すあま「はぁ・・はぁ・・・」(走り慣れていないのであろう、一同の前に駆けつけて来た中二女子は息を切らして両膝に手をついている)
ミッチ「すあま殿。皆さんと一緒に逃げなかったんすか?」
すあま「それよりも早う逃げるんや!!」
玄竜「どうしてだ?テロリストたちは皆、退治したぞ」
すあま「ちゃう!!爆弾や!!」
ミッチ「あ、そうでした。でも爆弾は身代金が来た時にテロリストが解除をしてくれたんじゃ・・」
すあま「そんなん嘘や!!最初から連中はユクモを崩落させるんが目的やったんや!!その証拠に私は、ずっとテロリストたちが農場からいなくなるまであの大樽の様子を見とったが、連中は何一つ解除らしい行動なんてしてへんかった!!」
ミッチ「え」
夜叉亥「そうか・・ギルドの追跡者を巻くためにユクモを・・」ちら
・・・・・・・・・・・・・・・・
(村と繋がる架け橋の脇にポツンと置かれた大樽)
アルテミス「そうかい。砂漠の艦隊の連中が何かに気をかけながら戦っていたのは、あれを自分たちの発砲で不用意に起爆させない為だったんだね」
ミッチ「どういうことっすか?」
夜叉亥「仲間が逃げる時間稼ぎだろう。頃合いを見て、樽を爆破させるつもりだったんだ」
ミッチ「じゃあ、最後の兵隊が狙っていたのは、玄竜殿ではなく・・」
玄竜「大樽を狙っていたのだろう。安心しきった我々諸共、吹っ飛ばす為にな」
ミッチ「そのつもりで最初から特攻してきたってことっすか・・まったく。大陸から授かった生命を粗末にするなんて・・」
すあま「道徳の授業は後にせぇや!!それより早う逃げな」あたふた
(あっち行ったりこっち行ったりして慌ててる中二女子)
アルテミス「だってさ。どうすんのさ、ファーザー。あんたの息子がいない今、あたしはあんたの言うことに従うよ」
ミッチ「自分もっす」
玄竜「・・・・・・・。如来衆。お前たちはこの少女を連れ、採掘場のトンネルより退避しろ」
夜叉亥「・・・・・・・・。心得た。だが」
玄竜「ん・・・」
夜叉亥「我が棟梁はまたあなたとお茶を一杯共にしたいと願っておられるだろう。それを承知の上で行動されよ」
玄竜「・・・・・早く行け」スッ・・
夜叉亥「聞いたか!如来衆、撤退だ!!渓流へ帰るぞ!!」
破戒僧「でわ早速」むんず(すあまを持ち上げ肩車スタイルにする)
すあま「ちょ校長先生~
」ちら
玄竜「・・・・・・・・・・・」(目を伏せている)
すあま「そんな・・・せっかく立派な姿としての校長先生と出逢えたいうのに・・・死んだらあかんで!!あんたはバベル中学の誇れる校長なんやから!!」
玄竜「・・・・・・。行け!!」
すあま「校長先生・・・・・」ぐすん
夜叉亥「撤退だ!!」
ダッダッダッダッダッダ・・・(肩車されながらも玄竜の方を振り返って見ている涙目のすあま)
玄竜「・・・・・・・・・」(その瞳に写る、背を向けたまま腕を組む屈強な校長の姿)
ヨッコ「ふぅ~。みんな無事に降りたみたいね」ん~(崖下を見てる)
アルル「ヨッコ!あたし達も降りましょう!!」ふりふり(崖途中の岩場で待機しながら手を振っている)
ヨッコ「そうね・・・でも誰かいなかった気も・・・」ん~(崖下の村人達を見てる)
「遅番のおねえはぁ~~ん!!」
ヨッコ「あ、そうそう。すあまちゃんだって、え!?」くるっ
ズドドドドドドドド
(猪和尚を戦闘にトンネル内を突進して来る破戒僧の集団)
ヨッコ「なっ」
アルル「もぉ!なにしてるんです!?ヨッコ!」ガスーン(ピッケルを使って登ってきた)
夜叉亥「ブホ」(いきなり目の前に立っている猪和尚)
アルル「きゃあああああああああああああああ」(トンネル内に響き渡る悲鳴)
ヨッコ「ちょっと!なんなのあんた達変態っぽい格好して!!変なことしたら金取るわよ!!」じりっ(アルルと抱き合いながらたじろぐ)
