
ボボーーーーーー・・・・・・・
(快晴の大海原を征く大型タンカーのように全長が長く平たい甲板を持つ巨大蒸気船(後方のブリッジの上からは煙突が突き出ており、エコロジカルを示す湯けむりのような白煙を出している)。甲板上には各種眠れるモンスターを入れた檻が無数確認でき(鎌蟹、眠狗竜、毒狗竜、絞蛇竜、黒狼鳥、水獣、氷牙竜、奇怪竜たちの寝姿)、またその大型船の四方には帆走フリゲートタイプの中型護衛艦が付き添いながら同じ進路を進んでいる。それら五隻の船には同じマークが描かれた旗(モンスターの「骨系素材を示す例のアイコン」を中心にリサイクルの促進、環境保護を意味する矢印(「プラ」のマークのような)がアイコンの周りを囲っているデザインのシンボルマーク入り)が立て掛けられている)
~船内倉庫....
うげええええええ
また負けたぁ~~
(無数の木箱、大タルが積まれた暗がりの大きな倉庫の奥より、蝋燭の灯りと思しき橙色の光がほのかに照らされている)
ハロルド「またヒフミかよっ!呪われてやがる


ジークガルム「倍払ってもらうぞ。今度は俺が親だ」スッスッ(お座り姿勢のまま、床に転がっている3つのサイコロ(出目は1、2、3)を器用に右前足で自分のもとに寄せる)
ハロルド「休憩。腹が減った」ぐぅ~~~(蝋燭の燭台が置かれている大タル(おそらく彼が扮装に用いたタルネコボディ)を背もたれにぐったり)
ジークガルム「なんだ?もう携帯食料を食べてしまったのか」
ハロルド「飽きたの。こっちはまだまだ育ち盛りの体なんだぜ?毎日毎日、携帯食料なんてブーよ。ブー」ごろり(ふてくされながら横になる縞々模様なカムラネコ少年)
ジークガルム「我慢するんだな。ここは食料庫じゃなくて火薬庫だ」かぽっ(左前足で器用に茶碗をひっくり返し、手元に寄せたサイコロに覆いかぶせる)
ハロルド「クソ戦争屋どもめ!!どの樽や箱ん中も火薬のニオイしかしやがらねぇ!!おまけに腹減った!!」きぃ~~~っ


ジークガルム「携帯食料を黙って食べろ」ちんちろりぃ~~ん♪(と右手で上手にお椀を回す)
ハロルド「あ~~ん!特産キノコキムチを乗っけたギットギットのギンギラーメンが食べたぁ~い

ジークガルム「喚くな。ほら、俺の謎の骨をやろう」スッ・・(前足でそっと「しゃぶりつくされて成分カッピカッピな白骨」を差し出す)
ハロルド「そんなもんいらんわぁ~~い


ジークガルム「大声を出すな。作戦が無駄になる」グンッ

ハロルド「うわぁ~はぁ~ん!!惨めじゃ~!!こんなのナイトのミッションじゃねぇ!!俺は生臭坊主でもいい!!肉が食いてぇんだ!!ウルトラ上手に焼けた!!お肉様!!」じたばたじたばた

ジークガルム「・・・・クンクン・・・ミオンの匂いだ・・・・お待ちかねの食事だぞ。機嫌を直せ」いやじゃ~~!!
~船内通路....

ミオン「・・・・・・・・・・」てててて・・・きょろきょろ・・てててて・・

きょろきょろ・・
ててててててててて

(足早にT字路の突き当りに見える木製ドアの前まで進むフルフルミオン)
ミオン「・・・・・・・・・・」がちゃり・・
そそそそそそ・・・

わぁ~はぁ~~ん!!
お肉がいいのよぉ~!!
ミオン「!!

バタン

ミオン「ふぅ~~~~~~・・・・・・まったく・・

ずんがずんがずんが

(怒り状態のまま木箱やらが並ぶ列の隙間を通りながら、蝋燭の灯りが照らされている奥へと進んでいく)
ミオン「こりゃ~~!!ニャにを騒いでいるミャ!!」ぷんすか

はなせぇ~~~~
じたばたじたばた

(ガルクの前足で後頭部を押さえつけられながら地面にうつ伏せ状態になっているカムラネコ少年の哀れな姿)
ジークガルム「ミオン。何とかしてくれ」じたばたじたばた

ミオン「世話の焼けるオトモだミャ」やれやれ
ハロルド「お肉が食べたぁ~い!!羽美が焼いた、ウルトラ上手なこんがりが食べたいよぉ~~

ジークガルム「そんないいものはここにはない」やれやれ(冷酷にも押さえつけられながら)
ミオン「羽美って誰だミャ?」
ジークガルム「シオンが入隊する前までナイツに在籍していた前任者だそうだ」
ミオン「ああ・・脱獄したっていう・・」
ハロルド「ちがわぁ~~い!!羽美は自分の正義を貫く為に、ちょっとルールを破っただけじゃ~!!それなのにサフラさん達は彼女を牢屋にぶち込んだんだ!!」じたばた

