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猫民戦線~PART9(最終話)

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グラグラグラグラ!!
(依然として大きく波打ちながら揺れる架け橋)


猫陳景「ゾフィさん!!」ぷらぷら・・(架け橋の外側から片手で必死に橋の床板を掴んでいる)


ゾフィ「クソ・・・待ってろ・・陳景さん!!」クラクラ(目眩状態になりながらもてすりに近づく)


ユーリィ「・・ファイト・・」(揺れる橋の上で転ばぬ様、四つん這いになってその様を応援してる健気な姉)


グラングラン!!








「あたちのモンハン日記」
猫民戦線(最終話)









ゾフィ「おっしゃ・・ここまで来れば・・!」たしっ(フラフラになりながらもようやく陳景がぶら下がっている場所に到着し、手すりのロープを掴む)

猫陳景「ゾフィさん・・!」ぷらぷら・・・

ゾフィ「ああ、大丈夫だ。すぐにその生き地獄から引き上げてやっからな」ぱしっ(板を掴んでいる陳景の手を両手で掴む)

猫陳景「ふふふ・・ゾフィさんの手は温かいですね」ぷらぷら・・

ゾフィ「この状況でそんな戯言ぬかせる余裕があるなら平気そうだな・・いいか、一気に引っ張り上げるぞ!」

猫陳景「あなたを信じていますよ」にこ

ゾフィ「上等だ!!」グン(力を入れる)


ギャイイイイイイイイン!!
(音響衝波がゾフィを襲う)


ゾフィ「ぬああああああああ!!」(脳裏をつんざく音響障害にも負けず、陳景の手は決して離さない)

猫陳景「ゾフィさん!!」グラン・・グラン・・!

ユーリィ「・・・ウル・・・!」ちら(橋の入口を見る)


ウル「チャッチャッチャッチャッチャ。そうはさせないっチャ」(橋の入口に立つ、何やら「おかしげな面」を被ったギルドナイト。その右手には無造作に灰虎猫の尻尾を掴んでぶら下げている)

ゼット「ちきしょ~!!こんな辱めってあるのかぁ~!?離しやがれ!!」じたばたじたばた


ユーリィ「・・・・・・・・・」グラングラン!!


ウル「残念だっチャが、おねえちゃま。もうさよならの時間だっチャ。おかちいけど」くすくす


ゾフィ「このクソガキ・・てめぇは必ずこの俺が斬り刻んでやっからな!!」グラングラン!!


ウル「虚勢を張るのもそこまでだっチャ、口の悪いおねえちゃま。プププ・・今にも激しい揺れで壊れそうな橋の上で、まだ「ちいちゃい子」に必死になって罵声を飛ばす死刑執行前のハンター・・笑っちゃう」くすくす


ゾフィ「何がギルドナイトだ・・・てめぇらも立派な人殺しだろうがぁあああああ!!」

ユーリィ「・・一人殺せば罪にとわれ・・十万人殺せばナイト(官位)を与えられる・・何時の世も不当な矛盾だらけ・・」


ウル「末梢と殺戮、殲滅とジェノサイド、根絶にホロコースト・・についての違いと善悪を問うているっチャか?その正当性は組織に仕える者とそれに反逆する者によって使い分けられるっチャ。つまりギルドナイトのウルチャマ達は断罪を処す者であり、重犯罪人のおねえちゃま達は審判を受ける者・・その違いっチャ」


ユーリィ「・・・・・・・・・」グラングラン!!(大きく揺れる橋の上で四つん這いのまま青空を眺める)

猫陳景「ゾフィさん・・・」ぷらぷら・・(床板を持つ弱々しい手を、しっかりとゾフィの両手が包んでいる)

ゾフィ「ああ・・大丈夫。大丈夫だ」(陳景には決して顔を見せず、俯いたまま答える)

猫陳景「言い返しましょう」

ゾフィ「陳景・・・さん」ちら

猫陳景「少なくとも私にとっては、あなたは頼れる素敵なボディガードなのですから」にこ

ゾフィ「・・・・・ケッ。反吐が出る台詞ばっか言いやがる猫にゃんだぜ」くすっ

猫陳景「フフフフフ」ぷらぷら

ゾフィ「少しの間手を離すぞ。しっかり掴んでいろよ」スッ

猫陳景「はい」


グラングラン!!
(依然として橋は揺れを止めない)