すあま「校長先生の命令なんや・・・みんなで逃げろって・・」しょんげり
ヨッコ「校長?て、そうだ!すあまちゃん、モミジィ見なかった!?」
すあま「え・・モミジィさん・・・おらんかったけどな・・」
ヨッコ「・・・・OK!話は下に降りてから!あ、それから!」ずい(猪和尚に近づく)
夜叉亥「ん?」
ヨッコ「あんた達は強そうだから、あたし達をおぶって降りてくれるかしら♪」ぐん(たじろぐアルルの肩を抱きながら言う)
夜叉亥「ボフッ」(やれやれ的なボフ)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(滝前にポツンと置かれた大樽)
玄竜「さて・・問題はこいつをどうしたものか・・」
ミッチ「ほんとに爆破するんすかね・・」スッ(猫耳を大樽に当ててみる)
ゴポゴポゴポゴポ・・・・・
ミッチ「ひっなんか混ざり合ってる如何にもヤバげな音がするっす!!」
アルテミス「爆破は刻一刻と迫ってるってわけか。どうすんだい?ファーザー。下手に刺激を与えればドカーンだよ?」
幻竜「・・・・・・・・・・・・・・」
ミッチ「自分は最後までオトモするっすからね」ふん
アルテミス「乗りかかった船だ。派手にいこうじゃないか」
玄竜「・・・・・(息子よ・・・お前は実に頼もしい仲間をもったものだな・・)」クッ(空を見上げる)
モミジィ「玄竜殿!!早くお逃げなされ!!」ぼこーん(突如、一同が立つ中心の地面から飛び出てくる)
玄竜「!?」
ミッチ「なっ・・モミジィ殿」
モミジィ「早く逃げるでごニャる」ガシャーン(背中に背負ってた風呂敷を下ろす)
玄竜「なんだ?それは」
モミジィ「それがしお手製のオトモ装備でごニャる」バサッ(風呂敷を広げる)
チラリ~~~ん
(てっやてやの新品のバンギスネコメイル)
ミッチ「お~!カッコイイ♪」
モミジィ「元はBBBより制作依頼を受けていた特注のバンギスネコメイルでごニャる。そんじょそこいらの火力兵器に耐えられる強度を持つ逸品でごニャる♪」
玄竜殿「まさかモミジィ・・それを着て・・!?」
モミジィ「今日この時の為に、早急に鍛冶をしてきたでごニャるよ♪」ガチャリ
ミッチ「ということは・・」
モミジィ「老兵にしか出来ない最後の大仕事、はじめるでごニャる」カチャ(それを着ようとする)
「待ちな」
玄竜「ん・・?」くる
シュン
モミジィ「え・・?」
ドスン(黒い猫手に腹を殴られるモミジィ)
モミジィ「な・・・トリプル・・ビー・・・・」ガクン
BBB「わりぃな、爺さん」とすっ(気絶したモミジィを支える)
ミッチ「BBB殿・・・!」
BBB「ミッチ、爺さんを頼む」スッ
ミッチ「うっす・・・ですが、何を!?」
アルテミス「爺さんと同じ考えだろ?爆弾を抱えて川にでも飛び込もうってね。あと、ファーザーも・・最初からそのつもりだったんだろ?」
玄竜「・・・・・・・・・」
BBB「図星だったようだな。水中で自分が樽を抱え込んで、爆破の衝撃を少しでも抑えようって?だが、こいつは俺専用に出来てるんでね」ガチャリ・・(バンギスメイルを装着していく)
アルテミス「待ちなよ。爆弾ならあたしが何処かに運んでやるよ。それなら・・」
BBB「その途中で爆破したら?自慢の硬度を誇るあんたの甲殻でも木っ端微塵だろう。それに、あんたが死んだら旦那やカーブーの野郎が悲しむぜ」カチャリ・・カチャリ・・
アルテミス「・・・・だからってあんたが逝くことないだろ!?」
BBB「みんな同じ考えなんだ。UBUの奴が聞いたら感動して、ぎゃあぎゃあ喚くぜ。きっとな」ガシャーン(最後のパーツをはめる)
ミッチ「おお!!」
バベーーーーーーーン!!
