~ユクモ学校法人私立バベル中学校(通称「バ中」)
校庭の脇に植えてある立派なユクモの大木の下で雄と雌のフロギィが肩を寄せあってる
毒子「毒雄先輩・・・私が徹夜で作った、毒テングダケ入りのチョコレート・・受け取って下さい」スッ(あのほそっこい両腕でプレゼント箱を手渡す)
毒雄「毒子くん・・僕の為に・・・徹夜で・・・?」
毒子「そうよ。先輩」
毒雄「なんて健気な毒子くんなんだ・・・ほら、爪の間がチョコレートでぺっちゃりしているじゃないか」ぎゅっ(優しく握る)
毒子「チョコの中に毒を入れたから少し「しみる」けど・・そんな痛み、先輩への煮えたぎる毒よりも熱い愛情で直してみせるわ!!さぁ、先輩!!そのパンドラの箱を開けて、毒入りハート型紫チョコに詰まった、毒以上にタチの悪い「あたしの先輩を独り占めにしたいという女ならではのいけない独占欲」を味わって頂戴!!」
毒雄「毒子くん・・!!君のそんなワガママなところも・・・好きだぁ~~~~~!!」カパッ(箱を開けた)
ほわほわほわほわ・・・・
(箱の中にちんまりとしたあんまんがひとつ)
「あたちのモンハン日記」
~Break Down My Valentine~
~バ中校内
アイルーの女の子「きゃああああ!!なにこれ!!あたしのチョコがあんまんに変わってるぅ~」
メラルーの女の子「あたしの高級チョコもあんまんになってるぅ~」
ざわざわガヤガヤ・・
(校内の廊下は女子たちの悲鳴で阿鼻叫喚と化している)
ザンコ「はぁ~!?一体全体なんなんですの!?ギャアギャアうるさくって居眠りもぶっこけませんですわぁ~~!!」ぷんすか(すんげえ怒りながら廊下を我が物顔で練り歩く中二の猫)
トンコ「いったい何のしゃわぎニャんだ!?リカ!!え~!?」(片手にベリオS猫包丁を持っている)
リカ「何だろうね・・みんな「チョコがあんまんになった」って言ってるみたいだけど」きょろきょろ
ザンコ「はぁ~!?それって何の戯言ですの!?誰かとっ捕まえて尋問したらよくってですわ!!ちょっとそこのあなた!!」グン(人型三つ編み女子の後ろ襟首をとっ捕まえて転ばせる)
リカ「・・・(そんなに荒っぽくしなくても・・)」
女子「いったい・・あら、ザンコちゃん」
ザンコ「一体何をさっきからギャアギャア騒いでるんですの?」
女子「それがね、女子が男子に渡そうと持ってきたチョコレートが、みんなあんまんにすり替わってるのよぉ~もう学年委員長としてどうしていいか分からなくてぇ~」あたふた
トンコ「あたふたするニャ!見苦しい!!」ぺちーん(頭を引っぱたく)
リカ「・・・・・(なんてことを・・)」
ザンコ「だいたい内容は分かりましたわ。もう行っていいですわよ」くん(顎で「行け」ってやる)
ててててててて(逃げるように去っていく三つ編み女子)
リカ「・・・・・(もはやエリアを仕切るマフィアみたいだ)」
トンコ「みゅうう。しょういえば今日はヴァレンタインデーにゃ。しょのチョコがあんまんにすり替わっているニャなんて・・・」
ザンコ「珍妙な事件ですわね」ふん(周りで慌てふためく女子達を冷ややかな眼差しで見てる)
「せやろ。まさしく謎や・・ミステリーやで!!」
トンコ「みゅううう!!おまいは!?」
リカ「すあまちゃん!」
すあま「クックックック・・・おもたとおりやで・・。学校中、大騒ぎやないか」きょろきょろ
鉄平「へぇ~、ここがトンコの通う学校かぁ~」きょろきょろ
フラワー「いいわね、学校って♪」ワクワク
リカ「きゃあああああ!!龍之さぁ~ん♪あたしのチョコ、貰ってくださぁ~い!!」ドカドカドカドカ(みんなを弾き飛ばして鉄平の前に行く)
鉄平「え、え、え、え」
フラワー「あら。いいじゃない。貰ってあげれば?鉄平」にやにや
鉄平「え、え、え、え、え、え」あたふた
リカ「これ、昨日アマンダでお小遣い奮発して買ってきた「フカヒレ入りチョコレート」です!!どうぞ!!」カパッ(蓋を開ける)
鉄平「あ・・」(箱の中身を見る。背中越しにフラワーも覗いてる)
ほわほわほわほわ・・
(あんまんが入ってる)
リカ「ぎゃああああああなんじゃこりゃ~~~!!」ポ~イ
(びっくりして箱ごとぶん投げる)
ザンコ「本当にチョコがあんまんになっているのですわね」
トンコ「儚い恋心もすぐに散ったニャ」
フラワー「残念だったわね、鉄平」にやにや
鉄平「ば、ばか野郎!冗談はよせやい」
フラワー「すあまちゃん。あなたの予測した通り、学校でも同じ事件が起きているわね」
すあま「せやろがい。思うたとおりの大パニックやで・・・まさに・・・あんまんパンデミックやで!!」
きゃああああああああああああああああ・・・・!!