ゾフィ「・・・・・・・・」ザッ煙(揺れる橋の上をものともせず勇ましく立ち上がり、ウルを睨みつける)


ウル「ンバ?」


ゾフィ「確かにおめぇの言うとおり、俺達は自ら公共の敵である立場を選んだ」

ユーリィ「・・・・・・・・・」(空を眺めている)

ゾフィ「その理由を聞かれれば答えたくもねぇし、もちろん思い出したくもねぇ怨嗟と憤激の過去だからだ」


ウル「そんなのウルちゃまだって同じだっチャ。だから・・」


ゾフィ「だから違うんだよ。俺達とてめぇはな」


ウル「・・・・・・・」


ゾフィ「何の恥ずかしげもなく悲惨な過去を他人に語らい、ギルドの名の下、闇で暗躍する工作員の道を選び、未来の自分を頼れる仲間と共に賭けたてめぇの信念と決断は・・俺達、本物の闇の住人には溶けちまうほど眩しすぎるんだよ」


ウル「・・・・・・・」


ゾフィ「バカにしてるわけじゃねぇんだ。ただな、誰にも属してねぇ新大陸きっての犯罪都市、サザンゴッドの住民代表として言わせて貰えば・・」


ウル「ンバ?」


ゾフィ「このニャンゴラで・・」グッ(背中に背負ってる双剣の柄を両手で静かに握る)


ウル「??」


ゾフィ「このニャンゴラで今も奴隷となり、労働を通じた絶滅を強いられている猫にゃんすら救えねぇてめぇらナイトが、恨み骨髄に徹したマイノリティを裁くことなんざ・・・ギルドが許してもこの俺が許さねぇえええええええ!!」ジャキーーーーン炎(鬼神化)

ユーリィ「・・よくぞ言った・・」パチパチパチ

猫陳景「フフフ・・・実にあなたらしいご意見ですぞ」

ゾフィ「さぁ、これで終いにしようぜ!!工作員であるてめぇらギルドナイトと、サザンゴッドの俺達ディオマリアシスターズ、どっちが本物のダークナイトなのか決着をつけようぜ!!」ブーーーーン煙(双剣を振り下ろす)


ウル「気に入らないから、興味ないふりをしてただ従属に抗う姿勢を見せるだけじゃ、何も答えは出ないンバ。そんな甘えた大人は・・・ワガハイが修正してやるっチャアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!

ギャイイイイイイイイイン!!


ゾフィ「だろうなクソガキ!!だったら俺とてめぇは一生戦い続ける世のシステムに沿ってるってことだぜぇえええええええ!!」ザンぎくっ(双剣で床板を突き刺し音波衝撃と振動効果に耐える)

猫陳景「ふぬぬぬぬ・・・!!」ぎゅっ(床板を強く掴む)

ユーリィ「・・・・・・・・」バサッ傘(傘を広げた)


バゴオオオオオオン!!
(橋の中心が大きく波打ち大破する)


ユーリィ「・・・いやぁ~ん・・・」ファサッ傘(飛んでくる床板の破片に広げた傘を向ける)

猫陳景「ゾフィさぁあああああああん!!」ブワッ!!(音波と橋の大破の衝撃で床板を離してしまい、空中に吹き飛ばされる)

ゾフィ「陳景さぁあああああああああん!!」ダッダッダッダッダッダッsss
(崩れ落ちていく床板の上を颯爽と駆けていく)

猫陳景「ゾフィさぁあああああああん!!」

ゾフィ「うおおおおおおおおおおおおお!!」バッ煙(空中上に浮かぶ一枚の床板の上を飛んだ)


バシュッ!!
(空中で陳景をキャッチする)





ビュオオオオオオオオ・・・・・
(陳景をしっかり胸に抱いたまま、頭から奈落の底へ落下していくゾフィ)



