~アヤ北東、原生林エリア....

あきゃ~あきゃ~ おえっおえっ
(謎の環境生物達が活発な生活音を奏でる太古な森を警戒しながら進んでいく迅竜(首にはジャブ吉が跨っており、背中には泥吉、鉄平&一也)、続いて銀火竜(首に跨るマクシミリア、ニャ太郎、背中で寝転がっているゲルハルト)といった鉄平組の姿が...)

ジャブ吉「□○□」ごにょごにょ(下の迅竜に向かって)

グレンジャガー「あいよ」むんずむんずむんず(指示通り進路を変える)

鉄平「へぇ~。さすがに息がぴったりだな」ドスンドスンドスン(軽快に進んでいく迅竜の背中毛というラグの上であぐらをかきながら)

泥吉「こいつ(前方の首に跨るジャブ吉を指しながら)も嬉しいんですよ。話ができる御仁がいて」ドスンドスンドスン

一也「みゅううう・・・・・・」ドスンドスンドスン
鉄平「どうした?ナルガ酔いか?」むわはははは
一也「いニャ・・置いてきた村のみんなが心配だニャ。また、いつ俺達を襲ってきたモンスターが来るか分からないニャ」
泥吉「ル’ヴォーならご心配なく。シャーマラーン・ハハーン族の言い伝えによれば、かつて火山のエリアには獰猛なモンスターがいたようなのですが、それも悉くル’ヴォーが片付けちまったようで・・それ以来、この北東の地に奴が出現したという伝承はないようです。なぁ、ジャブ吉よ」◎(と返答するジャブ吉の後ろ姿)
鉄平「モンスターがモンスターを乱獲しちまったってわけか?とんでもねぇ野郎だな。余計に腹が立ってきた」
泥吉「北東に人が移住してこないのは、その「おそろしい伝承」がある事と、ジャブ吉達が流した風評が理由なんです」
ジャブ吉「△△△!!」
鉄平「ははは。北東の密林に入った人間は俺達が食べちまうって?」
泥吉「そうやって、自ら悪い噂を流すことで、権力争いに夢中になっている人間の部族の侵攻を抑制しているんですよ。なぁ、ジャブ吉よ」◎(と、そっけなく返答するジャブ吉の後ろ姿)
一也「それでも早く村の男達や攫われた赤ちゃんを取り返さないといけないニャ」ドスンドスンドスン(迅竜に並走してくる銀火竜らも会話の内容に聞き入る)

ゲルハルト「ハニャ~ニャ(首都にはどうやって近づくんだい?)」
泥吉「首都エル・ディアラ・サンドリアは砂漠の山岳地帯にあります。四方を断崖に囲まれている為、陸路だと関所となっている要塞を潜り抜け、断崖に挟まれた一本道を通って首都へ行く必要があります。クーデターの時、コズンダの軍勢が帰還してきた国王軍を一網打尽にできたのは、その地形を利用した伏兵による奇襲戦法だったのです」
一也「加えてル’ヴォー達、モンスターの加勢とあらば、想像しただけでも恐ろしいニャ」
鉄平「それに日蝕・・・」
泥吉「へい。視界が悪くなったことも功を奏したようです」
鉄平「・・・・・・・・・・・・・・・」
泥吉「クーデター後、首都を占拠したコズンダは、自分の暗殺教団を使い、都と後宮にいた国王派を皆殺しにしやした。そして自ら諸王の王たる皇帝と称し、国名をコズンダ・コズタン帝国と改め、邪龍の存在を真っ向から否定すると、政教分離のもと、聖地奪回をスローガンにアヤ全土に潜む旧国家の反体制派に向けてプロパガンダを広め、竜信者狩りを扇動しました。同じように首都でも、それまでの竜信仰を撤廃する為、都への出入りを許されていた聖域の使者団・・タラスクギルドをも標的に定めたんです」
鉄平「まるでデーモン・ロザリーだな。信仰を否定して、自分が大陸の唯一神になろうてか」やれやれ
一也「タラスクギルドはさておき、一番、かわいそうなのは、被害を受ける市民だニャ」
泥吉「おっしゃる通り。首都は大混乱に陥りました。タラスクギルドのメンバーが首都から逃亡する計画を盗聴したあっしは、そのタイミングを見計らって、獣人教徒の装束を盗み、それをジャブ吉と共に着て、連中が非常時の脱出に用意していたリノプロ便の荷台に紛れ込んで脱出してきたんでさぁ」
一也「まさに命からがらの脱出劇だったんだニャ」
泥吉「コズンダは動乱を引き起こし、同盟勢力を四方より、ラ・エメシス奪回に向ける戦略をたてやした。今まで未開であった大陸の中央、ラ・エメシスを占領することが、真のアヤの覇者が目指すべき王道と嘯き、新体制の樹立を宣言したんです」
鉄平「同盟の相手は?」
泥吉「彼に加担する勢力はいずれもイデオロギーは持たない盗賊ギルドや山賊ギルド、それからキャラバン隊をも含めた商工ギルドです。聖域占領後の財宝の分配、それから領土の分配を約束にね」
一也「とんでもない悪党だニャ。コズンダは」
泥吉「へい・・・しかしながら、あっしには、どうもこれらの用意周到な計画が、果たしてコズンダ一人で出来たものか・・疑問が残るんです」

