
ブ~~ブ~~!!ブーーーーーー!!
(不満と非難の大エネルギーが地鳴りを立てて星型アリーナに反響する中、褐色肌がよく似合う少し苛立つデザインパーマな赤装束の男が両手を広げながら自己陶酔に浸っている)

ゾフィ「おい、あいつって、そんなにすげぇのけ?」ブーブー
若い男「巧みな心理戦で相手を動揺させ、そのすきを見て仕留めるそうだ」ブーブー

ユーリィ「・・卑怯だけど・・暗殺者として・・優秀・・」ブーブー!!(大ブーイングの中、星型アリーナの角に向かって、へこへこと歩いていくカーブー)

カーブー「へぇ~~えと・・・なんだかへんてこな戦いになってきたが・・・」
バカァ~~~~ン

(地面の蓋を豪快に蹴り開けるカーブー)
よいしょっとな・・(カーブーは身を屈めながら地面の中に手を伸ばし、そこから真紅の刀身を持つ太刀を取り出す)
カーブー「使える得物があったのはツイてるぞ」チラァ~~~ん

ユーリィ「・・けど・・兄君に・・猪口才な・・心理戦なんて論外・・」ブーブー!!(太刀を片手にイッヒのもとに戻っていくドボルヘルムの囚人)
ザブロゲン・イッヒ「ハッハッハッハッ!!素晴らしい!!それは私が愛用している太刀だ!!いい武器を見つけたね、デスカーブー君!!」ブーブー!!
カーブー「そうでしたか。確かに斬れ味だけは良さそうだ」
ザブロゲン・イッヒ「ほぉ・・わかるのかね?」ブーブー!!
カーブー「上身(かみ)を包む赤い色のオーラ・・・この刀で斬られたものの血だ」ん~~(とドボルヘルム越しに刀身を見つめながら)
ザブロゲン・イッヒ「フッ・・君はおかしな奴だな。さぁ!その太刀でかかってくるがいい!!」
カーブー「ウッス」チャッ・・(正眼の構え)
ザブロゲン・イッヒ「うむ・・タイミングを見計らい、私の腹部を狙っているね?」クスッ・・(実に傲慢ムカつく顔で)
カーブー「ウッス」
ザブロゲン・イッヒ「なぜ頭を狙わない?その鋭い刃で頭を狙えば、イチコロだぞ?」
カーブー「殺すのが目的じゃあないので。それにこの刀からは強度の高さは感じない。一回やったら・・おしまいかな」
セフィティス・ファルザーム「始まったな。イッヒの心理戦が」やれやれ
イェル・ミナ「知ってた?」
セフィティス・ファルザーム「ん?」
イェル・ミナ「彼、目が見えないのよ」
ザブロゲン・イッヒ「余裕だな、デスカーブー君。これでも私は、目に不具合がある君を気遣っているんだよ?所作を見れば、すぐに分かる」
カーブー「すんません。でも、気絶させるのは簡単です」
セフィティス・ファルザーム「それが心理戦に関係あるのか?」
イェル・ミナ「いえ。そもそもが不可思議ってこと」やれやれ
ザブロゲン・イッヒ「ハッハッハッハッ!私を気絶させる!?君の一手はすでに見切っているんだぞ!?確かに緊張こそは見えないが、私に一撃を与えることすらできまいて!!ハッハッハッハッ!!」ブーブー!!
カーブー「じゃあ、逆にこっちから質問です」
ザブロゲン・イッヒ「ん?」
カーブー「どんなモンスターがお好みですか?」
ザブロゲン・イッヒ「これはまた珍妙な質問だな」
カーブー「相手のペースに持ち込まれるのが嫌なタイプですか?」
ザブロゲン・イッヒ「・・・フン。いいだろう。そうだなぁ・・・やはり、飛竜種かな。リオレウス。赤き天空の王者だ」ブーブー
カーブー「OKっす。レウスなら俺も夢で見たばかりだ。それでいきましょう」グッ・・(正眼の構えのまま、柄を力強く握りしめる)
ザブロゲン・イッヒ「んん?」
スオオオオオオオオン!!
(カーブーの全身から闘気が放出される)
イェル・ミナ「自分で練気を・・」
セフィティス・ファルザーム「これをイッヒが読めていたかどうかだな」ふむ・・
ザブロゲン・イッヒ「何をした?」
カーブー「六合発勁。まだまだ。これからっすよ」
ファオオオオオオオオオ
(カーブーの背後に炎の軌跡を描きながら天空を舞う火竜の姿が浮かび上がる)
ザブロゲン・イッヒ「え・・」
ギャオオオオオオオオ!!
(次の瞬間、咆哮をあげながら水平に飛んできた火竜がその鋭い牙を持つ口より光焔の火球を吐いてくる)
コズンダ「!?」(思わず玉座から前のめりになって見入ってしまう)
ドオオオオオオオオン!!
(火球と共に渾身の突きをイッヒの腹部に浴びせるカーブー)
ボオオオオオオオオ!!
ダシャーーーーーン!!
(全身燃え上がりながらアリーナの壁に背中から激突するイッヒ)
カーブー「やっぱり壊れた。大業物には程遠い」パキャーーーーン・・(太刀の刀身が燃え上がりながら粉々に砕け散る)
「あたちのモンハン日記」
Anthem of a Dying lights
ワァアアアアアアアアア!!
(場内スタンディングオベーションな大歓声の中、星型アリーナの中央から各角の客席に向かって一礼かましているドボルヘルムの囚人)

