
ズルズル・・ズルズル・・
(首に括られたリードを引っ張られながら乾いた砂漠のお空を見上げている)
ムーア「あぢぃ・・・」ジリジリ・・

ヴィルヘルム「そういやそうだな。今まで気づかなかったけど、言われてみればなんかあちぃ~な」ジリジリ・・

キンババ「都の中だから、つい忘れがちだけど、ここは砂漠のど真ん中なんだからね・・あれ?君たち、クーラードリンク貰わなかったの?」ガヤガヤ(そう聞いてくる彼の背後には賑わいを見せた無数の商店が立ち並ぶ広場が見え、現在地がマーケットエリアであることが窺える)
ムーア「なんだそりゃ!!そんなのもらってない!!」むぎぃ~~~

ヴィルヘルム「だからお前らやたらと涼しい顔してやがったのか」(よく見ると脱水症状レベルの大汗&顔色の悪さ)
キンババ「まったく・・おしゃべりばかりして、先生達の言うことをちゃんと聞いてないからいけないんだよ?先生、クーラードリンク貰えますか?」
ポレット「ん・・・もう切れたのか?」(リードの束を肩に担ぎながら振り向く)
キンババ「僕じゃなくて、こっちの二人。まだ飲んでないみたいなんです」
ポレット「あれほど飲みなさいと忠告したのに・・・ほら、こっちに来なさい」グイッ

ヴィルヘルム「マジで囚人になった気分だ。帰ったらパパに自慢しよう」グイグイ

ポレット「口を開けるんだ」グイッ

ムーア「いてぇ


ポレット「フン・・余計な活力が有り余ってるお前達にはこれくらいがちょうどいい。ほら」キュポん(懐から瓶を取り出し、心地よいコルクの蓋を開ける音を鳴らす)
ムーア「憎まれ口」あ~~~~ん(と上を向きながら口を開ける)
ちょろちょろ・・ちょろちょろ・・

(気持ち程度のクーラードリンクを視点の主、ヴィルヘルムの順に垂らしていく)
キンババ「どうだい?人生初のクーラードリンクは?」
ムーア「クッチャクッチャ・・・甘じょっぱい」しょり~~ん

ヴィルヘルム「俺はなんだか下半身がスースーするぞ」しょり~~ん

キンババ「そんなの君だけだよ。それよりほら、あそこのお店見てご覧よ。クーラードリンクだけじゃなくて、クーラーミートにクーラー活魚だって。砂漠の旅に必要な品物が売ってる」らっしゃ~い
ムーア「クーラー活魚・・冷え冷えなのかな?」
ヴィルヘルム「珍味のする珍魚だな」ガッハッハッハッハッ
ポレット「よし、行くぞ」グイッ

ムーア「いてぇ


ポレット「商店街を見たら次はローゼンクロイツホスピタルを見に行く」グイッ

ムーア「ほえ・・ローゼンクロイツ・・・」
キンババ「学園の出資者だよ。ご挨拶できるんですか?」
ポレット「いや。現在、当主は多忙の身でロックラックを離れているようだ」
ムーア「みんなでお礼を言いたかったのにね。じゃあ病院を見学するの?」
ポレット「仕事の邪魔はしたくない。外からガイドの説明を聞きながら見学するだけだ」
ムーア「つまんないの。だいたい、こっからじゃガイドさんの説明も聞こえないし

ポレット「お前たちを先頭にもっていったら、余計な質問ばかりでガイドを困らせてしまう。それに、みんなと少し距離を置いておけば、同じ学園の生徒だと思われなくて済む」フン
ヴィルヘルム「十分あやしいぞ。奴隷商人みたいに」
ムーア「ヴィルヘルム。それだよ」こそっ
ポレット「よし。説明が終わったみたいだ。我々も・・」
ムーア「助けてぇ~!!この「ほそっこいおじさん」、人さらいの常連なんです~~!!」
ポレット「なっ

