~エル・ディアラ・サンドリア北、監獄エリア....

80232・・80233・・80400・・80585・・

カーブー「80586・・80587・・」フンッ・・フンッ・・(牢獄の中でストイック腕立てしている、もちろん上半身裸なドボルヘルムのパン泥棒)
デヴィマッツォ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」80588・・80900・・(そんなカーブーを横目に同じ牢獄内より壁を背もたれに両足を伸ばして座りながら編み物をしている)
ゲンス・ゴンス「力を貸せというのは、筋トレのことじゃあるまい?デスカーブー」(鉄格子の向こう側より、しゃがんだ姿勢で睨みつける鮮血のチャチャブーフェイクな男。もちろん上半身裸)
カーブー「焦るな。数え間違える。80902・・80980・・」フンッ・・フンッ・・
さっきから飛ばしまくりだぞ!!
算数は苦手なようだな!?デスカーブー!!
(洞窟内の向こう側よりヘッジの声が)
ゲンス・ゴンス「・・・・ここのところ、俺も看守長に見張られている。頼みがあるなら早く言え」(声を潜めながら)
カーブー「だろうな。囚人と看守が仲良しの牢獄なんて他にはないからな・・・・そうか・・UBUさんとゼルベスも、こうやって距離が近づいたのかもしれないな・・」フンッ・・フンッ・・
ゲンス・ゴンス「・・貴様もセントヘレナッチョに?」
カーブー「あんたら一味が脱獄できたのは、他でもない。騒動を起こしたキャロルムーアさんのおかげだよ」フンッ・・フンッ・・
ゲンス・ゴンス「なっ!?」
カーブー「フッ・・やはり悔恨の念を抱き続けているようだな。強がっていても、そのフェイクの奥で記憶が靄がかっているぞ」フンッ・・フンッ・・
ゲンス・ゴンス「・・目的はなんだ?」
カーブー「力を貸すに気になったか?」フンッ・・フンッ・・
ひょっへぇ~~~~~!!
これはこれは看守長様!!
あいつらなら、また奥で密談してやすよ!!
(ヘッジの媚売り声が)
ゲンス・ゴンス「・・いずれ時間を作る。必ず説明しろ」スッ・・(それとなく立ち上がる)
カーブー「90002・・90003・・・」フンッ・・フンッ・・
カツカツカツカツ・・・・(いつものように往年のガンナー装備を踏襲した赤衣を纏った、ダークブラウン系ゆるふわポニーテール&うす太眉&ちょい切れ長アイライン&ぼったり艷やかリップなナチュラル系オルチャンメイクな顔面に小柄なボディ、右手にはハイアーザントップ(操虫棍)を握った女性が眉間にしわを寄せながら颯爽と洞窟内を歩いてくる)
イェル・ミナ「ほんと、仲良しね」(隣で両腕を組んでとぼけているゲンス・ゴンスと牢獄内で腕立てを続けているカーブーを見下すように)
カーブー「あんたこそ、いつもの相棒は一緒じゃないのか?」フンッ・・フンッ・・(顔を下に向けたまま腕立てを淡々と)
イェル・ミナ「・・・・・・・・。提案が認められたわ」
デヴィマッツォ「・・なに?それじゃあ・・」
イェル・ミナ「それに伴い当方は、現在、囚われている罪人全てに、今回の決闘裁判に参加する権利と代理人を立てる権利を与え、最終的に勝者となった罪人とその代理人の要求にも応えるつもりだ」
カーブー「ハハッ!まるで闘技大会だな。ま、その方がこっちも燃える」フンッ・・フンッ・・
イェル・ミナ「よほど自信があるのね。代理人は都にいる者だけじゃなく、各地からも呼び寄せることが可能になったのよ?」
デヴィマッツォ「なんだと・・」(編み物の手を止め、顔を上げる)
ゲンス・ゴンス「つまり、賞金稼ぎや狩人達も参加可能となったわけか」ふむ・・
デヴィマッツォ「となれば、囚われの身となっている使者団のメンバーにも当然、権利は与えられる・・」
イェル・ミナ「誰が来ても我々、ゲ・アゲルゾンは負けない」シュッ(ハイアーザントップの刃を向ける)
デヴィマッツォ「なるほど・・逆らうものをすべて、今回の決闘裁判で燻り出す魂胆か・・」
カーブー「悲観的になっちゃ駄目っすよ。村おこしと同じ。盛り上げてみせますよ。新王は物分かりが良いようだ」フンッ・・フンッ・・
スッ・・(腕立てを続けるカーブーの顔横に鉄格子の隙間を通してハイアーザントップの鋭い刃が向けられる)
イェル・ミナ「言葉には気をつけるのね。デス・・・」くらっ・・(その名前を言いそうになった途端によろける)
デヴィマッツォ「大丈夫か?」
カーブー「鉄鉱石でも舐めるんだな。アンジェリカもよく、俺が問題が起こす度にそうやってふらついていた」フンッ・・フンッ・・