マクシミリア「フィクサーの存在・・。考えられますな」
鉄平「うん・・・泥吉さんは、それらの情報を後宮で集めたと言っていたよね?そしてその支援者が、先王の第一夫人だったと。その御婦人も囚われの身に?」
泥吉「いえ。事前にコズンダの不穏な動きを察したあっしがそのことを告げると、スカルリーナ様は信頼できる大宰相と共に、墓参りを称してラ・エメシスへ向かいやした。残されたあっしはスカルリーナ様に代わり、引き続き後宮を監視していたのですが、都で義賊として活動していた自分の仲間が、ゲ・アゲルゾンのメンバーによって捕縛されちまったことで事態は急変しちまったんでさぁ・・」
鉄平「その御婦人を頼ることはできなかったのかい?」
泥吉「それも考えやした・・。ですが、ラ・エメシスはタラスクギルドの管轄区域。不用意に近づくことはできやせん。それに自分の不始末でスカルリーナ様にご迷惑をかけるわけにも・・・何よりコズンダはスカルリーナ様を深く憎んでいやす。今はスカルリーナ様のご無事を祈ることしかできやせん・・」グッ・・
鉄平「確かコズンダの母親は、奴隷市場から後宮に入ったと・・・だから第一夫人を憎んでいるのか」
泥吉「コズンダが新国家を宣言した後、生母の貴賤にとらわれない冊立を認めたのは、彼の母親が奴隷市場から後宮に入ったことが大きな理由であると考えられやす。奴の母上は国王より寵愛を受けていたらしいのですが、それがスカルリーナ様の嫉妬を買い、再び奴隷市場に戻されてしまったと・・・そして最初の所有者であった宰相のもとに帰されると、悲哀のあまり自害してしまったそうなのです」