あ~~~なんだなんだ?
(と商店街エリアにいる人々、獣人がこちらに注目する)
ムーア「ほら!これ見て!!こんなロープで拘束されてるの!!」
ヴィルヘルム「俺たちこれから西シュレイドに連れて行かれて、王都の金持ちや、外街のやたら骨みたいな服装を好んだ悪い連中に売り飛ばされちまうんだ!!」それ君の一族のことでしょ?(とキンババ)
マジか・・?西シュレイドの金持ちって言ったら、ヴェルドのことだろ?
ああ、あそこの城壁はスラム街に囲まれていて、なんでも悪名高いギャングが仕切っているというが・・(と商店街の人々の考察が始まる)
ヴィルヘルム「バールボーンだよ!!当主は変態で有名なんだ!!俺、あんなボーン・コレクターの奴隷になんかなりたくないよ!!」うわぁ~~~~ん

ポレット「コラ!何をわけのわからないことを・・」
確かにあのほそっこい男・・あやしいな。
見て。あれ王都の貴族が好んで着ている服よ?
ということは本当に・・
商店街いちの力持ち(もちろんスキンヘッド&裸にサスペンダーで胸毛多)「そのお嬢ちゃんたちを離しな」ポキリポキリ

ポレット「違うんだ


商店街いちの力持ち「問答無用!!」ガバッ

ムーア「今だ!!」バッ(ヴィルヘルムと共に首に括られたロープを外す)
ヴィルヘルム「ぼやぼやするな!!行くぞ!!」ガバッ

ダッ!!(商店街通りの人混みに紛れる)
ポレット「あ、コラ!!待ちなさい!!」(と背後から聞こえる先生の声が「やっちまえ!!」という声に上書きされる)
キンババ「んも~!!結局また君たちに巻き込まれたぁ~

ヴィルヘルム「これも楽しい思い出ってもんだ。で、どこに向かうんだ!?」ダッダッダッダッ!!
キンババ「そうだ!エスターさんがいるところで匿ってもらおうよ!?」ダッダッダッダッ!!
ムーア「どこにいるか知んない」ダッダッダッダッ!!
ヴィルヘルム「おい、あれを見ろ!!」
ダッダッダッダッダッダッ!!(人混みを抜けると、前方に全体的なフォルムが流線型に設計された石造りの立派な大型建築物が見えてくる)
バベーーーーーーーーーーン!!
(建築物の壁に大きく、大陸文字で「ローゼンクロイツホスピタル」と刻まれている)
キンババ「病院だ!!って、入るつもり!?」ダッダッダッダッ!!
ムーア「う~~~~~~ん・・・」ダッダッダッダッ!!
ちょいちょい

(と、病院の出入り口の陰から先程のピンクヘアーのツインテールな幼女がきれいに顔だけ「半分だけ出しながら」こちらに向かって手招きしているのが見える)
キンババ「さっきの子だ!!」ダッダッダッダッ!!
ムーア「やっぱり大陸の神様はあたち達の味方ってこと♪」パァ~~~~ん

Recollection No.5_38
ツインテールの幼女「こっちこっち!!」(病院の中から手招きしている)
バッ

ヴィルヘルム「サンキュー。助かったぜ」
キンババ「でも大丈夫なの?」
ツインテールの幼女「平気よ。だってあたし、ここの子だもん」(胸に「高級アイルー人形」を抱きながら)
ヴィルヘルム「って、ことは・・・」
ツインテールの幼女「はじめまちて。あたし、ロージェンクロイチュ・ロージュダンテ。ロージーって呼んでね♪」うふっ

ムーア「ほえ・・・」うふっ♪うふふふふふ♪うふふふ♪うふふふふふふふふ♪(と不気味なまでにニコニコ微笑む幼女時代のロージー)
To Be Continued

★次回ストーリーモードは2/10(月)0時更新予定です★