ジェイソン「ああ、ロザリー家の血筋についてね」ごっくん

アースラ「じゃあ・・やっぱり・・・」
アーロン「俺には暴君の血が・・・」
Recollection No.1_34
ぎゃりっごりっぎゃりっごりっ・・(真相の衝撃から沈黙せざる得ないアーロンとアースラをよそに、二人を淡々と見つめるジェイソンの口に頑固パンを「食わせていく」ルチア)
ジェイソン「ふぁ~ふぉうか。ふぃらふぁふぁっふぁのふぁ(あ~そうか。知らなかったのか)」ぎゃりっごりっぎゃりっごりっ

アーロン「ああ・・・親父が死に際に残した言葉は本当だったようだ・・」ぎゃりっごりっぎゃりっごりっ
ジェイソン「ふぅ~~~ん・・・」ぎゃりっごりっぎゃりっごりっ(小石のような食べかすをボッロボッロこぼしながらこちらをそれとなくちら見してくる)
アースラ「ウー様はジェイミーさん・・もといデーモンさんから、その事を聞かされていたのですか?」
ジェイソン「まぁね。爺さんとは長い付き合いだったからね。彼の「長期的」計画を知らされた時に、君の存在も教えてもらった。自分に何かあったら、くれぐれも息子のことを頼むってね。爺さんなりに君の保身のことは考えていたみたいだ」ごっくん(石のように硬いパンを飲みきった我が主に「ポポミルク」が入ったグラスをすかさず差し出すベックフォードの絶えない心配り)
アースラ「ほら、やっぱりお父様はあなたのことを考えていらしたのよ」
アーロン「・・・・ウーさん。あなたは親父から計画を聞かされたと言っていたが、親父が白の同盟の創立者を出し抜いて、盟主の座を乗っ取るつもりだったことも知っていたのか?」
ジェイソン「もちろん。オクサーヌ・ヴァレノフの所在をギルドに売れば、今や「表上」の大陸の主権を握った彼らに大きな貸しを作ることができる。それはロザリー家の再建を意味し、また、君のこれからの人生にとっても大きな意味も持つ。故の長期的計画だったのさ」ゴクゴクゴク(ミルクを飲む横では家主の肩を枕代わりに眠ってしまっているルチアの姿が)
アーロン「大きな意味?俺は強奪によって生まれた幸福など望んでいない」
ジェイソン「笑わせるな、アーロン・ロザリー。どちらにせよ、君は山賊出身だろ?義賊出身の父親然り、ただの因果応報さ」(空になったグラスをベックフォードに返し、より一層ソファに深くもたれかかる)
ジーナ「避けられぬ運命・・・」(視点の主が一連の光景を見つめながら小声で囁く)
アーロン「俺は親父の操り人形だったに過ぎない・・。あいつに・・デーモン・ロザリーに騙され、オクサーヌを見殺しにしてしまった裏切り者なんだ・・!!」
アースラ「バーニー・・・・」(両手で頭を抱える彼を慰めるようにそっと肩に触れる)
ジェイソン「悲観していて何になる?君のその苦悩は、青年期に起きた罪悪感であって、すべてを受け入れさえすれば、今の君はなんだって好きなことができるんだぞ?因果応報とは言ったが、君は決して因果な人間ではない。贖罪したければ、今後の君の人生をもって功徳を得ればいい」
アースラ「そうだよ、バーニー!オクサーヌさんだって、生きているかもしれないわ。探してみようよ!」
アーロン「しかし・・・」
アースラ「もう!しっかりして!これからはあなたが盟主なのよ?私やルチア達に命じてくれれば、なんだってするわ!オクサーヌさんだって、事情を話せばきっと分かってくれるに違いないわよ!」
アーロン「アースラ・・・」
ジェイソン「アーロン君。君は自由になった。そして彼女たちもまた同じ・・・負債という鎖から逃れるため、こうして戦っているんだ」なでなで(右肩ですやすや寝ているルチアのギザギザな頭を撫でている)
アーロン「ウーさん・・・・」
ジェイソン「神殿の権限は君にある。僕としては、爺さんとの契約通り、ヒンメルンに眠る鉱物を彼女たちが抱えている負債の担保代わりに提供さえしてくれれば、それでいい。彼女たちの「時間割」を検討するも良し。より効率化するも良し。すべては君次第だ。アーロン・ロザリー」ちょいちょい(と、指でベックフォードにグラスを取るよう合図する)
アースラ「そうよ!あなたが以前のような白の同盟を再建すればいいのよ!それを知っているのはあなただけ。あなたがオクサーヌさんの意志を継いで、神殿を元通りにして、そして彼女を呼び戻せばいいのよ!」
アーロン「・・・・・・ありがとう。アースラ。感謝致します。ウーさん」
ジェイソン「どうだい?これで僕の印象も少しは良くなったかな?」あはははは(と快活に笑うアースラ。そして彼らの前にあるソファテーブルの上に空のグラスを人数分置いていくベックフォードの顔もまた、あたたかくほころんでいる)
ルチア「う~~ん・・なんだよ、アースラ・・バカみたいに笑いやがって・・」むにゃむにゃ
ジェイソン「ほら、乾杯するよ。この瞬間は君の人生においても、とても大切な意義を持つ。しっかりし・・・ぎゃああああああ」(シンプルにかじられた。どうしたものか慌てるベックフォードの冷や汗)
アースラ「す、すみません