ミオン「かわいそうに。その人がお母さん代わりだったんだミャ?」
ハロルド「ちがわぁ~~い!!どっちかっていったら、「面倒見の良いお姉さん」だわぁ~~い!!」じたばた

ミオン「ミャあ、ニャんにしても、規律違反はダメだミャお。ほれ。食事を持ってきたミャ。食べろミャ」そっ(うつ伏せのカムラネコな少年の耳元にバスケットを置いてやる)
ハロルド「オトモ二人にあやされるなんて・・ちきしょー!!うわはぁ~~~ん!!」じたばた

ミオン「チビなのにプライドだけは高いミャ」やれやれ(とジークと二人で猫首と犬首を左右に振りながら)
ハロルド「・・・クンクン・・・・いい匂い・・・何持ってきたの?」(うつ伏せのまま大人しくなる。もちろんまだ後頭部はガルクの手によって押さえつけられたまま)
ミオン「こんがり肉をスライスしてパンで挟んだんだミャ。お前が今頃、携帯食料に文句言ってる頃だってミャ。シオンがわざわざ焼いてくれたんだミャ」
ハロルド「・・シオンが・・俺の為に・・?」(うつ伏せのまま)
ミオン「だミャ。新しいお姉さんに感謝するんだミャ」
ハロルド「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ちらっ(カムラネコノ頭巾の耳元に置いてあるバスケットをうつ伏せのままチラ見)
ミオン「ほれ」バサッ(バスケットを覆うクロスを取ってやる)
ホわわわわぁ~~~~~ん