ニャ太郎「禁断の愛・・・とまではいかなくとも、権力争いが絡むとなると、心は更に寛容さを失っていく・・・」
泥吉「まったく。クーデター成功後、その宰相はコズンダの手によって真っ先に捕縛されたそうです。今頃は、散々な拷問にあっているでしょうね・・・一族もまた・・・・・」
ゲルハルト「ニャ~ねぇ~~(こわいねぇ~~)」
泥吉「母の死を受けたコズンダは、自分の母親を貶めたスカルリーナ・コズタン様と、何も反論しなかった父親に対して深い憎しみを抱きやした。そしてその復讐の矛先は、義理の兄にも・・・」
鉄平「幽閉されたと聞いたが?」
泥吉「それだけじゃありやせん。幼少期から共に王座に就く為、良い競争相手であった義理の兄・・アダンカの目を潰しちまったんです」
一也「ニャんてことを・・」
泥吉「王位継承者は身体的に欠損のない人物であるべきという観念から、明文化されていた王位就任規定に基づいた卑劣な残虐行為です。そして王位継承者として追放の意を見せしめる為でもありやした。目が見えなくなった兄を投獄して生かし続けているのもまた、耐え難い屈辱と生き地獄を味あわせたかったから・・・そして母君であられるスカルリーナ様にも屈辱を与える為に・・!!」
鉄平「・・・かわいそうに・・・・愛情を知らないんだ・・」ガシッ(俯く泥吉の肩を抱き寄せる)
泥吉「アダンカだけは、コズンダが結成した暗殺教団を奴の私兵と疑っていて、執拗に調査を続けていたことも大きいでしょう・・・邪魔者は身内であろうと排除する・・・それがコズンダ・コズタンなのです」
鉄平「その脅威から、夫人を守りたい・・・絆は深いようだね」
泥吉「へい・・・。あっしが初めて後宮に忍び込んだ時です。スカルリーナ様が事実上、後宮を支配しているという噂を聞き、一体どんな人物なのか気になっちまいましてね・・部屋へ潜入したんです。その時、あっしとしたことがスカルリーナ様に見つかっちまいましてね。なんというか、勘が鋭い御方なんです」
鉄平「大声を出されたとか?」
泥吉「いえ。スカルリーナ様は、警備兵を呼ぶどころか、茶をいれてくれましてね・・。なんでもアヤでも滅多に入らない極上ものを・・・。その時、ふと思い出したんです。ガキの頃、ヴェルドで投獄されていたことを」
鉄平「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
泥吉「小さいお嬢さんに助けられ、その子の導きで訪れた、スラムのアンティークショップで飲んだ紅茶の味をね・・・・」
一也「重なったニャ?」
泥吉「へい・・。こりゃ~大物に違いないと、あっしもスカルリーナ様に興味津々になっちまいましてね・・。あっしらグリムリンクスがアヤへ来た目的を話すと、スカルリーナ様は心打たれたご様子で、以後、自分の代わりに監視の目となってほしいと仰ってくれたのです」
鉄平「うち(ユクモ)でいうとこの村長さんみたいな感じかな」フフッ(と微笑むユクモのアイルーチーム)
泥吉「だからでさぁ。噂より信義に厚いというクルセイダーズの皆様が頭に浮かんだんです」
一也「これもニャにかのお導きかニャ」
泥吉「へい。それから、どうもそのぉ・・・スカルリーナ様からは、あっしを助けてくれた、あの時のお嬢さん・・・キャロルムーアと似た愛情を感じるんですよ」えへへへへ
「あたちのモンハン日記」
Anthem of a Dying lights
一也「にゃあ、鉄平」ゴスゴス(思い出に耽りながらニコニコしている泥吉を横目に耳打ちかましながら相棒の「猫横腹」を肘で突く)
鉄平「ああ・・・UBUのことを伝えろってんだろ?」ンニャ(と一也)
泥吉「・・・・・・・・・・・・・・」ニコニコ
鉄平「あのぉ・・・泥吉さぁ~ん・・・」
ピタッ


(突如、下の迅竜が停止し、その弾みで大地に転げ落ちる鉄平&一也)
鉄平「いてぇ!!なんだよ、グレン!!」(うつ伏せで倒れている一也の背中で尻もちつきながら)
グレンジャガー「静かにしろ。なにかいるぞ」ええ~?(と鉄平のバカな声だけが)
To Be Continued
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次回「あたちのモンハン日記/Anthem of a Dying lights」
第35話「でた。またその名前」
5/23(月)0時更新予定
なぁ、ニャ太郎。なんでも巷じゃ、モンスターの絵が描かれた
「かるた」が出るってもっぱらの噂らしいな
ええ。なにやら、遊び方もいくつかあるとか。バステト殿の知育玩具としていかがですかな?
どうせ、全部あいつ(バステト)が取っちゃうからやだ
・・・・・・(一緒に遊びたいんだなぁ・・)
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