ルチア「あんまん食わせろぉ~!!ばかぁ~!!」バチぃ~~~ん

ふぁさっ・・(その衝撃でアースラが頭に被っているメイドカチューシャ(頭巾)が床に落ちる)
アースラ「いた・・・もう怒ったんだから!!」(と息巻くアースラの蒼いストレートロングな頭の両サイドから、「少し尖った耳」が髪を貫いて立っているのが目につく)
ジェイソン「・・・・・・・・・・・・・」こりゃ~~!!ボカボカボカボカ

アーロン「こらこら、よしなさい、アースラ。ルチアも」スッ・・(その視線に気づいたのだろう。何事もなかったように落ちた頭巾を拾い上げ、すぐさまそれをごく自然にアースラの頭に先程と同じように両耳を隠すように深く被せてやる)
ジェイソン「・・・・・・・・・・・・」(その所作を見逃してはいない様子である)
ルチア「いたぁ~い!!アースラにぶたれたぁ~!!しかもしこたまぁ~!!」あーよしよし(と彼女の存在を思い出したかのように「たんこぶ」だらけの頭を撫でるジェイソン)
アースラ「まったく、こにょもにょめ・・あ、そうだ。乾杯しましょう♪」パンパン

ルチア「あ・・なんの乾杯だ?」
ジェイソン「いいから。それと、アーロン・・もといバーニー君。爺さ・・もといお父上の骸(むくろ)もとい、ご遺体は?葬儀はやるのかい?」
アーロン「しっかり保存してあるよ。ほら、僕らが住んでいる場所は雪がたくさんあるからね。あなたと会う前は、名ばかりの葬儀で片付けようと思っていたが、今一度、神殿に帰って考え直してみるよ。その際はご連絡致します。是非、ウーさんもご出席を」おっけ~(と軽チャラい返事のジェイソン)
ルチア「葬式?献杯け?」むにゃむにゃすりすり(右手で眠気眼を、左手でコブをさすりながら聞く。その奥では各自のグラスにブレスワインを注いでいくベックフォードが)
アースラ「それも含めて乾杯しましょう♪」さぁさぁ(と一同を促してグラスを掲げる)
ジェイソン「それじゃあ、改めまして・・今後共、宜しくということで」スッ・・
アーロン「こちらこそ。ウーさん」スッ・・
アースラ「かんぱぁ~~~~~~い♪」
こてぃ~~~~~~~~ん♪

ゴッゴッゴッ・・ブッブッブッ・・
(夕焼けに映える邸を背景に、いつもの庭園エリアでモスにブタせんべえをあげている視点の主)
ゴッゴッゴッ・・ブッブッブッ・・(「いっつもすんません」的な感じでせんべえにがっついているモスの後ろから、綺羅びやかなジュストコールを纏った男がこちらに向かって気だるそうに歩いていくる)
ジーナ「ご苦労さまでした」スッ・・(身を起こす)
ジェイソン「いやはや。なんだかんだで遊興を楽しんでしまった」(その顔はすっかり赤い)
ジーナ「アーロン・ロザリーに説法する姿は、まるで聖者のようでしたわ」クスッ
ジェイソン「言われると思った。僕を差し置いて悲観している人間をみるとなんだか腹が立つ。君が僕をみるようにね・・。見苦しい姿を晒してしまった。後悔しているよ」やれやれ
ジーナ「・・・・・・・・・・」フフ・・(ジェイソンは照れくさそうに髪をボリボリ掻きながら、酔を覚ますように夕日を見上げる)
ジェイソン「率直なご感想は?」
ジーナ「彼らに嘘はありません。あるがままの運命を生きているだけかと」
ジェイソン「抽象的だな・・・もっとこう、成長した我が子の姿に感動したとか、母親らしい・・・って、君にそれを聞いても無駄か・・」ふぁ~~あ・・
ジーナ「あなたの知らない一面も見れました。非常に興味深い会談でしたわ」
ジェイソン「あ、そう。君が喜んでくれれば何よりだ」
ゴッゴッゴッ・・ブッブッブッ・・(二人で同じ夕日を眺める。モスの「ぼっとくれくれ」という催促の鳴き声だけが聞こえる)
ジェイソン「あ・・そうだ。君も見たろ?彼女の耳。普通の人間では見られない形状だった。どちらかというと・・竜人族に近いか・・・」ふむ・・
ジーナ「アースラ・・・彼女のミドルネームに引っかかっていましたね?」
ジェイソン「まったく・・君に隠し事は出来ないな・・。ベアトリクス・・・債務者に関することはヴィリエに任せっきりだったが、以前に借用書でその名前を見た覚えがある」
ジーナ「なにか問題でも?」
ジェイソン「それがすんなり思い出せれば、僕はもっと荒稼ぎしているさ。今度、ベックフォードに彼女に関する資料を持ってきてもらう。何か君が好きそうなネタがあれば、報告するよ。えーーと、なんだっけ」
ジーナ「ニャ・モンド」フフ・・
ジェイソン「機会があったら、そのぉ・・・今度、僕も行ってみようかと思うんだ・・け・・どぉ~・・・」ちら(子供のような目でこちらの反応を窺うように見てくる)
ジーナ「是非、お待ちしておりますわ」(こちらを見つめるジェイソンの瞳の中で微笑む黒衣のフードを被った美女)
ジェイソン「うん。そうだね。そうしよう」クンッ

ゴッゴッゴッ・・ブッブッブッ・・
(再び顔を上げ、夕暮れ時を共感し合う二人。足元からはモスの「ぼっとおくれ」の声が聞こえる)
To Be Continued

★次回ストーリーモードは6/3(月)0時更新予定です★