BBB「いいフィット感だ。感謝するぜ、モミジィ」チラリ~ん
玄竜「お前のプランを聞かせろ。黒猫」
BBB「ササユちゃんの話しじゃ、こいつの中身は危険な化合物同士が混合しあってるって言うじゃねぇか。激しい振動を与えたらそれこそ爆破の時間を早めちまう。運搬で移動させるにしても、慎重にやる必要がある」キュッキュッ(腕を曲げたりして装着時の可動範囲を確かめている)
ミッチ「確かに・・そうこうしてる間に農場内で爆破しちまったら、元も子もねぇっすね」
BBB「だからだ。俺に考えがある」ギュッギュッ
玄竜「どうするというのだ?」
BBB「いいからよ。これは俺の仕事、いや・・天命だっていうんだよ」ブンブン(腕を回している)
阮白玄「そうだ。天上にて巨大な爆炎に包まれる、一匹の人身御供の黒猫の姿が見える」
BBB「予言なんて信じてなかったんだがな」フッ・・
ミッチ「??」
BBB「アルテミス、とっととこいつらを連れて逃げな。もう一人、うるせえのが来やがった」
アルテミス「え・・・?」ちら
サムソン「こりゃ~!!皆、死ぬ気なら私も混ぜてもらおうかぁ~!!」ダッダッダッダッダッ(架け橋をやたらと姿勢の良いスプリントで駆けて来る)
ミッチ「サムソン殿・・」
玄竜「どうやら無事に解毒出来た様だな」
アルテミス「まったく。なんだってこの村の老兵はこぞって死を望むんだろうね。だから人型ってやつは」
タッタッタッタッタッタ・・
(サムソンが一同の下に到着する)
サムソン「へぇ・・へぇ・・・噂の爆弾ってのはどこだ?」ぜえ・・ぜえ・・(両膝に手をついている)
ミッチ「それなら・・」ちら
・・・・・・・・・・・・・・・
(さっきまでポツンと置いてあった大樽がその場にない)
アルテミス「ちょっと!!」
ミッチ「へ?」くる
ズドドドドドドドドド
(大樽を頭の上に抱え農場の奥へと駆けて行くBBBの後ろ姿)
ミッチ「BBB殿!!」
アルテミス「あんたバカかい!?そんなに揺らして運んだら・・・はっ」
ズドドドドドドドドド
(BBBが抱える爆弾は微塵も揺れていない)
アルテミス「嘘だろ・・・」
サムソン「そうか・・ネコの運搬の超人か!!」
ミッチ「うっす!!常日頃、鍛えあげられてるBBB殿の豪腕ならば、更にグレードアップは可能!!樽には一切の振動すら伝わっていないはずっす!!」
BBB「わりぃなぁ!!おめぇらのプランじゃ、この農場を・・あいつが命の次に大事にしている、俺達の憩いの場を崩落させちまう可能性大だからな!!俺の好きにさせてもらうぜ!!」ズドドドドドド
~集会浴場
麻生「BBB・・・あいつ、何を考えているんだ!?」じー(双眼鏡で農場内を見ている)
チェルシー「パノおねえちゃま!!おじちゃまはどうなっているのにょ!?」グイッ(同じく双眼鏡を覗くパノの足元でその袖を引張る)
パノ「・・・・・・・・・・」じー
BBB「うおおおおおおおおおおおお!!」ズドドドドドドド
ミッチ「どこに行こうってんすか!?」
サムソン「あれを使う気だ!!」
バアアアアアアアアアアン!!
