Quantcast
Channel: あたちのモンハン日記
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2669

Recollection No.5_161

$
0
0


ボワコフ「でぇ~アリマスからしてぇ~、余所者の自分を~、快く歓迎してくださった神殿の皆様方にはぁ~、何とぉ~お礼を申し上げればよいかぁ・・・此度、皆様より賜りましたご温情に深く、深く、心より感謝をいたしますでアリマス。大変名残惜しいことではアリマスが、自分、ボワコフは明日の早朝、この慈愛に満ちたヒンメルン山脈を下山し、懐かしの故郷へ帰還したいと思うでアリマス。誠に、ありがとうございましたでアリマス」へこり


ムーア「えぐっえぐっ」ずるずるずる(視界はこぼさんと堪え凌ぐ溢れんばかりの涙のフィルターで覆われており、また、ひどく鼻をすする音も)






Recollection No.5_161







ハッハッハッハッハッハッハッ
(壮麗な白雪神殿を背景に正面回廊前の庭エリアにてキャンプファイヤーやら各種肉焼きセットを展開しながら野外ならではのお食事&お酒を大いに楽しむ同志諸君(中にはヴィルヘルムとキンババ、そして馬小屋エリアから来たのであろう、アポロンやイノみゃんの姿(夜だからか、紺色のパジャマワンピを着用)やご馳走をもらいにきた「夜ふかし組」なポポやガウシカの姿も)を少し離れた場所より「体育座り姿勢&あたたかい目」で見守っている仮にも盟主様な視点主)


わははははははは(キャンプファイヤーの前で完全に酔っ払いと化したルチアとモーガンに肩を抱かれながら他の仲間(獣人たちの姿も)と共に美酒や詩歌を楽しんでいるボワコフに焦点を)


ムーア「はぁ・・・・・・・・・・」

??「一緒に飲まないの?」


ちら・・(死んだような目で声の方へ首を曲げると、夜でも多彩に映えるお花畑エリアより薄褐色肌のサラサラ黒髪ロングな女性が歩いてくる)


ムーア「ウルファ・・・・お手入れしてたの?」スッ・・(隣に腰を下ろしてくる彼女に向かって)

ウルファ「ボワコフさんにフラワーバスケットでもプレゼントしようと思ったんだけど、よく考えたら、彼、海路で帰るっていうじゃない?道中、長いし、食料以外の荷物を持たせたら、悪いと思って。それに彼、すごく気を遣う人でしょう?海が荒れたり、魚竜に襲われたりしても、必死にお土産を守るタイプよ。それが理由で何かあっても困るし。だからやめたの」ふぅ~~~(と、ボワコフ達がいるキャンプファイヤーを見つめながら)

ムーア「ふふ。想像力豊かだね、ウルファは」

ウルファ「ネガティブな発想だけはね。詩の才能はあなたの方が上」ふぅ~~~(彼女が見つめる先では、懲りずにモーガンがボワコフに口論を挑んでいる)

ムーア「歌は上手でしょ?吟遊詩人だったんだから」

ウルファ「あ・・じゃあ、一緒に歌を送るっていうのは?」(ひらめいた的な顔でこちらを)

ムーア「飲み物取ってくる」スッ・・(逃げるように立ち上がる)

ウルファ「あれ?王女様からいただいたワインがあるんじゃないの?お昼にポポ便で届いたやつ」

ムーア「同じおぶどうでもあたちはアルコール抜きがいいの」

ウルファ「たまには飲んでみたら?そしたら恥ずかしくなくなるかも」

ムーア「ああ・・・・かもね。奇面族みたいに「チャチャ~♪」ってね」あははははは


へぇ~~~え・・・・(と盛り上がっているキャンプファイヤーサイドを避けるように迂回しながら神殿の回廊へ向かって歩きだす)


ムーア「はぁ・・・悲しくおぶどうのジュースでも一杯やるかな・・・・」(回廊端に倉庫のドアが見えてくる)


ギィ・・・(倉庫のドアが静かに開かれる)


ムーア「ほえ・・・・」


スッ・・・(中より静かにシセが出てくる)


ムーア「シセ!!」(その声にびっくりする彼)


バッ!ひょっ(回廊と廊下を仕切る低い塀を軽々飛び越え、彼のもとに)


シセ「驚かすなよアセアセ一緒にいなくていいのか?」

ムーア「こっちのセリフ。あんたこそ何やってんの?まさかおぶどうのジュースを取りに来た・・・(彼の手元を見て、何も持っていないことを確認すると)・・ってわけじゃなさそうだけど」

シセ「何か余興に使える面白いものはないかと思ったんだが・・」(首を左右に振る)

ムーア「ヴィルヘルムが持ってきたバックギャモンじゃ物足りないてか。・・・あ、歌ったりするのは勘弁だからね」ラララ~~~♪(言ってるそばからウルファの美しい歌声が聞こえてくる)

シセ「喜ぶと思うがな。辛いのはボワコフも一緒さ」

ムーア「だからよ。なんか気まずい」

シセ「自分の心に素直になってもか?彼の帰郷を喜ばしいと思っているんだろ?」

ムーア「・・・・・わかった。貴重な時間を無駄にしてるってこともね。話してくる。ありがとう、シセ」

シセ「そうしてやれ。礼には及ばん。・・・と、それと例の事件は・・」


とっとっとっとっとっとっとっ・・
(キャンプファイヤーの明かりを背にボワコフがこちらへ向かって歩いてくる)


ムーア「良かった。彼も同じ気持ちだったみたいで」(対し微笑むシセ)

