~ロックラック感染症警戒勧告発令より24時間経過・・ユクモ近郊、渓流地区
GOTOGOTOGOTOGOTOGOTO!!
(渓流の公道をニ頭の逞しいガーグァタクシーが人型ニ名を乗せた荷台を牽引しながら、けたたましく走る)
「コケラッチョ~!!」
「コケラッチョエ~~・・・サッ!!」
GOTOGOTOGOTOGOTO
??「どうです?本部オフィシャルのガーグァタクシーの精度は?。彼らは新大陸中の地図を把握しているから、御者がいなくとも行き先を伝えれば、目的地までひとっ走りしてくれる。その速度も本部の調教師により鍛え上げられているから、通常のガーグァ便よりも早く目的地に着くことが出来ますしね」ゴトゴトゴト・・(荷台に座る、城塞遊撃隊装備を纏った黄色系の成人男性。ノンラー(円錐状の日除け帽子)を被っている)
??「あんた達、中央捜査局の人間は移動するのに不自由はしないな・・・エージェント桂木」ゴトゴトゴト・・・(荷台に腰掛け、ただ行き先を見つめる、ロックラック装備を着た中肉中背、白髪、鼻デカの白人。声は野太く実に渋い声)
桂木「おや?GDCAの局員だって緊急出動の際は「リノぞり」をはじめとするギルドオフィシャルタクシーを使えるはずでしょう?え~と・・・ドクター・・・・」
??「アニシモフ・・ヤーコフ=アニシモフだ」
桂木「すいません。なにぶん、上司からあなたのサポート兼、護衛を任されたのが急でしたもので、資料に目を通す間もなかったのです」ぺこり
アニシモフ「気にしないでいい。そもそもがコンチネンタルセーフティレベル4クラスの緊急事態だ。中央捜査局とGDCAとの間に行き違いがあっても仕方あるまい」
桂木「気を遣って頂き感謝します。ドクターアニシモフ」ぺこり
アニシモフ「イエローの悪い癖だ。あんたこそ、気を遣うな」
桂木「ははは。分かりました。では少し今回の事件について質問をしても良いですか?」
アニシモフ「私に答えられることならば答えよう」
GOTOGOTOGOTOGOTO
ガーグァ「コケラッチョエ~~・・ッサ!!」ドスドスドスドス(重心を斜めにしながら、崖の急カーブを実に巧みな重力移動で突き進む二頭の逞しいガーグァ)
アニシモフ「実に見事なドライビングだな」(崖上から見える広大な渓流の景色を眺めている)
桂木「荷台はほとんど揺れていないでしょう?荷台の強化貨車の重量も計算した走法なんですよ。車輪はご覧の通り、毒怪鳥特有のゴム質の各皮を使用していますので、ガーグァの限界速度による地面の衝撃を吸収することで滑りにくくなっています。もちろんオフロードでの走行も可能です。これにより飛空船の速度にも負けない加速を手に入れたわけです・・・とは技術屋の謳い文句ですがね。大したものです」
アニシモフ「なるほど。実にプロフェッショナルな仕事だ。それで?質問というのは」
桂木「はい。ギルド機関同士の情報交換と思って頂ければ幸いです。私が知りたいのは今回発見された病原体は本当に新大陸をパンデミックに陥れる可能性・・おっと、あなた方、科学者の前では蓋然性が高い、と言うべきか・・広範囲に蔓延してしまうのですか?」
アニシモフ「Pサックウイルスは接触感染型ではあるが、極めて致死性が高い。さらにはワクチンも精製されていない今、こうして各自治体にギルド機関の者が出向き、市民に適切な対処を施すのは我々の義務でもあろう」
桂木「・・・・・・。市民にはウイルスの概要は伏せろと言われていますが、それも不安やパニックを避ける為であると?」