(校内では、チョコがあんまんになっているのを気づき、慌てふためき逃げ惑う女子たちで溢れかえっている)
リカ「もう!誰がこんな酷い真似をしたのよぉ~」お~いおいおい
ザンコ「私はこのような資本世界が生み出した催し事に興味はありませんが、清い女心を踏みにじる行為は許せませんですわ」
トンコ「同感だニャ。女子が徹夜で作ってきたチョコをあんまんにすり変えるなんて、悪逆無道ないたずらニャ!」
すあま「そこであんたら「中二おてがらトリオ」の出番っちゅうことやん」
鉄平「なに!?すあま!!こいつらがお前の探していた・・・!」
フラワー「中二おてがらトリオ!!」ガガーーーーン
トンコ&ザンコ「・・・・(改まって言われると少し嫌だな)」
すあま「今回の「ヴァレンタインデーチョコがあんまんにすり替わる事件」を解けるのは・・あんたらだけや!」びしっ
リカ「え~~~~~!!またあたし達がやるのぉ~~~!?超最悪~~~~!!」
トンコ&ザンコ「・・・・(心底嫌なんだな)」
~数時間後
バ中、裏庭。農場部の畑
ザンコ「なんなんですの?またここで待機するなんて」(茂みに隠れてる。もちろん頭には葉っぱをつけてる)
鉄平「おいトンコ。本当に犯人はここに来るのか?」(同じく)
トンコ「任せるニャ。作戦はばっちりニャ」(同じく)
ちょもん(畑にチョコレートの山が置いてある)
リカ「本当にあのチョコレートの匂いを嗅ぎつけて犯人が来るのぉ~?」(当然頭に葉っぱ)
フラワー「チョコレートの下に落とし穴を設置してあるから、後は犯人が来れば・・・」(同じく)
すあま「全ての謎が解けるっちゅう寸法や」(同じく)
鉄平「バッカらしい。こんな罠を張るより、とっととUBUのやつを探しだして顔面ぶん殴った方が早いと思うけどな」
フラワー「でも証拠がないわ。ねぇ、すあまちゃん」
すあま「そや。私にはどうも今回の事件は、あのあんまんのおねえはんの犯行には思えへんのや・・」
こそこそ・・ててててて・・・・
(畑に誰かが入ってくる)
鉄平「誰か来たぞ!」
トンコ「静かにするニャ!」
てててててて・・・きょろきょろ・・・・じーーーーー
ザンコ「畑のチョコを確認しましたわ」
フラワー「あとはチョコの山に近づいてくれれば・・」
ソロぉ~リ・・ソロぉ~リ・・・・
リカ「チョコを取るつもりだよ!」
すあま「ええ調子や・・・・あと一歩・・!」
ドシャーーーーーーーーン
(落ちた)
鉄平「おっしゃ~!!とっ捕まえろ~!!」ガサッ(茂みから出る)
ザンコ「現行犯ですわぁ~!!」ガサッ
トンコ「まずは犯人の顔を確認するニャ!!」ブンブンブン(ベリオS猫包丁をぶん回しながら落とし穴に接近していく危険児)
「いたたたたた・・・・・」(穴から声がする)
鉄平「コラァ~!!面、見せろぉ~!!」
トンコ「みゅううううう!?お、おまいは・・・!!」
トンコ「川村玄竜~!!」
玄竜「いたたたた・・・なんだ?またお前たちの仕業か」(穴の下からみんなを見上げる)
ザンコ「それはこっちの台詞ですわ!!この変態害虫おやじ!!」
リカ「またおじさんが犯人だったのぉ~?」
フラワー「ねぇ鉄平。あの方、どなた?」
鉄平「カーブーの親父さんだよ。しょうもない」
玄竜「こら~!!ここから出さぬかぁ~!!」ぷんすか
すあま「その前に尋問や。おっちゃんが村中の女子が持ってるチョコレートをあんまんにすり替えた犯人やな?」
リカ「そんなストレートに聞いても答えるわけ・・」
玄竜「そうだ。私が犯人だ」きっぱり
リカ「あった・・」
鉄平「てめぇかぁ~!!フラワーが俺のために作ったチョコを盗んだのはぁ~!!」バッ(穴の中に入っていく)
玄竜「ぎゃあああああああ!!」ポカポカポカポカポカ(狭い穴の中で鉄平にマウントを取られ上からぶん殴られてる)
すあま「おっちゃん!答え~!!なんでチョコをあんまんにすり替えたんや!!」
フラワー「鉄平!ストップ!!」
鉄平「ちっ・・・ほら、すあまの質問に答えろ」スッ(血みどろの拳を引っ込める)
玄竜「・・・・・いいだろう・・・答えよう・・・」(マスクから物凄い血が流れてる)
