マナブ「さて・・今日もユクモ図書館でじっくりモンスターの勉強でもするか。ひ弱な僕にとって知識とは五個の鬼人薬グレートよりも勝る大切な心の所持品。理性に背いた無謀は行動し易く、緻密に満ちた狩猟は多大なる準備と心構えが必要なり・・・フフ、我ながらなんていいことを言う。おっと、こうしてはいられないな。忘れてしまう前にマナブ狩猟語録に書き残しておかなければ・・ペンはどこだ」あたふた
「汝、忘れるべからず。ペンは大陸のいかなる武器兵器よりも勝る神具。インクを古龍の血で綴れば、尚の事良し・・ほら」
マナブ「ん?」
スッ(ペンを差し出される)
マナブ「あ、ありがとう・・・(このひょろ長・・僕と同じく「図書館皆勤賞」のよく見る男だ)」
ノッポ「見たところ、君「も」、ハンターには見えないが、図書館で読んでいる本は全て狩猟に関するものばかり。目的は同じというところかな」
マナブ「・・・・では君も・・?」
ノッポ「ああ。こう見えてもランス使いだ。槍はいい。天をも貫き兼ねない聖なる矛こそ、この世界を悪しきモンスターから弱き人々を救う守護神の如し。とはいえ、今だ下位ランクから逸脱出来ない鎖で縛られた、私もまた、弱き人間の一人・・そんなところさ」
マナブ「・・・・(僕と同じだ・・なんどやっても緊急クエストなんて「出てこない」、下位のキークエストすらソロ攻略出来ない貧弱ハンター!!彼もそうなのか!!)」
ノッポ「よかったら、一緒に勉強しないか?」
マナブ「もちろんだとも!それと・・よかったら僕と狩猟チームを組まないか!?一人で駄目なら、二人・・二人で駄目なら最大四人までクエストには出れる!!僕と一緒に知識と戦術重視の狩猟チームを結成しないか!?」
ノッポ「二人は一人に勝り・・真の友はどんな時にも愛しつづけるものであり、苦難のときのために生まれた兄弟である・・か。こちらこそ、よろしく頼む」スッ(握手を求める)
マナブ「ああ!ハンター道とは、友情にこそその価値がある!!共に頑張ろう!!」
ガチッ
ダッダッダッダッダッダッダ
マナブ「ハァハァ(くそっ・・・くそぉぉぉぉぉ!!!!なにが友情だ!!何が知識こそが腕っ節を上回るだ!!僕は・・僕は何も出来やしかなったじゃないか!!!!)」
ダッダッダッダッダッダッダ
マナブ「ノッポーーーーーー!!許してくれぇぇぇぇぇ!!」
「あたちのモンハン日記」
~3rd Stage
カーブー「マナブさん!!こっちでいいのか!?」ダッダッダッダッダ
マナブ「はい!!」ダッダッダッダッダッダ
ザンコ「相手はなんなんですのぉ~!?」ぴょーんぴょーんぴょーん
マナブ「ファンゴです!!尋常じゃない、変種のファンゴです!!」ダッダッダッダッダ
カーブー「変種・・(やはりガーディアンが幻覚キノコを食わせたモンスターがまだこの渓流に残っているのか・・!?)」ダッダッダッダッダ
ザンコ「そのファンゴにノッポ様が倒されてしまわれたのですわね!?」
マナブ「・・・ノッポは・・ノッポは僕を逃がす為に・・自ら犠牲になったのです!!」
ザンコ「なっさけない話ですわ」
マナブ「・・・・・・こくり」タッタッタッタッタ
カーブー「今は責めてる場合じゃない!それよりもマナブさん!!」ダッダッダッダッダ
マナブ「はい!」
カーブー「メガネを拭くんだ!!視界が悪くては狩りには勝てないぞ!!」
マナブ「カーブーさん・・(僕のメガネが涙の蒸気で曇っているの知ってて・・)」
グッ(手でメガネをぬぐい去る)