アニシモフ「そうだ。それに誰が信じるという?まさか感染者の臓器が毒袋化してしまうウイルスだとな。それこそ一市民を納得させるレポートを作成する時間の方が惜しい」
桂木「各自治体には既に感染症警戒勧告の伝令は飛ばしていますが・・やはり我らギルドサイドの人間が直接行き、対策案を指揮したほうが市民は安心しますしね」
アニシモフ「そういうことだ。常に最善を尽くせ、ということだ」
桂木「仰る通りです、ドクターアニシモフ。それともうひとつ質問なのですが、Pサックウイルスは感染後、どのくらいで死に至るものなのですか?」
アニシモフ「局員の死亡記録を見る限りでは、感染後およそ2~3時間で完全に息絶える。その死因の多くはウイルスに寄生、侵されていく激痛によるショック死が多いとみていいだろう」
桂木「・・・・・・。それは屈強なハンターにも同じことが言えるのでしょうか?」
アニシモフ「砂漠で死んでいたキャラバン隊の護衛がハンターではあったのだが、死後間もないサンプルではないのでな・・正確な数値は判断出来ないが、もって5~6時間というところだろう」
桂木「ハンターであっても常人の死亡時間の二倍弱しかもたないというわけか・・・これで私も今回の緊急性が理解出来ました。まったくとんでもないものをMIC(軍産複合体)の連中は作ったものだ」
アニシモフ「中央捜査局は暗黒商会の犯行だと推測しているのであろう?」
桂木「ええ。ですが全権はSBIにもっていかれましたよ」
アニシモフ「SBI・・Special Bureau of Investigation・・・特別捜査局か」
桂木「局員内での呼称です。SBIには多くの特殊能力を秘めたインテリジェンスモンスターが属していますからね。相手がブラックギルドと分かればほとんどの任務はこっち(中央捜査局)には極秘で事がなされます。それは帝国軍に関しても同じですけどね。我々が雑用に扱われることもしばしばですよ」
アニシモフ「・・・・・・・・」ゴトゴトゴトゴト・・
桂木「SBIとギルドナイツは同じ部署なんじゃないかなんて、局内でのもっぱらの噂です。ギルドナイツなんてハンター社会が生み出した陰謀論の産物だというのにね。我々も知らない秘密裏の少数精鋭工作部隊があるのだとすれば、こんな緊急時こそ「暗躍」して欲しいものですが・・すみません、愚痴を言ってしまって」ぺこり
アニシモフ「・・・・・・。いや、構わない」
GOTOGOTOGOTOGOTO
ガーグァ「ゴゲー!!ゴゲゴゲ~!!」
桂木「おや・・見えてきましたよ」
アニシモフ「む・・・・」
アニシモフ「ユクモ・・か・・・」
「あたちのモンハン日記」
~パンドラウイルスPSV脅威~
ざわざわざわ・・がやがやがや・・・・
(村長さんの所定ポジション(長椅子置き場)前に村人が集う)
クサッチーニ「おや・・なんだ?この人混みは」(ユクモノ一式を纏いユクモノ双剣を背負った「素朴な地元ハンター(ゲームパッケージによく描かれてる「お手品」みたいなハンター)が、群がる人混みの後列に近づく)
リカ「あ~ん!見えませぇ~んあたしにも見せてぇ~」ぴょ~んぴょ~ん
(同じく群衆の後列で飛び上がる地元メラルーの中二)
クサッチーニ「やぁ、リカちゃん。一体なんの騒ぎだい?」
リカ「あ、クサッチーニさん。こんにちわ」ぺこり
クサッチーニ「村長さんに話があって来たんだが・・・何かあったのかな」
リカ「なんでもロックラックからの使者だそうですよ。う~ん・・見えないなぁ~」ぴょ~んぴょ~ん(ジャンプして見ようとしてる)
