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Channel: あたちのモンハン日記
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Recollection No.1_32

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ベックフォード「こちらです」ガチャ(目の前にいる若い従者がウー家の屋敷内と思われる廊下のドアを開ける)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(開かれた部屋はこじんまりとしたプライベートルームになっており、地面にはそれを示唆する控えめな色と柄の絨毯が敷かれ、個人用の暖炉にシングルソファ、暖炉の上の壁には火竜を描いた油絵が飾ってあり、対面の壁にはびっちりと書物が収まっている歴史を感じるレトロな本棚が置かれている)


ジーナ「ジェイソン様はここでよく読書を?」

ベックフォード「そういう「設定」になっています。さぁ、どうぞ中へ」(扉を開けながら丁重にエスコートしてくれる)


ゴッゴッゴッゴッ・・(絨毯の上を彼女愛用のロングブーツの「細重い」足音が小さな部屋の中を反響する)


ジーナ「・・・・・・・・・・」(部屋の中を探るように見回している。音をたてずにドアを閉めた従者が後ろから視界に入ってくる)

ベックフォード「隠し部屋は・・」ザッ(答えを言われる前に視界の主が本棚に向かって歩いていく)


ガ・ガ・ガ・ガ・ガ・ガ・・(本棚の右端を右手一本で横にスライドさせていくと、奥から大人一人分が入れるだけの小部屋が見えてくる)


ベックフォード「貴方には簡単だったようですね。答えを見つけるも、結構重たい本棚を動かすのも」にこ(振り返るとこちらに向かって微笑みかけてくる)


・・・・・・・・・・・・・・・・
(開かれた隠し部屋の正面にはちょうど両目をあてるのに相応しい2つの穴が空いている)


ジーナ「応接間からは気づかれずに?」

ベックフォード「向こう側の壁には初代ウー家当主の肖像画が飾ってありますが、決して見た目ではわからないような仕掛けが施してあります。覗いて見てください」


・・・・・・・・・・・・・・・・
(言われるままに隠し部屋へ入り、正面に見える2つの穴に顔をそっと近づけ覗いてみる)


・・・・・・・・・・・・・・・・
(パノラマカメラのレンズ(球体状の極端に広い横幅の画角)を覗いているような視界にて応接間全体(中央には左右に向き合った豪壮なロングソファが配置されており、明らかにこちらを意識したレイアウトであることが窺える。ソファの間からは、こちらとは全く違うシンプル本格豪奢暖炉が、その上には一際巨大なダイオウカジキ(ドスか?)の剥製が飾ってあり、食堂同様、壁には絵画や騎士道精神を強調する刀が、部屋の隅には富豪好み?な「シンプルゴールドルナシリーズ(メンズ用)」がフルアーマーで飾られている。またこちら側から見て右側の端に中庭から出入りできる大きな水平スライド窓がギリギリ写っており、そこから陽の明かりが部屋の中を照らしている)が見渡せる)


ベックフォード「特殊なレンズを使用しているので部屋全体が見渡せる仕組みに・・」

ジーナ「双眼鏡と同じ、ランポスの瞳の水晶体。よく改良されていますね」(そのまま応接間を覗きながら答える)

ベックフォード「いやはや、本当に貴方の造詣の深さには頭が下がります。そのまま覗いていてください」ガチャ・・(応接間を覗く背後から従者がドアを開けて外に出ていく音が聞こえる)


・・・・・・・・・・・・・・・・チャッ・・
(そのまま暫く覗き込んでいると応接間のドアを開けて従者が入ってくる)


ベックフォード「音声のチェックです。どうです?バッチリでしょうか」(応接間の中央に配置されている、左右に向き合ったソファの間にあるテーブルの前に立ち、こちらに向かって手を振っている)


フフ・・(視点の主が「美笑」をあげるとその向こう側では「あー」とか「うー」とかいろんなパターンの発声と声の大きさを試してくれている健気な従者の姿が見える)


ベックフォード「では戻りますね」・・ガチャ(ひらりとご丁寧な挨拶をこちらに向かってかますと応接間を出ていく)


スッ・・・ゴッ・ゴッ・・(レンズから顔を離しながら、再び「細重い」ブーツの音を鳴り響かせながら部屋の方へ後退していく)


ガチャ(従者が笑顔を見せながら戻ってくる)


ベックフォード「如何でしょうか?」

ジーナ「問題なく。ありがとうございます」(軽く会釈してみせると「ご満足して頂けたのなら幸いです」と満面の笑みを浮かべるベックフォード青年)






Recollection No.1_32






・・・・・・・・ふりふり・・
(レンズ視点。右側のソファにぐったり気だるそうに両腕をソファの上に乗せ、腰を深く下ろしたジェイソンがこちらに向かって手を振っている)


ジェイソン「君がいる部屋はベックフォードが外から鍵を掛けたから、誰も侵入できないが、念の為、会談が始まったら、屋敷内を従者達にそれとなく仕事をするフリをさせながら警備させる予定だ。安心してご観覧を楽しんでくれたまえ」ドスッ(えっらそうにソファテーブルをオットマン代わりに両足を乗せる)


チャッ・・(左側にある扉が開き、外からベックフォードがつかつかと入って来て一直線にジェイソンのもとに歩み寄る)


ベックフォード「到着されました。現在はロビーにて待機させています」キコキコキコ・・(かしこまりながら伝達する後ろ側より「キンキンバケツ」に入った数本のワインボトルや高級グラスやらを乗せたワゴンを押してくるメイドさんの姿も)

ジェイソン「おっけぇ~。向こうは何人?」カチャリコチョリ・・(家主の足を邪魔しないようにソファテーブルの上にグラスやらを置いていくメイドさん)