マナブ「分かりました!!(そうだ・・ノッポ!ゴンザレスのリーダーである僕が動揺してどうするんだ。僕がしっかりしなければ・・!!)」タッタッタッタッタッタ
カーブー「マナブさん!!狩りは一人じゃない!!気負うことは何もないぞ!!」ダッダッダッダッダ
マナブ「!!」
カーブー「背中を安心して任せられる仲間がいるからこそ、狩りは楽しいんだ!!特に近接武器の最前線はな!!君がノッポさんに助けられたのなら、今度は君がノッポさんを守ってやればいい!!その為の今なんだ!!」ダッダッダッダッダ
マナブ「・・・はい!!」(また涙が溢れる)
ザンコ「まったく・・号泣しながら走るなんて、男の人ってどうしてそんなに器用なんですの?」
カーブー「ハッハッハッハッハ!!それがハンターさ!!沸き起こる感情のままに!!男も女も獣人族も関係ない!!一度狩りに出れば、ちっぽけなことなんか気にしないで理性を吹っ飛ばせばいいのさ!!なぁ、マナブさん!!」
マナブ「カーブーさん・・」グッ(涙を拭う)
ザンコ「それがお下品だって言うのですわ。私はもっと華麗な狩猟をですわね・・・・・むっ川村様!あれをご覧下さいですわ!!」
ブッッヒッヒッヒッヒッヒッヒ・・
カーブー「なんだあのファンゴは・・」キキーッ(両足ブレーキ)
ザンコ「まぁ・・なんてお下品なブタ笑いですの」
マナブ「ノッポ・・・ノッポがいない・・!?」きょろきょろ
ザンコ「本当にここでひょろ長様とはぐれましたの?」
マナブ「はい・・ノッポは僕を突き飛ばし、自らあのファンゴの突進を受け・・」
カーブー「その隙に逃げて来たのか」
マナブ「・・・はい」
カーブー「恥じることはない。不可解な相手を前に、無謀に戦うよりも一旦エリアを移動し、頭を冷やしてから冷静に対処する。三十六計逃げるに如かず。それもまた・・戦術だろ?」ちら
マナブ「カーブーさん・・(この人は・・どこまでハンター想いな人なんだ!)」
「リ、リーダー・・・!」
マナブ「この細っこい貧弱な声は・・ノッポ!?どこだ!?」きょろきょろ
ザンコ「あそこの茂み・・ですわ!!」ギュリーーーン(ブーメランを投げる)
バァ~サバサバサバサバサバァ~(ブーメランが草を刈る)
マナブ「・・・・はっ」
「ブッヒッヒッヒッヒッヒ・・」「ブホホホホホホホ。ブホホホホホホホ(高速笑い)」
カーブー「なんだ!?ファンゴの群れだと!!」
ひゅるるるるるるるるタシッ
(帰って来たブーメランをキャッチする肉球)
ザンコ「しかも全部、目の色が赤くてお下品なイノブタですわ」シュタッ
マナブ「・・・・あの群れの足元にいるのは・・ノッポ!!」
カーブー「なに!?」
ノッポ「リ・・リーダー・・・・」
ザンコ「だらしない。ファンゴの群れに拉致されるなんて」
カーブー「なんてやつらだ・・集団リンチをして、巣に連れて帰り、人を食べようとしていたのか・・!」
マナブ「ノッポー!!待ってろ!!今助けるぞ!!」
カーブー「待てマナブさん」スッ(足を引っ掛ける)
マナブ「どわーー」
すてーん(見事に転ぶ)
マナブ「なにをするんですか!?カーブーさん」ぷんすか
カーブー「ひぃふぅみぃよぉ~い~むぅなぁ~やぁ~こぉ~とぉ~もぉ~ちぃろぉらぁ~ねぇ・・」ぶつぶつぶつぶつ
ザンコ「なんですの?この期に及んでお経でも唱えて、悪霊払いですの?」
マナブ「違う・・数えているんですよ、ファンゴの数を」ぎゅりっ(メガネを掴んでよく見る)
カーブー「多すぎる・・(さて・・どうしたものか。迂闊に手を出せば、あのファンゴの群れの足元にいるノッポさんが突進を喰らい、ひき殺されてしまう・・)」