クサッチーニ「へぇ~。それでみんな珍しがって見物してるのか。どれ、リカちゃん。これならどうだい」スッ(リカの両脇に手を通して持ち上げてやる)
リカ「きゃあああああ変態~!!」ぺち~ん
(肉球でぶった)
クサッチーニ「いてえ!!」
リカ「あ、すみませんつい条件反射で・・」
クサッチーニ「いや・・いいんだ(中学二年生って、むつかしい年頃なんだな)」すりすり(ぶたれたほっぺを撫でる成人ハンター)
ざわざわざわ・・がやがやがや・・・・
村長「まぁ・・では「ユクモあんまん財団法人(仮)」の子達がそのウイルスに感染してしまう可能性が高いと・・」
サムソン「ほむ・・・困った連中だ」
アニシモフ「その法人所属の獣人族の方が、おそらくウイルス混入であろうパンを購入した記録があるのです」
サムソン「ほむ・・法人メンバーで獣人族といえば伯爵だが・・・」ちら
マクシミリア「残念だが私ではない」
桂木「とすると・・別の誰かということですね」
サムソン「心当たりはあるか?伯爵」
マクシミリア「いや。先ほど農場でオトモ同士での会合を開いたが、皆、今聞いたような感染症の症状は見られなかった・・・待てよ・・・そうだ。ニャーク殿だけ不参加であったな。もしかしたらニャーク殿かもしれん」
村長「ニャークさんは今日は何処においでで?」
サムソン「ほむ・・・(あまりギルド関連の連中の前で我が軍の動向を知られたくはないのだが・・この状況では嘘はつけまいか・・)」
アニシモフ「なにか?」じろ
サムソン「いや・・ニャークは警備の一環で火山地区に出かけておる。UBUというハンターと一緒だ」
アニシモフ「・・・・・・・・・・」
桂木「どうかしましたか?ドクターアニシモフ」
アニシモフ「いや・・では早速、現地に行ってみます」
サムソン「ほむ・・手分けをして探すか」
アニシモフ「お気持ちはありがたいのですが、もしも法人の方が感染していた場合、皆様も感染してしまう恐れがあります。ここはウイルスの対処に慣れている私に任せて頂きたいのです」
桂木「村の方々はその感染源と考えられるパンの回収が済むまでは公民館などで一時退避をして貰いたい。出来ればサムソンさんにはその誘導を私と共にご協力お願いしたいのですが」
サムソン「そうか・・相手がハンタースキルも効かないウイルスであれば致し方あるまい(まぁ、アンドロイドアイルーのニャークならばウイルスに感染する恐れはないか・・・問題はUBUだが・・)」
アニシモフ「どうしました?サムソンさん」じろ
サムソン「ん・・・(この男・・時折、研究員とは思えぬほどの、まるで剃刀の様な鋭い目つきをする・・・)」
桂木「何か気にかかることでも?」
サムソン「二人が心配でな・・(まぁ仮にニャークがその感染源であるパンを買っていたにしても、あやつはそんなもの食べんし、UBUにあげていたとしても、それこそ「あんまん」でもなければ食べんだろうに・・ここはそのパンが見つかるまでは、大人しく村人の不安を解消するサポートをするべきか)」ちら(伯爵を見る)
マクシミリア「・・・・・・・」こくり(小さく頷く)
アニシモフ「・・・・・・・・」
桂木「ではお願いします。ドクター。何か危険を察知した場合はすぐに退避を」
アニシモフ「分かった。集会場は何処ですかな?ギルドガールならば近郊の地形、地理にも精通している「はず」なので、火山地区への最短ルートを聞けるのですが」
??「それならあたちが案内するにょだ」
アニシモフ「ん・・?」ちら
ガベーーーーーーーン!!
