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Channel: あたちのモンハン日記
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Recollection No.1_50

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~王都ヴェルド、ジェイソン・ウーの屋敷前....

ザーーーーーーーーーーーーーーー
(見慣れた風雅な内装を施した馬車の小窓越しから、雨に打たれる豪壮な邸宅を見つめている一人称視点)


ザーーーーーーーーーーーーーーー
(首を前に傾けると進路方向側の「いい席」にちょこんと腰を下ろした長いマツエクが特徴の愛らしい隠密毛のメラルー(白装束を纏っている)が例のドラゴンマスクを胸に抱きながら窓の向こうに見える景色を仏頂面で眺めている)

スヘイラ「まったく嫌な雨だニャ」ザーーーーーー(薄紫の綺麗な瞳で遠くを見ながら呟く)

ジーナ「今日は神殿に行くまで時間が掛かりそうですね」ザーーーーーー(少し俯く視点の主もまた白装束を身に纏っており、同じく膝の上に葬儀用の面(東方戯曲に使用される面(黒の下地に不死鳥のように羽ばたく火竜を彷彿させる模様が入った面))を置いている)

スヘイラ「あいつの顔を見るのは暫くぶりだニャ。今頃、監獄のような神殿の柱の陰で一人寂しく震えニャがら、あちきたちが来るのを心待ちにしているはずニャ。二世様にもその無様な格好を見せてやりてぇ~ニャ」フッ(皮肉たっぷりの笑みを浮かべながら窓の外に見える邸の主のことを思い浮かべているようだ)

ジーナ「それならば、もっと早く我々に「救難信号」が届いていると思いますが・・・おそらく進捗状況の報告をされるのかと」ちっ(目の前のスヘイラが舌打ちをする)

スヘイラ「ベックフォードの奴も上手くやっているようですニャ」ペロペロ(手を舐めながらグルーミングしている)

ジーナ「優れた経営手腕を発揮し始めているのでしょう。カーンさんの報告によれば、以前にも増して利益を出しているようです」

スヘイラ「しょれは「ニャにより」ですニャ。ベックフォードはあいつみたいに「意味ニャく」ジーナ様を呼びつけたりもしニャいし、二世様とも問題ニャく取り引きをされているみたいですしニャ」ペロペロ

ジーナ「ヴィリエのように慇懃無礼な態度もなければ、我々の布教活動に監視を置くような真似もしません。これは我々にとっても良いことです」

スヘイラ「誠実な分、あいつの時よりやりやすいってことですニャ。いにしえ麻薬も今では王都の隅々まで浸透していますしニャ。ヴェルドを仕切っている二世様もお札を数えるので大忙しニャ♪」

ジーナ「・・・彼は引き続き、ウルバン親子殺害事件の犯人とヴィリエの件を追っているようです。くれぐれもしっぽを見せないよう気をつけてください」しゅるっ(と長い尻尾を丸めて腰の後ろに隠すスヘイラ)

スヘイラ「あんニャお人好しの気弱、こわくニャいニャ。ウー家にゼニーを借りる連中が多くなった分、前とは違って逃げ切れる連中も多くなるに違いニャいですよ」ししししし

ジーナ「その「処分」を彼が今後どう行っていくのか・・・みてみましょう・・」フフ・・


ザーーーーーーーーーーーーーー
(窓を見つめると邸より続くフラワーアーチに覆われた一本道の下を黒いレインコートを纏ったベックフォードが降りしきる雨を煩わしそうに手で遮りながら歩いていくるのが見えてくる)


スヘイラ「にゅ・・またあいつだニャ」


ザーーーーーーーーーーーーーー
(彼女が言う視線の先には、見るからに王都の人間ではないことを証明する身なりの少女が「ボロボロの傘」を差しながら邸を見上げるように立っている)


スヘイラ「ほら、ニャ・モンドでジェイソンの奴が「そそのかした」子供ニャ」


ザーーーーーーーーーーーーーー
(屋敷より出てきたベックフォードが少女の目線の高さに合わせるように身を屈めながら、何やら説明をしている様子である)


ジーナ「よく来るのですか?」

スヘイラ「ここのところ毎日。かわいしょうに。あいつはとっくに「いニャい」ってのに・・・大人の出来心による優しさが子供に与える期待感をどれだけ大きくしゅるのか・・また裏切らることがどれだけ残酷ニャものか、あいつは知る由もニャいニャ・・。だから金持ちって嫌いだニャ」ザーーーーーーー