ウル「クライアントを見捨てない素晴らしいプロ根性だっチャ。けど残念、奈落の底に落ちていくだけっチャ。それはおねえちゃまも同じ・・・・」ちら


バラバラバラバラ!!
(架け橋の床板が次々と大破し落下していく)

ユーリィ「・・・あ~れぇ~・・・」バゴーーーーーンジャンプ(床板ごと落下)


ひゅううううううう・・・・・
(傘を広げたまま崩れ落ちていく床板と共に落下していくユーリィ)




パラパラパラ・・・・・・・
(大地の裂け目を繋ぐ架け橋は跡形もなく崩れ去っていく)





・・・・・・・・・・・・・
(両方の陸地に「橋が架かっていたのであろう」と思わせる程度の残骸だけが残る)




ウル「ミッチョンコンプリート。脱出ルートの架け橋破壊工作、無事に終了・・ンバ♪」






ビュオオオオオオオオオオオオ!!
(陳景を抱いたまま断崖絶壁に挟まれた裂け目の穴を頭から落下していくゾフィ)


猫陳景「ゾフィさん・・・すみません・・・私の為にあなたまで・・」(ゾフィの胸の中で語りかける)

ゾフィ「あきらめんのはまだ早え」ビュオオオオオオオ!!(奈落の底を睨みながら返答する)

猫陳景「え・・・?」

ゾフィ「最後の最後までユーリィは俺に次の指示をしなかった。つまり、それは既に「次の手を打ってある」証拠だ!!」ビュオオオオオオオオオオオオオ!!




ヒュウウウウウウウウウウ・・・・風
(裂け目の上の陸地を静かな風が吹く)

ウル「さて、もうここに用事はないっチャ」くるっ(面をつけたまま広大な大地の裂け目に背を向ける)

ゼット「面を外さねぇのは罪悪感から平常心を保つためか?」プラぁ~ん(尻尾を持たれたまま逆さ状態で話しかける)

ウル「・・・・・・・」

ゼット「図星の様だな。任務とはいえ、三人もやっちまえばガキのおめぇだって少しは良心の呵責を・・」

ウル「うるさい虎猫っチャ」ぎゅうっドキッ(尻尾を強く握る)

ゼット「いででででででであせるそれよりこれからどうすんだ!?橋はてめぇが壊しちまったから、ニャンゴラを脱出できる海岸側の陸地に行くのは不可能になっちまったぞ!!それとも100メートル以上もある裂け目をお得意の跳躍力でひとっ飛びするとでもいうのか!?」じたばたじたばた

ウル「それなら心配ご無用ンバ。何も陸路から海路へと丁寧に帰る必要なんてないっチャからね」

ピィ~~~~~~~~~~~
(高周波の指笛を吹く)

ゼット「ああん・・・今度は何をしようって魂胆だか。ナイトのガキが考えることは分からねぇし理解したくもねぇ」ペッあせる(逆さ吊りにされながらも唾を吐く)


バサバサッ・・バサバサッ・・・


ゼット「・・・・・なんだ・・この羽音は・・・」ひょい(逆さ吊りのまま首を上げ空を眺める)







バッサバッサ・・バッサバッサ・・
(密林の上を優雅に飛んでくる)


ゼット「紅彩鳥・・・」ほけぇ・・(逆さ宙吊りのまま、ゆっくりと飛んでくる紅彩鳥を眺めてる)

ウル「ニャンゴラに現地入りした時も、あいつに乗せて貰ってきたンバ♪」カパッ(面を外し、頭に掛ける)


バッサバッサ・・バッサバッサ・・ジャンプ
(羽音をたてながら着陸してくる紅彩鳥)


ゼット「ギルドが飼いならす知的生命体種か?」

ウル「違うっチャ。北陸の水没林で仲良くなったんだっチャ。お~よちよち」なでなで(着陸した紅彩鳥のくちばしをなでてやる)

ゼット「まったくとんでもねぇターザンのガキだな・・って、おい!!」むんず(ゼットの尻尾を掴まんだまま紅彩鳥の上に乗るウル)

ウル「お前にはまだ聞きたいことがたくさんあるっチャ。一緒にロックラックに行くっチャよ♪」

ゼット「ケッ。俺はどんな拷問を受けようが口を割らねぇぞ。それよか喜んで受けてやるよ。そうなったら正当にギルドの猫族虐待を大陸中に公言出来るからな。やれるもんならやってみやがれってんだ!ギルドの番犬が!!」じたばた