玄竜「そうか・・空中爆破なら一切の損害はない!!」
ミッチ「でもどうやって飛ばすんすか!?」
BBB「こうするんだよ!!」グン(シーソーの前で大げさに樽を掲げてみせる)
コトン(超慎重に樽をシーソーの上に置く)
サムソン「でかしたぞ・・!あとは片側に飛び乗って樽を上空高くに飛ばせば・・!!」
ミッチ「村は救われる!!」
アルテミス「でもさ・・」
玄竜「ん・・?」
アルテミス「爆破のタイミングが合わなくて、農場に戻ってきちまったらどうすんのさ」
一同「あ・・・」
サムソン「待てBBB!!早まるなぁ~!!」
BBB「言ったろ!!俺にはプランがあるってね!!」バッ(樽が乗っていない方のシーソーに向かって飛ぶ)
ミッチ「南無三!!」きゅむっ(目を閉じる)
BBB「飛びやがれぇええええええええええ!!!!」
ダン!!(力いっぱい両足の肉球をシーソーに叩きつける)
ギュオオオオオオオオオオオオン
(まるで打ち上げ樽爆弾の様にまっすぐ上空へと飛んで行く大樽)
アルテミス「飛んだよ!!」
サムソン「あとは運に身を任せるしか・・・ん!?」
BBB「ヘッドライナーってのはワガママでね!」ダン(シーソーから飛び降り、拳を地面に付け着地する)
サムソン「なにを!?」
BBB「大トリってのは、人一倍目立たねぇと気が済まねぇんだよ!!」グン(力一杯踏ん張る)
ビョオオオオオオオオオン
(勢いを付けてジャンプする)
ミッチ「すごいジャンプ力っす!!」
アルテミス「でもどうするってのさ!?」
ギューーーーーーーーーーーーーーン!!
(目の前に飛ぶ大樽を超える速度で追尾していくBBB)
BBB「・・・・・・・・・・・」ゴオオオオオオオオオ
サムソン「やはり・・・」
ミッチ「え・・」
サムソン「あやつは元より死を覚悟していたんだ」
BBB「おらぁあああああ!!もっと飛ぶぞぉおおおおおおお!!」
ガシッ(両手を広げ空中で大樽をキャッチする)
ズギューーーーーーーーーーーーーン!!
(BBBの推進力と共に急上昇していく大樽)
アルテミス「自分が加速装置となって、更に上空にあげようってのかい!?」
ミッチ「サムソン殿!!」グイッ
BBB「もう間に合わん・・・我らはあの漢を見守ることしか許されんのだ・・!!」
「あたちのモンハン日記」
~Sanctuary of extinction~
ズギューーーーーーーーーーーーーン!!
(急上昇の風圧に瞬き一つせず、ただ髭だけをなびかせながら樽と共に上昇していく屈強な黒猫)
チェルシー「農場からなんか飛び上がってきたにょだ!!」
麻生「BBB・・あいつめ・・・死ぬ気だ!!」
チェルシー「え・・」
パノ「・・・・・・・・・・・・」じー(顔色一つ変えず双眼鏡を覗いている)
ギューーーーーーーーーーーーーーン!!
(パノの双眼鏡ビューに映るBBBは樽を抱きかかえ急上昇していく)
チェルシー「あれは・・・おじちゃまなにょ・・?」
パノ「・・・・・・・・・」
BBB「・・・・・・・・・・・・!!」パクパク(上昇しながらこちらに向かって何かを叫んでいる)
チェルシー「ねぇ!パノおねえちゃま!!」グイグイッ
パノ「チェルシーの・・・・」
チェルシー「え・・・」
BBB「・・・・・・・・!!」パクパク
パノ「チェルシーのお守りを頼む」
チェルシー「!!」
ズギューーーーーーン!!
BBB「ウオオオオオオオオオオオオオオ!!どうせ俺は獄中で死んでいた身!!少しでも生き永らえたこの生命を大陸に、そしてお前に還してやるぜぇえええええええええ!!UBU~~~~~~!!!!」
チェルシー「おじちゃまああああああああああああ!!!!!」
カッ
チェルシー「!!」
パノ「・・・・・・・」
ドゥオオオオオオオオン!!
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次回「あたちのモンハン日記」ザ・中継ぎ記事はぁ~!!
1/14(水)0時更新 何をやるかは未定の予定
をお送りします♪次回も読もう乗ろう
寝よう
遅刻しよう
↧
「天命だっていうんだよ」の巻
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