ボワコフ「何をコソコソと密談をしているでアリマスか?自分のお見送り会に」じーーーー

ムーア「ごめんごめん。シセが、ほら、例の事件が気になるって言うから」

ボワコフ「やけに気にするでアリマスね?」じーーーー

シセ「盟主の心配をしているだけさ。犯人の目星はついたのか?」

ムーア「怨恨の線で進んでる。王都も外街も警戒を強めるって。犯人が内にいようが外にいようが、プリムとヴィルヘルムがいる限り、下手な真似はできないわよ」

ボワコフ「既に逃亡している可能性もアリマス。この件は王女様とバールボーン家にお任せするのがよろしいかと」

シセ「俺も同じ意見だ。王都を思う気持ちは分かるが、お前の分野じゃない。今は二人で残りの時間を大切にしろ。明日の朝、見送りに行くんだろ?」

ムーア「麓までね。ヴィルヘルムが西海岸までのポポ便と船も手配してくれたの。あ、ちゃんと正規のルートのやつだから心配しないでね」

シセ「なるほど。輸送用を使うのか。そのまま故郷がある大陸まで?」

ムーア「近くまで行くみたい。そこからはボワコフさんが小舟を漕いで行くって」こくり(と頷くボワコフを見下ろしながら)

シセ「大したバイタリティだ。護衛が必要なら帯同するが?」

ボワコフ「とんでもない。そこまで皆様方にご迷惑をかけるわけにはいかないでアリマス」

ムーア「あたちもまったく同じ台詞で交わされた」(わざとボワコフに聞こえるように)

シセ「ハハッ。まさか俺たちにまで故郷のある大陸を知られたくないのか?」

ボワコフ「非常に遠い地でアリマス故に。ご安心を。無事に到着したら王都に手紙を送るでアリマス」

シセ「手紙・・どうやってだ?」

ムーア「明日、麓へ迎えに来るポポ便に王都専属のフクロウが乗ってるの。長距離便もなんその。プリムの粋な計らい」

シセ「なるほど。伝書鳩代わりに・・・良かったな。離れていても文通はできそうだ」

ムーア「いつか遊びに行けたらいいけど・・ね、ボワコフさん」

ボワコフ「・・・・・・そうでアリマスね」

ムーア「なにそのリアクション。来んなってこと?」グッ(ボワコフが被っているモフモフフードの角を馬鹿力で握りしめる)

ボワコフ「そんなことないでアリマスタラーこれでこの神殿ともお別れかと、少し感傷的になってしまっただけでアリマス・・」

シセ「フフ・・・俺も別れは得意じゃない。また遊びに来いよ、ボワコフ」

ボワコフ「・・・・・・ありがとうございます。シセ殿」へこり

シセ「最期の夜ってわけじゃないが、二人で楽しめ」ザッ・・(片手を上げ、挨拶を交わすと回廊をそのまま真っすぐ歩いていく)

ムーア「カッコつけちゃって・・・・・」

ボワコフ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」フーーーーー・・(彼を見ると、深く息を吹きながらシセの背中を見送っている)

ムーア「どうしたの?」

ボワコフ「いえ。それより王女様からいただいた美酒をいただくでアリマス」ぐいっ(視点主の手を引っ張り、キャンプファイヤーのもとに戻ろうとする)

ムーア「あたちは飲まないわよ。酔って歌うなんて最悪」ラララ~~~♪(言ってるそばからウルファの美しい歌声が再び)

??「誰もお前の歌声なんて聴きたくねぇよ」

ムーア「ああん!?」


ニョ~~~~~~(お花畑エリアから火竜の長い首が伸びてくる)



アポロン「安心しろ、モフモフの軍師。お前がいなくなっても、ムーアには俺がついている」


ムーア「あんたまだそんなこと・・」スッ・・(ボワコフが一歩前に出て、こちらを覗き込む火竜のでかい顔面に対峙する)

アポロン「なんだよ?」

ボワコフ「自分は最初からアポロン殿と張り合う気など毛頭ないでアリマス。御二方が強い絆で結ばれていることを知っているからでアリマス」

アポロン「・・・・・・・・・・・。俺はムーアの心配をしているだけだ。お前がいなくなって、一番悲しむのはムーアだからな」

ムーア「アポロン・・・・」

アポロン「だから必ずまた、ここに戻ってこい。その時は外交官なんて立場じゃなく、この白雪神殿の同志としてだ。分かったな?」

ボワコフ「・・・・・・・・・承知したでアリマス。その時が来れば、必ずや自分も一緒になって戦うでアリマス」


だきっ(アポロンの大きい黒い鼻先に全身でハグをするボワコフ)


ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・」そっ・・(二人を包み込むように抱きしめる)

アポロン「なんだよアセアセ二人して気持ちわりぃなアセアセ

ムーア「ふふ・・・・こうして三人でいる感触をいつまでも覚えている為よ」ぎゅっ

アポロン「・・・・ったく・・・・・はつかし過ぎて、今宵は月も見てられねぇってよ」フシュ~~~~~~(とでっかい鼻から排出されるブレスを受けながら夜空を見上げると、確かに月の姿が見えない)

ムーア「ボワコフさん」(そっと頭を下げ、抱きしめるボワコフを見下ろす)

ボワコフ「はい」

ムーア「あたち達の心はどんなに離れていても一緒だよ」

ボワコフ「はいでアリマス」


フシュ~~~~~~(なんだか照れくさそうに鼻息を吐く火竜の同志とボワコフを抱きしめたまま、記憶と共にブラックアウトしていく....)


To Be Continued






★次回ストーリーモードは5/10(月)0時更新予定です★





Viewing all articles
Browse latest Browse all 2669

Trending Articles