている)


スッ・・・(視線を右側へ下ろすと、ルドルフ・ダラーハイドがこちらの存在に気づき、歩み寄ってくる)


ジーナ「すみません。少し気分が悪くなってしまって・・・外の空気を吸っておりました」(少し上目遣いで身長の高いダラーハイドの顔を見上げる)

ダラーハイド「大丈夫ですか?」

ジーナ「はい。きっと暗い中で集中して見ていたので、目が疲れたのかと・・・演奏もとても迫力があるので、私の方が倒れてしまいそうです」フフ・・(ダラーハイドは表情を変えずにこちらを見ている)

ダラーハイド「誰かに薬でも持ってこさせましょう」

ジーナ「大丈夫。だいぶ良くなりました。さぁ、戻りましょう」スッ・・(手を差し出し、先に行くよう促す)

ダラーハイド「無理をなさらずに」スッ・・(レディファーストの精神で逆に先に行くよう促してくる)

ジーナ「お気遣い感謝致します」(軽く会釈をするモーションを見せながら先に回廊を進んでいく)


カツカツカツカツ・・・・・・
(後ろからの視線を感じながら卒なくドアの前まで戻っていく)


ダラーハイド「どうぞ」ギィ・・・(エスコートするようにドアを開けてくれる)


パチパチパチパチ(会釈を交わしながらステージエリアに戻ってくると、観衆は一章以上のスタンディングオベーションをもって拍手喝采を捧げている。やはり二章は終わってしまったようだ)


ダラーハイド「何かありましたら遠慮なく我々に声をお掛け下さい」(凛々しい顔をしたダラーハイドが視界に写り込んでくる向こう側では、観衆達が興奮冷めやらぬ様子で着席していくのが見え、その頭越しに見える舞台はすでにカーテンが閉められている)

ジーナ「ありがとうございます。次はちゃんと最後まで見れるよう、盟主様の気迫に負けないようにしますわ」(微笑むように首を傾けると、それに対し、はじめてダラーハイドもニヒルな笑みをもって返してくる)

ダラーハイド「では」(凛とした表情に柔らかな微笑を残しつつ颯爽と振り返り、先ほどと同じポジションに帰っていく)

ジーナ「・・・・・・・・・・・・・・」(その大きい背中を見届けながら、軽い鼻呼吸をして気構えを整える)






Recollection No.1_11






そそそそそそそ・・・・(ダラーハイドとのやり取りを見ていたのだろうか、もはやお決まりのようにひょろ長色白お貴族が心配の面持ちで忍び寄ってくる。従者でもないのに)


ひょろ長色白お貴族「どうかされましたか?」

ジーナ「少し気分が悪くなってしまって・・」

ひょろ長色白お貴族「それは大変だ!!おい誰か・・」


スッ・・(バカな顔して慌てふためいているお貴族の口元に向かって、ほっそりとしたきれいな人差し指を向けて沈黙させる)


ひょろ長色白お貴族「??」ぱちくり

ジーナ「舞台の邪魔立てはしたくないので。それにもう良くなりました。それよりお尋ねしたいことがあるのですが」スッ・・(手を引っ込めると、それを追うように見つめているお貴族のバカな顔が)

ひょろ長色白お貴族「なんでもお聞きください」(またしても待っていましたと言わんばかりのドヤ顔で応答してみせると、どういうシステムなのだろうか、口上に蓄えている左右の「逆ヘの字型の髭」がそれぞれ「ぴ~ん」っとおっ立つ)

ジーナ「なにぶん大陸伝承には縁がなく、見聞も浅いもので・・・盟主様がお書きになられたという自叙伝をお読みになられたことはございますか?」

ひょろ長色白お貴族「ああ・・王都での会合で、複写したものを少しばかり読ませてもらいました。そこに記されている内容を簡略的に説明したものが今日の歌劇だと・・興味がお有りで?」

ジーナ「はい。せっかく招待されたのだから、是非、拝見してみたいと思ったのですが、私のような行商人風情が書庫に立ち入るわけにもいかず・・」ちら(それとなくお貴族を見つめる)

ひょろ長色白お貴族「お任せを。そういうことならば、舞台が終わった後、彼らに聞いてみましょう。なぁ~に。心配なさらずとも、私が一緒に同行すれば、了承してくれるでしょう」

ジーナ「助かります」(軽く会釈をしてみせる視野に高笑いしているお貴族のキモ長い顔がちらついて見える)

ひょろ長色白お貴族「とんでもない。私のような無神論者でも、彼女・・盟主殿を見ていると、心が浄化されていくのが分かります。これからの大陸世界をリードしていくのは、間違いなく、オクサーヌ・ヴァレノフをおいて他にありませんでしょうな」ホツホツホツホツ

ジーナ「運命の戦争・・・逃れられぬ死・・・」ぼそ・・(聞き取れないくらいの小声で呟くと、視界の中央から生々しい血痕が滲み上がり、痛々しく目地の限り広がっていく)

ひょろ長色白お貴族「ん・・なにか仰っしゃりましたか?」(問いかけられると視界を遮る鮮血のペイントが意思を持つかのように細かい粒子に分散して消えていく)


パチパチパチパチパチパチパチ・・
(再び拍手が沸き起こり、舞台上に語り手が登場する)


ひょろ長色白お貴族「また気分が悪くなられたら、すぐにお知らせください」(ダラーハイドとは対照的過ぎる醜悪な笑みをみせながら自分の席に撤退していく。視点はもちろんそれを無視して舞台だけを見つめている)


ちら・・(瞬間的に右に目を投げ、舞台を静観しているダラーハイドの様子を確認すると、すぐにまた舞台に戻す)


ごそっ・・・(会釈をする語り手を見つめながら手元で何かを弄っている様子だ)


ブシュウウウウウウウウ
(おそらく例の小銃型注射針を腕に注入している音が観衆の拍手に紛れながら微かに聞こえてくる)


ドウン・・・(視界に映る全てが鼓動打つ紫紅色のフィルターに覆い隠され、耳に入ってくる歓声もまた一気にミュートされていく)


To Be Continued






★次回ストーリーモードは3/14(木)0時更新予定です★






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