ウル「安心するっチャ。今の世の中には自白剤っていう優れた調合薬品があるんだっチャ♪それ飛ぶっチャ!」ぺ~んびっくり(紅彩鳥の頭を軽く叩いた)

ゼット「な・・・ローゼンクロイツだな!?連中独自の調合技術で開発した自白剤を使おうっていうのか!!きったねぇぞ!!ちきしょう~離しやがれぇ~!!」じたばた


バッサバッサ・・バッサバッサ・・ジャンプ
(浮上していく紅彩鳥に乗りながら真下に広がる大地の裂け目を眺めるウル)


ウル「ブタ吉・・さよならだっチャ。それから・・・・おねえちゃまも安らかに」


バッサバッサ・・バッサバッサ・・・・
(緑あふれるジャングルの上を優雅に飛んで行く紅彩鳥)





ビュオオオオオオオオオオ!!
(依然、陳景を抱いたまま断崖絶壁の裂け目の穴を頭から落下していくゾフィ)


猫陳景「一体何処に底があるのでしょうかね」ビュオオオオオオオ!!

ゾフィ「さぁな!!ひとつ分かってるのは底が見えたら俺達もただじゃ済まねぇってことだ!!」ビュオオオオオオオオオオ!!

猫陳景「ダメですよ?」

ゾフィ「なにがぁ!?」

猫陳景「私をかばいあなたがクッションになろうなんて発想は。ここまで来たら・・・死ぬときは一緒です」にこ

ゾフィ「フッ・・・どうせこの高さとこの落下速度じゃ、いくら頑丈な俺がクッションになろうが二人共即死だろうぜ。それより俺の姉ちゃんを信じな!!」

猫陳景「分かりました」グッ(ゾフィを強く掴む)


ビュオオオオオオオオオオ!!


ゾフィ「クッ・・・!!」ちら(落下しながら空を見る)


キラァ~ンキラキラ黄色


ゾフィ「あれは・・・・!?」

猫陳景「底が見えましたか?」

ゾフィ「ちっげぇよ!!上だよ上!!」

猫陳景「え・・・」むくっ(ゾフィの胸から顔を出し空を見る)

ゾフィ「そうか・・・あれがユーリィの打っていた手だったんだ!!」

猫陳景「!!」







ギュオオオオオオオオオオオン!!
(断崖の間の上空から凄まじい速度で強襲落下してくる)


猫陳景「火竜・・希少種!!」





~数週間前・・サザンゴッドのバー「キラースラッシュ」


ユーリィ「・・では・・その学者猫さんを・・亡命させろと・・・クラレンス卿・・」

クラレンス「さすが成功率100%のトラブルシスターズ。実にお察しがいい」カチャリ(寂れたウエスタン風のバーにはさほど似つかわしくない、きっちりとした貴族装束を纏いながらホットコーヒーを飲む金髪七三分け、ちょびひげを生やした英国風紳士)

ユーリィ「・・騎士団領のジェントルメンは・・みんな紅茶好きと聞いたけど・・」

クラレンス「いや、これは失礼。私は特別でしてね・・・ですが愛国心では他の貴族連中には負けておりませんぞ。なにせ私の家系はかつての騎士団領王妃セレスティア3世の親類であるところの・・」

ユーリィ「・・・・・・・・」

クラレンス「あ、これは余計な話だ。本題に戻ろう・・・。ギルドは必ずニャンゴラ入りをする猫陳景氏の暗殺を企てるだろう。理由は単純明快、ギルドが資金援助する王立科学研究所の研究員達の多くは、そこで培った知識をギルドの為に捧げるのが通例とされているからです。一身上の都合により脱退した者もたいていはギルドの管轄下における研究施設で働くものです。例えればローゼンクロイツの様にね。だが、陳景氏は何処にも属さず、フリーのプラントハンターとしての道を選んだ。これはギルドにしてみれば・・」