ザンコ「メガネ様、アイテムは何かお持ちで?」
マナブ「メガネ・・・いや、ファンゴに有効なアイテムはそもそも無いんですよ」
ザンコ「つっかえないですわねで、どうするんですの?川村様」
カーブー「むぅ・・・・」
「ブッヒッヒッヒッヒッヒ」「ブホホホホホホ。ブホホホホホホホホ(高速笑い)」
ノッポ「み、みんな・・逃げろ・・・」
マナブ「ノッポー!!」
ザンコ「どうしますの?川村様・・・」ギュッ(ブーメランを握る)
カーブー「シンキングタイム中だ・・(なんとかしてあのファンゴの群れを遠ざけられれば・・)」
「ブッヒッヒッヒッヒッヒ」「ブホホホホホホ。ブホホホホホホホホ。ブホホホホホホホホホホホホ(高速笑い)」じりじり・・じりじり・・じりっ(ゆっくり近づいてくる)
ノッポ「・・・・汝・・」
カーブー「ん・・?」
マナブ「ノッポ・・・?」
ノッポ「汝・・戦うだけが、狩猟にあらず・・・
さぁ!私にかわまず逃げるんだぁぁぁぁぁ!!」
マナブ「ノッポ・・・君は・・どこまで人身御供になれば気が済むんだ・・!!」
ザンコ「私が囮になりますわ!その隙にひょろ長様をお助けに!!」
カーブー「駄目だ!君がやられてしまう!!」
ザンコ「ではどうすればいいんですの!?」
「ちょっと待ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ザンコ「なんですの!?」
カーブー「この声は・・!!」
バーーーーーーーーーーーーン!!
ズドドドドドドドドドドドドドド
マナブ「あ、あれは!?」
カーブー「イノブタの中のイノブタ・・・その名は・・・・」
「ブヒッ!?」「ブホッ!?」
キキーーーーーーーーッ
カーブー「ジョーさん!!」
ジョー「よう、カーブー。ずいぶん面白い連中とやりあってるな」ンゴッ
「ブヒ・・・」「ブホ・・・・
」じりじり・・じりじり・・(後退して行く)
ザンコ「川村様、群れが退いて行きますわ」
カーブー「む・・・そうか、あいつら理性は失っていても、野生の勘でジョーさんには勝てないと本能で悟ったんだ」
ザンコ「親元ですものね。当然っちゃあ、当然ですわね」
ジョー「こいつらか・・妙なもんを食わされ、自我を失い、挙句に異常食欲種となり渓流を彷徨ってるゴーストボアってのは」フンフン
カーブー「ああ(そうか・・。ジョーさんにしてみれば同胞を無下に殺されたも同じ扱い・・。静かだが、ジョーさんの怒りがひしひしと伝わってくる・・。そしてその哀しみの怒りを一番感じているは・・彼らなのだろう・・)」
「ブヒー」「ブホホホホホ
」
ザンコ「あっ」
ズドドドドドドドド(逃走)
ザンコ「なんですの!?ぜぇ~んぶ、逃げて行っていまいましたわ」
マナブ「ノッポーーーー!!」ダッ
カーブー「とにかくひと段落だ。ありがとう、ジョーさ・・」
ザッ
ジョー「カーブー、本来ならあの怪我をしているハンターを村まで運んで行くのは俺の役目だ。だが、今はそれよりも先決してやらねばならぬことがある。分かってくれるか?」
カーブー「ああ。君しか出来ない仕事だ(あの狂ってしまったファンゴの群れを自ら粛清しに・・いや、ジョーさんがしてやれる唯一の手向けをしてやりに行くんだ・・。なんて辛い決断なんだ・・・ジョーさん・・・!)」
ジョー「UBUへの報告は無用。俺が直接彼女に伝える。いいな」
ドスッドスッドスッ(ゆっくり茂みに消えていく)
カーブー「頼む・・・ジョーさん(俺にどうして止められよう・・)」