トンコ「聞かせるニャ」
玄竜「母さんからのチョコだけじゃ・・・物足りなかったから・・だ」
鉄平「・・・・・・・・・」
フラワー「・・・・・・・・・」
リカ「本当にそれが・・・」
ザンコ「犯行理由ですの・・・?」ぷるぷる(怒りを抑えてる)
玄竜「嘘偽りない。母さんからのチョコ一個じゃ物足りず、UBUの農場にたくさん積んであった「あんまんが入った和せいろ」から、出来立てのあんまんを盗み、村中の女子のチョコとすり替えたのだ。チョコをただ盗むだけでは・・悪いからね。てへっ♪」カパッ(マスクの口がカパっと開き、ベロを可愛く出す)
鉄平「ちっとも可愛くねぇ!!」バコーーーーーーーン(殴った)
玄竜「許してくれぇ~!!チョコが・・・チョコが単純にもっと食べたかったのだぁ~!!」バキバキバキバキ(すんごい殴られてる)
フラワー「おじさん、じゃあすり替えたチョコは・・?」
玄竜「もちろん全部頂いたぞ。てへっ♪」カパッ(マスクの口がカパっと開き、ベロを可愛く出す)
鉄平「殺してやるわぁああああああ!!」バコーーーーーーーン(顔面を蹴った)
トンコ「ニャンとも・・まぁ・・無事に解決して良かったニャ」
すあま「フフフフ・・あんたら「中二おてがらトリオ」を選んだ私の目に狂いはなかったっちゅうわけや」
リカ「・・・・(そうかしら・・。今回はあんまし何もしてないけど・・)」
UBU「お~い!みんなぁ~!!」タッタッタッタッタ
トンコ「みゅう?ありは、UBUにゃんだニャ」
フラワー「あら、どうしたましたの?UBUさん」
UBU「ここに玄竜のおじさまが来なかった・・って、いた」(穴の中で鉄平に散々殴られてる玄竜を発見する)
フラワー「おじさんを探していらしたのですか?」
UBU「そう。集会浴場でチョコレートがあんまんにすり替えられてるって聞いてさ。急いで農場に保管してあったあんまんを見に行ってみたらもぬけの殻ってわけ。それで村人に怪しい人物が農場に入っていくのを見たかどうか聞いていたら、石塚さんが玄竜のおじさまが農場に入っていくのを見たって言うもんだから、おじさんをずっと探してたのよ。まさかここにいるとは思わなかったけど」
鉄平「UBU。危うくお前を疑うとこだったよ。これもてめぇのせいだぞ!!ほら、出ろ!!」ブン(穴から玄竜を放り出す)
玄竜「おげえええええ」すて~ん(UBUの足元に尻もちをつく)
UBU「玄竜のおじさまぁ~」ぬぅ~(顔を近づける)
玄竜「ひいいいいいいい!!」
UBU「おじさんが盗んでいったあんまんはね、あたちがヴァレンタインデーのチョコの代わりに村人にあげるつもりだったやつなのよ!!」ぷんすか
リカ「・・・・(どの道、配るつもりだったんだ)」
UBU「あんまん協定第三条・・・他人のあんまん盗むべからず・・・いいことおじさま?その罪は万死に値するわ。けど顔見知りってことで罪は少し軽くしてあげる・・。よく聞きなさいな。ユクモ商店街のあんまんを作ってる店という店のお手伝い、六ヶ月間!!その奉仕活動で許してあげるわ!!分かったら今から奴隷の如く働いてもらうわよ」むんずっ(玄竜のパンツを掴んで引きずって行く)
玄竜「助けてくれぇ~!!」
UBU「うるせえ!!この甲斐性なしめ!!死ぬまで労働させてもいいのよ!!」グン(パンツを持ち上げる)
玄竜「ヘルプミー!!プリーズ・・・プリーズ!ヘルプミー!!」
ズルズルズルズル・・・・・(引きずられていく玄竜)
トンコ「・・・・・・・・・・」
ザンコ「・・・・・・・・・・」
ひゅうううううううううううう
すあま「帰ろっか・・」
鉄平「そうだな・・」
リカ「あ、龍之さん!待って下さい!」
鉄平「ん?」
リカ「あのぉ~・・またチョコ作ったらぁ~・・受け取ってくれますかぁ~?」もじもじ
鉄平「あ、わりぃ。俺、こいつと婚約中なんだ」ガッ(フラワーの肩を抱き、紹介する。お辞儀をするフラワー)
リカ「え~~~~~一人浮かれてた自分が超みっともなぁ~い!!」ガーーーン