チェルシー「集会浴場にはあたちが案内してやると言ったにょだ」(村長達の周りを囲む人混みから、一歩前進した位置で颯爽と立っている幼児猫)
村長「チェルシーちゃん・・・お家から出て平気なんですの?」
チェルシー「おもり(BBBのこと)はうちで昼寝してるにょだ。こんにゃに緊急事態だというのに」ちら(皆がいる場所から見えるあたちハウスを見る)
アニシモフ「・・・・・・・・」ちら(その方向を見る)
サムソン「・・・・・・・・」(アニシモフのその動向を観察してる)
チェルシー「しょれよりも、おじちゃま、集会浴場に行きたいにょだろ?あたちが連れて行ってやるにょだ」ぐいっ(局員の袖を引っ張る)
アニシモフ「・・・・・ありがとう。では早速」ザッザッザッザ
桂木「くれぐれも気をつけて下さいよ、ドクター」
アニシモフ「分かった」
チェルシー「早く来るにょだ!!こにょ」ぷんすか
ザッザッザッザッザッザ・・・
(チェルシーに袖を引っ張られ、人混みをかき分けながら去っていくアニシモフ)
桂木「ずいぶんしっかりした子ですね」
村長「主人とその環境が良いことで」くす
桂木「??」
サムソン「エージェント桂木。では早速村のみんなを集めようか。伯爵、そなたはオトモ達に事の次第を伝達してくれ(それと緊急警備体制の旨もな)」ぼそ
マクシミリア「了解した(心得た。ギルド関連の部隊が来るとあれば、モンスター軍への村への接近も避けるよう指示致す)」スッ(静かに去る)
村長「サムソンさん、では桂木捜査官と公民館の方に」
サムソン「うむ・・・・(それと・・・・ギルドガールズのみんな・・・一応、お主らの所属する機関の人間が来ておるのだ・・・騒ぎの元凶であるUBUが幸運にもおらぬ今、しっかりと「仕事」が出来る環境化にはあるはずだ・・・くれぐれも・・くれぐれも粗相のないようにな・・・!特に陽子!!)」ちら(集会浴場の方を見上げる)
カツカツカツカツ・・・・
(集会浴場に繋がる長い直線の階段を登る、中年男性と幼児猫)
アニシモフ「・・・・・・・・・」カツカツカツカツ
~20時間前、ハンターズギルド本部地下
ギルドナイツセクション/ミーティングルーム
ウル「なんだってお前がユクモに行く必要があるっチャ!?」
シリウス「ユクモには感染症などで死んでもらっては困る女がいるからだ」ザッ
王羽美「待って下さい!ユクモに潜入と言っても、一体どうやって!?」
シリウス「GDCA局員に扮装する」ぴた(立ち止まる)
ウル「ダッ!?派遣部隊に紛れて行くっチャ!?」
シリウス「いや、連中よりも先に行くつもりだ」
ウル「どうやって行くっチャ?」
シリウス「王、あらかじめ各自治区には中央捜査局のエージェントとGDCA局員が一名ずつ向かう手はずだと言ったな?」
王羽美「はい・・ではその局員に扮装して?」
シリウス「こんな事もあろうかと各ギルド機関の架空人物のIDは作ってある。あとは扮装して出かけるだけだ。スペシャルメイクアップ班の試作品を実演サンプルしてやろう。移動には飛空船では準備に時間が掛かり過ぎる。技術部が自慢していたツインガーグァタクシーを使わせてもらう」
王羽美「それならばこれから本部の指定する派遣部隊より先に到着することは可能だと思いますが・・そこまでする必要があるのですか?」
シリウス「俺が依然敢行した竜水晶の件は知っていよう?その被験者の女ハンターがユクモにいるからだ」
ウル「ンババ!?クルセイダーズのメスボスゴリラっチャね。本部の極一部の幹部とナイツであるウルチャマ達しか知らない、「大陸極秘文章」で呼んだっチャ」
王羽美「確か、ジェネシスオーパーツである竜水晶の記憶をインストールしたという・・・」
シリウス「お前はこの前起きた孤島での抗争で遭遇したそうだな。あの女だ」
王羽美「・・・・・あの人が・・(強烈な龍発勁を自在に操り、龍使徒の蓋然性が高いと本部からも推測されているハンター・・!!)」