肉まん君「ほぉ・・・・」いいぞぉ~~!!デスカーブー!!

鉄平「ほら見ろ。クソつまんねぇ」(と言いながらも顔はにやけている)

一也「メンタリストでも、カーブーの剣技は読めなかったニャ」かちんかちん♪(ザザミネコバサミをカスタネットみたいに鳴らしながら)
ゾフィ「いよっしゃ!!またボロ勝ちだぜ!!」ぱぁ~~ん

カトゥッロ「そんな・・・」ワァアアアアアアア!!
コズンダ「アゲルゾンのメンバーも入れ替える必要があるな」フフ・・(再び玉座にふんぞり返り、不敵な笑みを浮かべながら)
イェル・ミナ「・・今のは何?」(コズンダの提言を聞き入れながらアリーナのカーブーを見下ろす)
セフィティス・ファルザーム「さぁな・・・ただ、イッヒが再起不能なのは確かだ」やれやれ

ミオン「なんだミョ・・・リオレウスが飛んでいったミョ・・」ワァアアアアアア!!
アンソニー「一撃で相手を仕留め、同時に観衆の心も射止めた。ほらね。彼はやっぱりグルービーなハンターだ」デスカーブー!!デスカーブー!!(彼の名を連呼する観客達。もちろん男性ファンがメイン)
ミサキ「東方太刀真山・・龍の型・・・・」かちんかちん♪(歓喜のザザミネコバサミの音が)
ラインハルト「う~~~~ん。うちの子が、なぜ彼に惹かれるのか・・少しだけですが、分かった気がします」かちんかちん♪(悩める父の親心を断ち切るザザミネコバサミが彼の顔の前に)
セフィティス・ファルザーム「コズンダ様。観衆はご覧のように満足しています。イッヒの回収を急がせましょう」ワァアアアアアアア!!
コズンダ「好きにしろ」(顎を指でなぞりながらアリーナのカーブーを見下ろしている)
セフィティス・ファルザーム「すぐに」ハッ(背後の従者が動き出す)
イェル・ミナ「私も行くわ」ザッ
コズンダ「待て、イェル・ミナ」
イェル・ミナ「・・なにか?」
コズンダ「奇面族の秘技と、あの男の剣技・・・どちらが上だと思う?」ワァアアアアアア!!
イェル・ミナ「・・・さぁ・・私にはわかりかねます」
コズンダ「フッ・・行っていいぞ」
イェル・ミナ「・・・・・・・・・・」タッタッタッタッ・・
コズンダ「セフィティス。お前ならば、あの男にも勝てるか?」
セフィティス・ファルザーム「もちろんです」
コズンダ「愚問だったな・・・・タヒールはまだか?」
セフィティス・ファルザーム「来ていませんね」ワァアアアアアア!!
コズンダ「奴の見解も聞きたかったが・・・カトゥッロ。次の戦いは、もう少し長引くといいな」
カトゥッロ「そのことなのですが、どうも誘導に手こずっているようでして・・」はぁ・・はぁ・・(カトゥッロの隣では伝言をしにきたと思われる息を切らせた衛兵の姿が)
コズンダ「ああ・・・そういうことか。余も観衆も期待している。多少、闘技場を破壊しても構わん。急がせろ」ハッ!(と駆け出す衛兵)
アジャリナ「見たか、フェットチーネ。あの男、刀から火竜呼び寄せたよ」デスカーブー!!デスカーブー!!
フェットチーネ「ああ。さらに凄みを増したようだ。まったく・・とんでもない技を身につけたもんだよ」デスカーブー!!デスカーブー!!
アジャリナ「まさしく武神ね。みんな、あの男に期待してるね」デスカーブー!!デスカーブー!!
フェットチーネ「革命の異端児・・・どこへ行っても同じか」フフッ
ザッ・・(彼女達が観戦しているアリーナの角にある出入り口より、アジャリナを監視している赤装束の二人組)
ゴジャランダ「準備しておけ、アジャリナ」くっちゃらくっちゃら(ガム的なものを噛みながら、いやらしい笑みを浮かべている)
アジャリナ「なに?次はあたいか?」
マリク「・・・・・・・・・・・・・・・」(目を逸らす)
デスカーブー!!デスカーブー!!
(歓声を受けるカーブーは、衛兵やイェル・ミナによって運ばれていくメンタリストを見届けながら、鮮血のチャチャブーフェイクの大男が待つアリーナの角へ戻っていく)
イェル・ミナ「・・・・・・・・・・・・・・・」(イッヒに肩を貸しながらカーブーの方を振り返る)
カーブー「・・・・・・・・・・・・・・・」ザッザッザッザッ・・
ゲンス・ゴンス「残虐メンタリストとは口だけだな。お前、何をした?」デスカーブー!!デスカーブー!!(客席と闘技場を隔てる塀を背もたれに寄りかかっている彼の横に並ぶカーブーに向かって)
カーブー「イメージしたものを刀に乗せたまで。だからといって、誰にでも出来るものじゃあない」きゃああああ!デスカーブー!パンパン