ユーリィ「・・ギルティ・・」

クラレンス「その通り。しかも陳景氏は首席の研究員だったほどの豊富な知識を持つお方・・・その実に優秀な頭脳が反ギルド体制組織の手に渡る前に、事を成そうとするでしょうな」

ユーリィ「・・ギルドナイトを使って・・」

クラレンス「おそらく・・。解放戦争真っ只中のニャンゴラであれば、何が起きても民衆は誤魔化せるでしょう。そしてもうひとつ、ニャンゴラはギルドローで違法とされている調合薬の元である植物が多々生息する地・・。現に現地猫民を奴隷としたプランテーションを行う非道な入植者も後を絶えません。噂では、各フィールドに拠点を持つ反ギルド体制組織も農園を所有しているとか・・。今回、解放軍の支援を理由に戦地入りした各NGO団体が派遣した軍隊の狙いはそれを強奪する為です。世間には決して公言出来ない莫大な資金を生むプラントを、皆欲しいのですよ。解放戦争を機に、これら反体制派同士の抗争も予想され、ますます新大陸は混沌への道に向かうでしょうな」ズズズ・・・(コーヒーを飲む)

ユーリィ「・・ギルドは・・その宝の山である・・ニャンゴラに・・これ以上、人を入れたくない・・・とすると・・ターゲットの暗殺と同時に・・・」

クラレンス「陸路で唯一の通行ルートであるニャンゴラデスフォールブリッジ・・これを破壊すると予測されます。もちろん猫陳景氏、諸共・・。だからこそです。大陸に欠かせない知識を持つ賢人を、そのような事情で失うには惜しい・・実に惜しいのです。我々の願いは人助けでもあるのですぞ」

ユーリィ「・・そこで中立国である・・騎士団領に・・亡命・・」

クラレンス「我が立憲君主制下の騎士団領に属する正式な植物学顧問ともなれば、陳景氏も安心して以後の人生を研究に捧げられるというもの。そうなればギルドナイトとて迂闊には手を出せないでしょう」

ユーリィ「・・亡命の手引を・・ギルドが知ったら・・?」

クラレンス「ですからギルドと何かと縁のある我らが直接、亡命工作を行うことは出来ないのです。サザンゴッドきってのトラブルハンター・・もとい、トラブルシスターズでしたな。成功率が極めて100%に近いあなた方にこの件を依頼したいのです」ズズズ・・

ユーリィ「・・条件は・・」

クラレンス「我ら騎士団領の要件はただひとつ。ニャンゴラ戦地入りをした猫陳景氏を、ギルドの断罪が「執行された後」、我が騎士団領に亡命させて欲しい」カチャリ(静かにコーヒーカップを置く)

ユーリィ「・・・ギルドには・・あくまでも工作を・・成功させたと・・見せかける為・・」

クラレンス「念には念を・・ですな。陳景氏が無事に我が領土内に入った暁には、偽名で市民登録してもらってもよし・・我が国は獣人族も立派な市民として人型同様に迎え入れれることが出来ますからな」

ユーリィ「・・それだけじゃない・・」

クラレンス「ん・・」

ユーリィ「・・生きて亡命出来れば・・ニャンゴラ解放戦争と・・そしてギルドの裏工作を知った唯一の生き証人として・・ギルドをも脅かす・・・「切り札」ともなる・・」

クラレンス「さすがはビブロフィリアの博識・・・。外交政策とは、まさに毒怪鳥と紅彩鳥の化かし合い・・・ワイルドカードは数があるに越したことはない・・そういうことです。では依頼は・・?」

ユーリィ「・・わかった・・やってみよう・・・・・なんてね・・」

クラレンス「おお!ミスディオマリア!受けて下さるのですな!では、成功報酬以外にも必要資金があればなんなりと申して下さい」

ユーリィ「・・小生達のプランに・・お金はいらない・・・・けど・・」

クラレンス「なんですかな?」

ユーリィ「・・高級あんまん一年分・・」

クラレンス「??」





劉珍「ターゲット二名確認!!あれだ!!サンダーソニック!!」(銀火竜の背に乗る青年)


サンダーソニック「補足開始する」


ギュオオオオオオオオン!!
(毒爪急襲さながらのスピードでゾフィ達に迫る)