シリウス「あの女の頭にはいくら資金を積んでも買い取ることの出来ない、超古代文明のロストテクノロジーが封印されている。だからこそMIC(軍産複合体)自家製の感染症などで死んで貰っては困るのだ」
ウル「でも、もしも既に感染しちまっていたら・・」
シリウス「感染の時間経過から見て助かる見込みがあれば至急にローゼンクロイツの緊急医療センターに連れて行く。あの女はギルド公的機関を嫌っている傾向にあるのでな・・その為の俺というわけだ」
王羽美「なるほど。無理やりにでも・・ということですか。ですが、もしも既に感染して・・」
シリウス「その時は遺体から頭部を切断してでも持ち帰る。その為にもGDCAより早くユクモに到着する必要がある」
王羽美「・・・・・・・・」
ウル「うぷ・・・おっかねぇ話しっチャ」
シリウス「それと仮にユクモと目当ての女ハンターが感染症の被害にあっていなかった場合、本物のGDCA局員が来るまでは村人をパニックにはしたくない。その場合、村には感染症の警告だけを伝え、速やかにウイルス混入の菓子だけを持ち帰るつもりだ」
ウル「どちらにしてもウイルスの効果が効かないお前にしか出来ないミッチョンってことっチャね」
シリウス「そうだ。あいにく他の上位ナイツ・・レオと黄思文(こうしぶん)は別任務で都市にいない。何かあったら王、ウル。お前たちが対処するんだ」
ウル「任せておくっチャ!あぶないういるすなんかに新大陸が負けてたまるかってンバ!お前は心置きなく自分のミッチョンを達成させるっチャよ♪プップ~~♪」へっこへっこ(へんてこりんな踊りをしてみせる)
王羽美「ウルの言うとおりです。シリウスさん、どうかお気をつけて」
シリウス「ああ」
カツカツカツカツ・・
アニシモフ「・・・・・・・・」カツカツ・・
チェルシー「・・・・・・・・・」じー(上りながらおじさんの顔を見上げてる)
アニシモフ「・・・・・(予想以上に感染源のパンとあの女・・・UBUの所在が結びついたのは幸いだ・・・これもあの女のもたらすシンクロニシティなのか・・・)」
チェルシー「・・・・・・・・・」じじー
アニシモフ「・・・・・(それとこの「扮装装備」だが、今のところ誰にも怪しまれてはいないようだな・・さすがはゴム質の最上皮を使用した肉襦袢(にくじゅばん)だ。これなら俺の肌の色も隠せるというもの・・)」
チェルシー「・・・・・・・・・」じじじーーーー
アニシモフ「・・・・ん・・?」ちら(チェルシーを見下ろす)
チェルシー「おじちゃま・・・」じじじじーーーーー
アニシモフ「・・・・・・・・」
チェルシー「何かこわいこと考えているにょだ」
アニシモフ「・・・・・・。そう見えるか?」
チェルシー「あたちは分かる。あたちも前にとってもこわい思いをしたことがあるからなにょだ」ぐっ(アニシモフの袖を持つ手に力が入る)
アニシモフ「・・・・・・・・・・・」
チェルシー「しょれはしょうとロックラックには・・・」
アニシモフ「・・・・・・?」
チェルシー「ご当地アイドルハンター「ぬくめちゃん」がいるって聞いたにょだ。ここで質問なにょだが、ぬくめちゃんは女性としてセクシーなのにょか?しょれともハンターとしてパワフルなのが人気の秘密なにょか?」
アニシモフ「・・・・・・・すまない。その手の情報には詳しくない」
チェルシー「しょうか」
アニシモフ「ああ」
チェルシー「・・・・・・・」カツカツカツ・・・
アニシモフ「・・・・・・・」カツカツカツ・・・
チェルシー「おじちゃんは頭のいい学者なにょだろ?おじちゃんから見て、「夢見がちな幼児」はどう思うにょだ?」
アニシモフ「・・・・・・精神医学は分野ではない」
チェルシー「しょうか」
アニシモフ「だが・・」
チェルシー「??」
アニシモフ「明確な目標を達成する為の、イメージトレーニングは悪くはないと思う」
チェルシー「・・・・・・・・。しょうか」
アニシモフ「ああ」