ゲンス・ゴンス「こいつらは、お前が国の英雄になることを臨んでいるぞ。もちろん、新王もな」デスカーブー!!デスカーブー!!
カーブー「それはどういう意味だ?」パンパン

ファンの女の子「新王軍と共にラ・エメシスをアヤに還すのよ!!古い仕来りは、もう、うんざり!!」パンパン

カーブー「ということは、新王軍に加われば、邪龍がいる場所へ行けるということか?」パンパン

ファンの行商人男子「伝承によればな!!特権を独り占めしている使者団を聖地から追い出してくれ!!頼んだぜ、デスカーブー!!」パンパン

カーブー「なるほど・・・」パンパンパンパンパン


ゲンス・ゴンス「新王軍に加わるつもりか?」
カーブー「別に」パンパンパンパンパンimg src="https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/104.png" draggable="false" alt="ハッ" height="24" width="24">

ゲンス・ゴンス「ケッ・・。それより、シオン・プラウズはどうした?」
カーブー「そういえば・・・・ん・・・」パンパンパンパンパンimg src="https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/104.png" draggable="false" alt="ハッ" height="24" width="24">

パーマの大男「静粛に!!」
ザワザワザワ・・・・・・・
パーマの大男「これより第二試合のメンバーを発表する!!」オオオオオオオ!!
ゲンス・ゴンス「どうした?」ワァアアアアアア!!
カーブー「いや・・彼女の気配だと思うが・・・・」ワァアアアアアア!!
パーマの大男「まずは原告側、ゲ・アゲルゾンより、ゴジャランダ、マリク!!前へ!!」
ゴジャランダ「先に行ってるぜ」ジャイン!!(アジャリナが物申す前にマリクと共に木製の武器ラックより、それぞれの得物(ゴジャランダはアイアンガンランスに似た形状の赤い銃槍を、マリクは真っ赤な鉈(なた)のような片手剣)をそれぞれ抜きながらグラウンドへ出ていく)
ワァアアアアアアア!!
(大歓声を受けるゴジャランダ&マリク)
イェル・ミナ「じゃあ、頼んだわよ」ハッ(気絶したままのイッヒを担架に寝かせ、運んでいく衛兵達)
ワァアアアアアアア!!
(アリーナ角の出入り口より闘技場に出るイェル・ミナ)
イェル・ミナ「あの二人は・・」(星型アリーナの中央で満足げに歓声を受けているゴジャランダを見ながら。マリクは少し気まずそうに下を向いている)
パーマの大男「対戦する被告、戦争捕虜の代理人、アジャリナ!!前へ!!」
イェル・ミナ「・・・・・・・・・・・」ワァアアアアアアア!!(歓声の中、VIP席を見上げる)
ワァアアアアアアアア!!
(薄笑いを浮かべながらアリーナを見下ろしているカトゥッロ、そして玉座のコズンダ)
アジャリナ「やっと復讐できるね」ワァアアアアアア!!
フェットチーネ「捕虜の中にも竜信者はいるらしいが、あんたは違うだろ?」ワァアアアアアア!!
アジャリナ「そんなのあたいには関係ないね。あの二人があたいの大事な赤ちゃん、さらっていったから戦うだけね」ワァアアアアアア!!(意気込みながら中央へ向かう)
