語り手「第三章 白龍娘、まぼろしの書を紐解く」(舞台上下手側に立ち、腕を掲げながら次なる題目を昂然と言い放つ)
♪~~~~~~・・・(ナレーションを決して邪魔することのない「絶妙な音量」の弦楽器と管楽器の静かな音色が、ステージエリアの空気に溶け込みながら見事なアンビエントサウンドとなって、オーディエンスの聴覚を語り手が読み上げる台詞に集中させていく)
語り手「伝説、終焉、古龍三書集めし者、長くも短き休息の末期に、始まりにして最後の道が開けるであろう・・・」♪~~~~~~・・・(詩を読み上げると同時にカーテンが開かれていく)
ふむぅ・・・むぅ・・・たんっ・・むむぅ~・・・・
(舞台中央、燭台がちんまりと置かれたレトロなちいちゃい座卓タイプの書斎に向き合いながら、座布団の上で正座をしている白いドレスの少女は筆を片手に何やら試行錯誤のポーズ(考え込むように顎に手をやったり、さも何かを思案しているような「分かりやすい」しかめ面をしたり、筆を机に叩きつけ、大袈裟に悩みこむように両手で頭を抱えたり)をしており、その一連の苦悩な表情をロウソクの灯りが照らしている)
語り手「今の一文は、まぼろしの書物にまつわる文献に記されていたものです。その三つの書物は、太古の災いを啓示しており、この地にて遥か昔から語り継がれる最古の龍について記された「古龍の書」、この地にて遥か昔から語り継がれる古き伝説が書れた「伝説の書」、そして長きに及ぶ物語に終焉を齎す存在について記された「終焉の書」、以上を総じてまぼろしの書物と呼ばれています」(舞台上の白いドレスの少女は正座したまま、ひとつひとつの書の名前が読み上げられるたびに、「はっ」とか「ほぉ~」とか「ふむふむ」みたいな分かりやすい「顔芸」でリアクションしている)
ふむ・・ほほぉ・・・・(その演技が効いたのか分からないが、観衆からも感嘆の声があがる)
語り手「冒頭で読み上げた一文には、これら偉大なる三つの書物を揃え、そしてそこに隠されている暗号をすべて紐解く事で、真の姿が現れるだろうというメッセージが込められているのです」(舞台中央で「な、な、なんと!!」と口をあんぐり開けている白いドレスの少女の名演技?)
スッ・・(視点の主が興味を示すようにそっと腕を組む)
語り手「その書物の名のこそ・・・「祖龍の書」なのです」
ガガーーーーン(その名に驚愕し、正座したまま脳裏に雷を打たれたかのように後ろに「パタリ」と倒れる白いドレスの少女の名女優っぷり?)
語り手「さて、大陸では向かう所敵なしとなった我が盟主、メサイアの妖精ことオクサーヌ・ヴァレノフは、その祖龍の書に導かれるようにトレジャーハントに目覚め、今度は冒険家として大陸全土を駆け巡ることになります」
シュッタッタッタッタッタッ(倒れていた白いドレスの少女は突然、「むっく」と起き上がり、座布団を導線からどけるように軽く蹴飛ばして、さも何かを探し求めているかのように焦燥感たっぷりの表情で首を左右に振りながら「走っているフリ」をしている)
語り手「智勇兼備かつ万夫不当の白龍娘は、それまでどんな屈強なハンターでさえも立ち入ることの出来なかった秘境の各地を訪れ、時には聡明な古流観測隊の護衛もこなしながら、次々と希少な古代遺産を収集していくのでした」
はちょ~~~~~~ごろ~~~~ん
(たぶん観測隊の護衛を勇敢にやっている演技なのだろう。素手でチョップしたり、座卓をひっくり返したりとそれで獰猛な大型モンスターを退けているつもりらしい)
語り手「その危険な冒険の道中、ついに白龍娘は「伝説の書」そして「終焉の書」を手にします」てっけてぇ~~~ん♪やったぁ~~~!!(見えない宝箱を開け、8ビットRPGの勇者様みたいに見えないお宝を掲げてみせる)
お~~~~パチパチパチパチ
(その演技に感銘したのか、拍手する観衆達。白の同盟の同志達は感動して泣いている者もいる)
ちら・・(右手に視線を投げると、壁際に控えるダラーハイドもまた腕を組みながら「うんうん」とまるで我が子の晴れ舞台を見るような「あたたかい眼差し」で深く頷きながら静観している)
語り手「古龍の書は予てよりドンドルマに保管されていたので、早速、白龍娘は三書を乱読し、そしてそこに秘められた暗号を解読していきました」よいしょ・・なぁ~~~おりゃ~~~~!!(自分でひっくり返した座卓を丁寧に元に戻し、勢いよく座布団に「両膝から」突っ込むと、そのままの勢いで机上の仕事を(見えない本をすごい勢いでペラペラめくったり)している)
すごい・・・・(その白熱の演技?に声があがる)
ちら・・(ダラーハイドもまた拳を強く握りしめ、「いいぞ!」みたいなリアクションをしている「いいパパっぷり」)
語り手「雨の日も・・」
パラパラ・・パラパラパラ・・