ザーーーーーーーーーーーーーー
(より激しく降ってきた雨量に耐えきれない貧弱な傘を両手でしっかり持ちながら、屋敷の外壁を沿うようにとぼとぼと戻っていく少女の悲しげな姿を目で追う視点の主)


ガチャ・・(馬車のドアが開かれる)


ベックフォード「すみません。お待たせいたしました。すぐに出発します」

ジーナ「良いのですか?」(再び窓の向こうに見える小さな少女の後ろ姿を見つめる)

ベックフォード「・・・・・来るたびに屋敷の中や庭園を自由に見てもいいと勧めているのですが・・ウー様と一緒でなければ嫌だと・・・・正直、心を痛めております」ザーーーーー

ジーナ「・・・・・・・・・・・・・・・・・」ザーーーーーーー(再び少女の姿を顧みる)

ベックフォード「お心遣い感謝いたします。・・それでは参りましょうか」


パタン・・(静かに外からドアを閉めるベックフォード)


スヘイラ「ほらニャ。あいつの傲慢が生んだいっときの気まぐれがこうやってたくしゃんの人に迷惑を掛けているニャ。まったく嫌な気分の雨ニャんだニャ!」てぇ~~んハッ(ドラゴンマスクを床に叩きつける)

ジーナ「あの子・・・・」(窓の向こうに少女の姿はもう見えない)

スヘイラ「??」

ジーナ「ウー様の顔と名前を知っています。そして私の顔もまた・・・・」

スヘイラ「・・・・・・・・・・・・・・・・」


ヒヒィ~~~~ン・・パカラッパカラッパカラッ・・






Recollection No.1_50






ザッザッザッザッザッザッ・・(暗がりの洞窟を松明を片手に進んでいくルチアと思しきレイアシリーズに身を包んだ(頭部のティアラのみ着用していない)女性の後に続いていく一人称視点)

ベックフォード「だ、大丈夫ですかタラーもしモンスターでも出たら、ひとたまりもありませんよ?」(背後から彼の弱々しい発言が洞窟内に反響しながら聞こえてくる)

ルチア「だな。フルフルとか出たりな」しっしっしっしっ(構わずどんどん進んでいく)

ベックフォード「フル・・フル・・?」

ルチア「モンスターに疎い王都の坊っちゃんめ。お前みたいなひ弱があいつに遭遇したら、一瞬でプレスされておしまいだろうな。あ、それより鳴き声聞いただけで死んじまうかも」クスクス(彼女の足元に続くドラゴンマスクを被ったスヘイラの背中もまた笑っている)

ベックフォード「なるほど・・ウー様が鍛錬されたがる気持ちも今なら少し理解ができるかも・・」

ルチア「気をつけろ。ヒンメルンコオモリだ。噛まれたらすぐ死ぬぞ」

ベックフォード「へ?」


ワキャアアアアアアア!!
バササササササササ!!

(けたたましい鳴き声と共にコオモリの大軍勢が頭上を通り過ぎていく)


ベックフォード「うひいいいいいいいいアセアセ」(視点の主が気遣い、振り返るとその場にまあるくなってしゃがみこんでいるモコモコ登山服に身を包んだ若き従者の姿が)

ルチア「うひゃひゃひゃひゃ♪貴族ってのはだらしねぇもんだな。死にたくなかったら借金チャラにしな」(言いながらどんどん進んでいく)

ベックフォード「冗談じゃありません!そんな脅迫に負けるほど心は弱くありません!本当ですからね!」わぁ~ったわぁ~ったおいで(とルチアの性悪な返答)

ルチア「着いたぞ。見てみろ、バカ」(立ち止まり、ベックフォードを前に促す)

ベックフォード「まったく・・バカは余計ですが・・・おお~~~~!!」


キラキラキラキラキラキラ・・
(目の前にはブルーに輝く石灰岩に覆われた幻想的な鍾乳洞エリアが広がっており、地面にはカラス細工のように美しい薄青な氷晶の花を開かせた植物がまんべんなく咲いている)


ベックフォード「すごい・・氷の花が・・・・こんなに・・・」

ルチア「ドスパパヴェル・フローズンアルカヌム。な、マジですげぇだろ?」キラキラキラ・・

ベックフォード「これを一人で?」

ルチア「馬鹿言うなよ。さすがにハンターの知識だけじゃここまで育てるのはきびしいぜ。アースラが手伝ってくれたんだよ」

ベックフォード「そう言われれば、彼女の優しさが花に滲み出ている気が・・」(しゃがみ込んで氷晶の花を触ろうとする)