チェルシー「・・・・・・・」カツカツカツ・・・
アニシモフ「・・・・・・・」カツカツカツ・・・
チェルシー「しゃあ、ついたにょだ」とん(両足ジャンプで最上段に上る)
カツカツカツカツ・・・・
(集会浴場に入っていく二人)
ヨッコ「でさぁ~!そしたら、そのバルバレから来たっていうイケメンハンター、なんて言ったと思う!?「ボクと一緒にキャラバンをしながら大陸を旅しないか」だってだからさ言ってやったのよ!「ストアの品物は安くても、あたしはゼニーじゃ買えないのよ」ってねぇ~♪」(受付のカウンターに両肘を乗せて喋ってる)
コノハ「あはははははは!!そしたらなんて言ったんです?その「自称」イケメンハンター」(カウンターの中でうつ伏せに寝っ転がりながら少女漫画雑誌を読んでる)
ササユ「コノハちゃん。仮にも受付嬢の私達が憶測でそういうこと言うの、よくないと思うわ」(ちゃんと座布団の上で正座している)
ギルマネージャー「ごがぁ~・・・ぐげぇ~・・・・・」ZZZZZZ・・・(明らかに酔っ払って寝てる)
ヨッコ「いいのよ!どう~せ、稀にしか他所のハンターなんて来やしないんだから。でね、そのブルジョワゆとりハンターが次に言ったのが、「君の言うとおり、愛はゼニーじゃ買えない!ボクの君を想う気持ちは溶岩竜の吐くブレスよりも熱いんだ!!」ですって!だからさ、言ってやったのよ!「どうせなら覇竜とかで例えたら?それともあんた、ソロで覇竜も倒せないほどの腕前なの!?おとといきやがれファッキン中二病!!」ってね」
コノハ「あははははははははは!!超ウケますね!!超ウケます!!」パタパタパタパタ(両足をぱたぱたさせながら少女漫画雑誌(ニャーガレット)を読んでる)
ササユ「まぁ・・お下品よ、二人とも。あら・・」ちら
アニシモフ「すまないが話しをさせてもらいたい」(脇にまだ袖を引っ張ってるチェルシー)
ササユ「いらっしゃいませ。ご質問であれば是非どうぞ」にこ
ヨッコ「はぁ?チェルシーちゃん、誰このおじさん?」(すげえ上から下に眺めてる)
チェルシー「じーでぃーしーえーのえらい人なにょだ」
ヨッコ「GDCA・・・って、ロックラックの!?」ガーン
コノハ「え~♪それなんですぅ~?新しい美白サプリメントの名前ですかぁ~♪」パタパタパタパタ(全然そっちのけで漫画を読んでる)
ササユ「ギルド疾病予防管理局のお方がお目見えよ♪」ぺ~ん(コノハのお尻を叩いた)
コノハ「えっ」
ヨッコ「げっ」
アニシモフ「・・・・・・・・」
チェルシー「みゃあ」
~同時刻、火山地区
UBU「はぁ・・・はぁ・・・・・・」(ぐったりと大岩を背もたれ代わりに地面に腰を下ろしている)
ニャーク「大丈夫か?(いにしえ秘薬と漢方薬を飲ませ、一時的ではあると思うが発作は治まった・・だが、ひどい発汗状態はそのままだ・・・意識も朦朧としている・・・)」
UBU「はぁ・・・はぁ・・・・・・」(虚ろに上を向いている)
ニャーク「UBU、今からお前をX線と呼ばれる電磁波で医療的にスキャンする。動くなよ」
UBU「はぁ・・・・・はぁ・・・・・・」こくり
ニャーク「ニャークアイ、CTスコープモードに転換」フィーン(両目が怪しく光る)
UBU「ゴフッゴフッ・・!!」
ニャーク「スキャン開始」
フィーーーーーーーーーーン
(ニャークの両目から微量の電磁波が放出されUBUの全身を照らしていく)
ニャーク「・・・・・・(中枢神経系回路の機能低下・・心拍数尚も上昇中・・・)」
フィーーーーーーーーーン
ニャーク「む・・・・!?(すべての気道に蔓延している有毒物資の煙を発見・・・これは・・・毒煙!?)」
UBU「グバァアアアアアアアアア!!」バシャアアアアアアアア(口から多量の毒液を吐く)
ニャーク「!!(どこだ・・どこで毒液を「生産」しているんだ・・!?)」
フィーーーーーーーーーン
(UBUの腹部に電磁波をあてる)