ノッポ「ゴホッゴホッ・・」
マナブ「ノッポ!おい、ノッポ!!」(仰向けに寝ているノッポの頭を抱える)
ザンコ「回復薬はないんですの!?このままじゃ、本当にひょろ長様が・・!」
カーブー「ザンコさん!ベースキャンプに行って、ニャン次郎さんにネコタクを呼ぶように伝えてくるんだ!!」
ザンコ「かしこまりましたですわ!!」ぴょーんぴょーんぴょーん
ノッポ「ゴホッゴホッ・・・」
マナブ「ノッポ・・・ノッポーーーー!!」
ノッポ「泣くな・・・リーダー・・・・」
マナブ「ノッポ・・・ノッポ・・・・僕は・・僕は・・!!」
ノッポ「汝・・・責めるにあらず・・・」
マナブ「ノッポ・・・」(号泣)
ノッポ「覚えているか・・・歴史に名高い・・我らの「図書館での誓い」を・・」
マナブ「ああ・・忘れるものか!!」
ノッポ「真の友はどんな時にも愛しつづけるものであり、苦難のときのために生まれた兄弟である・・一人より二人・・・二人より・・・ゴフッ」
マナブ「もうよせ!!喋るな!!ノッポ!!」
ノッポ「はぁはぁ・・・ハンターとは素晴らしい・・・私は、今、この広い世界の中で一番それを実感している幸せ者だ・・」
マナブ「ああ・・!そうだ・・そうだな!!」
ノッポ「月が・・・」
マナブ「・・・?」バッ(上を見る)
ノッポ「今宵も渓流の月が美しい」にこっ
カーブー「!!」
マナブ「ノッ・・ポ・・・?」
ノッポ「・・・・・・・・」
マナブ「ノッポ・・?」
ノッポ「・・・・・・・・」
マナブ「おい・・嘘だろ・・・ノッポ・・・なんとか・・言えよ・・」
ノッポ「・・・・・・・・」
マナブ「お前のことだ、その詩の続きを聞かせてくれるんだろ?なぁ、ノッポ!!」
ノッポ「・・・・・・・・」
マナブ「明日の図書館はどうするんだよ・・サボったら・・皆勤賞じゃ・・・なくなっちゃうぞ・・・」
ノッポ「・・・・・・・・」
マナブ「一人より二人だろ?」
ノッポ「・・・・・・・・」
マナブ「嫌だ・・・嫌だ・・・!!」ボタッボタッ
ノッポ「・・・・・・・・」ぴちゃんぴちゃん
マナブ「君のこんな死を受け入れろと言うのか!?何が狩猟だ!!何が仲間だ!!僕は君を救えなかったんだぞ!?君が死んだら永遠にこの借りを返せないじゃないか!!」
ノッポ「・・・・・・・・」
マナブ「うおおおおおおおおおおおおおお!!ノッポーーーーーーーーーーーーー!!」
カーブー「・・・・・・・」くるっ
カーブー「アンジェリカ・・・・ノッポさんを・・・・ノッポさんを、新しい仲間として・・よろしく頼む」
ザッ
カーブー「・・・・・(ノッポさんを殺し、そしてあのファンゴの群れ達をも狂わせ、ジョーさんに二度と消えぬ遺恨を心に残した悪の元凶・・・)」ザッザッザッザ
マナブ「ノッポーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
カーブー「ブラックガーディアン!!
てめぇらに生きる資格はねぇ!!」To Be Continued
アンジェリカ「ランキング参加中です皆様の清き一票であの世のあたし達を祝福してください
それと、怒った時のカーブーは怖いんだからねぇ砂漠の軍人ども、覚悟しておきなさいよ!!」
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今宵も渓流の月が美しい
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