ツカツカツカツカ・・
(と引き続き視点の主を中心に並びながら「クリスマスな回廊」を練り歩いていく仲良し三人組。ヴィルヘルムは時折、先程ひっぱたかれた背中を気にしながら...)
キンババ「ずいぶん立派な建物だけど、いつ建てたんだい?」
ムーア「しんない。あたちが生まれた時にはあったよ。その時は雪崩で埋もれていて、掘り返すのに大変だったみたい」フリフリ

キンババ「外街は集団生活の中に危険があるけど、こっちは自然が相手だもんね・・」
ヴィルヘルム「モンスターだって出るんだろ?」
ムーア「そそ。あ、ほら!」
フオン・・・フオン・・・・
(回廊から見上げる青空を雄大に舞う赤い火竜の小さな姿が確認できる)
ヴィルヘルム「マジか!?本物のワイバーンだ!!」
キンババ「襲ってきたりしないよね

ムーア「だいじょぶ、だいじょぶ。神殿に遊びに来たことは一度もないよ」
キンババ「遊びにって・・友達じゃないんだから

ヴィルヘルム「キャッスルみたいに砲台やバリスタはねぇのか?」
ムーア「ないよ、そんな危ないもの。ルチアが前に言ってた。いつか人間は自分たちで創り上げたおそろしい兵器によって滅ぼされるだろうって」
キンババ「歴史は繰り返す・・・ポレット先生も同じことを言っていたよ。大昔、人類と竜族が大陸の覇権を争ったという大戦争の時も、結局、人間は自分達で創った殺戮兵器が制御できなくなって、竜族を攻撃するのと同時に自分達も壊滅的な打撃を受けたって・・」
ヴィルヘルム「でもそのおかげで戦争は終結したんだろ?戦いに多少の犠牲はつきものだぜ。・・って、うちのパパはよく言ってる」ほじほじ(鼻をほじりながら。当然スクリュー方式で)
キンババ「そのためのモンスターハンターなのさ。二度と人類と竜族の間で大きな争いごとが起きないように、彼らがモンスターの個体数を絶滅しない程度に調整して、自然を保ちながら上手に僕らと共存できる世界の均衡を作ってくれているんだ」
ヴィルヘルム「均衡なんてもの、ぶち壊すためにあるんだ。・・って、パパがよく言ってる」ほじほじ
キンババ「そんなの横暴だよ。そういう支配的な考え方が争いを生むんだ」
ヴィルヘルム「そんな甘っちょろい考え方じゃ、外街では生きていけねぇぞ」
キンババ「お父さんと同じこと言わないで。いいんだ。僕は学者になって外街を「卒業」するんだから」ふん
ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ヴィルヘルム「どうした?」
ムーア「うううん。二人ともすごいなって思って。あたちなんか、モンスターハンターになるっていう目標以外、将来の事とか世界の事とか、ちゃんと考えたことないもの・・」しょんげり
ヴィルヘルム「あんまんばっかり食ってるからだな」なにを~~!!(と食い気味に飛びかかる視点の主。仮にも女の子)
キンババ「もう、クリスマスの日くらい喧嘩するのはやめなよ・・・おや?」むにぃ~~~~(とヴィルヘルムの口を両サイドに大きく開くも、彼は微動だにせず仏頂面をキープしたままである)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(回廊の突き当り、右側に見えるドアからシセが酒瓶を片手に出てくるのが見える)
ムーア「プレゼントを調達したみたいだな・・」フフ・・
シセ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」スッ・・(こちらの視線に気づき、咄嗟にワインらしき酒瓶を背中に隠しながらそれとなく歩いてくると、口笛と共に回廊の曲がり角をそそくさと右折して消えていく)
キンババ「なんの部屋?」
ムーア「倉庫だよ。あんまり行ったことないけど」
ヴィルヘルム「行ってみようぜ!」ダッ
Recollection No.5_28
~神殿のクリスマス~
タッタッタッタッタッ・・・(ヴィルヘルムの背中に続いていく)
ガチャ・・(人んちの倉庫のドアを躊躇なく開けて入るヴィルヘルムの後ろ姿)
キンババ「龍の尾に行ったときを思い出すね♪」うふふふ(顔を見合わせて笑い合う)
ヴィルヘルム「なんかおもしれぇものがないか探すんだ」ザッザッザッザッ・・(ダンジョン的な感じで中に入っていく彼のやたらと姿勢の良い後ろ姿)
ムーア「う~~~~ん・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(見渡す倉庫の中は大タルの列をはじめ、現在は主に食料庫として使用している様子である)
キンババ「何もなさそうだね・・」きょろきょろ(する奥では大タルの中に「頭から」突っ込んで足をパタパタさせているヴィルヘルムの姿が)
ムーア「・・・・・・・・・・・・・・」(見上げる天井の奥は何やらすす汚れている)
キンババ「火事でもあったの?」
ムーア「知らない・・・・」(つぶやくように答えると、天井の火災痕を見上げながらおもむろにその真下へと歩いていく)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(かなり広範囲に火災があったことを示す不気味な黒い汚れを見上げている)
ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・ギョルギョルギョルギョル
(すす汚れが突然、生きているのかのようにとぐろを巻き始めていく)
ムーア「!?」
ボギャアアアアアアアア!!
(渦巻く黒い瘴気が、黒い龍と化して襲いかかってくる)
ムーア「うわあああああああああ!!!!!」
ずでぇ~~ん

キンババ「ムーア!!どうしたの!?」ダッ
ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」はぁ・・はぁ・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(天井の火災痕は何事もなかったかのように沈黙している)
ムーア「・・・・・・・・・・・・・・」ゴシゴシ(目を何度もこすってみるも、天井に異変は見当たらない)
キンババ「大丈夫?」
ムーア「うん・・・なんでも・・・なんでもない・・・・・」はぁ・・はぁ・・・
ヴィルヘルム「おい!こっち来てみろよ!」(と、彼の声が)
ムーア「行ってみよう」(気を取り直し、手招きしている彼の方へ向かう)
キンババ「何を見つけたの?」
ヴィルヘルム「あれ、見てみろよ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(指差す方向を見ると左右にびっしりと大タルが積まれた通路が見え、その突き当りには「首から上が欠損した」少女の石像が見える)
キンババ「美術品かな・・・」
ムーア「あたちも見たことない」
ヴィルヘルム「近くで見てみようぜ!」
「やいガキども!」
ムーア「ひい


ガチャッ(振り返るとドアの向こう側からしてやったりの笑みを浮かべているルチアの姿が)
ルチア「こんな所にいやがったのか。おトキさんが探してこいってよ。娯楽室でバックギャモンして遊ぶんだろ?」
ヴィルヘルム「お!やろうぜやろうぜ!!」ダッダッダッダッ

ちら・・(視点の主は再び遠くに見える少女の石像を顧みる)
ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(首から上が欠けた少女の石像はどこか寂しげに見える)
ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
キンババ「さぁ、僕らも行こう」
ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ちら・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(そして再確認するように天井に広がる黒い汚れを気にかける)
ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
キンババ「ムーア?」
ムーア「・・・・・うん。行こう」
タッタッタッタッタッタッタッ(倉庫を後にする二人。開かれているドアの向こう側からはなんだかホッとする太陽光の明かりが視点の主を照らしてくれる...)
To Be Continued

★ストーリーモードクリスマスSP第三夜は明日12/25(水)0時更新予定です★