ニャーク「これは・・・・!?(胃をはじめとする消化器官が・・・毒素で侵され、まるで・・・毒袋の形態に変形している!!)」
フィーーーーーーーーーン
(毒素にズームする)
ニャーク「・・・・(紛れも無い、ビルレンスの極めて高い致死性型のウイルスだ・・!それになんだこの特殊なエンベロープ*は・・・これが臓器のレセプターと結合し、感染をサポートしているのだ・・そして臓器の栄養素を吸収し、信じられない速度で増加を続け、UBUの細胞を侵食している・・・こんなウイルスはみたことがない・・・パンドラウイルスが人に感染するとでもいうのか・・!?)」
*エンベロープ=単純ヘルペスウイルスやインフルエンザウイルス、ヒト免疫不全ウイルスなど一部のウイルス粒子に見られる膜状の構造のこと。エンベロープタンパク質には、そのウイルスが宿主細胞に吸着・侵入する際に細胞側が持つレセプターに結合したり、免疫などの生体防御機能を回避したりなど、さまざまな機能を持つものが知られており、ウイルスの感染に重要な役割を果たしている。
フィーーーーーーーーン
ニャーク「・・・・(ウイルスゲノムは・・RNA型・・・感染経路は接触型・・・だが、こんな形状は現在大陸生物から確認出来るボルティモア分類では確認出来ない・・・これでは抗体が作れない!!)」
フィーーーーーーーーン
ニャーク「感染源は・・・・(胃の中・・・この固形物の散乱・・・・その中に多量のウイルス反応・・・・そうか!!さっきのパンか!!)」
UBU「はぁ・・・はぁ・・・・・・・」
ニャーク「UBU、よく聞け」フィーーン・・・・(電磁波を静かに停止していく)
UBU「なんの・・・ウイルス・・・・?」ハァ・・ハァ・・・
ニャーク「お前の消化器官が得体の知れない毒素に侵され、毒袋化している。今吐いたのは・・その毒液だ」
UBU「はぁ・・・はぁ・・・・・道理で・・お腹の中がとぐろを巻いた様な激痛で満ち溢れてるわけだ・・」つーー(口元をつたう紫色の液体)
ニャーク「いにしえ秘薬をはじめ、現在の大陸医薬品、解毒剤ではほんの一時しのぎにしかならない。抗体は・・おそらく精製不可能に近い」
UBU「培養された人工ウイルス・・・・・」ハァ・・ハァ・・・
ニャーク「すまない。感染源は俺の買ってきたパンの様だ」
UBU「・・・・フフ・・・とんだあんこが・・詰まってたものね・・・グフッ!!」
ニャーク「俺の責任だ」
UBU「はぁ・・はぁ・・・・いいのよ・・・それより・・どのくらいまで・・もちそう・・?」
ニャーク「正確な時間こそ断定出来ないが、数時間といったところだろう」
UBU「はぁ・・・はぁ・・・・感染経路は・・?」
ニャーク「接触感染だ。それも驚異的な速度で増加、侵食をするウイルスだ。俺はニャーマノイドだからお前の持つウイルスに触れても平気な様だが、普通の生物ならば即、感染してしまうだろう」
UBU「・・・いっつもトンコさんに手を洗いなさいって言われてるけど・・今回はレベルが違うわね・・」ぜえ・・ぜえ・・・・
ニャーク「麻生博士の所に運ぶ」
UBU「ダメ・・・・感染しちゃう・・・」ハァ・・ハァ・・・
ニャーク「しかし、それではお前が・・!」
UBU「あたちが・・アウトブレイクの元になって・・・村を・・パンデミックの発生源にしたくはない・・ゴホゴホッ!!」
ニャーク「UBU!!」バッ(支える)
UBU「今日のオトモがあなたで良かったわ・・」にこ(弱々しく微笑む)
ニャーク「・・・・・・。今日ばかりは本来の主人であるカーブーに代わり、お前をマスターとしてこの身を尽くそう。さぁ、俺に命令してくれ」
UBU「はぁ・・・はぁ・・・・そうね・・火山だったのもラッキーよ」
ニャーク「どういうことだ?」
UBU「あたちを・・・あたちをモンスターミリシアの拠点に連れてって!!」
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