パーマの大男「尚、予定していたアジャリナのモンスターだが、到着が遅れているため、先に戦いをはじめる!!」
アジャリナ「なに!?」
ゴジャランダ「きっと、食後で眠いんじゃないのか?」フフ
アジャリナ「お前らが・・卑怯者め!!」
マリク「辞退しろ、アジャリナ。俺はお前を殺したくない」
アジャリナ「ぬかすかアホめが!!あたいだけでも、お前らなんてぶちのめしてやるね!!」ワァアアアアアア!!
ゲンス・ゴンス「はぁ?二人がかりで奇面族を?とんだ腰抜け集団だな、アゲルゾンってのは」ワァアアアアアア!!
カーブー「むぅ・・・・ん?」ワァアアアアアア!!
イェル・ミナ「ちょっと!どっちか彼女を手伝って!」(客席の塀に沿いながら足早に彼らのもとにやってくる)
ゲンス・ゴンス「ああ?看守長の命令でも、勝手にそんなことはできない」やれやれ
イェル・ミナ「あなたならコズンダ様を説得できる。お願い」(ドボルヘルムの囚人に向かって)
カーブー「優しいんですね。でも大丈夫。耳をすましてごらんさい」ごらんさいって、お前(とゲンス)
イェル・ミナ「・・・・・・・・・・・・・・・」ワァアアアア!!
ドスンドスン・・・・
(アリーナの赤土に振動が走る)
イェル・ミナ「・・・・・・・・・・・・」ワァアアアアア!!ドスンドスンドスン・・
カーブー「すごい勢いでこっちに向かっているのが分かる。それから、彼女もな」ドスンドスンドスンドスン
ゲンス・ゴンス「なに?」ドスン!
イェル・ミナ「足音が消えた・・・」(地面を見つめながら。対し、カーブーだけが一人、空を見上げている)
パーマの大男「それでは・・・はじめぇええええええええええええっいやっ!!!!!」
ゴジャランダ「やっとこの時が来たなワァアアアアア!!
アジャリナ「そうか。お前が願い出たか。感謝するね」ワァアアアアア!!
ゴジャランダ「相棒が来る前に殺してやる」ワァアアアア!!
マリク「アジャリナ。辞退するんだ」ワァアアアア!!
アジャリナ「誰が・・!」
ボギャアアアアアアアア!!
(次の瞬間、アリーナの上空よりモンスターの咆哮が)
ゴジャランダ「なっ!?」ボギャアアアアアア!!(マリクと共にたまらず耳を塞ぐ)
イェル・ミナ「どこ!?」ボギャアアアアアア!!(大観衆もまた、騒然としている)
カーブー「闘技場を飛び越えさせるとは・・やるな」フッ(顔を上げながら)
ヒョウウウウウウウ!!
(カーブー達がいるアリーナの角を飛び越えながら羽ばたいてくる一頭の棘竜)
アジャリナ「ドム!!」ヒョウウウウウウ!!

ボギャアアアアアアア!!
ドスーーーーーーーン!!
(アジャリナの背後に着地してきた棘竜の背中には、薄紫色のマントを持つギルドクロスを身に纏った女性騎士が立っており、その後ろでは必死に外殻に生える赤色の棘にしがみついているタヒールの姿も)
イェル・ミナ「シオン!!」

シオン「成功、成功♪さぁ、おもいっきり暴れなさい!!」ボギャアアアアア!!
To Be Continued

ランキング参加中なんだ!
みんなの激アツ一票で応援してくれよな!!

次回「あたちのモンハン日記/Anthem of a Dying lights」
第167話「あれ、こわいのよね」
9/18(月)0時更新予定
雷が苦手な作者は、あつ森でも雷の日は、インするのを躊躇するんだぞ
しょうもなことより、次回も見よう!!読も見よう!!ぜよ!!
■あたちのモンハン日記てなぁに?
■あたモン目次録