ルチア「触るんじゃねぇバカ!!砕けちまうだろうがムカムカ」むんずっDASH!(彼の髪の毛を鷲掴みにして後ろに下げる)

ベックフォード「いてててアセアセそんなに脆いのかい?」

ルチア「それだけじゃねぇんだよ。この植物に宿っている成分が、砕けた氷の粒子と一緒に散布しちまったら大変だろ?ここにいる全員、ラリっちまうよ」

ベックフォード「そうだったタラーモルヒネが含まれているんだったね」

ルチア「ナイーブで毒を持った女心と一緒だよ。お坊ちゃんは遠くから匂いでも嗅いでな」

ベックフォード「またバカにして・・これでも女性の扱いには慣れているんだぞ。っと、アースラさんにはこの花のことはなんて説明したんだい?」

ルチア「医療品に大変役立つ植物。嘘はついてねぇだろ?」

ベックフォード「そのとおりだ。僕が責任をもって大陸中の病院や製薬を調合している業者に届けてみせる」とん(薄い胸を叩く)

ルチア「おうおう。せいぜい一儲けしてくんな。それよりちゃんと約束は守れよ」

ベックフォード「ああ。ウー様から聞いている。君の報酬をアースラさんの借金に充てるようにってね・・・帳簿は僕がつけているんだ。安心してくれ」

ルチア「頼むぜ。ああ、それとジェイソン・・フランクの野郎から聞いたんだが、アースラの両親が死んだ事件も探ってるんだってな?進展はどうなんだよ?」

ベックフォード「今の所、まるで手がかりなし。アカデミーの事件簿にもそれらしき事例が見当たらないんだ。お手上げ状態さ」やれやれ

ルチア「そっか・・・ずいぶん前のことだしな・・・。ま、それが分かったところで、アースラの奴が犯人に復讐するわけでもねぇだろうし、気長にいこうぜ」

ベックフォード「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」(復讐という言葉に反応したのだろうか。感慨深い表情で地面を見下ろしている)


ちょんちょん(スヘイラが場の空気を察したのか、ルチアの鎧のスカート部を引っ張る)


ルチア「なんだ?」

ササササ・・チョコチョコチョコ・・(花を摘んでそれをどこかに乗せるようなアクションをしてみせるスヘイラ)

ルチア「ああ、これをどうやって輸送するのかって?」

うんうん(へんてこなポーズのまま頷くドラゴンマスクのスヘイラ)

ルチア「面倒だが、ひとつひとつ布にくるんで梱包するしかねぇ。まぁ、それだけの価値があるからな。神殿の手先が器用な女子総動員でやればそう時間は掛からねぇさ」てんてん(心配してくれたヘラの頭を愛でるように軽くたたいてやる)

ベックフォード「お願いします。報酬は、はずみますよ♪」うさんくせぇ~(とルチア)

ルチア「これでちゃんと栽培をしてるってことは証明できたろ?神殿に帰ろうぜ。きっとバーニーとフランクも狩猟から帰ってきてる頃だ」

ベックフォード「すごいな・・ウー様が本物の狩猟だなんて・・・再会するのが楽しみだ」

ルチア「よくやってるんじゃないの?今のところ、あたしの「しごき」にも耐えてるし。賓客扱いだからよ、基本的にバーニーと一緒に行動してることが多いけど、積極的に採掘も手伝ってるしよ、すげぇ生き生きしてるのは確かだよ」

ベックフォード「そうか・・・・ウー様「も」自分の居場所を見つけられたのか・・・」(小さく呟く彼の言葉の真意を聞き逃さなかった視点の主)

ルチア「さ、ほいだら行こうぜ」パキョッハッあむっDASH!(氷晶の花をへし折ってそれを食べてしまう)

ベックフォード「いっ!?」

ルチア「マジやべぇくれぇキマるぞ。やってみっか?」シャリッシャリッ(氷のお花を咀嚼している)


勘弁してくれぇ~~~アセアセ(と、「両手を上げながら」鍾乳洞内のお花畑を逃げ惑うベックフォード。それを見てケタケタと笑っているルチアとヘラ。視点の主もまた小さく微笑んでいる様子である)

To Be Continued






★次回ストーリーモードは7/29(月)0時更新予定です★







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