(バスケットの中には、それはもう美味しそうなローストビーフサンドがたんまりと)
ハロルド「いただきもわぁ~~~~っす!!」ガバッ

ミオン「やっぱり子供だミャ」あむあむあむあむあむあむ

ジークガルム「外の様子はどうだ?今は・・昼時とみたが」
ミオン「ごめんミャ。こんな暗いところで。こいつ(ハロルド)がホームシックになるのも分かるミャ」やれやれ
ハロルド「ひりうふはん(シリウスさん)や、はんほひー(アンソニー)は?」あむあむ
ミオン「シリウスはミーティングルームに行ったミャ。小隊を代表して作戦会議に参加する為ミャ。他の小隊も隊長だけが会議に参加して、残りの兵士は甲板の警備にあたってるミャ」
ハロルド「ほれでこれを?」あむあむ(してるサンドを強調しながら)
ミオン「今はランチ時だから、上でBBQやってるミャ。お船の上で、さぞ気持ちがいいってミャ。そこで優しいシオンは、お前の為にわざわざお肉を焼いて、それをご丁寧にスライスして、おまけにサンドまでして、私に持って行けって言ってくれたんだミャお?」
ハロルド「ぐすん・・・泣ける」あむあむ
ミオン「だミャ。それよりまたサイコロ遊びしてたのかミャ?」
ハロルド「ジークはイカサマしねぇからな。俺の力を使わずに、正々堂々、勝負ができるんだ。それに、前のミッションで少し力を使いすぎちまってな。シリウスさんから、本番までテレパスの力を使うのは控えろって言われてるんだよ」あむあむ
ミオン「えらいミャ。ハロルドもジークも」なでなで(ガルクとカムラネコな少年の頭を撫でるフルフルネコ)
ジークガルム「しかし、どこでこんなおもしろい遊びを覚えたんだ?ロックラックか?」
ハロルド「違う。これから行くところ」あむあむ
ミオン「アヤ大陸ミャ?」
ハロルド「そっ」あむあむ
ミオン「前にも行ったことあるミャ?」
ハロルド「そこで生まれたの」あむあむ
ミオン「へぇ~。そしたら故郷に凱旋ってわけミャ」
ハロルド「ざけんな!!誰があんなところに帰りたいもんか!!」
ミオン「・・・・・・・・・・・・・・」
ハロルド「・・・わりぃ・・・・戦災孤児だったんだ・・」
ミオン「思い出したくない過去は誰だってあるミャ」
ハロルド「アヤは部族闘争や動乱が昔から絶えないから・・・・生まれた時には両親はもういなかった」
ミオン「・・・悲しいミャ」ふりふり(首を左右に振りながら)
ハロルド「都の施設に預けられていた。それからすぐに黒服を着た連中が来て、俺を暗殺教団のメンバーにしようと無理やり入団させた。そこで武芸の稽古をやらされているうちに、自分が持っている力に気づいたんだ」
ミオン「なるほど・・そこで思わぬ才能が開花したんだミャ」
ハロルド「ああ。でも俺は暗殺者になんてなりたくなかった。毎日、地獄のような特訓をさせられ、味もしねぇクソみてぇな飯を食わされ、夜は牢獄みてぇな部屋でただ眠るだけ・・・。そこで見張りをやってるおっさんから、この遊びを教わったんだ」ちんちん(逆さまになって置かれている茶碗を指で弾く)
ミオン「それは辛い毎日だったミャ。そこからどうやってナイトに?」
ハロルド「毎日、テレパスの力で塀の外に呼びかけた。助けて・・誰か助けて・・・こんな国から俺を助けてくれ・・・・毎日・・毎日・・・・頭の中で叫び続けた」
ミオン「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ハロルド「それからしばらくして、願いは届いた。シリウスさんが俺を助けに来てくれたんだ」
ミオン「・・・・・・・・・・。ありがとうミャ。大事なお話を聞かせてくれて」ぎゅっ
ハロルド「・・・・・フッ・・・」
ミオン「どうしたミャ?ネコに抱かれるのは嫌ミャ?」
ハロルド「違うよ。少しだけ、覗かせてもらった。ミオンとシオンの関係も」
ミオン「あらミャ」
ハロルド「ミオンも辛い時間を過ごしたんだね。俺たち、似た者同士かも」ぎゅっ
ミオン「・・・フフ・・・・・そうだミャ」すりすり
ジークガルム「シオンが姉なら、ミオンが母ってところだな」フッ・・
ハロルド「あ、今、ちょっとだけ力を使ったのは、シリウスさんには内緒だぞ?あの人、見た目通り、きびしいんだから。でも内面は優しい人なんだ」
ミオン「シリウスの心も覗いたミャ?」
ハロルド「全然。シリウスさんは生粋のナイトだ。鍛錬が違うよ。まったく心が見えないし、覗かせてもくれない。だから、逆に俺にとっては、普通に接することができる人なんだ。それに・・勝手に人の心を覗くのはよくないことだって、シリウスさんが背中で教えてくれた」
ミオン「私のは見たのに?」むぅ
ハロルド「ハハッ。匂いからちょっとイメージが浮かんできたんだ。わざとじゃないよ」
ミオン「ならいいミャ。それにシオンとの過去は、逆に自慢したいくらいの美談だからミャ」
ハロルド「その香りの中に・・・・」
ミオン「ニャんだ?くさかったニャんて言ったら、ぶつミャ」はぁ~~(肉球に息を)
ハロルド「広大なバナナ農園・・・・シオンの香りが残った手紙・・・・・そして・・・なんだろう・・・甘い・・・あんこみたいなイメージも・・・」
ミオン「・・・・・・・・・。ほんとにすごい才能だミャ」(目をまんまるくしながら)
ハロルド「また機会があったら、教えてよ。それまで覗くのはやめておく」えっへん
ジークガルム「それがいい。絆というのは育むものだ」
ハロルド「じゃあ、ジークは叔父さんってところかな」かぱっ(蒼きガルクの足元にある茶碗を開けると)
ちんちろりぃ~~~~~ん

(そこには「111」のゾロ目が)
ハロルド「ピンゾロのアラシ!!」
ミオン「いいやつミャ?」
ジーク「1つでも、3つになれば心強い」
ハロルド「そういうこと!こりゃ縁起がいいぜ!!」たん

「あたちのモンハン日記」
Anthem of a Dying lights
ギィ・・・(倉庫の入り口側よりドアが開く音が)
ハロルド「!!」バッ

To Be Continued
みんなの激アツ一票でしっかり応援してほしいミャ♪

次回「あたちのモンハン日記/Anthem of a Dying lights」
第53話 「お団子がいい・・」
8/1(月)0時更新予定
ミャあ、ジーク。私がちょくちょく登場してる狩猟日記、見てるミャ?
ふぁ~~~~あ・・(つまらなそうにあくびをしてみせる蒼きガルク)
みゅううう・・見てないんだミャ?なぜしてミャ?おもしろいのに
フルフルフルフル(全身を勢いよく振る)
わかったミャ。ジークは狩猟日記の最初の方しか登場してないから、つまんないんだミャ?
はっはっはっはっはっはっ(おすわりしながら頷いている)
こりゃ、作者。たまにはジークも連れて行くミャ。これでいいミャ?
はっはっはっはっはっはっ(おすわりしながら頷いている顔はどこかわろうているように見える)
■あたちのモンハン日記てなぁに?
■あたモン目次録