イェル・ミナ「何の話?」(訝しげに首をかしげながら)
カーブー「死んだ彼女の話さ」フンッ・・フンッ・・
イェル・ミナ「・・・・・・・一応、聞いておく。最後まで勝ち上がった時の望みは?」
カーブー「族長の赤ん坊」フンッ・・フンッ・・
イェル・ミナ「・・・・・・さっきから、何の話をしているわけ?」
カーブー「新王に伝えれば分かるはずだ。それよりマッツォさんの要望も聞いてやれ」フンッ・・フンッ・・
イェル・ミナ「・・・・いいわ。言ってみて」
デヴィマッツォ「信仰の自由」かちゃりこちょり(編み物を淡々としながら)
イェル・ミナ「・・それがあなたの身柄を開放する条件となるから?まずは自分のことを考えるのね。あなたも」(カーブーを睨みながら)
カーブー「あんたは自分のことを考えて、ここの看守長になったのか?」
イェル・ミナ「・・・どういう意味?」
カーブー「さぁ・・あんたと当たらないことを祈る」フンッ・・フンッ・・
イェル・ミナ「私がこわいの?」フッ・・
カーブー「いや。あんたは自信過剰だからな。負けた時、悔しくて俺達の願いを却下しかねない」フンッ・・
ガツーーーーーーーーーーーン!!
(ハイアーザントップの石突がカーブーの側頭部を強く叩く)
カーブー「クッ・・!!」ガクッ(腕立て伏せの体勢のまま顎を地面に打つ)
デヴィマッツォ「何をするんだ!?彼は目が見えないんだぞ!!」
ゲンス・ゴンス「なんだと・・・・そうなのか?デスカーブー」
カーブー「ウッス」(首を左右に振りながら、何事もなかったように再び腕立て体勢に入る)
イェル・ミナ「・・・・だから何?あまり調子に乗らないことね・・。行くわよ、副看守長。あなたに頼みたいことがあるの」ザッ
ゲンス・ゴンス「どいつもこいつもだな・・」ザッ・・(カーブーを気にかけながらついていく)
カーブー「100001・・100002・・・」フンッ・・フンッ・・
イェル・ミナ「それと・・」(背中を向けたまま立ち止まる)
カーブー「??」フンッ・・フンッ・・
イェル・ミナ「本当はそんなにやってないでしょ?見栄を張らないことね」
カーブー「・・・・・ウッス・・」しょんげり・・
ゲンス・ゴンス「あいつが苦手なんだろ?」ザッザッザッ・・
イェル・ミナ「あなたは逆みたいね。いつも何を話しているわけ?」ザッザッザッ・・(通り過ぎていく両端の牢獄内から彼女を冷やかす声が次々と飛んでくる)
ゲンス・ゴンス「ああいう男が嫌いじゃないだけさ。それより、頼みとはなんだ?」ザッザッザッ・・
イェル・ミナ「特別牢の罪人から秘術のやり方を聞き出して。手段は選ばないわ」ザッザッザッ・・
ゲンス・ゴンス「奇面族の秘術ねぇ・・・良い思い出がない」ザッザッザッ・・
イェル・ミナ「コズンダ様は彼らの集落を襲撃するとまで言っているわ。そんなことをしたら、駐留させている部族の仲間が反乱を起こすだけ。お願い」ザッザッザッ・・
ゲンス・ゴンス「まるで奇面族を助けたいような口調だな」ザッザッザッ・・
イェル・ミナ「無駄な殺し合いはしたくない」ザッザッザッ・・
ゲンス・ゴンス「決闘裁判もか?なぜ自分でやらない?」ザッザッザッ・・
ヘッジ「イェル・ミナ様は心優しいお方なのさ!!」(鉄格子の隙間めいっぱいにその細いダブルモヒカンな頭と顔をめり込ませながら)
ゲンス・ゴンス「こいつ・・・そのうるさい口を塞いでやろう」ザッ
イェル・ミナ「待って。先に行ってて」
ゲンス・ゴンス「良かったな。直々に調教してくれるとよ」いいぞぉ~ヘッジ!!(と他の牢獄からヤジが飛ぶ中、一人先に洞窟をあとにする副看守長のでかい後ろ姿を見届ける女看守長)
イェル・ミナ「・・・・あなた、ずいぶん耳がいいのね」スッ・・(ダブルモヒカンな細い顔が突き出ている鉄格子にその小顔を近づけながら)
ヘッジ「ヘッジです!この牢獄のことは誰よりも詳しいでさぁ~♪」
イェル・ミナ「・・ヘッジ。じゃあ、副看守長と奥の牢獄にいるヘルムを被った男が何を話しているか知っている?」
ヘッジ「さぁ・・・いつも馬鹿話ししか・・」う~~~ん・・
イェル・ミナ「ねぇ、ヘッジ」
ヘッジ「へい・・」
イェル・ミナ「決闘裁判の話も聞いてた?」
ヘッジ「え、ええ・・微かですが、俺達にも権利があるって・・本当ですか?」
イェル・ミナ「本当よ。そこであなたにお願いがあるの」
ヘッジ「な、何なりと!!」
イェル・ミナ「ここは少し、あなたにはうるさい環境みたいね」何話してんだぁ~!?クソヘッジ!!