ゾフィ「これがユーリィの打っていた手・・いや、爪だったのかぁ~!!」


ガシッぎくっ
(足の爪でゾフィをキャッチする銀火竜)


ゾフィ「うひょ~~にかっ」むぎゅっ(爪に挟まれて笑ってる)

猫陳景「なんと・・」

ユーリィ「・・やっほぉ~・・」ひょこはぁ(銀火竜の背中から覗くように顔を出す姉)

ゾフィ「ユーリィ!!」

劉珍「ターゲット三名、無事に確保!!よし、人目を避け、このまま裂け目を直進だ、サンダーソニック!!」

サンダーソニック「了解した、軍師」


グオオオオオオオオオオオオオ!!
(断崖絶壁に挟まれた空間を飛んで行く銀火竜)


ゾフィ「知的生命体種のシルバーレウスのお出迎えたぁ~ずいぶん用意周到じゃねぇか!?ユーリィ!!」ガッドキッ(陳景をおぶり、銀火竜の背中によじ登ってきた)

ユーリィ「・・これが・・小生の「方の」・・ミッション・・だもん・・」ヒュオオオオオオ(風を浴びている)

ゾフィ「お前の方の・・・って、なんだぁ?」

猫陳景「ミッション・・あなたは私の依頼を受けたゾフィさんの支援が目的ではなかったのですか?」ひょんはぁ(ゾフィに抱っこされながら背中に下ろされる)

ゾフィ「そうだぜ!?お前のクエストってなんだよ!?」ヒュオオオオオオ

ユーリィ「・・話せば長い・・・・この人達は・・・「あんまんの人」の仲間・・・・後は・・・着いてから・・・・」ぱたむ(銀火竜の背中でうつ伏せになり眠る)

ゾフィ「あんまんの人・・?一体なんなんだよぉ~!!」ぷんすか

劉珍「君のお姉さんに依頼を受けたんだよ。うちがね」

ゾフィ「んあ?なんだおめぇ。竜操術が出来るサーカスの回しもんか?」

劉珍「僕は劉珍。この銀火竜はサンダーソニック。共にユクモクルセイダーズ所属だ」

ゾフィ「クルセイダーズ・・・・あんまんの人・・・って、あのクソビッチがボスの自警団か!!」

劉珍「あんまんにクソビッチって・・僕らのボスはずいぶんな評判なんだな汗

ゾフィ「で、「うちの姉」がてめぇらに救援を依頼したってのか?」

劉珍「そういうこと。君のお姉さんはそちらの学者さんを騎士団領に亡命させる為に、僕らに伝書鳩をよこしたのさ。ちょっとマッチョな鳩のね」

ゾフィ「マッチョな鳩・・蝉丸(せみまる)かぁ!!はと

劉珍「手紙の内容は、今回の依頼にあたっての簡単なあらましが書かれていたんだ。そして依頼内容は至ってシンプルなもの・・ニャンゴラデスフォールの架け橋が破壊されるのを見終えたら、落下する君たちを空中で拾ってくれっていうものだったというわけさ。それで僕とサンダーソニックは現地入りし、裂け目の断崖でひっそりと息を潜め、「無事」に橋が破壊されるのを確認する為、数日間に渡って待機していたんだよ。携帯食料ばっかりで少しうんざりしていたところだったから、あの爆破はいい気晴らしに見えたよふんな、サンダーソニック」

サンダーソニック「保存食のケルビジャーキーもしばらくは食いたくないな」

ゾフィ「・・・・・・・・・・・」ぽかぁ~ん

猫陳景「・・・・・・・・・・・」ぽかぁ~ん

劉珍「これでそちらの学者さんはギルドにとっては「死んだ人物」だ。あとはユクモ経由で騎士団領入りをすれば、好きに研究だって出来るというプランさ。それも含めたクエストを、うちの丞相さんは「高級あんまん一年分」っていう安い報酬で受けたんだぜ?僕らは命懸けだってのに、少しは感謝して欲しいくらいだよふん

ゾフィ「陳景さん・・・・」

猫陳景「はい」

ゾフィ「やったなぁ~~~~~~~~イシシ」だきっDASH!