(舞台裏から「手作り感満載」の雨音を示す効果音(おそらく豆か何かを広げた紙の上にでも落としていると思われる)の中、白いドレスの少女は再び「お正座スタイル」で卓上に向かい、頭をポリポリ掻きながら、時折「饅頭らしき甘味」をパクついたりしている)
語り手「風の日も・・」
バッサ・・ブオオオオオオオオ
(下手側よりおそらく「大団扇」で扇いだ突風が少女の長い白銀の髪を「おでこ全開に」靡かせながら舞台上を突き抜けていく)
語り手「嵐の日も・・」
どんがらがっしゃ~~~ん
ばしゃ~~~~~~~~ん
(引き続き強い暴風が扇がれ、その勢いで少女が後方にすってんころりんしたところを、桶を持ったバーニーと思われる黒子がここぞと言わんばかりにその中の水を少女に向かって「叩きつけるように」思いっきりぶちまけるも、どこに用意していたのやら、すかさず番傘を広げてそれを回避する白いドレスの少女)
語り手「はたまた運搬クエスト中も・・」
ほら、はやく・・・
ひい・・ひい・・死ぬ・・
(バーニーも含めた黒子が四人がかりで運んできた「たまご型の巨大な漬物石」を手渡され、フラフラしながらも見事なまでの「運搬スタイル」をもって運搬クエスト感を醸し出す白いドレスの少女)
語り手「あるいは都市を暴走したファンゴの群れが突っ切るという珍事の中も・・」
ズドドドドドドドドドド!!
ぎゃああああああああああああ
(本物のファンゴ達(イノ吉、イノ吾郎、イノ江さん、それにイノ子)が下手側より放たれ、豪快な猪突猛進をもってデスクワークに励んでいる白いドレスの少女を容赦なく轢きながら上手側にはけていく)
語り手「更にはラオシャンロン襲撃の最中でも・・」
もぉ~ええわ!!ほんとに殺す気かぁ!?
(下手側より「ラオの足っぽく装飾された大木」を掲げて待機している黒子達に向かって訂正の罵声をあげる白いドレスの少女)
語り手「そしてある日のことでした!!」
はぁ・・はぁ・・・・
(ぐったりしながら舞台の端っこに飛ばされた机と座布団を自分で戻しながら正座し、再び思案に明け暮れる演技をする白いドレスの少女の髪は「バッサバッサのグッシャグッシャ」である)
語り手「ついに白龍娘はまぼろしの書を解読したのです!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(静寂した沈黙の中、女の子座りで膝の上に広げたまぼろしの書を食い入るように見下ろしている白龍娘こと白いドレスの少女)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(感慨深げに次のページを見開く少女。斜め右からの顔が一番自身があるのだろうか、やたらと強調してみせている)
・・・・・・・・・・・・・・・
(小さな顎を「しょりしょり」しながら「待てよ・・」的な感じで眉間にシワをよせる白いドレスの盟主様。そんな顔も可愛いと自覚しているのだろう、正々堂々と演技をしているのがまた奥ゆかしい)
・・・・・・・・・・・・
(思いつめる少女。そして次の瞬間・・)
はっ
あわわわ・・あわわわわわわ・・えらいこっちゃ・・
(絶妙なタイミングで目をまんまるに見開き、ちょびっとだけだらしなく口を開けながら息を吸い上げ、さも「とんでもないことに気づいてしまった」と言わんばかりに「あわわあわわ」と小刻みに震える白いドレスの名子役)
・・・・・・・・・・・・・・・
(あわわと演技しながら、少女の視線はこちらを向いている様子だ)
チャッ・・(視点の主の後方より、扉がそっと開く音が聞こえる)
スタタタタタタタタ・・・(視野に入ってきた白装束の男がこちら側に軽く会釈をしながら、忍び足で一目散にダラーハイドのもとに忍び寄っていく)
・・・・・・・・・・・・
(ダラーハイドに何やら耳打ちをしている白装束の男。腰にソードブレイカー型の双剣を携えていることから、先程目撃した見回りの者と思われる)
語り手「こうして見事、祖龍の書を解き明かした白龍娘は、文献に導かれるようにフォンロン古塔を目指すのでした」(ナレーションの中、従者を侍らせながら険しい顔をしたダラーハイドがこちらへ向かって歩いてくる)
・・・・・・・・ギィ・・
(ダラーハイドは従者を従えこちらに向かってくると、外に出るという意思を目配せで知らせながら頭を軽く下げ、颯爽と扉を開け出ていく)
・・・・・・・・・・・・
(舞台を見ると白いドレスの少女が心なしがこちらを気にかけている様子で立ち上がったままこちらを見つめている)
Recollection No.1_12
語り手「そして白龍娘を古塔で待っていたものとは・・・次章、古塔の最終戦争」(語り手が高らかに予告をあげる中、左右より流れてくるカーテン越しに白いドレスの少女は、まるで本当に古塔へ向かっていくかのような迫真の演技をみせながら、足早に下手へと退場していく)
To Be Continued

★次回ストーリーモードは3/18(月)0時更新予定です★