トンコ&ザンコ「・・・・・(チョコがあんまんにすり替えられて、少しはショックを受けずに済んだ人もいるっていうことか・・どちらにしても・・・気の毒に・・)」
~翌日
ユクモ商店街
UBU「こりゃ~!!もっとあんまんを運べ~!!」ぱし~ん(鞭を叩く)
玄竜「うげえええええええええ」(道の真中で、和せいろを運びながら鎖の首輪をつながれ、背中を鞭で引っ叩かれる中年)
鉄平「ザマァねぇな。おっさん」ズズ~(喫茶アマンダのオープンテラス席に座り、ホットコーヒーを飲みながらその様を眺めてる)
フラワー「でも少し可哀想な気も・・」(同じテーブルに座ってる)
鉄平「自業自得だよ。あのまま一生、UBUの眷属としてその生涯を過ごせばいいんだ」ズズ~
フラワー「あ、そうだ。はい、鉄平。これ」スッ(プレゼント箱を出す)
鉄平「え・・・これって・・」
フラワー「新しく作ったチョコレートよ今度は平気だと思うから、開けてみて♪」
鉄平「あ、ありがとう!!」カパッ(蓋を開ける)
ほわほわほわほわ・・・・
鉄平「・・・・・・・」(蓋を開けたまま固まってる)
フラワー「え!?嘘!?また!?」バッ(箱の中を見る)
ほわほわほわほわ・・・・
(出来立ての「ザ・あんまん」が箱の中にちんまりと)
フラワー「また・・・あんまん・・・」あんぐり
鉄平「なんでだぁ~!!」ぷんすか
UBU「あ~、それね。あたちがすり替えておいたわよ」にやりん(玄竜の首輪を引っ張り、いつの間にか鉄平達のテーブルの後ろに来てた。玄竜は跪いている)
フラワー「え・・?どうして・・ですか?」きょとーん
UBU「お子ちゃまの鉄平にフラワーちゃんの愛情たっぷりチョコはまだまだ早いわよぉ~♪育ち盛りの鉄平には、あんまんが、い・ち・ば・ん、ってね♪」ペロッ(舌を出す)
鉄平「じゃ・・じゃあ・・・俺の本命チョコは・・・・?」わなわなわな・・・・
UBU「もちろん、あたちが食べたわよ♪」ペロッ(舌を出す)
フラワー「・・・・・・・」ぽかぁーん
鉄平「なに呑気に「やっちゃいました」的な感じでベロ出してやがるんだ・・」わなわなわな・・
UBU「あんこもいいけど、たまにはカカオも取らなきゃね。とぉ~っても美味しかったわよ、フラワーちゃん♪」
鉄平「今日こそぶっ殺してやるぅ~~~~~~!!!!!」ガターン(テーブルをひっくり返し襲いかかる)
UBU「うぎゃああああああああああああ」ボコボコボコボコ(顔面をメインに殴られてる)
玄竜「うぎゃあああああああああああああ」ボコボコボコボコ(ついでにぶん殴られてる)
フラワー「ハァ・・・本命チョコは、また来年・・・・ね♪」くすっ
鉄平「あんまんなんかいらねぇ~~~~~~!!チョコをくれぇ~~~~~~~~~!!ウワァ~~~~~~~ん!!」(天下の往来で泣き叫ぶ。その足元に血みどろのUBUと玄竜が倒れてる)
Break Down My Valentine/完ひと読みしたのならポチっとなでキマリ
UBU「で、で、で、出たぁ~!!ちょえ~!!久々の「たまご運んであぼっちぼっちバナー」!!皆様のチョコもメダルもいいけど、やっぱり金のたまごが一番♪的な一票で一生応援して下さいねぇ~♪」
バラン「よぉお嬢さん。相変わらずバカ丸出しだな」
UBU「ちっ・・この弁当売りが・・。何用で来た」
バラン「最近出番があんまりないからな。積極的に出れる所があれば顔を出そうと思ってな。で?次回は何をやるんだい?」
UBU「ひょっひょっひょっひょ。ズバリ、決まってない。つまり、ザ・決まってない」にやりん
バラン「ほんとしょうもねぇなぁ~」
UBU「とりあえず更新日はぁ~」
2/16(日、大安、一粒万倍日)0時更新予定だす
バラン「ん・・上の文章の最後の絵文字はなんだ?」
UBU「かまぼこよぉ~」にんまり
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Break Down My Valentine~PART2
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