猫陳景「ええ・・・本当に・・・・・あなたに依頼して良かった・・・本当に・・・・」きゅっ肉球 茶色

劉珍「後の詳しいことは君のお姉さんに聞くんだね。おっと。今起こしたらダメだよ。何でもニャンゴラ入りして数日間、自分に接近してくるであろうギルドナイトが来るのを、あの密林地帯の中、不眠で迷子になったふりをして待っていたんだって。ナイトはそちらの学者さんが護衛で雇った君の存在の情報を知っていたんだ。だから君のビジネスパートナーであるお姉さんに接触して、三人まとめて消そうとしたんだろう。そしてナイトは君のお姉さん、いわばクイーンにまんまとチェックメイトされたってわけさ」

ゾフィ「キャハハハハハハ!うまいこと言うじゃねぇかレウスのタクシードライバー!!な、陳景さん!!言ったろ!?ユーリィは俺の自慢の姉ちゃんだってなキャー」にっ

猫陳景「はい。そして、あなたもまた・・立派な姉思いの妹ですよ」にこ

ゾフィ「しっしっしっしっしっし」

猫陳景「ふふふふ・・・」

ユーリィ「ZZZZZZZ・・・・」すやすや

劉珍「さぁ!!クエストは帰還するまでは気を抜くなってね!しっかり掴まってなよ!!目指すはユクモだ!!」

ゾフィ&猫陳景「おお~!!」

ユーリィ「・・・温泉・・入りたい・・・」むにゃむにゃ・・


ギュウウウウウウウウウウン!!
(一行を乗せた銀火竜が美しい羽を広げ、雄大な裂け目から見事な青空へと抜けて行く)


その後、ニャンゴラ解放戦争はギルド帝国軍の現地介入により終結を迎える。これにより戦争を裏で支援する各NGO団体をはじめ、暗黒商会も解放戦争から身を退くのであった。自らも戦地入りを果たした帝国軍総帥ラインハルト・クリスティアン・ローゼンクロイツ公は先住猫民に対し「武器より鍬」のスローガンを掲げ、解放軍の解散を要求。解放軍に代わり自軍が人型入植者らの武装勢力を鎮圧させることでこの公約を実現した。対する武装勢力は帝国軍現地入りの直前に、所持する農園を奴隷ごと焼き払いニャンゴラを撤退(同じ時をしてブラックガーディアンも現地撤退を開始)。この事でプランテーションを命じていた反ギルド体制組織の足取りを掴むのは困難になるも、帝国軍は戦わずしてその威厳たる存在のみで戦争を終わらせたとギルドより公表され、多くの大陸市民の信頼と支援を勝ち得たのである。そして武装勢力が撤退の際に行った先住猫民の奴隷に対する大虐殺(ニャンゴラジェノサイド)もまたラインハルト公によって公言され、改めて大陸市民に奴隷問題の深刻化と反対運動を訴えかけたのである。しかし発展途上領土内における獣人族に対する奴隷問題や種族差別は今も絶えず、ニャンゴラにおけるジェノサイドも結果として、不用意に現地侵入をしてきた帝国軍の圧力によって生じたものだと、より一層、先住猫民の入植者全般に対する不信感と遺恨を深める要因となってしまったのは言うまでもない。更には今回の解放戦争がギルドも含めた各勢力の関係悪化へと発展し、後に起きる新大陸での大抗争を巻き起こす発端になるのであった。

猫民戦線/完









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UBU「うおりゃ~!!たまご運んであぼっちぼっち!!ランキング参加中なんだす!!みんなの「ディオマリアシスターズご苦労様♪」的な一票で応援しておくれやす!!それから劉君とサンダーソニックもご苦労様ぽけ~そんだこんだで、次回の「あたちなんかのモンハン日記」はぁ~・・

3/14(金)0時更新予定
「背徳のトラブルシスターズことディオマリアシスターズをご紹介♪」(あたモン人物紹介)

をお送りするだすよ。ヒーラーのお譲ちゃまとぶたまん女をご紹介♪ってなわけでぇ~、次回もとてつもなくおっきい声を出して読もう!!ほわちょ~ぽけ~





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