ヘッジ「ええ・・でも、みんないい奴ばかりですよ」
イェル・ミナ「優しいのね、あなたは」
ヘッジ「い、いやぁ・・・・」
イェル・ミナ「あなたを奥の男達の隣に引っ越しさせてあげる」
ヘッジ「え・・・」
イェル・ミナ「そこで彼らが何を話しているのか報告して。ちゃんと協力してくれたら、あなたは決闘裁判なしで自由にしてあげる」こそっ
ヘッジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
イェル・ミナ「頼むわよ」パチりん(キュートウィンクかまして立ち去る)
ヘッジ「・・へへ・・・へへへへへへ」何ニヤニヤしてやがるんだ!!気持ちわりぃ!!クソヘッジめ!!
「あたちのモンハン日記」
Anthem of a Dying lights
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(重厚な鉄格子の向こう側、一際大柄な奇面族(面は土色で目元はクローバー型、口元はスペード型にくり抜かれており、カイゼルタイプの金色の大髭が特徴的。後ろ髪も金色のドレッドブロンドになっており、頭頂部には「黄金のしゃぶしゃぶ鍋みたいな冠」がちんまりと乗っかっている)が壁際に立たされたまま、両手、両足を鎖で拘束された状態でうつむいている)
ゲンス・ゴンス「お前次第だ。村を失いたくないだろう?」
ケズマダ・ハハーン「脅迫するか・・外道共め・・・」ぜぇ・・ぜぇ・・
ゲンス・ゴンス「正直、俺はこの監獄以外の事にはあまり興味がなくてな。お前らのこともどうでもいい。殺せと言われれば、躊躇なく殺す」どすん(鉄格子の前で重たい腰を下ろし、あぐらをかく)
ケズマダ・ハハーン「希望と引き換えに秘術を教えろというわけね・・」ぜぇ・・ぜぇ・・
ゲンス・ゴンス「どう解釈しようが個人の自由だ。苦悶の果て、二度と歩けなく「調整」してやることも簡単にできるぞ?」
ケズマダ・ハハーン「ホイだったら、好きにすればいいね・・・どの道、新王はワガハイ達を殺すよ・・」ぜぇ・・ぜぇ・・
ゲンス・ゴンス「ふん。奇面族ってのは気骨がありやがるから、たちが悪い」
ケズマダ・ハハーン「あんた、相当、ワガハイの仲間殺してきたね。その面には呪いがかけられているね」ぜぇ・・ぜぇ・・
ゲンス・ゴンス「このゲンス・・おっと。俺様は呪いなど信じない。死ぬ時は死ぬ。逆に覚悟を決めても生き延びる時もある。それだけだ」
ケズマダ・ハハーン「あんた、なぜ奇面族嫌いか?」ぜぇ・・ぜぇ・・
ゲンス・ゴンス「いつも俺の邪魔をしやがるからだ」
ケズマダ・ハハーン「・・・・・・・・・・・・・・・・」ぜぇ・・ぜぇ・・
ゲンス・ゴンス「こう考えろ」
ケズマダ・ハハーン「??」ぜぇ・・ぜぇ・・
ゲンス・ゴンス「お前ら特有の秘術は俺様も腐るほど見てきた。中には本当に言葉だけで呪い殺すことが出来る術師もいた。まぁ、そいつが言葉を終える前に首を切ってやったから、それまでだったがな」
ケズマダ・ハハーン「遠距離タイプだったら良かったね」ハハッ!!(と馬鹿笑いする鮮血のチャチャブーフェイクな大男)
ゲンス・ゴンス「だが、その術師から秘儀のやり方を聞き、真似しようとした俺の部下は呪い死んだ。それが術師の罠だったのか、それともやり方を間違えたか、そもそも人間では真似できなかったのか・・。一つ確かなのは、その術師は、自分で手を下さなくても人間を殺すことができたってことだ。だから俺はそいつを殺した。物騒な秘術と共にな」
ケズマダ・ハハーン「・・・・・・・・・・・・・・・・」ぜぇ・・ぜぇ・・
ザッザッザッザッザッザッ・・・
(洞窟を歩いてくるイェル・ミナ)
イェル・ミナ「どう?」