ベックフォード「バーニー・ブラントを含めた三名で、残りの二名は女性です。一人はボディガード、もう一人は立会人ということで、会談に参加したいと申し出ております」

ジェイソン「ふぅ~~~ん・・・・」ちら(それとなくこちらの意見を伺うように目線を投げかけてくる)


・・・・・・・・・・・・・・・・・
(視点の主はこれといった反応もみせずにその様子を静観している)


ジェイソン「いいじゃない。どうせ、こっちから向こうに吹っかけることなんて何もないんだ。好きにさせてみよう」スッ(メイドが運んできたバケツの中に入っているワインボトルを指名するように指差す)

ベックフォード「かしこまりました。こちらは私が立ち会うとして、護衛は如何致しましょうか?」

ジェイソン「敢えての無防備でいってみよう。何かあったら彼女が壁を突き破ってでも守ってくれるさ」コプコプコプ(不敵に微笑むジェイソンの向こう側でワイングラスにブレスワインを注いでいくメイドさん)

ベックフォード「かしこまりました。では連れて参ります」


へこり・・ツカツカツカツカ・・・キコキコキコ・・ガチャ・・
(家主に一礼をして直ぐ様部屋を出ていくベックフォードに続いてメイドさんもまたワゴンを押しながら退出していく)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(先程と寸分変わらない「えっらそうな姿勢」のまま、濃厚な色合いを見せるワイングラスを「ふぉんふぉん」回しながら沈黙を楽しんでいる様子のジェイソン)


ジェイソン「不思議な感覚だ。いつ殺されてもおかしくない君に監視されながら、同時に命も守ってもらえるとはね。最も、僕が生きるも死ぬも、君の人生には然程影響がないのも分かっているつもりだ。君が心配なのはウー家の資産であって、それを守る人間は誰でもいいのだから・・・・僕に世継ぎが出来たら、君には知らせないでおくのが懸命かな・・」フッ・・(皮肉な笑みを浮かべながらブレスワインをスポーツドリンクを飲むように例の如く一気に飲み干す)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(空になったワイングラスを額に当てながら項垂れるようにソファにもたれ掛かるジェイソンを後ろ側から幻想的な光の束が照らしている)


ジェイソン「前に君は、僕が親父を憎んでいて、デーモン・ロザリーに妬心を覚えていると言っていたね・・。全くその通りだよ。向こうは義賊あがりで生え抜きの姦雄だ。対し、僕は血統とこの屋敷に守られている名ばかりの城主に過ぎない。そんな哀れな僕の心を見透かした君は、自愛しろと言ってくれた・・・・」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(ゆっくりと机の上から脚を下ろし、考え込むように前傾姿勢になるジェイソン)


ジェイソン「君と出会ってからというもの、気になって仕方なかったんだ。君のような女性との間に出来た子は、一体どんな風に育つのだろうか・・・それも相手がシュレイドの暴君とあらば・・・・その答えが直に近づいてきていると思うとゾクゾクするよ」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(俯きながら頭を抱え、両手で髪の毛を掻きむしるようにワシャワシャとかき乱すその顔がどんな面持ちをみせているのかはここからでは判断できないが、陰鬱な風采を醸し出していることは事実である)


ジェイソン「残念なのは、君がこの僕の邪推な仮説に対し、否定も肯定もしなかったことだ。それが何を意味するのか・・・君に直接問いただす以上に、なぜこんなにも君のことが気になって仕方ない自分がいるのか・・・全くもって苛立たしい」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(乱れた前髪越しに本気の殺意を抱いたジェイソンの鋭い眼光がひたすらに手の届かない遠くの敵を捉えているように見える)


ジェイソン「だから余計にデーモン・ロザリーには腹が立つ。もしも君ともっと早く出逢っていたのならば、この手で殺していたものを・・・」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ジェイソン「さっき世継ぎの話をしたよね・・・・仮にだ。本気で僕が君との間に子供が欲しいと言ったら、君はどうする?」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(あどけない子供のような顔でこちらを見つめてくるジェイソン)


ジェイソン「・・・・・・・・・・・・・・・」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



ジェイソン「あ、そうだ」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(なにか吹っ切るように素早く頭を振り上げ、わざとらしく「ぽん」と手のひらを打つジェイソン)


ジェイソン「君、トリップという薬の存在を知っているかい?」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ジェイソン「この前、アカデミーの連中が僕の顔色を窺いに挨拶をしにきた時にね、彼らから聞いたんだ。書士隊が竜大戦時代の伝承が刻まれている文献を各地で集めている道中、その薬のことが記されたレリーフを発掘したらしい。なんでもその薬は、竜族に対抗できる力を秘めていたらしいんだ。今、分かっていることはそれだけで、その薬の調合法も分からないという。最も、そのレリーフ自体が何時作られたものかも定かではないし、迷信の可能性もあるからね。でもさ、もしもそんな薬があるんだとしたら、魅力的だと思わないかい?君たちが管理している向精神薬以上の価値になるかもしれない、ビッグビジネスの原石さ。なんて、いにしえ麻薬同様、とんでもない副作用があったりしてね・・・」


・・・・・・・・・・・・コンコン


しーーーーーー(と、こちらに向かって立てた人差し指を口にあてるジェイソン。喋っているのは自分だけなのに)


ジェイソン「どうぞ!入りたまえ!!」シュッシュッ(乱れた髪をそれとなく直しながらえっらそうに声をあげる)


チャ・・・(左側の隅に映り込むドアが内側に開かれていく)


To Be Continued





★次回ストーリーモードは5/27(月)0時更新予定です★





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