ゲンス・ゴンス「俺なりのアドバイスはした。あとは・・この男次第だ」やれやれ
ケズマダ・ハハーン「・・・・・・・・・・・・・・・・」ぜぇ・・ぜぇ・・
イェル・ミナ「教えてくれれば、コズンダ様にあなたを開放するよう説得してみせる。アジャリナのもとに帰れるのよ?」
ケズマダ・ハハーン「ジャスを返すね。それが条件よ」ぜぇ・・ぜぇ・・
ゲンス・ゴンス「・・族長の赤ん坊・・・・・」ぼそっ・・
イェル・ミナ「・・わかった。聞いてみる」
ケズマダ・ハハーン「はぁ・・はぁ・・・・・我ら、シャーマラーン・ハハーン族の秘儀・・・ドスパパヴェル・ボルケノス・ラフレシアヌムを食べ、全身を内から燃え上がらす痛みを克服し、迫りくる死の恐怖を乗り越える・・・・内蔵で火を制御し、心臓を燃やし、己を炎と化す・・・・・火を畏れ、火を恐れるな・・・・・」
イェル・ミナ「・・・・・・・・・・・・・・・・」
ゲンス・ゴンス「疑うなら試してみればいい。俺はあんたらよりもこいつらに精通しているが、たいがい奇面族の秘術とは危険と隣合わせだ。自分でやってみたらどうだ?看守長」フッ・・
イェル・ミナ「・・・・・・ジャスのことは心配しないで。また来るわ」ザッ・・
ザッザッザッザッ・・・・・・・
(ゆっくりとその場を去るイェル・ミナ)
ケズマダ・ハハーン「奇面族が嫌いじゃなかったか?」ぜぇ・・ぜぇ・・
ゲンス・ゴンス「嫌いさ。だが、あんたを見ていると、なぜか昔のことを思い出す・・。なぁ、あんた。デスカーブーって男を知っているか?」
ケズマダ・ハハーン「●」ぜぇ・・ぜぇ・・
ゲンス・ゴンス「フッ。禁忌の名前てか。赤ん坊はどうした?」
ケズマダ・ハハーン「コズンダに誘拐されたね・・・」
ゲンス・ゴンス「・・なるほど。最初からおかしいと思っていたんだ。お前ら奇面族が、なぜ人間の暴挙に加担したのかな・・・」ふむ・・
ケズマダ・ハハーン「また、お前の邪魔するか?」ぜぇ・・ぜぇ・・
ゲンス・ゴンス「・・・よくよく考えたら、お前たちがいるおかげで自分に仕事があった。今回は・・・・どうかな・・・」ちら・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(鉄格子の外側、水が入った木製バケツの陰に隠れている小さなオオナナホシの姿が)
ゲンス・ゴンス「水を飲ませてもらっていたのか・・・・まったく、どいつもこいつもだな」やれやれ
イェル・ミナ「何してるの!?行くわよ!!」(光差す入り口側より彼女の小さなシルエットが)
ゲンス・ゴンス「看守長!!族長にも当然、決闘裁判の権利はあるよな!?」
ケズマダ・ハハーン「??」
イェル・ミナ「・・・・あるはずよ!何を考えているの!?」ザッザッザッザッ!(足早に引き換えしてくる)
ゲンス・ゴンス「デヴィマッツォの代理人も認めた」ザッザッザッザッ!(戻ってきた彼女に向かって)
イェル・ミナ「ええ。だから何?」ブブブブ・・(飛んできたククが彼女の左肩にとまる)
ゲンス・ゴンス「ならば、俺様もこの族長の代理人になる」ドンドン

To Be Continued
ランキング参加中なんだ!
みんなの激アツ一票で応援してくれよな!!

次回「あたちのモンハン日記/Anthem of a Dying lights」
第102話 「もはや狩る時代は終わった。これからは乗る時代なのだ」
2/2(木)0時更新予定
今日のおまけのコーナーはこの俺、カーブーがお送りするぞ!
え?早速質問だが、なぜ牢獄内では「デス」を付けているのか?だって?
その答えはシンプルさ
そう、カッコいいからだ!!
というわけで次回も見よう!!読も見ようぞよ!!
■あたちのモンハン日記てなぁに?
■あたモン目次録